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お兄ちゃんはツンデレでした。

 シリーズ1冊目で、義弟瑞樹に酷い真似をした次男・エドワードと、敬愛する兄と代表を争う同級生の庶民生徒とのお話。

 エドワードは、兄に多分片想いをしてたんだと思うんですよね。…無自覚に。
 でも、その兄が瑞樹を選び、その弟も可愛く見えて来て、立場や認識改めて。
 そんな中で現れた男が、兄のライバル視されてる男で。
 弱みを握られ、身体を好きに弄ばれ。
 そんな関係を続けながら、今まで見えなかったライバルの顔に、心が段々悲鳴を上げだして…。

 とにかく一冊目のエドワードの酷いイメージが、ひっくり返り!
 ああ、ツンデレ女王様で、素直になれない人だったんだと。
 品行方正な兄と真逆の男に反発しながらも、ちゃんと受け止められる心を持ってた。
 すっかり途中から、ツンで可愛い人に見えて来て、後半懲罰を受ける彼のとこに行く辺りはもう、キュンキュン!

 そう思って、一冊目を読み返すと、ちょっと許せる気がしました(笑)

先入観と常識の壁。

 可哀相な受が大好物な私には、たまらなかった一冊…ながら、次男!
 シリーズ続刊で盛り返すけど、次男が一番酷い。

 奔放な母にほぼ、見捨てられた状態で育った主人公。
 実はイギリスに父がいて、血縁の全くない兄、半分血の繋がりのある兄のいる寄宿舎付き学校に入れられる。
 父達は、主人公の母の振る舞いに怒りが収まらず、最初から主人公を「あの女の息子」として、冷たくあしらう。
 言葉が通じず、母のこともあり、学校でも家でもハブられる主人公。
 それを気にかけながらも、家族感情の手前、手助けを躊躇い続ける兄。
 そんな擦れ違いが、次兄の策略で徹底的に拗れてからの主人公の可哀相さは、半端ないです。
 孤立無縁。
 四面楚歌。
 友達は、日本から連れて来たお守りの801…じゃなかった八百万の神様(と、馬)
 お兄ちゃんは、のぞき見で馬番に嫉妬したりと、やり口は後半汚いですが。
 だからこそ、ようやく最後に心が結ばれた時は、「よかった!」と叫んでしまいました。
 いじめられ、蔑まれるシーンには思わず涙。

 途中とことん救いがないですが、きちんと幸せな結末が待っています。

 薄幸受が好きな方は是非。

愛って痛いし重いよな。

 胃に来る一冊。
 体調が良くない、精神的ブルーな方は、健康になった時に読まれたほうがいいと思われます。
 既に方々でレビューや感想を読んでいたんで、コワイモノ見たさ半分の気持ちで私は読み始め。 タイミング的に、ちょうど自分の中で、『BL』とはなんぞやと考えてた時だったんで、凄い極論見たなって気分でした(笑)

 人を好きになる、そのことで臆病になる、振り向いてくれなくてつい強引な手段を使ってしまう…それが、よじれて拗れたら、こうなるのかなと。
 正直受のような上司の態度は、身に覚えが非常にあり(笑)
 愛がなかったから、憎しかなかったけど、その人には。
 ストレスと愛憎とがごっちゃになったら、そりゃあ人間どこか壊れるよなぁ、と。
 私は非常に、攻に同情的でした。
 結末含め。

 ヤンデレやら、監禁・凌辱、なんて言葉で釣り上げられるお嬢さん向きの、望む内容の斜め上いく展開ですが。
 人と人が生身で向き合う、愛と憎を垣間見たい人には是非。
 人が人を簡単に好きにはなれないこと、同時に簡単に嫌いになれないことを、ありとあらゆる手段を込めて描かれた作品だと思いました。

 そういえば、タ〇リさんが『愛』て感じは心をがんじがらめにして、身動き出来ない状態だと言ってましたが。
 そんな感じです。

テンプレに収まらないキャラクター達。

 須和さんが書かれた本の中では、比較的ライトでポップな学園モノシリーズ。

 一巻目は、二組の主役カップルがくっつくまでがメイン。
 今流行りのBL展開から考えると、生温さは拭えないかもしれませんが、キャラクターの突き抜け方は、やっぱり須和さんという感じです。

