りんさんのマイページ

レビューした作品

女性りんさん

レビュー数0

ポイント数0

今年度--位

通算--位

  • 神0
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0
  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 特典
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

じっくりじんわり。

人と人とが出会うこと。
人のことを知りたいと思う気持ちや知ろうとすること。
ちょっとだけ勇気を出して動き出すこと。
ひとりじゃなくてふたりでいること。
ただそばに寄り添っていること。触れ合うこと。
同じ物を見たり、聴いたり、食べたり、同じ時間を共有すること。
一緒に考えること。
一緒に悩むこと。
一緒に解決すること。
一緒にがんばること。
一緒に泣くこと。
一緒にわらうこと。
一緒に生活すること。一緒に生きること。
毎日の生活の中で当たり前のようにしていることでも、ほんとうは当たり前なんかじゃなくて、それは周りの人たちの支えや思いやり、愛情の上に成り立ったとても尊いことなのに、単調に繰り返される毎日の中に埋れてしまう。そんな気持ちをハッと思い出させてくれるようなお話。
工場で働く人たちがしっかりと生きている。ちっとも煌びやかなところがなくて地味だけれど、その分人肌を感じるようなあたたかい作品です。
こじかちゃんは糸島くんの目の前に現れた王子様みたいだ。ふつうの男の子なんだけど、ふつうでいることは、ときどき、むつかしい。ふつうであることは、ときどき、いたい。ふつうな人を見ると、ときどき眩しい。こじかちゃんは眩しいひと。(糸島くんとわたしにとって。笑)
お互いが出会うことで、お互いの世界を少しずつ変えていく様子がちょっとくすぐったくて、いいなぁ...、愛おしい時間だなぁっておせっかいおばさんにでもなった気持ちで見守りたくなる初々しい2人が織り成す香鹿くんと糸島くんのラブストーリー&成長物語。
今もこの世界のどこかで2人が未来に向かって生きているのだと思うと、わたしもなんだかがんばろうってパワーがわいてきます^^
やっぱり阿賀さんのお話がだいすき。

夜のカフェテラス

わたしは、愛を誓い合った二人はずっとずっと幸せに暮らしましたとさ、おしまい、というような、ナニソレ面白いの?と問いたくなるようなあからさまにハッピーエンドなお話が好きです。
阿賀直己さんのデビュー作、"神さまはこの恋をわらう"はあからさまにハッピーエンドではありません。
だから、好みの作品ではありません。
けれど、まぁ、最後の終わり方には目をつむってもいいかなぁ、と思えるくらいにわたしの心をグラグラと揺らす作品でした。
確かに、胸を張って、どうしてだか、わたしが誇らしくもあります。
いい本を読んだよ!大声で叫びたいような爽やかな読後感です。
ちょっぴり痛く、ちょっぴり涙が出る。だけど、どんよりはしない。大きく息を吸って、表紙を眺める。
そっと、本棚にしまいたい。

ガソリンスタンドで働く洸介と美大に通いながらコーヒーショップでバイトをしている拓海、洸介の彼女で女子大生の白雪姫、白雪姫の友人で女子大生のアフロディーテ。
彼らはハタチの恋をします。
恋、恋なのかなぁ。難しく考えすぎでしょうか。愛ではないのかなぁ。うーん...
とにかく彼らは恋をするわけです。ここでは恋ということにしましょう。
拓海は、洸介に。
洸介は、拓海に。
アフロディーテは拓海に。
白雪姫は、ずっと前から洸介に恋をしている。
拓海は洸介が好きなだけ。そばにいたい。そばにいてほしい。触れてみたい。触れてほしい。触れていたい。幸せにしたい。
そう多くは望んでいないはずなのに手に入らない。自分ができること。絵を描くこと。ぶつけて投球する。この想いを絵に込めてみる。そんなことでしか、いや、そんなことをしても表せないほどに洸介を想っている。
腹立たしく思える白雪姫だって、洸介を離したくないだけ。ずっと自分だけを見てほしいだけ。
白雪姫のことを憎みきれないのは、自分だって白雪姫になる可能性があるなぁと一ミリくらいは思うからです。
恋をしたら、なにをするかわからないなぁ。人が狂うかもなぁ。苦しくて、死んでしまいたいとさえ、思うのかもなぁ。好きな人から見放されるのはこわいよなぁ。どうにかして繋ぎとめておきたいだろうなぁ。
白雪姫のような女の子にはなりたくはないけれどあらゆる可能性が捨てきれないから、白雪姫を憎めない。ずっと好きな人が突然どこかの同世代の男に恋をして、自分のことは家族のように扱っていて、恋人らしいことはしてこない。うーん。悲しいかもなぁ。
全て"かも"ですが、彼らそれぞれの立場でこの恋を見つめてみると、たくさんの感情を教えてもらうことができます。
アフロディーテだって、拓海のことが好きなだけ。彼はまさかの友人の恋人に恋をしている。そのせいで、友人の情緒が狂う。板挟みですよね。純粋に、拓海を思うだけなのに。心配なだけなのに。
わたしは、明るくハツラツとした可愛いアフロディーテちゃんとは程遠い人間で、どちらかというと白雪姫に同情します。
同情しますと言ってしまうのは憚られるのですが、やっぱり人の強さよりも弱さを近くに感じてしまうから。洸介に依存してしまうのが、少しだけわかる気がするから。わかる気がするから許すわけではないけれど。
洸介は、優しそうに見えてちっとも優しくないや。誰かのために動いているようで、自分が大切な人。
自分が、白雪姫の好意を受け入れた。自分が、拓海に触れたい。自分が、白雪姫についていく。自分で、決める。だから、がんばれる。
洸介のことを思うとき、優しさって何かしらと考えてしまいます。
拓海と、初めて愛し合う場面で、「大切にしたいのに、痛くしてごめんな」そんなようなことを洸介は言います。(読み返す気力がないので曖昧ですが)
痛くしないでほしい、大切にしたいのに、どうして、どうして、この恋を大切にしてよ。どうして、白雪姫についていくの。
一生懸命考えて、身を切るような思いで、そうするしかなかった。
納得したくなんかないのに、納得させられてしまう。
洸介と拓海の、別れを納得させられてしまう。
きっと、また会える。必ず会えるよ。そう願わずにはいられないんです。
幸せな思い出を胸に抱えて、ちょっとがんばったら、神さまは見ているから。二人を出会わせてくれた神さまなら、きっとまたどこかで。
そう信じざるを得ないのです。

すごく長くなってしまったのに、書きたいことの半分も表せていません。もどかしい。
洸介、拓海、アフロディーテ、白雪姫、彼らが心の奥に生きていて、ときどき息遣いを感じさせてくれます。
ひょっこり顔を出して、わたしを微笑ませてくれたり、ときには涙を誘うこともある。
泣くのはストレス発散になるから、いいかもね。でも、泣かせないでよ。
きっと、会えるんだからね。
拓海、泣いちゃだめだよ。いつも涙を拭ってくれる洸介だって、泣いちゃだめなんだからね。