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やっぱりこのふたりが好きだっ!!

交渉人シリーズを初読みするとき。
作品中へのめり込みドキがムネムネしつつ続きがどうにも気になって仕方がなくなってしまい、「早く、早く安心させてくれぇ…」と思いながら読み進めるのが常でした。
ま、そこがいいのですけれどねっ。
事件の展開ももちろんだけれど、芽吹と兵頭の気持ちのやりとりにも毎回ドキドキハラハラしどうしだった気がします。
でも今回はそれがなかった…。いやいや、いい意味で!
事件に対する芽吹の対応は(今までの作品と比べたらシリアス度がかなり低いのもあるんだろうけど)とても余裕を感じられるものだったし。
兵頭とのささいな喧嘩も「コレって夫婦げんかしてイチャついてるんじゃん」と、いうようななんともかわいらしいやり取り。むかっ腹を立てている芽吹もヤキモチ全開の兵頭もなんだか微笑ましかった。
読んでいてなんともホコホコいたしました。
あぁ、落ち着くところにきちんと落ち着けたのねぇ。ふたりとも幸せになっていてオバちゃんうれしいわ。と、勝手に親戚のおばちゃん目線で見てしまいました。

そしてなによりっ
要所要所に入ってくる芽吹の若林に対する気持ちが前向きになっているのがとても印象的でした。裏表紙にうっすらと描かれている彼の楽しそうな姿を読後にじっくり見て、涙ぐんでしまったのは自分だけではない筈…

記念すべき100冊めにふさわしい内容だったと思います。
大満足です!

まさにタイトル通り、飢餓攻め

宮緒さんの描く、犬攻めや下僕攻め、執着しすぎ攻めはどれも大好きなのですが
自分はコチラが一番好きです。攻めのキャラ勝ちだ。

攻めの達幸を一言で表すなら、
ヤンデレ……? いや違うだろ。確かに病んでるくさいけどそれどころじゃない気がする。
じゃあ… 執着攻め? いやいや確かに執着しまくってるけど「執着」って言葉では弱い気さえするでしょう。

そんなわけで、「渇仰」というタイトルを捻りだした編集さんは素晴らしいと思いました。
まさに渇ききっている。達幸は常に受けのあーちゃんが足りず、飢餓状態でした。

幼いころに複雑な家庭環境で育ち、普通に与えられるべき愛情を1ミリたりとも貰うことが出来なかった達幸。
あーちゃんパパに引き取ってもらえた頃には小学生にして既に心が砂漠状態。
そんな枯れっ枯れなところに、きれいなきれいな素の笑顔で、お世辞でもなんでもなくやさしく褒められちゃったら、乾いた砂が水を吸うように心に染み付いちゃうだろうさ。

ジュースやお茶も美味しいかもしれないけれど、干からびた心に注いでもらえた綺麗なお水が美味しすぎたから、達幸はそれ以外はいらないのです。

己を取り囲む環境が変わろうがなんだろうが、あーちゃんしかいらない。
あーちゃんだけがおいしい。
甘露の如くあまくとろけて達幸を酔わせるお水。
けれど甘いものってのは飲んでも飲んでも、いっくら口にしても満たされないのだ。
飲めば飲むほど渇いてしまう。満足できない。口にした次の瞬間にはもう欲してしまう。

そんな感じで最初から最後まであーちゃんを渇望している達幸でした。
犬まっしぐら過ぎて引くどころか最早かわいく見えてきます。
素に戻るといきなり喋り方や雰囲気が幼くなってしまうのもかわいくてずるい…… ワンコ攻めでなくリアル発情期の雄犬攻めなのに(笑)




ヘンタイっていいと思う。

突き抜けたヘンタイ攻めって好きです。

かと言ってスカトロとかはダメ、無理。小説で読むと特に描写を想像しまくってしまい気持ち悪い。
だからフェチ的なものとか、エグくない軽いSMものとかは大好きなんです。
体の一部分や行為に妙に執着しているキャラを見ると、それだけ相手にも執着しているように思えるんですよね。相手に出逢ってから目覚めてしまったとか、相手役だけにそうしているならば尚更。

鳥谷しずさんを読んだのは2作目です。
前回は受けがヘンタイだった「恋色ミュージアム」。
受けがヘンタイってパターンはあまり読んだことないな、と思い購入し、男性の美しいボディに執着しまくる受けを堪能させていただきました。
そして今回の「新世界~」をヘンタイ攻めということで購入。
読んでいる途中で「アレ?」と既視感を覚え、作者様が同じことに気付きました。
なんという間抜けな……