 以降シリーズが続きますが、個人的に主役カプよりも、主役の攻め同士の繋がりが萌えました(笑)
 それは、続巻のお楽しみなのですが。
 堅物を絵に描いた男と、ドSの捻くれ幼なじみの二人。

 須和さんのキャラクターは、何と言うか今でいう属性にハメづらいのですが。
 そこが最大の魅力だと思います。

未だ忘れられない衝撃のラスト。

 「禁断の」という文句がまだ普通に付いていた頃の、BLなんて言葉が無かった頃の作品。
 今の水城さんに通ずる部分も、見え隠れする…確か「センシティブ」なんて冠が付いていたような記憶があるのですが、当時。

 世間から隔離された学生寮の中で、若さ故の情熱と勢いで惹かれ合い身体を繋ぐ主人公二人。
 それは、学園内ではタブーだった。
 二人は、特殊な方法で裁かれることになる…。

 二人は、お互いに好き同士ではあるけれど、どこかまだ遊びの延長線上にある雰囲気があって。
 この人が生涯の運命の相手だ、というノリよりは、もっと刹那的な感じで盛り上がる。
 だから、多分、言葉で語り合わなかったからのラストだったんじゃなのかな、と私は思っています。

 静かで、でも熱くて、そして切ない一冊。
 この頃は、こんな「究極の選択」系が多かったなぁと懐かしい想いです。

On Your Mark コミック

竹美家らら 

見た目程甘くない。

 近年は、イラストレーターとしての知名度の方が高いかもしれませんが、竹美家さんはやっぱり漫画にこそその真髄があるかな、と個人的に思います。

 いくつかの短編からなる、本作ですが。
 淡いお伽話のような絵柄の中で、鋭い痛み…仕込み針のようなものが入っている、そんな雰囲気です。
 甘そうに見えて、苦い。

 表題作は、血の繋がらない擬似親子の話。
 息子が子供から男になること、親子の枠だけじゃ収まらなくなってきそうな事。
 若さ故のストレートさで、息子は「欲」を伝えて来るから、どうしていいかわからなくなる。

 決してすっきりした絵柄ではないので、さっぱりした漫画に慣れている方には不向きかもしれませんが。
 ふんわりしたイラストの向こうにある、ちょっとした毒もオススメです。
 結構、癖になりますよ(笑)

可哀相な受の極地。

 不幸受、薄幸受というのが好きなのですが。
 この本の主人公・深は、まさに「THE・不幸受」と言いますか…。

 10歳の時手篭めにされ(本当あれは手篭めだ)、以来20年囲われて愛人生活を余儀なく送らされた深。
 しかし彼の心には、唯一支えとなる存在が。
 それが、自分を苦しめている男の弟。

 無自覚に、恋とは何かを知らずに恋していく深。
 幼年期を越えて再会したその愛しい相手が、兄以上に酷な事を強いて来ても、深は従うしかなかった。

 何て言うかもう、深は子供の心のまま時を止めたかのような存在で。
 無垢で、純真な分余計に可哀相と言うか。
 攻である弟君が、また不器用で、身の内に根付いてる執着心を見過ごそうとする。

 追い詰められ、壊れかけた深を見て、ようやく自分の過ちに気付いた弟君。
 そこにまた現れる、諸悪の根源の兄(最低男)

 兄弟が、一人の男に惑わされる話…とも取れますが、深の可哀相さを、しみじみ味わってほしいなと思います。
 だからこそ、最後想いが通じ合った時の感動が倍になります。

 涙腺・感情移入激しい方は、ハンカチよりタオルをご用意して読まれたら…と思う一冊です。

 私は鼻が詰まって、息苦しくなりました。

甘酸っぱい「恋」の話。

 個人的な持論で申し訳ないのですが、私はあまりBLにエロを求めていません。
 エロ=過剰なセックス描写、プレイなんですが。
 商業BLにおいて、そうではない作品を捜すこと、当たる事が難しくなっているなと思う昨今です。

