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ため息がでちゃう

切なすぎて思わずレビュー!

この作家さんの作品のなかでも、このシリーズが一番好きです。
赤星くんあざといけど可愛いんだもんなぁ〜。好きすぎて気持ちが溢れちゃう表現が多用されていて、そういうところがぐっと私の心を鷲掴みに。

しかし、読み切り……!
読み切り………………!
一頁目めくったときから嫌な予感はしていましたが…。
確かに純愛ものにはこれ系のネタは相性いいのは分かるんですけどね、いかんせん辛すぎてね。
何せシリーズで言えば、赤星くんが高校生のときから二人を見てきているわけで、まさか本当に本当の最期まで描かれちゃうとは思わなかったので。
でも、もしあの結末がなければ、レビュー書くまでしていなかったかもしれないし、とにかく印象深い作品になったという意味では大成功だと思います。
あの結末を好きか嫌いかは完全に好みの問題ですね。

LIFE,LOVE 2 コミック

西田ヒガシ 

好きな作家上位にいきなり食い込んできた西田先生!

西田さん作品は読みはじめたばかりで、これの他に「見つめていたい」「きっと恋に違いない」の三作品のみ。

今のところの感触。
…すごくいい!!大好きな作家さんになるに違いない。
吉田あきみ先生の匂いがする〜と思ったけど、一巻の舞台が外国でマフィアとか絡んでるからかな。いやそれだけじゃなくて、何かBLだけど「萌え」とか「耽美」って言葉がフィットしないかんじがあるから?BL読者の萌えの大半は、年下攻めに萌える!とか鬼畜攻めがいい!とか強気美人受け最高!とかそういう属性とかシチュエーションによるところが大きいと思うんだけど、西田作品にはそういうのが、皆無ではないけど、薄いというか、それらに頼らない別次元の良さがあると言えるのかも。

それから何がいいって、登場人物がいい具合に擦れてる、くたびれているところですね。高校生や大学生の感情表現がストレートなキラキラ恋愛ものも好きなんですが、そういうのばかり読んでいると飽きてくるじゃないですか。いいスパイスです。

あと、西田作品のノンケ男、いいですね〜。この作品で言えばタカヒロね。普通に異性愛者として女性を愛してきた男が、ある男の出現によって今までの価値観を突き崩される展開ってすごくセクシーですよね。そこで思い悩んだり右往左往しているのがいいんだわ。

10代や20代前半だったら西田作品の良さは分からなかったかもしれません。年取ってよかった。
これからもどんどん、読んでいきます!

BLってこんな可能性も含んでいるのか?!

いーやー、これはすごい作品。
Webコミックで読んだものを改めて買いなおしました。

こういったジェンダーの問題を取り扱った漫画は他にもあると思うんですよ。
けれど、これがBLのジャンルから出てきたのがすごいと思いました。BLというジャンルに含まれる一要素を追求するとこういうこともできるんだ、という驚き。

私は普段、BLは完全なるファンタジーとして楽しんでいます。
けれど、改めて考えたら、同性愛という現実にあるものを扱っているんですよね。例えば男性の同性愛者の人から見たら、BL作品や腐女子ってどううつるんだろう。今回この作品をきっかけにそんな視点があることに気づきました。逆に言えば、そんな当たり前のことも気づかないほど、現実の事象や社会とBLを切り離して読んでいたんですね。

そうした新しい気付きとともに、この作品を好きだなぁと思うのは、作者の、主人公の二人に対するやさしい眼差しが感じられること。そのやさしさは、主人公たちの周りの登場人物に託されているかんじがします。フトシのかあちゃんを筆頭に、桐野の母上、夢野、夢野の家族、など。桐野の母の最初の反応には胸をえぐられるようでしたが、その後は一応母なりに理解する努力は見えました。(しかしやはり息子を尊重する選択はできたかったのは残念)
夢野なんて、100パー異性愛のほうにいくんだろうな〜と思っていたら、まさかの「考えていきたい」告白ですよ。そんなドラマチックな展開は正直なくてもいいのに…現実はたぶんそんなに甘くないだろうし…と思ったのですが、あえてそうしたところに作者の意図というか信条みたいなものが感じられる。つまり、夢野のように私たちも「考えていく」べきなんだろうし、「考えていく」人がよりたくさんいる社会であるべき、ということ。

