葡萄瓜さんのレビュー一覧

この愛を踏みつけて コミック

北別府ニカ 

撮れるもんなら撮ってみなはれ

この表題作を生々しさが一切なく糖度200パーセントの
実写作品に仕立て上げる事が出来る映画監督さんが居たら、
評者はとりあえず主義主張を鉛の箱にしまい込んで
褒め称えたい、そう言う読後感です。
何しろ表紙が表紙ですので変な覚悟を持って挑んでみる訳です。
そしたら思わぬ所へ叩き落された上にごろごろと転がされる
訳です。
こんな奇妙なバランスを成立させた作品がおいそれと
実写化されてた…

2

おろかものが恋をしたら。 コミック

日渡春祈 

ある意味シュガーレス

もしかしたら、評者はこのレーベル自体に対する評価の
第一歩を間違えていたのかも知れません。
全年齢向けを基本としつつロマンスの過程を描くのが
このレーベルのカラーだと思っておりましたが…、
今作の様な難しい球をしれっと投げられると、内包するものが
どれだけ奥深いのだろうと勘ぐってしましますね。

今作の道具立て自体は、BLとしては全て有り得るものだと
評者は捉えています。
違うの…

5

夜明けを待つ君のために コミック

りーるー 

だけじゃない巧みさ

評者には珍しく、電子配信の時点から話を追って
おりましたがその時点から裏切られっ放しでした。
無論、良い意味で。
この作者さんのショタ作品のテイストを更に突き詰めながら
BL仕立てにした、と言う感想でまとめるのは簡単ですが、
その一言で収まる作品をサラッと出してくる方は
多分そうそういらっしゃらないでしょう。
その巧みさは作品のタイトルで既に発動しています。
改めてまとめて読んでみ…

4

猫、22歳 コミック

柳沢ゆきお 

実にえぐい

この方の商業単行本も、これで4冊目となりました。
短編集→長編→連作集、そして今般の中編集+αと言う変遷が
ある訳ですが、ここへ来てデビュー単行本で魅せた様な
えぐみをサラッと持ち出してくるとは、と驚いています。
でもそれを旨味と感じ取ってしまうのは、長編と連作集で
会得したであろう部分と熟成の為せる業なのやも知れません。

そして、手法の取り込み方にもまだまだ余念がない様で。
江…

3

DARKNESS HOUND コミック

イヌミソ 

旨いピザも合わせつつ

元々が同人誌として成立していたシリーズとの由。
それが電子書籍化され、そして紙媒体商業誌と
なった訳です。

出自が出自だけに良い意味で自由奔放です。
ある程度の整合性はあるものの設定に雁字搦めに
される事はなく、登場人物達が気ままに振舞っている。
神の人形でも紙人形でもなく、きちんと肉を持った
存在として。

ハードボイルドなゆで卵が程好い加減で潰され
混ぜられて卵サンドに…

5

GUN&HEAVEN コミック

こだか和麻 

I本さん、ああI本さん、I本さん

レビュー、と言うよりはちょっとした挿話的に。

帯にもある通り、こだかさんの代表作「絆―KIZUNA―」の
スピンオフなのですが、実はこのカップリングを、と言うより
攻めさんを初登場以来20年間に渡りゴリ押ししてきた方が
BL業界の中にいらっしゃいます。
誰あろうこだかさんの担当編集者であるI本さんです。
こだかさんのデビュー当時からタッグを組み続け、こだかさんの
漫画のネタにもな…

6

ガラスごしのきみへ コミック

黒豆麦茶 

ガラスごしの誰かへ

出自を軽くおさらいしておきましょう。

この作品は2015年3月から1年1ヶ月を掛け、Twitter上と
pixiv上で発表した自主連載作品が基盤になっているとの
事です。このレビュー時点でもpixiv上に初出版が掲載されて
おります。
またこの作者さんは本年(2016年)5月に電子書籍にて
商業デビューを飾られました。
作者さんpixiv→ http://www.pixiv.ne…

6

最果てのアムリタ コミック

つくも号 

立場と重み

表題作は同タイトルオリジナル同人誌3冊を再録した上
加筆したもの。そして更に同人誌一冊と電子書籍化された
同人誌一冊を併録作として収録しています。
【※初出情報を訂正しました】

同人誌→電子書籍化再録分は、この作者さんの陽気な部分が
前面に出た作風ですので割合に軽く読めるだろうと拝察します。
併録もう一作の同人誌再録分も…まあまあライトと言える
部類ですので、心当たりさえなければ…

7

はるのしんぞう 東京心中 6 コミック

トウテムポール 

普通である事

相変わらず大型犬が綺麗なオッサンに翻弄されておりますが、
今回は綺麗なオッサンもまた苦悩の中にあると言うターン。
カバーの情報量が心なしか一割五分程減って見えるのは
綺麗なオッサンの苦悶分割り引かれているのでしょうか。

少し前、ネットの一部から流行った言い回しに
「こまけぇこたぁいいんだよ!!」と言うのがありましたが、
正にこの巻はそう言ってバッサリ終わらせたい局面を含んで
いま…

2

玻璃の柩 小説

嶋田純子  波津彬子 

匣の中の熱

20余年前に刊行された耽美小説、と聞いて
あなたはどういうイメージを抱かれるでしょうか。

格式ばった?とっつき難い?濃密?

この作品には多分それ等の形容詞は似合わないで
あろうと評者は愚考します。
かなり言葉を選んで構築された耽美小説ですが。

そう、この小説は耽美小説として世に出ました。
版型もサイズこそ現在のノベルズ版と同じですが、
ハードカバーでありなおかつしおり紐…

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