 このお話は、そんな私に打ってつけな(笑)
 転げ回るくらい恥ずかしい、「好き」という気持ちだけが溢れた、可愛い男の子同士のお話です。
 まさに、ボーイズラブ。

 クラスであまり係わり合いのなかった二人が、偶然見つけた「ブログ」を通じて近づくストーリー。
 キャラ違うだろおまえ!というくらい、ハイテンションな内容のブログを書き綴る、「ソファラ」
 彼が想いを寄せている相手が、自分だと気付いた主人公の困惑ぶりと、反比例な相手のエスカレートぶり(笑)

 装飾過多にも程があるだろ、と言いたくなるぐらいの文章は、読者も恥ずかしくなります。
 そのぐらい、彼の心の中で根付いてる存在感。
 誰かに好きだと想われる、こそばゆさ。
 心地よさ。

 ブログという、ある意味他人の日記を覗き見してしまった状態から始まる二人の関係は、オンでもオフでもじれったい程ゆっくり絡んで行きます。
 駆け足じゃない、積み重ねる想い。

 思い余って、ソファラが修学旅行中に行った、寝込み襲ってのキス。
 ここに叫びそうなほど、萌えて燃えました!
 冒頭の話に戻りますが、触れ合いそうで触れ合えない…そんな関係こそが「萌え」じゃないかと私は思ってます(笑)

 一服の清涼剤のように、清々しく爽やかで可愛いくも恥ずかしい一冊です。

どこかにあるリアル。

 実際自分が男ではない以上、「男同士の恋愛」は妄想でフィクションでしか体験できないけれども。
 その中に、紙の中息づいてる人達の「リアル」は、本物だと私は思う方です。

 最近流行りの商業BLで、久々に購入した一作だったんですが。
 世間の高評価に、どうなのかと若干猜疑心があったのは認めます。
 でも、登場人物たちの年齢(26と29…かな)の話としては、等身大でリアルなお話であったと思いました。
 誰だって、人を好きになるのは怖い事。
 ましてそれが同性ならば、余計に。
 その、当たり前にある怖さや弱さを、嶋くんという受くんは一人で体現し。
 一方の外川さんが抱える過去も、まったくそんな生き方が無いとは言えない人生で。

 幸せの定義とか、ラブラブvな毎日ばかりじゃないのが人間なんで。
 こういう、悩んだり苦しんだりしながら、みんな幸せを掴むんだよなと再確認したと共に、後半ようやく結ばれた二人に一緒に涙しました。

今更な感じですが。

 全寮制学園モノの、ある種金字塔作品。
 一定年齢層より上には、説明不要でしょうが…うら若いお嬢様達へも奨めたい作品。

 主人公・蓮川一也は高校一年生。
 両親は既に他界し、肉親は男子高で保健医をしている兄のみ。
 その兄が、一也の初恋かつ片想いの相手と結婚。
 超ブラコンの一也は、優秀で真面目だった兄が転落人生(と思い込み)のきっかけを掴んだであろう、兄の母校でもある緑都学園に入学し、自分は絶対に違う道を進んでやる!…というところから、物語は始まる。

 出だしだけでも、どこか既視感を覚えるような内容ながら、そうお約束とおりにならないのが那州先生。
 実家に居所を無くした一也が入った、緑都学園付属寮…緑林寮、通称グリーンウッド。
 そこは変人の巣。
 顔の傷が数秒で治る、驚異の美形寮長・その同室者の神か悪魔か忍様か、という生徒会長。
 同室者は、どうみても女子にしか見えない男。

 少女漫画のスタイルを借りながら、少年のリアルさを上手く盛り込み、各キャラの特異点を活かし、一也の視点を通して送られる学園ライフ。
 明らかに怪しい隣室の先輩(寮長と会長)、寮内唯一公認カップル等も後半出て来て、BL的視点でも十分楽しめる作りになってます。

 個人的に、光流先輩の生い立ちの伏線の張り方、それをスカちゃん(主人公)が知った時の衝撃は、読者も同じようにショックを受けました。

 学園モノが好きな方は、一度は読んでいて損はないと思います。
 お兄ちゃんの一也好きっぷりも、美味しいです(笑)