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痛々しくも切なくも愛しい。

実母に虐待された過去を持つ優等生の受・累と、累が引き取られた家の近所に住む幼馴染の攻・八尋を中心にしたお話です。
実の息子のように育ててくれた養父母に報いるため完璧な理想の息子であろうとする累は、幼い好奇心から八尋と体の関係を持つようになりますが、その関係に恋愛感情が伴うにつれ自らが描く「理想の息子」像とのギャップに苦しめられていきます。そんな中で養母が妊娠し、自らの存在意義としてきたものが大きく揺らいだ累は徐々に追い詰められ、八尋の手をも振り払ってしまいます。

攻または受が虐待された過去を持つ設定はBLでは珍しくないですが、ただの「設定」に終始してしまっている作品も多い中、この作品は、虐待から逃れた後も心に残る傷や人格に与える影響の根深さを非常によく描いています。ただありのままに愛されることを受け容れられず、恐れ、拒んでしまう累が痛々しいです。途中で読むのが辛くなってしまいそうでしたが、だからこそ養父母の、そして八尋の、累への愛情の偉大さが沁みました。
個人的には神評価を付けたいくらい感動できたのですが、回想の累と八尋が肉体関係を持ち始めた時の描写が苦手で...当時の累は生い立ちの影響か同い年の八尋よりかなり幼く見えるので、あまりにもショタショタしすぎていて悪い意味で痛々しく感じてしまいました。なので、一つ評価を下げて萌2とさせていただきます。

キラキラのアイドルとマネージャーの恋

アイドルもので重要なのは、出てくるアイドルのキャラを「現実にいたらファンとして推したい!」と思えるかどうか、だと思っています。

その点で本作のアイドル、頼くん(受け)は、アイドルとしてのキラキラ具合をいかんなく発揮してくれる「推せる」アイドルキャラになっています。
黒縁メガネのクール系という、フィクションで描かれるアイドルとしては珍しいビジュアルですが、プロ意識が高く努力家でリーダーシップもあって、こんなアイドルがいたらなあと思ってしまいます。
ステージ上で見せるカッコ良さと、緩んだ雰囲気で元マネージャーの三倉さん(攻め)に甘える可愛さのギャップも良いですね。

三倉さんはデキる大人の男ではありますが、ちょっと臆病で弱い部分もあります。頼くんのことを想うからこそ距離を置こうとするのですが、段々その輝きから目を逸らせなくなっていきます。振り回されつつも頼くんを守ろうとする三倉さんの包容力にも惚れ惚れしました。

アイドルのステージ描写も充実していて一見の価値ありです。続編も連載中とのことで楽しみです‼︎

受も攻も良い子ではあるけれど

帰国子女の維人(高1、受)が、父親の知人の子である4兄弟の住む家に居候し、4兄弟それぞれと心を通わせていくお話です。

4兄弟は社会人の長男桜介(維人たちの通う高校の教師)、プレイボーイの次男海星(高3)、心優しいスポーツマンの三男穂高(高2、攻)、天真爛漫な四男星司郎(3歳児、兄達とは母親が違う)。
両親が海外在住で不在の中、4兄弟は基本的に仲良く暮らしながらも互いにわだかまりやすれ違いを抱えているのですが、維人の登場をきっかけにそれらを解決したり、逆に維人を巡り三角関係になったりしていきます。

受の維人は落ち着きがあり淡々としていますが母性的で、四男にすぐ懐かれます。この2人のほのぼのした仲良しっぷりは可愛く、この作品の魅力だと思います。

しかし、個人的に肝心の恋愛面にはあまり魅力を感じられませんでした。
攻の穂高は優しくて良いお兄ちゃんでもあるのですが、良い人なだけにアクが無さ過ぎて4兄弟の中でもどうにもキャラが薄いです。
また、受の維人も良い子ではあるのですが、他の兄弟に迫られたりキスされても動じなかったり、淡々としすぎていて受としては可愛げに欠けます。
家族としての問題にページを割き過ぎて、恋愛面はお互いに「優しさに触れるうちに気づいたら惹かれていた」くらいの描写しか無いせいもあると思います。

また、直接は登場しない4兄弟の父親が、穂高に「母親の命と引き換えに生まれてきたのだから立派に生きろ」と言っておいて、大したフォローもせず再婚した上、再婚相手との間に生まれた3歳児の世話を兄弟たちに押しつけ、再婚相手と海外で暮らしている、という、悪い意味で気になる人物になっており、余計に恋愛面の印象を薄くしてしまっています。
上に挙げた通り良い部分もあるので買って後悔した、というほどではないですが、BLとしては好みに合わなかったです。

出会えて良かった

BLを読んでいると「BLの棚に並んでいるためにこの作品を手に取らない人が沢山いるんだろうな」と、惜しくなるような作品に稀に出会ってしまいます。
それでも、そんな作品に自分が出会えたこと自体が、とても幸せなことなんだとも思うのです。

この作品は、冴えない日常を送る主人公(30代男、元半グレの末端)と、瀕死の重傷を負った主人公の前に現れた記憶喪失の天使(見た目は中学生くらいの少年、淡々としててふてぶてしい)の、ワンルームアパートでの共同生活を描いています。

