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表題作CROQUIS~クロッキー~

梶慎司 美大生(21歳)
佐々原凪 美大モデル

同時収録作品僕の初恋について / 僕の初恋についてⅡ

同時収録作品星に願いを

大樹 天文部長・高3
真山聖 幼馴染み・高1

その他の収録作品

  • CROQUIS vol.2・3
  • CROQUIS せわしないひとたち
  • あとがき

あらすじ

絵のモデルをしている凪は、美大生・梶とつき会い始めた。だが関係はキス止まり。実は梶にはちょっとしたヒミツが…!?表題作ほか読み切り2作品、描き下ろし1作品を収録。

作品情報

作品名
CROQUIS~クロッキー~
著者
高永ひなこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344804296
3.5

(13)

(0)

萌々

(7)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
46
評価数
13
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数7

あまりにもトーンの違う作品集。

表題作(シリーズ)は、読みかけてまず『これBLとしては一種の反則なんじゃ?』と感じてしまったくらいで(それが悪いというわけではまったくないです。単にえ!?とびっくりしちゃっただけです)、凪(受)がとりあえずおかまちゃん(として描かれてるキャラクター)です。

『女の子になりたい』と性転換手術(?)の費用を貯めるためにゲイバーで働く他に美大のモデルのバイトもしていて、そこで美大生の梶(攻)と知り合うんですね。

でもこれは、最初に驚いた『おかまちゃん』という設定がよく生きていると思いました。そして、読んでみたらBLとしても十分面白かったですよ。

まあ細かいことに突っ込むなら、凪が『女の子になりたい』というの自体がちょっとどうなんだろうというか、本当の意味で『心は女の子(性同一性障害っていうんでしょうか?)』ではないんですよね?単に身体だけ女の子になりたいの?そのへんは確かに疑問ではありましたが『BL・フィクション』として流せる範囲です、私にとっては。

ちょっといろいろ可愛すぎなので読み手を選ぶ気はします。凪が『女の子みたい』な理由というか必然性がきちんと提示されているので、そこに拒否感を示す方には無理かもしれませんが、私はむしろ好きです。

ところで同時収録作ですが・・・

『星に願いを』は、ハッキリ言ってあまり印象に残りませんでした。決して悪くはないんですが、表題作シリーズともう一つの収録作のあとに持ってこられちゃ~可哀想だな、と。こんなひとことで切ってごめんなさい。

さて、問題は『僕の初恋について』(ともうひとつ、書き下ろしの相手視点『僕の初恋についてⅡ』)は・・・コレ個人的に評価がすごく難しいんです。

純粋に『作品』としてなら本当によくできているし、こういう切ない雰囲気は大好きです。傑作だと思っています。

ただ、BLとしては評価不能ですね。
私はBL(ラブストーリー)は『ハッピーエンド至上主義』なんです。どれだけ作品として素晴らしくても(実際素晴らしいとは思ってますから)『ハッピーエンドじゃない』という1点だけで『BLとしては』許容範囲外なんです。

これはなんというか、作品の出来不出来や好みとは全く別次元で、後味が最悪なんです。いや、そう言い切るのも苦しいくらいにいい作品なんだけど!

う~ん、どうも上手く表現できなくて申し訳ありません。
とにかく、私と違って『アンハッピーでもOK』な方には是非読んでいただきたいです。そこを気にしないのなら、本当にイイんです!それだけは言っておきます。

2

同級生モノが良かった

表題作「CROQUIS」(美大生×フリーター)が4話+短編「僕の初恋について」(高校の同級生モノ)が2話+短編(幼馴染モノ)が1話…という構成です。

「CROQUIS」
とても平和で可愛いお話でした。個人的には凪がニューハーフ志願というのが良かったです。BL界隈では「オカマ」「ニューハーフ」ってあまりお目にかからないのですが、実際は「女の子になりたい」という願望はあって当然かも…という気がするので。初めてのエッチに邁進する二人が可愛かったです。

「僕の初恋について」
高永ひなこさんの作品は最近まで読んだことがなかったのですが、絵も綺麗で読みやすく、ノリも明るめなので結構好きです。加えて、この作品はとても切なく、報われそうで報われない恋心が胸に響きました。この作品に★1つプラスです。二人は…この後どうなるのかなー。何もない気もするし、BLドリームが許されるなら初恋が成就してほしい気もします。

1

著者には珍しい

まず表題作…
主人公(受)が、性転換手術を考えているというのは、BLとしては珍しいパターンなんだと思う。
すごく中性的で、彼をモデルにして「天使」の絵を描いたら似合いそう。
そもそも著者の描く登場人物は、可愛らしいタイプが多いから、違和感はない。

