BLニュース

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

少年同士のキス表紙のジュブナイル、世界を良くした10冊に選ばれる

2017/01/07 06:32

2017/10/28 15:12

米では「最も禁止された本」10位 一方世間では絶賛



イギリスのバース・スパ大学が多様性と平等を訴える「世界に寛容さを与えた10冊の本」を公開したことを、同国インディペンデント紙が報じました。

その中の1冊に、少年同士のキス写真が表紙になっている『Two Boys Kissing』が選ばれています。


『Two Boys Kissing』は閲覧禁止になった本だった

 

実はこの本、ちるちるで既に報じた、2016年アメリカで最も閲覧禁止になった本のうちの1冊なのです。

なぜこのような正反対の評価が与えられたのでしょうか。

世界に寛容さを与えた10冊」は、イギリスのバース・スパ大学が2016年の1年間行った「読書と権利」キャンペーンの一環として、国連の国際寛容デー(11月16日)に合わせて選出されました。

このプロジェクトは、歴史や文学の中にある多様性と平等を祝福し、人々の議論を活発にして世界を変えたような著者や本に光を当てることを目的としています。

ノミネートされた作品は、人種、ジェンダー、障碍者、メンタルヘルス、セクシュアリティの5つの異なる分野ごとに、インターネットやTwitterを通じた一般の投票で選ばれました。

 

だが『Two Boys Kissing』は「世界を良くした本」

 

評価基準は、自分にとって大きな個人的影響を受けた作品か、もしくは広く社会に対して不平等の問題に理解やレスポンスを与えた作品です。

つまり、学者や専門家が社会に与えた影響を評価した作品というよりも、一般の人たちが個人的に影響を受けた作品という側面が強いようです。

この10作品の中には、『Two Boys Kissing』のようなごく最近の作品から、シルヴィア・プラスの『ベル・ジャー』や、ヴァージニア・ウルフの『オーランドー』などの古典的作品まで、さまざまな時代の本が含まれています。

また日本人の東田直樹さんによる『自閉症の僕が跳びはねる理由』や、他にもマララ・ユスフザイさんの『わたしはマララ』など、世界的に有名な本も選出されています。

このようなラインナップの中で、なぜ『Two Boys Kissing』が「世界を良くした本」に選ばれたのでしょうか?

 

 

選出理由は明らかにされていませんが、Amazonのレビューを見ても分かる通り、著名な新聞や雑誌、小説家などが絶賛していることから、一般的にも非常に評価が高い作品であることが分かります。

また、この作品が若いゲイカップルを主人公にした、ティーン向けのジュブナイルであることも理由の一つではないかと考えられます。

同性愛者の若者は、大人と違い、経済力もなく自分で自由に行動することもできません。

そのような弱い立場に置かれて、学校や地域で周りからいじめられたり、孤独感を感じたりしている若者を勇気づける一冊になったのではないでしょうか。

 

キス写真表紙は「愛情を公の場で表現することを容認している」からふさわしくない

 

一方で、この本は、アメリカの学校や図書館で最も閲覧禁止になった本10位の作品でもあります。

この本を撤去するようにとのクレームがつけられた理由として、この本が「同性愛」を扱っていること、そしてキスの写真が表紙に使われたことから「愛情を公の場で表現することを容認している」ことが挙げられたそうです。

やはり、保守的な考え方の大人は、このような本は「子供に見せたくない」と主張するのではないかと思います。

しかしながら、男女がキスをしている表紙の作品は他にもあると思いますし、自分が見たくないという理由で本当に必要としている子供達に本が届かないのは問題ではないでしょうか。

この選書を行ったバース・スパ大学の図書館・学習支援ディレクターは、「読書は人々の考えや信じていることを形作る力を持ちます」「物語を通して、私たちは既存の価値体系に挑戦したり、より良い社会を作るための議論を始めたりするようにインスパイアされるのです」と語っています。

やはり物語は社会や人を大きく動かす力を持っていると感じますね。

話はずれますが、BLによってつらいことを乗り切ったり、毎日生きる元気をもらっている人も多いのではないでしょうか。

私たちが毎日楽しくBLを読めるように、読みたい人が自由に読める、物語を求めている人にちゃんと届く世の中であってほしいなと思います。

 

セクシュアルマイノリティの若者にフォーカスした『スメルズライクグリーンスピリット』『ひだまりが聴こえる』

 

また、BLも物語なので、BLを通して何か考えが変わったり、人生に影響をあたえることも、もしかしたらあるかもしれませんね。

聴覚障碍を扱った『ひだまりが聴こえる』や、セクシュアルマイノリティの若者にフォーカスした『スメルズライクグリーンスピリット』など、私たちをインスパイアするような作品も増えていると感じます。

今後はBLがこのような問題の入り口になっていくこともあるのでしょうか。

いずれにせよ、世の中がもっと寛容になってほしいものです。

『Two Boys Kissing』日本語訳、さらにさらに期待しています(2回目)

英語版はGoogleブックスで試し読みできるようなので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

記者:みかん

関連外部サイト

コメント1

投稿順|最新順

男女カップルのキスも表から消してくれるならありがたいですが(笑)。
クレームなんてあらかた差別なんで毅然としてシカトしてほしいですね。

PAGE TOP