ただやはり桐野の母の考え方がもう少し違っていたら、と思うと残念な気持ちはぬぐいきれない。けれど、母が理解しようと努力しつつもありのままの息子をついに受け入れられなかった背景として、母親自身の人生に対するままならなさや苦しみも描かれていて、母を完全な悪者とは思えないんですよね。蜻蛉をみつめる桐野の瞳が切ないよ…。

BLをどう楽しむかはひとそれぞれですが、こういう方向性の作品もたまには読みたいし、それをきっかけに今回のように何かを考えるきっかけになるといいなと思います。
もっと後を追うような作品が出てきたら面白いな。

小物づかいに脱帽

今まで特に気にしていなかったのですが、明日美子さんてこんなに小物を使った演出の多い書き方をしておられましたかね?
何だか映画を観ているような気分でした。

特に、イチジク、オードトワレ、目隠しなどなど。
オードトワレは、タイトルが「薫りの継承」ですから、さりげない演出ではなく、かなり分かりやすい形で様々な場面で使われていました。息子が父にかすかにオードトワレの臭いを感じ取った場面から、父親がどんなことを考えているのか、息子と共に読者も感じとることができる。
イチジクは、最初読んだときは気づきませんでした。「無花果」の名前の通り、二人の関係からは花も咲かないし実もつかない、ということの象徴でもあるのでしょうか。そして、実はイチジクが好物なのは兄ではなく弟の方なのかなと解釈。兄の方は弟の好物と知っていて、許嫁からもらっていたのではないか?と思ったのですが安易でしょうか?それとも、兄がイチジクを避けるのはやはり禁断の関係を象徴するものとしてなのか?

それから、ストーリー自体は、あの同級生シリーズを生み出されただけあって、少女マンガ的な文法にのっとった王道さをかんじました。あの結末で泣かせるのはずるい!と思いましたし、ともすれば陳腐に感じるリスクもある結末でしたが、それでも胸にじーんと迫るものがあるのは、上記のような演出で、王道のストーリーを美しく語る技法をもつこの作家さんだからこそだと思います。

読了後の満足感の正体は?

2巻まで読んで、かなりの満足感。
この満足感は何だろう。エロが濃厚だからかなぁ。

受けの太朗さん31才の過去に、2巻で焦点があたる場面がありました。
太郎さんは、教師の父親に厳しく育てられ、優等生として学校生活を過ごした。友達は少なく、人付き合いは得意でなかったものの、生徒会に入ったことで、教師や先輩に庇ってもらえる立場を得ることができた。また、もともと父親の影響で文学が好きで、高校生から文章を書きはじめた(のだろうと思わせる描写あり)。紙の上では、現実の脆弱な自分を排除して、「清く正しく強い」自分を作り上げることができた。しかし現実には、性の壁にぶち当たり、自らの性欲や自慰行為(本人にとっては清く正しくない)を認められずに苦しむ。尊敬する先輩の言葉により、性欲や自慰行為をする自分(悪い自分)と、清く正しい自分(よい自分)を分けることにした。(でも実は先輩の助言はたいして影響力はなかったと私は思うんですよね。悪い部分と良い部分を極端に分けてしまったのは、やっぱり父親の影響が大だったのではないかな)

という過去をたどり行き着いたのが1巻冒頭の太郎さん。
このこじれた子を解きほぐしてくれるのが年下イケメンの藤田くん。
あれ、この設定どこかで……と思い当たったのは最近読んだ宝井理人さんの「テンカウント」。
受けが自分の認めたくない部分(性欲)を抑圧してきた過去があること、それを年下のイケメンがさらけ出させ受け止めることによって統合していくこと、が共通しているなと。
テンカウントのほうがより意識的にトラウマとその後の自己形成を扱っているかんじはしますが。
それはさておき。

