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山の魅力にとりつかれた男二人

「一度、山の魅力にとりつかれた者は、
一生、山から離れることはできない。」
「山登りは他のスポーツと違って生死がかかっているので、
共に山に登った仲間同士には特別な絆が生まれる。」

先日までwowowで放送されていた
「マークスの山」というドラマに上のようなセリフがありまして、
「なんか、山ってエロいよなぁ~。」
と、思っていた矢先にこの本の存在を知りました。

そして、読了後の今、
「やっぱり、山ってエロいわ」と思っています(笑)。

内容は尊敬する登山家であり親代わりでもある
叔父の死のショックから心を閉ざしていた小田切が、
佐和と時間を共有することで少しずつ心を開き、
互いに思い合うようになっていく、というお話です。

小田切の「一人は気楽だが、お前と一緒のほうがいい」という
セリフがこの物語の全てを表しているように思います。

頂上に辿りついたときの達成感は、
一人でも感じることはできるけれども、
大切な人と一緒に感じたら、より大きな喜びになる。

その心は、、、
一人でイくのもいいけど、一緒にイくほうがいいよね?

違うとは言わせねぇ(笑)。

すみません。
すんごいエロエロなお話だと思われたらすみません。
エロ度はかなり低めですので、あしからず。

突き詰めた願望の果て

BLに何を求めるか、みたいなことをとことん突き詰めると、
こういうことになるんじゃなかろうか、と。
前編読了後思いました。

このシリーズでは和貴が一番好きです。
だから彼の究極の願望を深沢には叶えてあげてほしかった。

「死にたい」と懇願する人間に、
「生きたい」と言わせる。
それも口先だけじゃなく、
その場のノリじゃなく、
心の底から、魂の叫びとしての「生きたい」。

これが攻めへの願望の最果てかつ根元だと思うのですよ。

そこへ持っていくための道のりに、
どんな物語が用意されてるか。
薄っぺらいとつまらないし、
リアルすぎても冷めてしまう。

まぁ、現実にはこんなホモだらけの財閥があるわけないのですが(笑)、
適度にファンタジックで、
適度に現実味もある、その匙加減が絶妙というか、
自分にはすんごく美味でした!

残念なキャラが一人もいない!

作品紹介を見て、愛する合田雄一郎
(高村薫さんの小説、合田シリーズの主人公)と
上條の属性が一致しまくってたので読みました。
読んでみたら、更に一致するところがあって、
まず、そのことにすんごいウハウハしました!
例:捜査一課の刑事、父親も警察官、
父親は高2の時に死亡、バツイチ等・・・

でも、性格はぜんぜん違いました(笑)。
上條はおもしろくて性格良い人です。

シリーズものらしく1巻から大量に登場人物が出てくるのですが、
普通、こういう場合、
「このキャラ、必要なんだろうけど、私は好きじゃないな・・・」
っていう現象が起きませんか?
でもこの作品では一人一人が個性的で魅力的で、
残念なキャラが一人もいないんです!
もう、みーんな幸せになってほしいっ!!(笑)

メインの上條と瀬名はもちろん、
カギを握るであろう祥という少年。
瀬名と過去になにやらあった様子のヤクザ新藤。
新藤の愛人である葉鳥。
皆、魅力的なキャラで全員に惚れてしまいました。
あと、上條の上司の野々村もステキっ!

攻め目線から描かれているのも新鮮。

このお話、ミステリーな部分もあるため、
1巻の時点で「犯人コイツじゃね?」と思ったのですが、
まさかね・・・。
私のお粗末な予想が当たってたら、ちょっとイヤです。
でも、まさかね・・・。

神の中の神!!!

最近登録し、最初にどの作品のレビューを書くか、
数日悩んだのですが、自分の中で神の中の神である
この作品からとっかかることにしました。

名作『BANANA FISH』の番外編短編集全5編。
その中の『光の庭』が私の中の最強神作品です。

内容は本編最終話の7年後。
28歳になった英二はカメラマンとなり、
ニューヨークを拠点に活動しています。

そこへ英二の姪である暁(アーちゃん・中学生)が遊びに来ます。
背が伸びてすっかりかっこよくなったシンを含む
この3人を軸に、物語は展開していきます。

英二は“アッシュの死”を、
暁は“女になっていく自分”を、
ゆっくりゆっくり受け入れていきます。

そのどちらにも優しく寄り添うシンがたまらない!

本編でアッシュが殺されたときも泣きましたが、
この『光の庭』を読んだときの嗚咽っぷりは
後にも先にも経験したことがありません。

こんなに切ないのに、このお話の中で英二は一度も泣きません。
それどころか感情描写的なものがありません。
なのに読んでる側はものすごく感情を揺さぶられるのです。
作者のすごさを感じずにいられません。

アッシュはこの先も英二の心の中の一番大切な場所を
独占しつづけることでしょう。
アッシュを大切に抱きしめたまま生きていく、という静かな決意。
その決意は優しくて強いけど、切なくて寂しくて悲しい。

でも、アッシュを忘れて幸せになることイコール
英二の幸せではないんですよね。
それがわかったシンも静かに受け入れます。

私はアーちゃんくらいの年齢で本編をリアルタイムで読んでいて、
大人になってからこの短編を読んだんですよ。
だからこそ余計28歳の英二と中学生アーちゃんの
描かれていない心の描写までも想像して、
めちゃくちゃ泣けてしまったのだと思います。

この『光の庭』を読むために、
長い長い本編を読んでも損はないですよ!
って言えるくらい私には最高のお話です。