タイトルと明日美子先生の雰囲気ある表紙で読むの躊躇っていました。
文庫化で先生の、怖くないです、のコメントに引かれ読み始めたら面白いのなんの!!
木原作品は心に痛いところがある登場人物が、まま出てきます。それの料理の仕方が見事で読後なんとも言えない味が舌に残ります。
今作も、体に欠損のある兄弟が、、、となると差別とか偏見とかのテーマしか凡人の私には思い浮かびません。
カメラマンで、兄弟の弟、新を支える仁科もそんな悩みに囚われますが新に、なにがいけんの?、なにがいけんの?、と問われます。
枯葉剤問題や閉鎖的な小村問題が絡み、物語にグイグイ引き込まれて最後の方は、
そうだよな、なにがいけないの、みんな同じなんて気持ち悪いよな、と思いつけました。
魅力的な登場人物、タイトルからは思いもよらないお話、寝食忘れて一気読み!気持ち良かった!
今後の仁科と新、アメリカでの珍道中も覗き見したいです。
なんか、大変なものを読んじゃたなぁ~という感じです。
最終巻発売を待って満を持して一気に読みました。BLというよりは、事件もの、謎解きもの、人間模様ものとしての面白さのほうが強く、久々に寝食を忘れました。
特別な能力がある佐竹が、刑事としては新米の黒岩と追いかける事件の数々は、佐竹の能力が全開で秀逸でした。
それだけでも面白いのですが相棒の立ち位置だと思っていた黒岩の正体がビックリです。
BL要素は佐竹と高御堂とのやり取りだけです。
いわゆる甘いと感じる場面はほとんど無いのですが、攻受というパターンを超えた重く深い愛情を感じます。ぎこちないまでの二人が切ないです。
登場人物が多いので、途中であれこの人は?と読み返した時もありましたが、お話が長い分エピソードが多く、人物が現実感を伴って動きます。
捜査にかかわる江東、井筒、金田一、猿渡。そして高御堂側近の羽根、成富、個人的に一押し桜井! オジサンズがとっても好きになりました。
それだけに、、、、結果が分かっているとしても書き下ろしの市場班の最後には涙せずにはおれません。
そして「ファーストエッグ」のタイトルが示す意味、佐竹のバックボーン。
キーパーソンの叔父さんも登場して、ノベルズ表紙からも、お話の流れからもなんとなく展開は読めはするのですが、最後の最後は想像を超えました。色々謎はあえて語りません。分かっちゃたらもったいないです。
やっぱり谷崎作品は長編が良いですね。圧倒的に面白いです。
ノベルズは終わりましたが、癖のある数々の面々のこの先の動向が気になって気になって、、、何らかの形で書いて頂ける事を期待します。
PS.コミコミ特典ssペーパーは、本編で外食に行こうと誘われた先のお話で、重い気持ちをほっこりとさせられます。