藤田くんは、料理できるし、気つかえるし、イケメンだし、エロいし、かといってヒモにならない自立心も立派だし、本当に理想の旦那ってかんじ。
こんな人に愛されて、恋を自覚できた太郎さんは幸せだろうな。ちょっと太郎さんが羨ましくなってしまいました。
もし太郎さんが女だったら、こんな打算も自覚もないくせに、幸せな恋愛しやがって、とか思ってしまうんだけど、そうならないのがBLのいいところ。
互いの気持ちの矢印が揃ってきて、通じあうさまをとてもここちよーく読むことができました。
何よりエロが多くてしかも描写が濃厚。
満足感の正体はやっぱそこな気がするなぁ。
もしくは、冒頭では廃人でとくにかっこよくもないし良いからだってわけでもない太朗さんが、藤田くんに愛されることで変わっていくってとこがいいのかなぁ。何か知らぬまに太朗さん=自分にして見ていたのかもしれないとふと思いました。

ラスト、先輩の台詞には、すごく嫌なかんじを覚えました。せっかく人間的に健全な状態に至った(抑圧していた部分を取り入れられた)のに何てこと言ってくれてんだ、と。

けど2巻で終わりだとおもっていたので、3巻があるのはうれしいてます。楽しみにしています。

城谷さんを早く抱いてあげてください。

待ってました4巻!

城谷さんの過去の全容が明らかになりましたが、3巻まででも小出しにされていたので、うんうんやっぱりそういうことよね、と特に意外性はありませんでした。

現時点で、潔癖症の原因は、①幼い城谷さんのなかに芽生えた性欲を他人に否定されたことにより、自分=汚い、だからそれを他人に悟られてはいけないという意識が形成されてしまったから、②父親が好き(性的対象として)だということを人に悟られてはいけないと思って抑圧してきたから、の2つが考えられるかと思うのですが、どっちなんでしょう。

私としては、父一人子一人の家庭環境で、いいお父さんで、「父親が好き」と思うのは普通の気持ちだと思うんですよね。小学生くらいでは、ラブとライクはまだ未分化な段階だと思うし。だからあの事件が起こるまでは、多分父のことは普通に、大好きなお父さん、他の人にとられたくない、程度の健全な好意だったと思うんですよ。しかしそこであの衝撃的な現場を目にしちゃって、自分自身もはじめて性的な興奮に目覚める。おそらく本能的にセックスという行為そのものに興奮したんだと思うんだけど、城谷さんのなかに中では、父親とjkのセックスシーンを目撃→興奮→その後もそれをおかずに自慰行為という流れのなかで性欲と父親とがセットになってしまって、健全にお父さんが好きと言えない後ろめたさを育んでしまったように思えます。
だから結論、①も②も絡み合っているようなかんじなのかなと。本質的なのは①の方な気がするけれど。

さて、一方黒瀬くん。この作品でカウンセラー属性萌えに目覚めましたが、4巻は何か萌えというかちょっと大丈夫かな、この人…と心配になってきた。3巻まではポーカーフェイスながら強引さを兼ね備えているところがすごくよかったのですが、4巻では城谷さんが自分を晒しているのに比べて黒瀬くんは今までと変わらないというアンバランスさのせいか、黒瀬くんがとても機械的、というかあまりに感情が統制されすぎている気がしてちょっと怖かったです。巻末の番外編と書き下ろしで黒瀬くんの人間的な部分が垣間見えてほっとした私でした。
でも本編でも、城谷さんがイくのを見て、「ぞくぞく」って興奮している黒瀬くんが、すっごいよかった!そういうのが見たいんだよ!「一生綺麗にならないくらい汚れている」というお前のその腹のなかをもっと見せてくれ!

次巻あたりで最後ですかね?
城谷さんは、潔癖の原因が自分自身の性的な欲望を抑圧してきたからだって分かったわけですし、あとは黒瀬くんがその欲望を引きずり出して受け入れてあげればハッピーエンドですよね。一刻も早く抱いてあげて!!

