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元野球選手と暴力団代表の奇妙な絆!?韓国ノワール映画『皇帝のために』

2016/04/24 10:37

作品に描かれていない部分を鑑賞者に色々と想像させる作品なのかもしれない

映画『皇帝のために』は、男同士の義理、欲望、裏切りを描いた韓国アクションノワール作品です。

 

内容としては、肩を故障して野球賭博に手を染めたイ・ミンギ演じる野球選手が、パク・ソンウン演じる暴力団組織の代表と出会い、野心を持って組織の組員としての仕上がっていくというストーリー。

 

韓国の国柄、銃火器が一切使われず、刃物や鈍器のみで冷酷な残忍性がバイオレンスシーンによって表現されており、これはちょっと…と目を覆いたくなってしまうほど生々しい。

ただし、そちらに目を取られると気付きにくいのですが、代表が組に引き入れた元野球選手に「ファミリー」や「兄弟」という括りだけではない特別な感情を持って接している部分に気付くと、なんだか純愛任侠BLっぽいです。

 

予告トレーラー

 

あらすじ

野球選手としての将来を嘱望されていたファン(イ・ミンギ)は、野球賭博に絡んだスキャンダルに巻き込まれ、球界を追放されてしまう。そんなファンに興味を持った釜山最大規模の暴力団組織「皇帝キャピタル」代表のサンハ(パク・ソンウン)は、彼の凶暴さを不安視する部下たちの制止を振り払い、ファンを組織の一員に招き入れる。野心に溢れるファンは、次第に組織の重要ポストを担うようになり、ついにはトップ争いに乗り出すことを決意する。しかし、それは自身を拾ってくれた恩人であるサンハを裏切る行為でもあった。果たして、ファンが目指す先に待ち受けているものとは―。

 

野球賭博の摘発で御用

肩を壊して2軍落ちしてしまったファン(イ・ミンギ)は野球賭博によって1軍に返り咲いていたようです。

しかし、この摘発によって球界を追放されてしまいます。

 

 

野心を燃やす元野球選手・ファン

鋭い野心を持って暴力団組織「皇帝キャピタル」でのし上がり、栄光を取り戻すことを決意します。

ファンは何故か最初からサンハに絶対的な信用を持っているような感じがするのが、個人的に不思議でした。

 

 

特別な思いを持ってファンをファミリーに引き入れるサンハ

「金儲けで邪魔なものは同情」と冷淡に言い切るサンハですが、ファンにだけは何かと情を掛けます。

ラストの5分でその理由が明らかに。

 

 

クラブ「Temptation」のマダム

暴力団として成功してくのに比例して、組お抱えのクラブ「Temptation」のマダム (イ・テイム)といい仲になります。

そこから濡れ場が頻繁に見られるようになるのですが、この執拗なくらいの肉体的な繋がりが、サンハがファンへ向ける精神的な情愛の純粋さを際立たせているように感じられました。

 

 

マダムにファンの前から姿を消すように脅すサンハ

アイツは俺が育てた」とか「おまえごときがアイツを誘惑するな」など、ファンに対する執着のような発言をするサンハ。

最終的にマダムは生死のわからない行方知れずになり、サンハの嫉妬にも似た妄執を感じます。

 

 

ファンはサンハを裏切る

マダムと引き裂かれた後、ファンは人生を転落させた事件(野球賭博)にサンハが関わっていたことを知り、二度も自分を追いつめたサンハを裏切ります。

それによって、サンハと成り代わって「皇帝キャピタル」の代表となりました。

 

 

裏切られてもファンを援護するサンハ

組織を裏切る行為をしたファンは、大ボスである会長の怒りを買います。

会長はサンハにファンの抹殺を命じるのですが、ファンのピンチにとどめを刺すどころか助けに入るシーンに、サンハのファンへ向けている思いが生半可なものではないことがわかります。

 

野球選手としての人生からどん底に落ちて何もかもを失ってしまったファンにとって、暴力団に入ったのは人生をやり直す為。

その第一ステップである組織のトップに成り上がるにはどうするかという意味で、本作のタイトル『皇帝のために』に繋がってくるという解釈ができますが、見方を変えると「皇帝=守るべき者」であり、命を賭してでもファンを守ろうとしていたサンハ視点として「ファン(皇帝)の為に何が出来るか」という解釈もできるような気がします。

 

このように、一度観るだけでは内容がなかなか理解しにくいのですが、バイオレンスシーンの中に、一片ずつ散りばめられた人情を捜していくと、各登場人物の視点からタイトルに行きつく作品になっているように感じられました。

 

作品は紛争シーンが終始見られ、登場人物の心理描写などが曖昧なままストーリーがサクサク進む為、理解が追いつかず好き嫌いの好みがはっきり分かれるかと思います。

 

しかし、何度も繰り返し観ることで色々な解釈ができるスルメのような映画ではないでしょうか。

 

グロテスクなシーンが大丈夫で、精神的な絆に萌えるという方はチェックしてみてもいいかもしれません。

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