されど色々悩んでいる姿も深刻には見えず、お姉様方が「苦労知らず」と言って八つ当たりするのもわかるような気がする。
その分、著者のほのぼのとした雰囲気を味わうにはぴったしの作品。

逆に同時収録作品の「僕の初恋について」は、アンハッピーな「かなわぬ恋」を描いており、非情に切ない。
あとがきでも書いているが、著者には大変珍しい作品。

でも私の好みは断然こっちなんだよねぇ。
この作品がなかったら、この高評価はつけなかった。

私にとってのBLは、NLでは味わえない「葛藤」あってこそのもので、ハッピーエンドである必要を感じてない。
(一般のBL好きとは相容れない感覚だとは自覚してますが)

なのでこれを読んで、「あぁ、これこそBLだわ」とかえって感動してしまったのです。

高校時代、実は両想いだった二人。
告白しようと決意したこともあったのに、運命のいたずらでそれが叶わず、逆に女性とのお付き合いが始まり、今では結婚も考えている仲に。
高校卒業してから6年後、同窓会で再会した時、二人とも当時を引きずっているのに、やっぱりその事には触れず、連絡先を交換するだけ。

二人それぞれの視点で描いているのだけど、私の胸はキュンキュンしました。

同性どうしだと、リアルではまずは告白できないよなぁ。
でも、告白しないとたぶん始まらないのです、同性だと…

異性だったら、この作品のように些細なことがきっかけで、何となく付き合い始めて、何となく結婚に至ってしまうケースは多々あることでしょう。
告白なんてしなくても、成立してしまうかもしれない。

同性だと「何となく」なんてまずありえ無いんだよねぇ。
私の萌えポイントなんだな、おそらくここが…

0

男だとか女だとか

男の子を好きになるのは女の子の特権。
最近のBLはもう、女の子どうとかなんて考えなくなって来てますので、ちょっと懐かしい感じで読みました。ライトBLという感じで面白かった。
代表作『クロッキー』は、昔から好きになるのは男の子ばかりだった凪。
その片思いが叶った事はない。
男の子を好きになれる特権をもっているのは女の子。
だから、女の子になろう。懸命にバイトで手術費用をためようとするが、その最中バイトのひとつ、絵のモデルの仕事でであった視線の先に・・!?
という感じのお話。
『オカマ』と言う言葉が多用されていますが、時代的背景もあるんですかね。
私の中では、性同一性障害と同性愛は違うと思っているのでイマイチ、こんかいの設定はピンときておりません。本当に女の子になりたいのだと最初はおもってたのですが、男の子を好きになれるのは女の子だから女の子になりたい。
いまだになぞ。
初恋の話。これ結局はくっつかないまま終わってしまいます。
すごく胸に刺さって印象的な作品ではあるんですが、ものっそ切ない。
?の方では、最初に思っていた黒髪君の叶わない初恋だったのに、?で、実は相手も淡い恋心を抱いていて・・というのが恐ろしく切なさを倍増させてくれます。
結局数年後の再会をしたあともくっつかず。気持ちを出さず。
どんだけ切ないのよと。
こうなったら妄想でがんばるしか有りません。
どうかいまさらですがスピンオフをおねがいしまry・・・・orz

4

CROZUIS~クロッキー~レビュー。

貧乏美大生×純情オカマちゃんのお話。

多分、美大生とかデザイン系学生だったら「あー!だよね!高いよね!」と画材や制作費云々のあるあるネタに共感すると思う。B全パネルでかくて移動の時邪魔なんだよーとか。
高永さんは美大の油画出なんですね、色使いが凄く好きっ。そして他の作品でもたまに出る名古屋地名にドキドキしてしまう。うわ、そこら辺よく知ってるよって。

表題作の受け子ちゃんは性格も容姿も可愛い顔です。ニューハーフーショーでバイトしていたり、周りに居る仕事仲間も女の子になりたい人ばかり。なので女子高ノリみたいに女の子っぽい子ばかりかなーと思ったら女性特有の陰湿なイジメとかもあってコレってBLだよなと読んでいて若干混乱します。

受は、他のニューハーフ仲間の体験談を聞いて「自分も本番になったらきっと気持ち悪いって嫌われちゃう!!」って本気で思って常に女の子になる為にお金ためてます。
攻は真面目で元はノーマルなのに何故かアッサリと受の事は好きになりました。
顔はそこらの女の子より可愛いし、グラリとくるよね。

制作費の為に貧乏美大生な攻と手術費用を溜める為に節約中の受。
お金が無くても、男同士でも、愛があればそれで良いってメッセージ性がチラホラ窺えるお話でした。

同時収録の短編集はちょっと切なかった。
結局、くっ付く事が出来なくて、未熟な恋愛をしていた2人の話です。

2

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