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3P！緊縛！食事エロ!?BL作家108人が性癖さらす
『SEIHEKI 108 TYPE』思わずうなった萌エロシチュ

先日「ふゅーじょんぷろだくと」から発刊されたコミックアンソロジー『SEIHEKI 108 TYPE』。総勢108名のBL作家陣が、自身の萌えるエロシチュエーション＝性癖を惜しげもなくさらすという、BL読みには大変興味深い一書です！

内容は、1名につき見開き2ページの短い漫画エッセイの詰め合わせ。「Situation(状況萌え)」「Costume(コスチューム萌え)」「Steps(展開萌え)」「Character(キャラクター萌え)」「Setting(環境萌え)」「Sex Position(体位萌え)」「Fetishism(特殊性癖萌え)」「Relationship(関係性萌え)」の8項目に分類されています。

2ページという限られたスペースで、存分に語られるエロ――そうです、もうお気付きの方もいるかと思いますが、この本、どこを開いても濡れ場のオンパレードなのです。もしかして、どの漫画よりもエロ度高いんじゃ…？

今回はそのなかから、思わず手を止めた萌エロシチュエーションをピックアップ！ ただエロいだけではない、こだわりの萌えがそこにはありました。

AFしながら朝食を
山田酉子先生『俺の〇〇〇が性的器官のわけがない』
「アナルセックスならなんでもいい！」と豪語する山田先生の萌えるシチュエーションは、

「『アナル』が『排泄器官』ということを考えると　それを逆手に取った　食事しながらのアナルセックスなど萌えますね　しかも朝食とか」

ここ、3回読みました。
男体盛りでも、はちみつプレイでもなく、食・事・エ・ロ！ それも『排泄器官だから』という根拠(?)に基づいて萌えるという衝撃に目が皿になりました。

工事音に萌える！
スルメイカコ先生『sound of BL』

萌えどころはずばり「BGM」＝自室エッチ中の家族の足音、校内シチュでの他生徒のガヤ、最中に窓の外から聞こえてくる子供の声などなど、スリル！罪悪感！ ましましの“環境音”。言われてみれば、背徳感というのはエロをよりエロく見せてくれるエッセンスとも言えますよね。そんな先生のおすすめはさらに深いところにあるようで、

「なかでもイチオシは　工事音!!!聞こえません!!受けの声がかき消されます!!!何を言っても届きません!!!」

興奮が手に取るように伝わってきます！でも、そっか…！工事音か…！ぜ、前衛的！なかなかお目にかかれないシチュではありますが興味津々。見つけた際にはぜひご一報ください。

しっぽの付け根はやらしい
ながべ先生『しっぽ萌え。』
“ケモノのしっぽ”と聞いて、ほとんどの方は毛の長い犬猫的な何かを思い浮かべると思います。

しかしながべ先生といえば、猛禽類にも通じる口もと、恐竜やトカゲを思わせるいかついシルエット、その確かな画力で唯一無二の「ケモノBL街道」をまっしぐらにひた走る作風！ しっぽ？ いいんです切れても。また生えてくるから。

「手をつなぐのが恥ずかしいかわりに しっぽをからませ合うのがいいです」

「付け根はやらしい」

「触手感覚で　たまに性感帯として　いっしょに挿入も」

ケモノ萌えを極めたながべ先生ならではの見解と着眼点に脱帽。

ビバ異物!!! そして産卵!!
真名子先生『愛とか恋はいいです。』

「くさりとか首輪も大好物です!!

おどうぐとかだいすきです!!

触手とか!!

腹ボテ!!!

ビバ異物!!!

そして産卵!!

ショタもすき!!」

触手、道具などを萌え要素に挙げる作家続出！ 多くの先生方による様々なシチュが並びましたが、なかでも真名子先生の主張は一歩踏み込んでいるうえ、もういっそ清々しい！ ショタっ子の産卵絵はなかなかの見応え。

表紙も凝ってるよ！
表紙：彩景でりこ先生／カラーイラスト：沖銀ジョウ先生、すなこ先生、恋煩シビト先生

たくさんのエッセイ漫画と同じく注目したいのが、今作のカバーと、冒頭に収録された3枚のカラーイラスト。4名それぞれが、1枚のイラストに渾身の萌えシチュを詰め込んでいます。

この『SEIHEKI 108 TYPE』は、下から4分の3を大きな黄色い帯が覆っているというちょっと珍しい装丁。その帯の下から覗くのは、何やら妖しげな3Pの濡れ場。そしてそれをめくると……？ 思わずどきりとしてしまう現場に出会えます。

さらに巻末には、上記4名の先生方によるそれぞれのイラストへの解説文も掲載！

「足の指を口の中に突っ込むというのがとても萌えて好きです」(恋煩先生)

「黒髪と短髪と刺青と傷跡と素直でＭな男の子が好きです」(すなこ先生)

と、さすがコメントも濃厚。これらが全部詰まったイラストとは!? 気になる方はぜひご一読を♪

あなたは果たして共感できるか？
いかがでしたでしょうか。いわゆる王道と言われるシチュから唯一無二のものまで、とにかく盛りだくさん。共感できなくたっていいんです！ 共有していくことに意味があるんです！ とどこからか全力の叫びが聞こえてきそうな一冊でした。

大和名瀬先生の「たった2Pなのにすごくいい漫画をかけた…気がする」という言葉がこの本の全てを物語っているのではないでしょうか。

これだけのシチュエーションが揃っていますので、きっと自分と同じ“性癖”の詰まった漫画に出会えるはず！もし出会えなかったら……？ それはもしかしたら、BL界の今後を変えていく力かもしれませんよ！

記者：神谷浩未