chill chill ちるちる
 
たくさんのご応募ありがとうございました。
属性No.11「学園」の受付は締め切らせていただきました。
募集要項

・毎回出されるテーマイラストを見ながらオリジナルストーリーを作成してください。
・ストーリーは、2000字程度で書いてね。

(必須記入事項)
・ペンネーム
・氏名
・返信可能なメールアドレス
・2000字程度のオリジナルストーリー

あて先:bprince@chil-chil.net

プレゼント

B-PRINCE文庫の編集者がみなさんから応募いただいた全ての作品に目を通して選考します。
優秀作品は、本サイト上でSSが公開されるほか、B-PRINCE文庫既刊本の中からお好きなタイトルを3冊プレゼントいたします★

応募期間

2012年2月1日(水)~2012年2月19日(日)まで
★ただ今、結果発表中★≫

今回のテーマイラストは、こちらです↓↓↓↓↓↓↓

【属性No.11】:学園
学園★ストーリー

バレンタイン当日。今年も、ヤスタカのもとには大量のチョコレートが集まった。放課後の教室で、ヤスタカは綺麗にラッピングされた包みを開いていた。


「やった、これ限定で出てたやつだ。食べたかったんだー」


「……食べるのかよ。告白にOKする気もないくせに」


不機嫌そうに応えたのは同じクラスのシュウジだ。苦さを含んだシュウジの言葉に、ヤスタカは笑いながら言う。


「美味しいものは美味しくいただいたほうがいいでしょ。シュウジもいっぱいもらったんじゃないの?」


「好きじゃない人から受け取る気はない」


「ふーん……」


ヤスタカは包みを開いたチョコを眺めながら少し考えると、ハート型のチョコを摘む。


「じゃあさ、僕からチョコあげるって言ったら、シュウジは受け取る?」


言いながらハート型のチョコを唇にくわえ、シュウジの肩に手をかける。


「……っ」


「ね、どうするの? 受け取ってくれるの?」


チョコをくわえたまま、じっとシュウジを見つめるヤスタカの瞳に呑まれるように、シュウジはヤスタカの腰に手を回した。



~ この続きを2000字程度で書いて応募しよう! ~

★ストーリーのヒント★
・挑発するヤスタカと真面目なシュウジのキャラを生かして、続きを書いてみてね。
・「放課後の教室」というシチュエーションをどう使うか考えてみてね。
・「バレンタインっぽさ」をどう出すか、工夫してみてね。


★書き方がわからない人は、コチラを参考にしてみてね★
BL小説の書き方をわかりやすく教えてくれる「BL錬金術」

みなさんのステキなSS、お待ちしております♪

★SS応募だけじゃ物足りない上級者さんは、コチラ★

読みたいBLは、書けばいい! B-PRINCE文庫新人大賞 応募の詳細は、こちらから★
結果発表
村咲 泉さん

★B-PRINCE編集部より選評です★
村咲 泉さん、すてきな作品をありがとうございました!
今回のお題では、「学校内」というシチュエーションと、「バレンタイン」というイベントをどう作品の中に盛り込むか、がキーポイントとなりました。
分かりやすいイベントだけに、応募された作品は似通ったお話が多かったように感じられました。
その中で、村咲さんの作品は、一年前から続く学生ならではの初々しい恋の進め方、そして学校内での様々なふたりのHを想像させる書き方など、お題の生かし方が秀逸だったと思います。
分かりやすいお題だからこそ、独自のアイディアが試されることもあります。みなさんも、どうぞ執筆の際に気を付けてみてくださいね!

3月1日より属性No.12「メイド」のSSを募集中★
みなさんも思いを込めて次回作にチャレンジしてみてください!

