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表題作忘却の夢 傾城秘話(3)

場で人を殺すしかなかった常盤
色子として生きるしか術がない夕霧

同時収録作品逢引

猫柳
珊瑚

その他の収録作品

  • 真実の空言
  • たったひとつの
  • 薄闇の紅

あらすじ

男達が一夜の夢を買う傾城屋「玉鈴楼」で働く色子の夕霧は、戦場で傷を負った兵士・常磐を助ける。夕霧のはからいで傷が癒えるまで、「玉鈴楼」に身を寄せることになった常磐。男娼の存在を初めて知った常磐はある日、夕霧が客をとっている姿を見てしまい…。

作品情報

作品名
忘却の夢 傾城秘話(3)
著者
ヒマワリソウヤ(日輪早夜) 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
ミリオンコミックス HertZ Series
シリーズ
籠の中で 傾城秘話
発売日
ISBN
9784813009979
4.1

(7)

(3)

萌々

(2)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
29
評価数
7
平均
4.1 / 5
神率
42.9%

レビュー投稿数4

名作

時代背景としましては中東?日本じゃないけどアジア風味というところでしょうか。
各地で戦乱が繰り広げられ、飢える人も多い中、金持ちがのさばる~みたいな時代。
そんな時代、色街に行き倒れる男が居た。それが常盤。
ソレを拾ったのが色子として働く夕霧だった。

時代が時代だけに生きるのに必死なわけですよ。
常盤は、もともとは普通の百姓だったんです。少しでも生活を良くしようと戦場に出たわけね。でも、村に戻ってみれば村討にあい、村は無残な姿になっていた。愛していた妻も殺され無残な姿で。
んで、敵を討ちたいと思ったまま、行き倒れ。

夕霧は色街で働く男娼。小さい頃に口減らしで働きに出された先で犯され、その犯された男の下に見受けされたんだけど、飽きたら娼館に売られて~今に至ると。
それでもケナゲに毎日働いているわけです。

そんな二人~な話。
ちょっと複雑な時代背景のせいで、暗く残虐な世界の中で生きる二人が凄く上手く描かれた作品です。

身売りする男娼とか、凄く切ない設定がおおいなか、今回も叱りです。しかも、恋をしてしまったのは、夕霧。
ボロボロ泣きましたこの作品。
明るく振舞う夕霧の本当の気持ちにボロボロ(;w;)
続き物なので、4を用意してお読み下さい。

3

運命の出会い

日輪さんの作品で、2番目に好きな『傾城秘話シリーズ』第3弾です。遊郭で逞しく生きる少年たちのお話です。今回から夕霧が中心のお話になります。ちょっとシリアスな部分が多くなります。

大切な人を殺された常盤と色子の夕霧、そして夕霧の客の緋星。3人の思いが交差して、ストーリーは進みます。
復讐だけを生きがいに、毎日過ごしている常盤が切ないです。常盤の役に立ちたい、復讐なんてやめさせたい、奥さんを忘れてほしいと切に願う、夕霧の姿に胸がキュンキュンします。そして、夕霧を想う緋星。
それぞれが違う相手に片思いしていて、幸せな未来が見えずに胸が痛いです。

明るい話では、珊瑚が大きくなって医者(見習いだけど)として働いていたのが良かったです。猫柳ともラブラブな様子にニヤニヤしました。

1

3人の切なさが入り混じっています。

『籠の華』と同じように、中国や中華風の作品を探していた時に知りました。


『忘却の夢』、『真実の空言』、『たったひとつの』、『薄闇の紅』
兵士の常磐と、色子の夕霧のお話です。
亡くなった奥さんのことを想っている常磐に
密かに思いを寄せている夕霧がとても切なかったです。
玉鈴楼の主人の「死人には勝てない」「そういうもんだよ」
っていうセリフは深いなーと思いました。
夕霧の恋の難しさや立ちはだかる壁が、
その一言に凝縮されていると思いました。
夕霧の常連客である緋星が途中で暴走してしまったので、
これから三角関係が複雑に拗れてしまうのか?
と気になりました。

『逢引』
猫柳と、医者の卵で医学を勉強中の珊瑚の番外編です。
タイトル通り、逢引のお話です。
終始 甘々で、ご馳走様ですって感じです。

あとがきの4コマ漫画「彩乃屋の主人と玉鈴楼の主人」が
面白かったです。
常磐が色々と想像してしまったのですが、
私も彩乃屋の主人と玉鈴楼の主人の
2人の関係が気になっていました(笑)。

あとがきで、
「表紙絵を塗っている時に猫がカラーインクを
原稿に飛び散らせてしまった」
と書いてありました。
それまで全く気が付かなかったので、
表紙絵をよく見てみると、確かに跡が残っていました。
というか、あれはスパッタリングやエアブラシなどの
技法で描いていたのだと思っていました。
この跡も、けっこう良い味を出しているので、
跡の残った表紙絵は、私は良いと思います。


今回の評価は「萌」と「萌×2」で迷いました。
気持ちは「萌×2」に近い「萌」です。

1

別世界がちょっと覗けるストーリー

男娼の夕霧と怪我をして倒れていた常盤のお話。

夕霧が男娼という仕事をしているんだけど
決して卑下する事なくとっても明るい。
だからか、暗い重い雰囲気ではなく読めます。

でも途中はとってもせつないです。

夕霧の気持ちや常盤の気持ち。
それに夕霧を買いにやってくる緋星の気持ち。
みんなが色々なものを抱えて、
周りの事を考えて我慢して。
読んでいるとその気持ちが見えて
せつなくなります。

壱・弐の主人公である珊瑚と猫柳のストーリーも有り。
こちらはちょっと笑えます。

0

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