太陽の下、風に吹かれ

太陽の下、風に吹かれ
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レビュー数
1
得点
3
評価数
1件
平均
3 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
芳文社
シリーズ
花音ノベルス ~Hanaoto Novels ~ (小説・芳文社)
発売日
価格
¥854(税抜)  ¥922(税込)
ISBN
9784832212091

あらすじ

捨てられて、ジーンは崖から飛んだ。「俺は、死に損ないを拾っちまった。縁起でもねぇな、おい」言葉とは裏腹に、アルが笑いかけた。草原の外れにある小屋で、アルと二人で暮らすうちに、ジーンの中の「何か」が少しずつ変わっていって…。言葉の彫刻のような西条公威の作品世界は、芸術性において他の追随を許さない。表題作の他4編を収録した注目の作品集。挿画は人気耽美漫画家初田しうこが担当。

表題作太陽の下、風に吹かれ

アル 森林管理の見回り役
ジーン 19歳 ひも

その他の収録作品

  • ザ・ホイール
  • 充たされる砂漠の夢
  • KISS THE CHROME
  • サヴァービアの飛沫

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レビュー投稿数1

孤独の観念的世界

日常の情景を一部分切り取って、そこに孤独を見る描写がこの本の作品全般に渡ってとられている。
果てしなく観念的な手法は、一時の幻想小説の流れに近い作りであり、読み手を選ぶ一冊になっている。
そこには、切なさとか淋しさとか、寂寥を生む感情は存在しなくて、ただ、登場人物の感情に映るデフォルトされた風景が印象的に孤独を語るのです。

表題
家出をしてから放浪し、人種の違う国にやってきたジーンは現在は彼女のヒモとして生活している。
彼女が出て行ってしまった時、ジーンは崖から身を投げるのだが、運よく途中で止まり、森林管理局の見回りをしているアルという男に拾われる。
ジーンは絶望してしまったわけではないのだが、きっと何もかも面倒くさくなってしまったのだろう。
そこには、たった一人でいる孤独が付いて回る。
温もりを求めても、自分の求めるものとアルの求めるものが違うと思うジーンは色々なものを最初から諦めている人なのだと思う。
だからラストの選択も、あまりに自虐的な諦めの選択。
アルに自分を刻みつける一番印象的な方法をとったのだと、
そこには、せつなさよりやりきれなさが溢れているの続きです。

『ザ・ホイール』は『夜には凍る道』に掲載されている「鋼鉄都市破壊指令」の前振り話となる。
母の男に犯し続けられる姉に、どうしてあげることもできず、居場所もなく、シェルターとなった男との出会いと別れ。
子供であるがゆえに、大人に翻弄されて自分では何もできない子供の悔しさと絶望がにじみ出ている。

『充たされる砂漠の夢』友人を失う話。
いなくなった砂生は、砂になって舞って行ってしまった。
一見幻想風の展開を見せるが、これは多分に現実として、彼の自殺を示唆するものかもしれない。
たった15、6歳の子供であるだけに、思い込みは自分を追い詰めていくのです。

『KISS THE CHROME』バイクレーサーの話。
『サヴァーヴビアの飛沫』孤独から壊れてしまった男。

ちょっとホラーめいた表現だが、怖いのはなにものでもない、生きている人間なのだと、どれも思わせる作品ばかりで、トーンは暗い。
唯一『KISS~』が救われる話で、閑話になるかもしれません。
この作者あとがきは、とても独特です。
ここまで赤裸々に自分の気持ちを吐露した文章に、今はもう筆を置いてしまったのか、現在の気持ちで作品を読んでみたいという欲求を起こさせるのです。

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