読みごたえある、けど萌えとは違う何か

これはかなり評価の別れる作品なのでは。

短編も含め、年齢層高め。おやじ受け、おやじ攻めが普通にあります。いずれこの良さが分かるようになるときが来るかも、と思いつつ、主人公と同じ探偵事務所内の美少年×30代?が一番ヒットした私はまだまだ未熟者かな(笑)

同作家さんが竹書房で出してた前作、チョコストロベリーバニラの内容はうろ覚えなのですが、あれも歪んだ三角関係の話でした。前作よりは、登場人物の心理が理解できる気がしました。(共感はできないけど)

とにかくラブでもピースでもないので、BL読んで幸せな気分になりたい、ほっこりしたい、タイプの方には向いてないと思います。
ドロドロでも切なくてもやるせなくてもいい!そういうのが好き!という方にはヒットするかもしれないですね。

黒瀬くんに抱かれたい(笑)

話題作ですが、遅ればせながらレビューを。

この作品に手を出すのが遅れたのは、もともと作家さんに対する苦手意識があったから。他作品を読んだときに、ピュアで美しくて静的な世界観なんだけど、何か物足りない感じを覚えまして…。あと、絵柄がちょっと苦手っていうのもありました。

けれど、この作品は、よかった!!!
この作品の魅力、それはただ一言につきます。
ずばり、攻め様、黒瀬くんです。男×男の関係性ではなく、黒瀬くん単体に対する、いわゆる属性萌えというやつでしょうか。
カウンセラーという職業萌えが私に潜在していたことにびっくり!
職業上、自分の気持ちや他者の気持ちをできるかぎり客観的にかつ的確に捉えることや、自分の感情を制御する訓練をしてきているはずなので、その黒瀬くんが2巻以降かなり押せ押せで迫ってくるかんじにすごくエロスを感じました。
実は私も黒瀬くんと同業なので、リアルかどうかは多少分かるつもりなんですけど、まぁ確かに色々現実に即していないところがあるのは否めない。
職業倫理上、彼の行動がいかがなものかという意見があるのはわかります。しかし、もうこれについては黒瀬くんが、城谷さんに一目惚れして、カウンセラーとしてではなく一人の男として、城谷さんを落としたいと思っているとしか思えず、そのために持てる職業的スキルは利用しちゃおうと、公私混同するくらい本気ってことだと思うんですよね。それがまたエロいというか、掻き立てられるものがあります。
普段、無愛想ではないけどポーカーフェイスなのに、たまに焦ったり興奮ているっぽい表情を見せるのでたまりません。
震えるほど興奮しました、って台詞がどっかにあったけど、むしろその台詞に私が興奮して震えました(笑)

一方、城谷さんには特に何も感じない私。

BL読んでいてこんな気持ちになるのはほんとに稀なのですが、攻め様に私自身が攻められたい、抱かれたいと思ってしまいました。あぁ、美しい二人の世界に我欲を持ち込むなんて罪な私…

思い余って長文に…

BL漫画のなかではかなり複雑なストーリーと言えるこの作品。
キャラクターの心情が丁寧に描かれすぎているため、読む側もかなり気合いを入れて読まないとキャラの心理に追い付けない。私の頭の問題か?

というわけで、6巻を堪能すべく改めて一から読み直してみることに。

●出自について
この作品の要である、先々代から始まる血筋に関する因縁。
桂木は久世家の跡取り候補として、桂木家からひきとられる。しかし数年後正式なお世継ぎとなる暁人誕生によりその座を失う。
さらに、3巻で明かされるのは、実は桂木は先々代の庶子であるという事実。つまり桂木は暁人の叔父だってこと。
さらにさらに、実は桂木が、後々暁人を家から追い出して何もかも奪ってやろうと画策していたことも明らかに。
いやいや、この小出しにするかんじが上手いですね。暁人と同じように、読者もまた桂木に裏切られるわけです。

●二人の関係性について
この作品のすごいところは、二人の心情をただ単に、恋心、だと定義できないところではないかと。
両親を失った暁人にすれば、桂木は父の代わりでもあった。しかしその父的存在は無条件に自分を愛し、承認してくれる相手ではなかった。暁人は桂木に認められることを求め続け、その思いに縛られ続けた結果、桂木を愛するようになる。これは恋心とか、ふんわりとした感情ではない…と思うのです。5巻の初めあたりで、桂木を抱きながら、もうどうすればいいかわからないよ、という暁人の言葉が印象的。