今回の最終選考まで残った方々
柏葉 七さん つわぶきさん 藤堂さん 日野うめこさん 杜咲志保さん

★作品発表★ 著者:村咲 泉


*************************


バレンタイン当日。今年も、ヤスタカのもとには大量のチョコレートが集まった。放課後の教室で、ヤスタカは綺麗にラッピングされた包みを開いていた。


「やった、これ限定で出てたやつだ。食べたかったんだー」


「……食べるのかよ。告白にOKする気もないくせに」


不機嫌そうに応えたのは同じクラスのシュウジだ。苦さを含んだシュウジの言葉に、ヤスタカは笑いながら言う。


「美味しいものは美味しくいただいたほうがいいでしょ。シュウジもいっぱいもらったんじゃないの?」


「好きじゃない人から受け取る気はない」


「ふーん……」


ヤスタカは包みを開いたチョコを眺めながら少し考えると、ハート型のチョコを摘む。


「じゃあさ、僕からチョコあげるって言ったら、シュウジは受け取る?」


言いながらハート型のチョコを唇にくわえ、シュウジの肩に手をかける。


「……っ」


「ね、どうするの? 受け取ってくれるの?」


チョコをくわえたまま、じっとシュウジを見つめるヤスタカの瞳に呑まれるように、シュウジはヤスタカの腰に手を回した。


「これもレッスンの一部?」


そう言うと、シュウジは顔を寄せ、白く輝く歯でチョコのきっちり半分を噛み割った。


その男らしい仕草と眼鏡越しのまっすぐな視線に、ヤスタカは思わずうろたえてしまう。残されたチョコが唇からポロリと落ちた。


「そ、そう……てか、それって答えになってないだろ!」


自分の狼狽を知られたくなくて、ヤスタカは急いで体を離す。


「とにかくこれじゃだめだよ。もっとレッスン続けなきゃ」


「もういい」


「えっ?」


きっぱりした答えに、ヤスタカは今度こそ言葉を失った。


「レッスンはやめる。やっと告白する決心がついたよ。ヤスタカのおかげだ」


少しはにかみながらも、シュウジは強い視線を外そうとしない。


本気なんだ――そう思ったら、鼻の奥が急に熱くなった。こみ上げてきた涙を見られたくなくて、ヤスタカは慌ててうつむいた。


*************************


はじまりは一年前のバレンタインデイ。


日直で遅くなったヤスタカが教室に戻ると、シュウジが途方にくれた様子で立っていた。青ざめ、緊張しきった彼の様子に、ヤスタカは驚いて声をかけた。はじめは何を訊いても要領を得なかったが、しつこく問いつめて、ようやく得た答えは――。


「好きな人がいるって?」


本来ならもらう立場だが、シュウジはバレンタインに乗じて誰かに告白しようとしたらしい。けれどオクテでまじめ過ぎる性格があだとなって、どうしてもチョコを渡せないというのだ。


シュウジならありえると思った。せっかく男前なのに、その活用法がまるでわかっていない。まして女の子の落とし方など見当もつかないだろう。実はかなり人気があるのだけれど。


自他共に認める校内一の色男であるヤスタカとしては、つい放っておけなくなった。


「僕がレッスンしてあげようか」


気づいた時には、そう言っていた。


「レッスンって……何の?」


ヤスタカはその問いには答えず、怪訝な顔をしているシュウジの肩に、微笑みながら両手を投げかけた。


*************************


「ヤスタカが最初に教えてくれたのはキスだったな、この教室で」


今回、体を引き寄せられたのはヤスタカの方だった。


「う……ん」


チョコレート味の甘いキス。ちょうど一年前に自分が教えたように、いや、それ以上に巧みに、シュウジは優しく唇をついばんでくる。


(こいつ、うま――)


あの時は棒のように体を強ばらせ、ただ震えていたくせに、今アドバンテージを握っているのはシュウジだった。


唇を舐められ、舌先を吸われ、ヤスタカの体温は明らかに上昇し始めている。


「あっ!」


ヤスタカの体が跳ねた。シュウジの右手が動いて、シャツの上から乳首をつまみ上げたのだ。


「次に教えてくれたのは、愛撫のやり方だった。夏の音楽室……覚えてる?」


「あ……う、うん」


そうだ。シュウジが緊張しないよう、彼が好きなショパンのピアノ曲をBGMに選んだんだっけ。


蝉が鳴き騒ぐ中、空調の効いた音楽室で、ヤスタカは指や唇の使い方や感じるポイントなど、一つ一つ丁寧に教え込んだのだった。


「や、やだ」


シュウジの唇が喉元を通って這いおり、つまんでいた乳首をそっと甘噛みした。


シャツ越しの刺激がもどかしくて、ヤスタカは思わず首を振ってしまう。さすが優等生は違う。基礎を身につけた上で、こんなふうにじらして応用するなんて。


ひとしきりヤスタカの胸元を堪能した後、シュウジは床に膝をついた。


「それから図書室では」


「だめだ、シュウジ!」


枯葉の舞う季節に、ヤスタカが誰もいない図書室で実践してみせたのは――。


「あ……あ、ああ」


ピチャピチャと舌を使う濡れた音が響く。


立っていることができず、書棚にもたれたのはシュウジだったはずだ。それなのに今度はヤスタカが彼に支えられて、許しを請うている。


「やめて、シュウジ。出ちゃうよ」


シュウジに勃起をしゃぶられ、追い上げられて、ヤスタカは悲鳴を上げた。


彼への思いを自覚したのはいつだっただろう? 音楽室? 図書室? いや、本当は最初からシュウジが好きだった。だからレッスンなんて、ばかげた真似を始めたのだ。でも彼は――。


「いいよ。出して」


ヤスタカを含んだまま、シュウジが微笑んだ。


「だ、だって、シュウジには好きな人がいるんだろ?」


レッスンの感覚を空けたのは、シュウジへの気持ちを抑えるためだった。まったく効果はなかったけれど。


悲しいのか、気持ちいいのか、もうヤスタカにはわからない。丹念に茎を舐め上げられ、休む間もなく先端を舌先でつつかれる。


限界だった。


「ああっ!」


ヤスタカは体を震わせながら、あっけなく爆ぜた。


*************************


「の、飲んだの?」


「うん」


くずれ落ちるヤスタカを、シュウジがしっかり抱き止めた。


「ごめん、僕……」


「いいよ。うれしかった」


「えっ?」


思わず見上げた先には、一年前と同じ優しくひたむきな眼差しがあった。


「うれしかったよ。ずっとこうしたかったから」


「シュウジ?」


困惑するヤスタカに、シュウジは深紅のリボンがかけられた小さな箱を差し出した。


「僕が好きなのは……ヤスタカなんだ」


「ほ、本当に?」


事態が信じられず、ヤスタカはただシュウジを見つめるばかりだ。その華奢な体を抱きしめ、シュウジは優しく囁いた。


「さあ、続きはどこでしようか」


*************************


(了)

*************************





「SS Party 2nd Season」属性No.12「メイド」募集中! みなさんのご応募お待ちしております!
募集締め切り:2012年3月18日


Page Top