chill chill ちるちる


BLアワード2009


原作のドロドロ展開をそのままに、しかし聴き終わると清々しいのは何故
俎上の鯉は二度跳ねる1 水城せとな
評者:ミドリさん
2009年度の超ヒット作を半年後にCD化です。コミックスのボリュームとセリフが多いので、なんと2回に分けての発売でした。
しかしそれだけに聴きごたえはたっぷり。原作では気づきにくかった気持ちの細やかな変化も、隠された思いも、声優さんたちの迫真の演技で浮かび上がってきました。
この作品は、好評を博したミドリさんのレビューで振り返りたいと思います

【CD部門】 2位「俎上の鯉は二度跳ねる1」
もうね、今ヶ瀬@遊佐さんが、酷い男すぎるw
というか、女すぎる!!w
原作を読んでいるときは今ヶ瀬の幸せだけを祈って読んでいましたが
改めて音として聞いてみると、ダメなのは恭一ではなくて今ヶ瀬ではないかw
恭一のことを好きすぎるから、一人で勝手に爆発して、パニック起こして勝手に離れていく。
恭一は恭一なりに誠実だったよね?
たまきにグラっとはしてたけど、今ヶ瀬と関係を持ち始めてからは誰とも関係を持ってないし。
今ヶ瀬を抱く側に回ってからは、ちゃんと今ヶ瀬のことを愛していたと思いますし。

恭一@中村さんは…ほんと、恭一のいい男っぷりを表現してくれていると思います。
窮鼠のときは見事な流され侍だったけど、俎上では本当にいい男でした。
黒と白とグレーの恭一が登場しますが、ちゃんとそれぞれ使い分けてるしw
鬼畜モードON!のときもかっこええ…!!

それに対し今ヶ瀬@遊佐さんは、もーネチネチ凄い!怖い!!
でもその裏側で、いつも恭一に捨てられるのを怖がりながら過ごしてて
恭一に対して時々甘えるような声を出したりして、もー可愛い!!
そして彼のそんなところがすっごく切ないんですけど。
もう、今ヶ瀬という男は遊佐さんにしか演じられないと思います。
ネチネチしたと思ったらコロっとしおらしくなったり、
強気なこと言ってるけど、本当はすっごく弱くて…
遊佐さんの演技に泣きました。
切なすぎるよ!
梟の最後の、今ヶ瀬の語り。
恭一への思いがあふれすぎてて…!
あ、それと恭一の最後のエレベーター前での涙のシーンもね!
ここは・・・あかん!
恭一の愛は結局今ヶ瀬の愛より大きかったのではないかと思わされるシーンですな。
かっこいいっす!
そして最後に叫ぶとしたら…たまきコラーーーー!!ということでしょうかw
バッシングはダメって言われても、全国の腐女子にかわっここは叫ばないとダメでしょ?
たまきの喘ぎはいいから今ヶ瀬の喘ぎを聞かせろーーーーー!!

この後「俎上の鯉は二度跳ねる2」に続くわけですが…
ドロッドロの展開が待っているわけですね!!
さらにネチネチボロボロの今ヶ瀬と、鬼畜モードだけど慈悲深い恭一と、
こんなにいい子なのにすんごい邪魔なたまきが頑張る回ですねw

エッチについては・・・
遊佐さんや中村さんが喘いでくれてる上を彼らのモノローグが流れるので
ちょ、邪魔!!とか思ってますw
そこのモノローグがすっごい大切なんですが、2回目以降はエロのみで聞きたいよ!
そして中村さんの攻め喘ぎにラブ!!ハァハァ


(それから1ヶ月後 「俎上の鯉は二度跳ねる 2」が発売)


前作は『梟』のところで終わってしまったのでとても苦しかったのですが
今回は全編『俎上の鯉は二度跳ねる』です。

前半は恭一とたまきの穏やかな日々、そしてそれに忍び寄る今ヶ瀬の影(笑)
今回の一番の聞きどころは、中盤の恭一と今ヶ瀬の再会、そして壮絶な痴話喧でしょうw
あそこのシーンは原作読んでいても苦しかったくらい、辛辣な言葉の浴びせ合いでしたが
音になって再現されると本当に凄いですよ!
恭一さんの言葉がグサグサきます。お二人とも熱演!
あと、二人の痴話喧嘩のラスト、そのままラブシーンになだれ込むシーン。
あそこ、原作でも「えぇ?!」ってカンジだったのですが、CDでも同様ですw
結局はお互いがお互いを試していただけで、実はお互いを待っていたんですよね…
そのあとに続く恭一のモノローグが甘くて強烈でしたw
ラブシーンも相変わらず素敵です。アダルティ。リバもあるし、これこそがこの二人の醍醐味!

たまきと恭一の別れるシーンも切なかったです。
斎藤千和さんがまた上手いんですよね~
可愛くてイイ子なんだけど、女子から見たらしたたかで、一緒に合コンに行きたくない女No.1!なんですよw
水城さんは嫌わないでっておっしゃるけれど、私はやっぱり好きにはなれないぞ!
まァ彼女も男同士の壮絶な痴話喧嘩に巻き込まれた被害者なんですけどね…(笑)

恭一はこの作品でかなり男を上げたと思いますが、中村さんの声も前回よりも落ち着いた感じで
もう全てを受け止めたんだな…という雰囲気でした。
私の大好きな「確信してた、もう一度会ったら確実に落ちる」のセリフや
バス停での今ヶ瀬に対するプロポーズとしかとれない愛の告白に、めちゃくちゃ感動してしまいました。
この言葉を恭一から聞くために、今までこの作品を読んできたのだと言っても過言でもないくらい
この作品のシメとなるセリフだと思います。
中村さんの声も相まって、ゾクゾクしてしまいました。

そして何が凄いってやっぱり今ヶ瀬@遊佐さん。
完璧に遊佐=今ヶ瀬ですよ。この役は遊佐さんにしかできなかったと思う。
さっきまで鼻歌歌ってたのに、ちょっと心配になると、もうネチネチグルグル思考回路停止。
そんな粘着質で病的なほど恭一に執着している、臆病な今ヶ瀬。
怖いくらいハマってました!
水城さんが以前「綺麗な恋愛なんかじゃない」って言ってたのを今更ながらに理解できた気がします…
そんな彼の今回イチオシのセリフは「カーシスオレンジ~♪」(@あいつがいなければ、それなりに仲良し)だと思いますw
くだらない女…(笑)本当にな!

これで本当にこの作品は終わってしまったんだなぁと思うと寂しくもありますが
多分こんな感じで二人はずっと一緒にいるんじゃないかなぁとも思っていたりします。

紹介者プロフィール
ミドリ
9月でBL歴1年を迎えました!
この1年で気づいたのは、浮気ダメ、強姦・監禁・凌辱ダメな、意外に純愛作品好きだったこと。
でもエロエロは大好きです。
BL読み始めて本棚3つ増えました!
コミック主体で山田ユギ、ヨネダコウ、山本小鉄子、日高ショーコを神と崇めてます。

最近は榎田尤利にハマり中。

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