一方桂木はもっと深刻で、暁人の父である先代に、気に入られなければ他に行くところはない、自分の存在意義もなくなってしまう、というある意味究極のサバイバルを生き抜いてきたわけで。
一見、暁人と桂木の境遇はよく似ているようで、似ていない。桂木の側には、自己の存在への疑念や空虚感(桂木のいうところの根なし草)という埋まらない欠落を抱えている。家に対する執着とそのためなら手段も選ばないという強さは、この欠落の裏返しなんですよね。

あんなに暁人のことを憎んでいるような素振りをみせていたわりに、桂木は何故に自分の当初の野望(暁人を家から追い出す)を忘れて、暁人にほだされたんだろう?と疑問だったのですが、読み返すうちに、そもそも桂木ってすごく不安定で危うい人で、だからこそ暁人の執着心というか熱意というか(恋心と素直に言えない…)を間違ったかたちにせよ、拠り所みたいに感じたのかも、と得心しました。それだけでなく、暁人の気持ちを受け入れることによって、暁人を自分の支配下に置いておきたい、どこかで優越していたい、というある種の対抗心みたいなものも働いていたのだと思います。

●6巻について
前振り長くなりましたが、6巻。
前述の通り、桂木はかろうじて自分のコントロール化に置いていたはずだった暁人にかけひきで負けてしまいました。
桂木のぼんやり、は暁人が自分の手を離れて及ばぬところへ行ってしまうことを予期したことで、桂木の根本にある欠落が再び表に出てきてしまったからではないでしょうか。暁人を憎んだり想ったりというしがらみに囚われることによって誤魔化してきたが、今度は、それを誤魔化すための手段がない。
手を離すことはなくても、追いかけることもできない。追いかけていくことは、石崎家に入っているから物理的に無理というのもありますし、なによりそんなことをすれば、自分が惨めになるだけで、自らの欠落が埋まるはずもないと、桂木自身が自覚しているからなのでしょう。精神的に暁人にしなだれかかって生きていくなんて、とてもできないはずです。
もはや桂木の自己実現の物語に思えてきた…

日高先生のいう、幸せな結末。これは、桂木が自分自身の問題をどうクリアしていくかにかかっているのではないでしょうか。お互いを想いあっているだけでは、この二人は幸せになれない、そんな気がします。

作品世界に投影される女子の自我

以前から、BL作品に登場する女性、という存在にとても興味があったので即買いしました。。

期待通り、とても興味深い。萌えとはちょっと違うんだけど…。
何が興味深いかといえば、やはり作家さんごとに、女子のからめかたが全然違うんですよね。
読者や作者が女性であれば、やはり作中の女、という存在には自我が投影されて当然かと思います。作中の女子たちは、作者自身であり、読者自身にも置き換え可能。
ほとんど傍観者のような立ち位置であったり(たとえば秀さんの作品)、時に相談役であったり(名前忘れちゃったけど、女装男子のやつ)、がっつり二人の間に入っていたり(ぷるちょめさん)、作家さんの欲望の具現化のようでもあり、読者にとってのBLとは何なのか?を気づかせてくれるものでもある。

かくいう私は、西田さんの初老女子(むしろ女史?)に、やられた!と衝撃と共に親指を立てたくなる気分を味わいました。
だって、まさかのおばあちゃん!西田先生っておいくつなんでしょうか?
酸いも甘いも噛み分けたおばあちゃんの人生においては、男二人の色恋沙汰など些事ということなのか…。BL作品ではもちろん、世界の中心は主人公たちなわけですが、この作品ではいい感じに突き放された脇役感があります。けれどもその突き放しが冷たくはない。人生の何歩も先から慈しむような、暖かさも感じる。腐女子から貴腐人へ、さらにそのまた先へ、徳を積んだ私たちはいったいどこまで進化するのやら、と腐女子の未來について想いを馳せずにいられない壮大な作品でした(笑)

はらださんのメタ視点や、秀さんの女の子キャラが記号的なモブ子ちゃんから、一人の女の子として作中で変化していくところがとても興味深かったです。

逆にあまり好きでなかったのは、ぷるちょめさんの作品。女子ががっちり男二人の間に入りすぎていて。しかもすごくムカつくタイプの女子が。あまりに女子中心に物語が進んでいくので、あまりBLっぽく感じませんでした。まぁ、これくらいの近距離で二人を観察するのも悪くはないと思いますが。