今回のヘンタイ攻めも突き抜けていてよかった。
まさに新しい世界が開かれてしまいましたね。
受けの表向きの顔と、隠している本心とのギャップが大変かわいらしかったです。
警察官同士、ということがもう既に萌えます。ガチガチの刑事ものも大好きです。
けれど今作は仕事描写を入れすぎることなく、ふたりの気持ちの変化と上手くからめて事件解決に持っていくバランスがとてもよかったです。
エロも大変エロイ。
ヘンタイっ子のラブストーリーやぁ…
という感じでした。

次回はきちんと作家買いをしようと思いました。

お楽しみ福袋のようだっ

作者様ご自身が、自分の萌えを詰め込んだらこんな感じになりました、と仰っておりますが。
まさに萌えが凝縮されておりました!
あらすじに釣られてよかったっ。
閉鎖的空間に幼少より閉じ込められた少年たち。
同性愛は禁忌、けれども義兄弟の絆を結ぶことは暗黙の了解という慣習。
少年たちを守り、厳しく見守る大人。
馬に跨る軍服っ!制帽っっ!!
肝心のシーンでは和装っ! 絹の布団に朱襦袢っっ!!
………妄想が暴走でたまりません。

彩さんの挿絵が秀逸です。キャラがイメージ通りで美しく、且つ主人公はきちんと凛々しい男子。これで挿絵の雰囲気との差異が大きかったら自分的にはかなりのイメージダウンでした。
もちろんストーリーもきちーんと面白かった。
登場人物が皆さま個性的で、キャラが立ってる。先が気になること気になること。
いろんな視点でのエピが読みたい。
「もしやこの人は…」と、つい想像してしまった結果が気になる。

次巻が楽しみです。

死ということ。

榎田さんは大好きな作家さんなのですが、死ネタがどうしても苦手で避け続けていた作品です。
誰もが知っている名作だけれど、どうしても手が伸びなかった。
けれど今回、他に読みたい新刊もなく、なんとなく手が伸びた。

結果、BLというジャンルに抵抗がない人ならば、みんなに読んでほしいなと思った。
物語の初っ端から、主人公みっちゃんの相手役である浩一は死にます。
ヘンな言い方だけど、そらもうあっさり死んでくれる。
死んでいるはずの本人である浩一がいちばんあっけらかんとしていて、悲壮さがまったくない。
そして周囲の人たちがおっかなびっくりで半信半疑な中。
医者の息子であり、医学的知識が一般的な高校生であるクラスメイトよりも多く持っていて、身内の死を経験したことのある、みっちゃんだけが明確に浩一の死を自覚している。
けれど自覚しているはずの彼がいちばん、浩一の死を認められない。
物語は淡々と進む。
軽快な会話のやり取り、『死者』や『死』に引っ掛けた浩一や友人たち、みっちゃんの発言は本来ならば不謹慎すぎて冗談とも言えないのだが、本人たちがあっさりとしているのでやたらめったら面白い。
テーマがテーマだけにずんと沈んでしまいそうではあるけれど、明るく元気な高校生たちが読者をそうさせないでくれる。沈み込みそうになる心を、ぐいっと頼もしく引き上げてくれる。

けれど後半はぼろっぼろに泣いてしまいました。
そらもう苦しくなるほどに咽び泣いた。

健康に毎日を生きている人は、なかなか『死』というものを大真面目に考えたことはないと思う。誰もが今日と大して変わらない明日が来ると信じている。
身近な死に立ち会ったことがなければそれは当然のことだと思う。
自分は実の父と、10年来の友人を亡くしている。
その経験があるからこそ、死ネタは苦手でした。美しき悲恋、みたいに死を軽んじられるのも嫌だし。必要以上にドロドロと暗い話もまったく共感できない。前者も後者も、簡単に言うと腹が立つ。
けれどこの作品は違った。

読むのがしんどい作品だ、という評価は方々で聞いていたけれど、自分はそうは思いませんでした。
みっちゃんの所々で見せる深い悲しみ、けれど表面上は淡々と過ぎていく日常、落ち着いているように感じる自分の思考。
死ってこんなもんなんだっけ? もっともっと嘆き悲しんで、狂ったように泣いちゃうもんなんじゃなかったっけ? だってすごく哀しいんだよ。こんなに哀しいんだよ。
そんなふうに思ったとしても、人間は社会で生きている。社会とは人だ。ひとりきりで生きているわけではないから、倫理観や常識やその他諸々が自分を正常であろうとさせる。

