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表題作クロスロード

彰 リーマン
歴也 リーマン

その他の収録作品

  • 安らげる場所
  • LOVE

あらすじ

上領は会社を辞め、歴也は恋人である執行と一緒にいる時でさえ上領の面影を追っていた。それにジレンマを感じながらも、もう恋で苦しみたくないと自分の心をごまかす歴也。だがある日上領から「会えないか」 と電話がかかってきて。「抱きしめたい」シリーズついに完結

作品情報

作品名
クロスロード
著者
榊花月 
イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
抱きしめたい
発売日
ISBN
9784813010333
4.5

(6)

(4)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
27
評価数
6
平均
4.5 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数3

元祖・俺様×天然カップル

『抱きしめたい』シリーズ、ようやくの完結編です。
シリーズタイトルは『彰&歴也』→『抱きしめたい』→『歴也&彰』→『抱きしめたい』と変遷(『因縁のロマンス』は単なるサブタイトル?)。
このシリーズにはかなり振り回されました。

まず新書版が4冊発売。
上領は榊さんの初期作品の攻めを象徴する人物です。
浮気性なのに嫉妬深い。
愛しているのに受けをいじめて楽しむ。
でも可愛げがあって魅力があるんですよね。
なかなか本心を見せないつかみどころのない歴也を、妬かせたくて気を引きたくて、浮気を繰り返す。
歴也は彼を好きだから許してきたのに、上領には歴也の態度は冷めているように映っていた。
そして心に穴の開いた男・羽鳥に惹かれ、歴也との高校時代から7年間も続けてきた関係にピリオドを打つ。

ここでしばらく続きが出なかったので、別れて終わりだなんて・・・と悶々としていたら、文庫版が3冊発売。
しかし一向に復縁しません。
それどころか歴也まで他の男と付き合い始めます。
歴也と上領のドロドロ具合は好きでしたけど。
あまり出番はありませんでしたが、個人的に隆一がお気に入りだったので、司ではなく彼を歴也にからませて欲しかったです。
いまいち何のために登場したのか分からない存在になってしまった。


そして新装版が5冊発売。
『恋してるとか好きだとか』も中途半端なまま終了したので、続編はもうないとあきらめていました。
「我が道を行く」なあとがきを書かれるから、何となく榊さんには何も期待してはいけないと思っていましたし。
新装版は書き下ろし付きの傑作選なので、旧版が全て収録されているわけではありません。
でもきちんと完結させてくれました。
あきらめていただけに、どれほど嬉しかったことか・・・!

追いかけるタイプの恋愛をしてきた上領。
歴也を捨ててまで選んだ羽鳥を喪い、疲れた彼は自分を愛してくれる女性との結婚を決意する。
上領の心をいつまでも縛るのは羽鳥ではなく歴也。
付き合い始めた当初からお互いを深く想い合っていた二人なのに、全く分かり合えず傷付け合ってきた。
過去に歴也は上領に「好きだ」と言ってますが、上領は自分が強引に言わせたと思っていたのでしょうかね。

結婚式当日の歴也の告白。
ぎりぎりのところまでやって来て、やっと伝えられた言葉。
遅いです。
でも上領は歴也の手を取ることを少しも迷いません。
10年かけて真実結ばれた二人。
ああ、本当に最後まで読めて良かった・・・。

4

シリーズ最終巻

抱きしめたいシリーズの最終巻です。
大好きなシリーズです。
キューンとしました。
いい最終巻でした。
読んで良かった。

高校時代から、七年もの長きに渡ってつき合って別れた二人。歴也は違う恋人を作っている。彰は婚約する。すっかりバラバラです。
別れて三年して、二人は再会します。
彰は歴也に結婚することを告げ、晴れ晴れした顔で、思いを語る。
『十年だよ。十年かかって、未だに俺は、俺はとうとうお前から愛されなかった』
『さよなら歴也、愛してた』

彰が浮気しても、嫉妬の片鱗も見せなかった歴也。
歴也は彰を束縛せず、流れに逆らわず、自分を守っていたのだ。
彰は彰で、浮気することによって、自分を守っていたんだけど。
すごいすれ違いです。
死ぬほど身体を繋げてたのに、互いの本心がまったく見えてなかったのだ。
付き合ってるあいだ、浮気ひとつしなかった歴也と、何度も何度も『愛してる』と告げていた彰。
方法は違うけど、相手に本心を伝えてるつもりでいて、その実、相手には伝わっていなかったのだ。

歴也が『浮気したら死刑』って彰に告げたとき、涙が出ました。こんなの恋人同士なら当たり前のセリフなんだけど、シリーズをずっと読んできたら、この深さが分かる。
この二人はもう大丈夫って思えた。
彰と歴也は、これからもいっぱい喧嘩して、いっぱい幸せになって欲しいです。めっちゃ感情移入しました。
執行がちょっと可哀想だったけどねぇ…。

2

おめでとう、ではあるけど

最終巻、なんだかんだであっという間でした。
私の好みは置いといて、
歴也から彰を消すなんて到底不可能だったわけですね。
東京に戻って来られた執行司の切ないことよ…。
やっぱりいつまでも彰の代わりだなんてしんどいに決まってる。
歴也が口に出さなくても、本当に好きな人のことだからわかってしまうなんて
悲しい恋をしたものだ…。
だからこそ送り出せたその男気!!!
素敵な年下攻め(当て馬だけど)を読めて嬉しかったです。
執行司、ありがとう…!!
藤井ちゃんも本当に気のきくいいコで
司同様、誰かと幸せになってほしいと心から願ってしまいます。

彰はやっぱり彰だったな…。
自分で結婚が決まったからって連絡してくるなんて
更にはその婚約者と会わせるなんて。
ていうかここは歴也もよく会う気になったな…。
実際素敵なお嬢さんではありましたけども。
「忘れられない人がいる」と彼女に打ち明けたのは
誠実さからなのか狡猾なだけなのかもうわかりませんが
それでも破棄されるなんて思っていなかったでしょうに。
歴也に「俺はとうとうお前から愛されなかった」と言っていたのは
やっぱり自分勝手だと思ってしまいました。
誰のせいで素直に表現できなかったかわかっていないんじゃないのかな。

酒に逃げる歴也が可哀想でしたがよく自ら止められたものです。
司の後押しがなければもしかしたら決意出来なかったでしょうから
どう考えてもやっぱり司の方がいい男なのに!!!
式当日ってところがドラマティックではありますが
周りの人々がお気の毒…………。
誰かを傷付けてまでも選んだんだから
今度こそ捻くれた言動はおよしなさいね…。

二人のラブラブな生活っぷりも読めるのは良かったですが
抱いている時「スキモノだな、歴也」だなんて
どうしてそういう貶めるようなこと言うのかなー…。
彰だから、の一言で済みそうですがやっぱり嫌だな…。

とうとう最後まで彰の魅力がわからなかった私ですが
歴也が後悔せずいられればそれで充分です。
それに、今では働く意識が昔とは違うようですし。
ずっと読もう読もうと思っていたのでひとまずほっとしました。
とにかく執行司に幸あれ!!!!!!

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