お話が進むにつれて、主人公と天使それぞれの重たい過去が明らかになっていきますが、天使とは一体何者なのか?がこの作品の肝かと思います。
その答えに至るまでの伏線の張り方も見事なので、是非ネタバレ無しで読んでほしいです。

片方が人外という時点で、読む前から結末にある種の覚悟をしてしまうのですが、この2人に関しては、ハッピーエンドかどうかとかではなく、出会えたことそのものが幸せなんだ、と思いました。

正直なところ、はらだ先生の作品は絵柄やエロ描写が濃いイメージがあって敬遠していたのですが、この作品はそういう描写も無く2人の関係性はどこまでもピュアです。しかし、2人の距離感や互いを必要とする様子に十分BL的萌えを感じられました。

現実の社会に照らして非常に考えさせられる部分もあり、おそらくBL作品としてよりも、単純に漫画作品としての方が評価されそうです。もしかしたら「このマンガがすごい!」辺りにランクインしてくる可能性も?
できるなら、普段BLを読まない人にも読んでもらいたい作品です。

IN THE APARTMENT コミック

絵津鼓 

BLの枠に収まりきらない

他の方も書かれていますが、あまりBLを読んだ、という感覚になりませんでした。
結構ぶ厚い1冊で、日常描写をメインに、杉本(攻)と妹尾(受)がそれぞれ抱える問題を絡め、恋愛・エロ描写は少々、といったところです。しかし、読み終わってみて、何かとても満たされた気持ちになりました。

小学校ぶりに同じアパートの住人同士として再会した杉本と妹尾の2人が繰り広げる、関西弁での日常のゆるいかけ合いは、読んでいても心地よく笑えてきます。そんな2人は、辛い現実から逃げてしまったという負い目をそれぞれ抱えていますが、2人で過ごす時間の中、それぞれの問題に向き合っていくようになります。

作中の台詞(これだけならネタバレにならないかな...?)で、
「誰かを許せんことで 自分も許せんようになる」という言葉にハッとしました。

恋なのか、友情なのか、傷の舐め合いなのか、いずれにしても、お互いの存在を力に変えて現実に立ち向かうことができる。そこには確かに愛の存在を感じました。

また、エロ描写は少々、と描きましたが、逆にこのくらいあからさまじゃない方が個人的には好みです。妹尾の案外可愛げのあるところが見れます。

設定がツボでした

同じ世界観の中での短編3本(うち1本は前後編+後日談)からなる1冊です。

発売前にちるちるであらすじを読んだ時点で好みの設定の予感がしていましたが、その点では期待どおりでした。
ファンタジーで民族BL、というと、小説ではいくつか思い浮かぶのですが、そういえば漫画では結構少ない気がします。そもそも、民族モノの定義がよく分からないですが、特徴的な風俗・風習が前面に押し出されていて、なおかつ舞台設定があまり都会的でないことが条件になるのでしょうか…(完全に個人の主観ですが)。

この作品では、この「特徴的な風俗・風習」がうまく活かされていたように思います。
惹かれあう運命の「狼」と「白鹿」。予定調和になりそうで、意外にも様々な可能性を秘めた設定ですね。

(以下、ネタバレ有りです)
正直なところ、あまり好きになれない登場人物が多く、特に3作目の攻めのアラクシに関しては、
・なんで一目惚れの相手をサラではなくナラだと思い込んでいたのか
・何年もナラに片想いしていたはずなのに、一目惚れした相手が実はサラだったと分かった途端に、ナラへの想いは無かったことになったのか
・結局、顔が同じで白鹿なら、サラでもナラでもどっちでもよかったということなのか

と、色々と不可解なことが多く、そのおかげでお話自体の終わり方が釈然としませんでした。3作目のお話だけでコミックス1冊分くらいあれば、そのあたりも納得できる展開があったかもしれませんが…

読後の満足感・納得感はさておき、面白かったし、萌えたことは確かなので、「萌」とさせていただきます。
同じ世界観の作品をもっと読んでみたいと思いました。

高校生4人組の素敵な関係性

特に劇的な展開があるわけでもなく、お話し的には本当にありがちな青春モノです。

別冊マーガレットあたりに載ってる少女漫画にありそうな、むしろBLには珍しいくらいの王道っぷり。
でも、何とも雰囲気が良いというか、キャラクターが生き生き動いている感じがしました。特にメインの高校生4人組の関係性が絶妙で、恋愛だけでなく男同士の友情も楽しめる、とってもお得な1冊です。

個人的には、主人公カプ以上に、恋愛にほぼ絡んでこなかった白雪くんの方に目が行ってしまいました。見た目で近寄りがたいクールビューティー系キャラと思いきや、サバサバしたオカン気質で言動も歯切れがよく、清々しいキャラで良かったです。

この子が、他の3人の誰に肩入れするでもなく3人全員にとっての「友達」ポジションを守り続けたからこそ、単なる三角関係の恋愛モノではない、4人組の青春モノになったのではないかな、と。

4人が所属しているバスケ部の、ダンディな監督さんや妙にイケメンなキャプテンなど気になる脇キャラがいて、続編出ないかなぁ、と思ってしまいました。