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その言葉はダメ

付き合っている彼氏・恒希の「処女なんてめんどくさい」という言葉を偶然聞いてしまい、間違った方向に努力してしまうフク。
恒希の放ったような言葉は、ほんとに冗談でも言っちゃいけないと思う…。
フクが相談した恒希のお兄さんが良い大人だったら止められたかもしれませんが、残念ながら悪い大人のため、フクは間違ったまま突き進んでしまいます。

こういうのってだいたいやる寸前でやっぱり無理!とか、意中の相手が止めに来るとかってパターンが多いと思うので、そのままやってしまうという展開が新鮮で強烈でした。

私は終始フクに感情移入してしまったため、フクが初めてじゃないことを知った恒希があからさまにフクを避けたり、ひどい扱いをするところで恒希に腹が立って…。
フクはバカだけど、恒希のことが好きすぎるだけの健気な子なんだよ!と…。
マイナーかもしれませんがずっとフク寄りだったので、恒希に悪態つきまくりでした(^^;

最終的にはお兄さんが全部ばらしてハッピーエンドです。
読み進めるのが辛かったですが、フクが笑顔になるラストでよかった…。

もう一組の安藤と佐野の話はフクたちの重苦しさを吹き飛ばす明るい話で、佐野のあほさに癒されました(笑)
この二人の話があったことで、バランスも良かったんじゃないかなと思います。

期待を裏切らなかったトライアングル

女の子大好きでとっかえひっかえしている西村、
西村に10年間片思い中の酒井、
酒井と10年間セフレ状態の北田、同級生三人のお話。
酒井は西村のことが好きすぎてこじらせ気味で、辛いときにはいつも北田に愚痴り、慰めてもらう日々。
そんなある日、北田との関係が西村にばれてしまいーー

西村にとって酒井は唯一の親友で、女の子よりも常に優先してきた大切な存在。そんな酒井が自分には秘密にしていたことがあり、しかもその秘密を自分ではない人間(北田)が知っていることに激しく嫉妬。
一方の北田は、傷付いて落ち込む酒井に10年もの間寄り添ってきた。
酒井は一途に西村を思い続けてきたが何度も折れそうになり、その度に支えてくれた北田に依存しており、西村とはまた別のベクトルで大切な存在。
酒井にとってはどちらも必要で、どちらが欠けても崩壊してしまう。
そしてそのことを、今まで西村に対する酒井の一途さを見てきた北田も、北田が酒井を支え続けてきたことを知った西村も理解し、酒井の望んだ形でのハッピーエンドを迎える。

私はどのキャラにも感情移入できたので、この終わり方は妥当かなと思います。個人的に西村×酒井が好きなのですが、どうしても北田は不憫に感じてしまいます。
酒井と西村は恋人になってからも素直になれず言いたいことも言えず、北田の助けがないとだめだめな状態。北田に頼りすぎだろとは思いつつ、こんな彼らだから北田が必要なんですよね。
北田の気持ちを考えると複雑ですが、もう少し時が経って未熟な酒井と西村が成長したとき、北田を救ってくれる存在が現れたらいいな…とか勝手に妄想しておきます。北田は本当に大人で良いやつです。

3Pモノはいくつか読んできましたが、個人的には一番納得のいく結末でした。
1話ごとに各々の視点で描かれていたため、それぞれの心情も理解できましたし、筋肉質な絵も素敵。そして、表情やセリフにぐっとくるシーンもあり、読みごたえがありました。
はまる人はとことんはまるのではないかなと思います。

2年3組の面々 コミック

三崎汐 

引き込まれる作品

久々に引き込まれる作品でした。
2年3組の5人それぞれの視点で語られるお話です。
登場人物は多いですが、描き分けができているのでキャラの区別はつきやすかったです。
ただ、さらっと読むと誰が誰だか分からなくなるかもしれません。
文章量が多いので読み終わるまでに時間はかかりましたが、読み終わった時にとても満足感を覚えました。
本編はハッピーエンドとは言い難いですが、最後の多部友由樹視点を読むと個人的にはどの子たちもハッピーエンドなのではないのかなと感じました。
胸を打つ台詞もあり、読んでいて意外性もあり、充実した時間を過ごすことができました。合う人はとても合う作品だと思います。