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表題作もう一度好きになる

樺島匡 製薬会社MR(30歳)
浦沢ひなた レンタルビデオ店バイト(26歳)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

製薬会社に勤める恋人、匡と同棲中のひなただが…最近、匡は忙しくてすれ違いばかり。
そんなある晩、ひなたはバイト先のレンタルビテオ屋で痴漢に遭遇。
しかも、数日後また夜道で襲われかけたところを偶然、元カレの康生に助けられ…。
温かい匡の腕に抱かれたくて…でも逢えなくて…ふと揺れてしまうひなたの心。
ほろ苦甘い大人の関係は思わぬ方向へと…!?じんわりやさしくショコララブ。

作品情報

作品名
もう一度好きになる
著者
谷崎泉 
イラスト
藤河るり 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ・ノベルズ
発売日
ISBN
9784872574302
2.5

(2)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
4
評価数
2
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

サラリーマン×フリーターの日常もの。

谷崎先生の“ヤクザもの”が大好きですが、こちらは自分の中では谷崎作品初の“日常もの”です。
最初からカップルが出来ていて、既に付き合いは2年目で同棲中で、案の定、昔の恋人の出現+彼の仕事が忙しくて寂しい・・の鉄板話。
が、これが案外好みでした^^

受けのひなた視点なので、ひなたのエリート兄「霙(みぞれ)」や元彼「康生」に振り回されたり、バイト先の強烈キャラにからかわれたり、大人しめな彼「匡(たすく)」を差し置いて、サブキャラが出張りまくっています。
それらの人に付き合って、ひなたがいろいろ悩んだり面倒だったりするのだけど、作品の良いな~って思うのは、一息付く場所は必ず彼の元っていうところでした。
匡が大人で実直で癒しキャラで安心して見ていられたし、ひなたのツンツンになった気持ちを静める度に、こちらも小さな安らぎを貰える様な^^

あとがきで、ひなたの心が匡から離れなくて只のラブラブ話になってしまった・・とありました。
小説にするには大人しい題材かも知れないけど、自分は、それがカップルの通常だと思うんです。
付き合い2年の大人カップルで、日常茶飯で大事件が起きたり盛り捲る方が珍しいじゃないですか。
こちらは、派手さは無いけどリアルさがある佳作という位置だと思います。

0

今の男と昔の男。

イヤもう、攻キャラクターの存在感があまりにも薄過ぎてどうしようかと思いました。

というより、匡(攻)が仕事ばっかりしてて常に(家にもだけど作中に)不在って感じだったんです。『存在感』の問題ではなく実際に『存在』がないんですよ。

身も蓋もない言い方になりますが、私はBLに現実味(リアリティ)なんて求めてないんです。
まあ、一応その設定ならではのキャラクターが欲しいとは思いますけどね。オフィス(お仕事)ものなら社会人としてあまりにもいい加減なヤツはイヤだとか。←とはいえ『お仕事もの』自体がものすごく苦手ではあるんですが、

ただ、確かにくどくどしいお仕事描写は邪魔でしかないんだけど、(私の好みではまったくないものの)『お仕事もの』にはまだそれなりの意味があるとは思いますよ。

でもこれ、そもそもお仕事ものじゃないでしょう。
それなのに、ストーリーやラブの本筋とは別のところで単に『仕事に追われてるだけ』のメインキャラクターって何なの?

2人の間に『隙間』を作るための演出にしたって、ここまで仕事ばっかり(しかも『仕事してるんです』というだけ)でラブにお留守なキャラクターはどうなんだとうんざりしました。

私は、匡のキャラクター自体は悪くないと思うんですが、それにしたって魅力が見えるほど出て来ないのがなあ。


ストーリーとしては、同棲して2年の彼氏・匡が忙し過ぎてすれ違いが続く中、5年前に3ヶ月付き合って別れた元彼(既婚者)が現れて・・・

設定からは、この2人の間で揺れる受というのが定番なんでしょうがまったく違いました。そもそもひなた(受)の気持ちが揺れていないので、元彼は当て馬にさえなってないし。

ドラマティックな展開がなくて物足りないと言えるのかもしれませんが、その分安心して読めます。
淡々とした地味な日常のストーリーですが、私はそれはむしろ好みなのでいいんです。

決して『これもうダメ!』じゃないんですよ。個人的に苦手な受一人称でさえなければ『(限りなく中立に近いけど)萌』でもよかったかな~と思うくらいには。

作家自身も言ってますが『脇役萌え』とでもいうのか・・・無駄に脇キャラクターに力入ってると感じることが非常に多いです。
脇に魅力的なキャラクターを持ってくること自体はいいんですよ。それがストーリーに深みを増してたら素晴らしいと思う。

でも、私は逆に『こんなに脇に注ぐエネルギーあるんなら、メイン(のキャラクターなりラブ)をもっとなんとかしてよ』と思ってしまうんですよね、大抵の谷崎作品の場合。

個人的に、谷崎作品では脇キャラクターがプラスよりマイナスだと感じることがほとんどです。
脇のキャラクターそのものがどうこうというよりも、メインのラブを押しのける勢いでごちゃごちゃ詰め込み過ぎで、焦点がボケるというのかなんとも散漫な印象を受けるんですよ。

こちらでは、ひなたのバイト先のメンバーもすごく鬱陶しいし、兄の霙も・・・ここまでストーリーに関わらせる必要あったの?
私がこの霙みたいな傍迷惑なキャラクター(でも谷崎作品には珍しくもない。メインじゃないだけまだマシか)が大キライだというのも大きいんですが。
あくまでも『脇は脇』だと言っちゃあオシマイでしょうか。メイン(のハズ)の匡があまりにも出て来ないから余計にそう感じました。

う~ん、ホントに基本的な部分からしていちいち合わないなあ。

あとはイラスト。
申し訳ありませんが、個人的にかなり苦手なタイプの絵柄でした。

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