あぁ、そうだ。こんな感じだよね。と、ふと色んなことを思い出しました。
どんなに大切な人が死のうが、時間はいつもと同じように流れる。
お腹もすくし、泣きすぎると頭が痛くなる。頭が痛くなったらそれをどうにか散らしたくて、薬を飲んだり体を動かしたり。
そんな気は起らなかったとしても、社会人なら仕事に行かなきゃならないし、自分にとって大切な人の死を知らない人は明るく声をかけてくる、そしたらそれに明るく声を返す自分がいたりする。そんなことをひたすら繰り返して、死んだ人の時間はそこで止まってしまっているのに、自分は前に進まなきゃいけない。

なんだか上手く言葉にできない。
ただ、自分にはこの作品は残された人の感情を正確に表しているように思えました。
ラストのみっちゃんの言葉、
「おまえは先に忘れてもいい」この言葉が忘れられません。
この作品は切なく苦しい、そしていとおしい、深い深い愛の話ですが
不思議と読み終えた後には、まるで初夏の風が吹き抜けたかのような、そんなふうに爽やかな気持ちにさせられました。

自分と同じように、死別が苦手で避けている方がいたのなら
どうか勇気を出して読んでほしい。
受け止め方は人それぞれだと思うけれど、少なくとも『なにか』は残ると思うから。


とにかくかわいかった。

かわいい、ぜんぶが。
その一言に尽きる。
男性が苦手でかわいいものが好き、女の子といるほうが好き、どこか浮世離れしてる。
そういったキャラの受けはわりと多い気がしますが、だいたいが女々しすぎてイラっとくることがある。そうなると当然、好感の持てないキャラクター視点の物語に入り込めない。
と、いうようなことを数度繰り返しておりまして、こういった受けの出てくる小説は避けていたのですが…
小椋ムクさんのほんわかイラストに惹かれてあっさり購入。
そしてそんな自分がグッジョブ。

ここまでアホかわいい受けは見たことがないです。
「あー、こいつアッタマ悪いなぁ」と、ついつい思ってしまうのだけれど
なぜか憎めない。
馬鹿だなぁ、と小突きながらも手を貸したくなる。
そんな攻めの心情に共感してしまいました。うん、あんなに俺様的思考にはなれないけれど。

会話が軽快で読んでいて楽しい。
早口で言いあう二人の姿が想像でき、それを脳内で再現するようにやたらと駆け足で読んでしまいました。
あまりにも世間とずれているキャラなので「こーんなヤツいるわけないだろ」などと冷めた考えが浮かんでしまいそうでもありますが、
そんな常識を凌駕するほどかわいかったので、自分は最後まで入り込んで楽しむことが出来ました。
うん。おもしろかったです。

美しいお話でした。

BLという言葉で片付けたくはない。
作中で何度も出てくる言葉
『ペア』というものがとても大切で愛おしいものに聞こえます。

ただ好き好き言い合って、体を重ねて…
というモノではない。
唯一無二の存在、深い深い絆、とても気持ちのいい読後感でした。

前作では作者様の腕は認めるものの、話の筋的に微妙でしたが、
今回は読んでよかったと思わされました。

BLとしてなら、良い。

簡単に言ってしまうと
BLとして、戦争関係なくまっさらなファンタジーとして読むならありだと思います。

静かだけれど激しいお互いの想い――
出征に向けての駆け足の展開には咽び泣きました。

けれど、BLとして読んだとしてもラストには気持ちよく頷けませんでした。
安易に、良かったねー、とは言えない。
べつに悲恋ものが好きなわけでも死ネタ、死に別れが好きなわけでもないです。
むしろそーいった作品は苦手ですが、今回に限り、納得できなかった。
それまでの主人公の後悔や葛藤に涙したからこそ、ご都合主義に思えて仕方なかったです。
引き込まれまくって、感情移入して胸を震わせていたから余計にね。
あれだけのことをして、たくさんのひとが散って、それでこれかよ、と思ってしまった。

せめて再会したところで終えていればよかったのではないでしょうか。
終戦後のふたりの生活は、読者に対するボーナス的なものなのかもしれないけれど、
興ざめもいいところでした。
いままで目を瞑っていた、作中で気になった部分が気になってしまってしょうがなかったです。

日本は敗戦国なんですよね。
そこらへんをよく考えて書いて欲しかった。

けれどまぁ、ボーイズラブとしてはいいお話だったのではないでしょうか。
読みごたえはあります。