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形になりそうでならない、気づいてるようで気づいてない

かなり久しぶりに琴線に触れた作品。
楽しいわけではないのに、会いたい、一緒にいたい。
そんな2人が少しづつ、本当に少しづつですが、恋に近づいて行ってる様が凄く伝わってきて、たまらなく愛しい気持ちになった作品です。
このもどかしさが良い様な、けど2人の想いの行き着く先を見届けたいような・・・。
あほの子っぽい攻め君が、受け君との恋に溺れていくのを、やはり見てみたいと言う欲求が捨てられません。
是非続編を執筆していただきたいです。

実は神評価

この作品を評価するにあたって、神をつけるべきか趣味じゃ無いを付けるべきか悩みに悩みました。
最初にどちらの評価にすべきか悩んだ理由をお伝えしたい。

最終的に趣味じゃ無いをつけた理由は、私的地雷の宝庫だったからです。
神評価としたかった理由としては、私が完全に光流の葛藤に同調したからです。

少女漫画などでもそうなのですが、私は恋人設定から入る作品が苦手で仕方ありません。
何故なら、恋人になった後に起こる恋愛目線での波乱万丈は、大抵第三者の介入があったりするからです。
一度関係を持った人が、後に第三者を抱くというのは私的には、もう二人の関係の終焉を、表しているのです。
ですが、この慧一と光流の二人心は終焉を迎えていない。
ならば、私が光流の立場だったらどの様になれば慧一とハッピーエンドを迎えられるのだろうと考えた時、凪良先生の出した答えが、1番しっくりくる答えだと言う気になったのです。
私なら絶対許せない。…許せないが、好きだと言う気持ちを捨てることもできない、となった時、光流と同じく「仕方ない」と言う気持ちになる状況はどうなのかと心に問うと、この作品と同じ結末を迎えました。

慧一が光流を捨てるという舵を切った理由も、しっかり描かれ、後にその理由らしきものを悟った光流も描かれているからこそ、最後の「仕方ない」に繋ぐことができたのだと思います。
しっかりとした伏線回収、二人のルールの効果的な使い方、キャラの性格の掘り下げ。
全てにとって神評価であり、凪良先生の文章力にしたを巻きますが、第三者視点として見て、光流の心を傷つけた慧一が最後まで許せなかったので、趣味じゃ無い評価とすることにしました。
「おやすみなさい、また明日」の中で、似た境遇のつぐみを庇うために、友人が相手の男に詰った言葉をそのまま慧一にぶつけたい気持ちがあります。
「ゲイにとって子供が欲しいというのは、死ねと言われてるのと一緒だ」です。
今作では慧一の事情や視点も描かれて居たので、正直そこまでは言いませんが、それくらい光流の肩を持ちたい気持ちになりました。

とても悲しくとても愛のある物語

凪良さんの作品では軒並み泣かされる私ですが、その中でもこの作品はやばかった。
後書きで作者本人も言っていた通り、最後の評価が激しく分かれる事でしょう。
朔太郎の苦しみであったり、つぐみのかける言葉の出ないもどかしさだったりが、とても心に刺さりました。
本編も涙と愛のが満載のお話でしたが、後日談の展開が神がかってました。

朔太郎の病状の進行と、つぐみを失った頃の朔太郎の変化の部分が柔らかく混ざり合った書き方をされていて、ヘルパーの女性が出てくる頃、読者側もつぐみが既に鬼籍の人だと気付かされる。
つぐみを失う事をあれほど恐れていた朔太郎は、毎日つぐみに先立たれた寂しさや悲しみを思い出すと同時に、記憶からつぐみを失う事が無かったと言う彼の幸せに、読者は気付かされる。
とても幸せでハッピーエンドな筈なのに、同時に悲恋を読んだかのような遣る瀬無さに包まれる。
後味が悪い気もするが、最高の余韻を残す後読感がある作品でした。
これはやはり、萌え作品ではなく神作品か趣味じゃ無いかの選択を迫られる作品では無いかと思います。
まるで作品自体が、筆者いとうつぐみの様なとても不思議な作品でした。

これは東郷海斗の成長物語

タイトルの通り、序盤で海斗の我が侭さや、カッとなる性格にイラッとしてしまい読まなくなってしまうのは絶対もったいないです。

商社の支社長という親を持ち、何不自由なく生活してきた甘ったれな男の子にしては、結構常識人な一面もあります。
16世紀に飛ばされ、何度も死んでもおかしくない場面に晒されながら、自分の甘さを痛感し成長していく海斗と、血縁とは関係なく愛と信頼を教えてくれた、海の兄弟たちの心に沁みる物語です。
良いところのお坊ちゃんなだけあって、教育もしっかりされていた所もこの話の面白いところですね。
トリップものなのに、いざ跳んだ主人公が、その時代の事を全く知らない…というのではこれほどの深みのある作品にはならなかったでしょう。
出来すぎなくらい出来る少年ではありますが、ある程度の器用さは、現代人的で良かったと思います。(というか、能力高い主人公好きなせいかもですがw)

BL=エロと思っている即物的な方には向かない作品ですね。
段々と形になっていく、魂を揺さぶられるような愛。途中途中、キスシーンや途中までするシーンがありますが、最終的に最後まで結ばれるのが21巻と、かなり先なので、恋愛の過程を重視する作品が好きな人にしかオススメできません。

歴史背景は知らなくても、イングランドの歴史に詳しい海斗がちょこちょこモノローグで注釈を入れてくれるので、問題無しです!
けれど、多少なりとも人物や背景を知ってる人が読んだ方がより楽しめるんだと思います。
人物の歴史背景だけではなく、当時流行っていたものや習慣など、かなり細かい所まで書かれていて、作者の努力と知識量に舌を巻きました。