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つかみきれない藤亜を健気につなぎとめる次郎

近頃テレビで見る、ジェンダーレス男子っていう感じな芸能人の受けでした。わたしはもともとジェンダーレス男子が好きなのでこの受けもその第一印象から好きでした。

たしかに、受けのつかめなさが目立つ作品で、共感できるかどうかは難しい作品かもしれません。
自分が恋心を向けるのはいいけど、恋心(というか執着?)を向けられるのは苦手、冷めてしまう……そんな感じの印象が残った受けでしたかね。私個人としてはその気持ちがわからなくはないので、全く共感できないわけではなかったです。

そして攻めは、受けが自分から離れていかないように気を張っている。あまりにも奔放な受けで攻めが不憫に思えてきます。私はそこも好きだなと思いました。えちシーンでは受けのふにゃっとした感じが好きだったのですが、えちシーン以外ではどちらかというと攻めに萌えたような気もします。ずっと気を張っていて、けなげで、たまに受けをあきらめようとしたりもしているけど、やっぱりけなげにつなぎ止めようとしていて。

終始受けの奔放さ、緩さは残っているようですが、攻めに対する心情は確実に変化していました。それが会話の中で少しずつ透けて見えてくるような描かれ方で、掴みきれない受けだからこそ、その心情を考えながら読むのが楽しかったです。
エンドでも両想いラブラブに落ち着いたか、と言われると、う~ん?という感じなので、そこでも好みはわかれると思います。

あと他の方も描いているのですが、登場キャラが多いのです。
いろいろな人間とのつながりが描かれて、芸能界にいるっていうその雰囲気にも魅力を感じて、この一冊だけでは彼らを堪能しきれなかった気がしています。商業でも同人でもいいからもっといろいろなかかわり方をするところが読みたいと思いました。

複雑に絡まった関係の兄弟から……

リオが兄弟二人のもとに引っ越してきて、三角関係になっていくお話です。
キャラクターの恋愛感情の向きが物語の中で変化していき、3人それぞれの印象も物語の初めと終わりでは全く違っていき、次々と読み進めたくなるお話でした。

物語の大半はリオの視点で描かれております。
前半部分では、リオが兄弟に入り込んでこの三人での関係に夢中になっていきます。その様は、リオにとっては幸せそうでもありながら、どのような結末を迎えるのか予想ができない不安を読者に与えていたと思います。
二人での関係から三人で秘密を共有するようにきっかけを作っていく兄の言動は、この兄弟の歪な関係をうかがわせ、物語のほの暗さを作り上げていく元となっていたと思いました。

そして、三人の結末を語る部分で急に視点が入れ代わります。
急な交代に最初はよくわからなかったのですが、その視点の代わり方が私は好きでした。
既に語られた物語を視点を変えて語るだけではなく、結末の部分は別の人物に語らせるというものでした。その交代した視点での終わり方は、三人の顛末を幸せなものだけでは終わらせずに、さみしさを読後感に色濃く残すスパイスとなっていました。

リオと弟、リオと兄、自分以外の二人に影響されながら兄弟二人とも変化していったのかな。
兄は恋愛感情を芽生えさせたような、弟は自分の魅力を周囲に気付いてもらえるような、そんな変化をしていったと思います。

駅人がいいキャラしていた

森世さんは他の作品でも残酷な展開になるものが多いように感じますね。BLでこの展開かあ。苦しい……って感じの。それがハマるんですけどね。大好きな作家様です。
この作品もそんな感じで。他の方がおっしゃるとおり、オメガバースの世界に潜む残酷さをあらわした独特な作品だと思います。ああそっか、そうなっちゃうのか……って悲しくなりながら読んでいました。

あまり変わった感想を抱いたわけではないのですが、一点、駅人があっさりしすぎという見方があるようですが、私はそのあっさり具合こそが駅人らしいと思いました。

世間がΩ性に対して抱くであろう下品で卑しい考えを、駅人もまた持っている。それこそ駅人のゲスさだと思いますし、そのゲスさを、夢見るΩに対してでさえ隠そうともしない。
本当に何とも思っていなくて、いくらでも替えが効くから、一つのΩにこだわる必要も感じていないし、ある特定のΩが自分のところにおちてくるように、と労力を注ぎ込んで手を尽くす気なんて全くない。たとえ番にしたΩでも、番なんていくらでも作れるんだし、本当に離れたければどうぞっと。そんな感じでどのΩが良いとかそんなこだわりはないんだろうなと思いました。
計に対する愛もやっぱり持ち合わせていない、やっぱりただのΩ、ただの子作りの道具としてしか見ていないような。駅人、ゲスいなあって。
もしも、自分から離れて幸せになる決意を示した計に少しでも執着を見せるようなら、計に対してちょっとは愛を持ち合わせているみたいじゃないですか。本気で愛し合う恋人どうしをわざわざ引き離そうとはしない、わざわざ苦しめようとも思わない、お好きにどうぞって感じの。そんなあっさり具合には、およそ覆らない駅人のΩ観、駅人の下劣さが現れていると思いました。
だから、私は駅人のあっさり具合にはキャラクターとしての特徴が込められていると思いましたし、好きです。

課長が可愛い……

課長がとにかくかわいいです。
最後まで本番はないのですが、ぜひとも本番が読みたいし、課長のかわいい姿がもっと観たいです。
くっつく前から浮世離れしたものの考え方をする課長ですが、そこは滝本くんが目を離せなくなる一因でしょうし、課長がなぜ恐怖心を抱くようになったのかを知ると守ってあげたくなります。
くっついた後もまずまず浮世離れした考え方は抜けていませんが、ころころと表情豊かに喜んだり焦ったり落ち込んだりしている課長がとにかくかわいいです。
そんな課長にキュンっとする一冊でした。