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匂い立つBLの気配…♥「匂い系」日本近代文学 4選

2017/08/13 07:34

まだ同性愛が一般的だった時代の、 一味違った耽美な魅力!


何だか蒸し暑い陽気の続く今日この頃。雨も多く外出するのが億劫……。そんな日は、室内でゆっくり読書はいかがですか? そこで今回は、夏に読みたくなる匂い系日本近代文学をご紹介します!

夏目漱石『こころ』

言わずと知れた近代文学の名作。匂い系との呼び声も高く、学校の授業で「K」と「先生」の妄想をしてしまった方も多いのではないでしょうか。実際に漱石の研究者の間でも「同性愛的表現」や「ホモソーシャル(男性同士の親密な関係)」といわれ、様々な考察がなされています。
特に魅力的なのが、先生の色気を含んだ台詞の数々! 憂いを含んだ先生の言葉は何回読んでもドキドキしてしまいます。

<あらすじ>
「しかし君、恋は罪悪ですよ。解っていますか」 先生と出会ったのは、学生時代、夏休みに訪れた鎌倉。自分も他人も信じられないと語り、親しくなっても頑なに心を開いてくれない先生は、裡に何かを抱えているようであった。その真相を私が知るのは、先生の自決後――。人間のエゴイズムと葛藤を克明に描いた名作。

○川端康成『少年』
川端康成の私小説。川端少年が寄宿舎時代に恋していた美少年との愛の交感が描かれます。寄宿舎、美少年、同性愛……まるでイギリス映画のような古典的BL設定盛りだくさんの作品なのですが、ノーベル賞作家の筆致がまた何とも美しく、耽美です。
この作品は文庫化がされておらず、『川端康成全集 第10巻』にのみ掲載されているのですが、必ず図書館に置いてあると思うので是非読んでいただきたいです!

<あらすじ>
「僕はお前を恋していた。お前も僕を恋していたといってよい」―川端康成が十五歳の時に愛した同級生の少年、清野。二人の少年が交わした濃密な愛の記憶

堀辰雄『燃ゆる頬』

寄宿舎つながりでもう一つ。こちらも主人公と美しい少年との友情を超えた微妙な関係が描かれます。小野塚カホリ先生によるコミックス化もされましたね!
美少年と少女の間に揺れる主人公の淡い恋情、寄宿舎で行われる少年同士の危うい交わりなど、みずみずしくもどこかエロスを感じさせる展開にドキドキ。青空文庫で無料で読めるので、ぜひご一読ください。

<あらすじ>
“私と三枝との関係は、いつしか友情の限界を越え出したように見えた。” 高等学校に入学した「私」は両親の勧めで寄宿舎に入った。そこで同室になった一つ年上の同級生・三枝は静脈の透いて見えるような美しい皮膚と薔薇色の頬の所有者だった。彼は上級生の魚住と親密だったが、やがて「私」との関係も深まっていく──。

森茉莉『日曜日には僕は行かない』

森鷗外の長女として有名な森茉莉ですが、BLの先駆けともいえる作品を多数発表したことでも知られています。この作品はその中の一つで、小説家の「杉村達三」と愛弟子の「伊藤半朱(ハンス)」の濃密な恋愛模様が描かれています。豪奢な家屋の中で愛と執着を囁き合う美青年たちという、西洋のBLの雰囲気がプンプン漂っている世界観にうっとり。危うくも激しい二人の熱情に萌えてしまいます!
『恋人たちの森』(新潮文庫)、『薔薇くい姫・枯葉の寝床』(講談社文芸文庫)に収録

<あらすじ>
自分のことにしか興味が持てない著者が、現実との感覚のずれに逆上して《怒りの薔薇くい姫》と化し、渾然一体となった虚構と現実が奇妙な味わいを醸し出す「薔薇くい姫」、男同士の禁断の愛を純粋な官能美の世界にまで昇華させた「枯葉の寝床」「日曜日には僕は行かない」の3篇を収録。

◆おまけ◆
最後に、小説ではなく「匂い系」の詩を一編ご紹介します!

大手拓次『十六歳の少年の顔 ―思ひ出の自画像―』
タイトル通り、16歳の少年の頬を言葉を尽くしてひたすら描写した作品。短い詩ながら少年の色白い非常に美しい日本語で形容されています。「うすあをいびろうどやうなおまへのかほ」などという表現についため息が...。

この作品は萌詩アンソロジー『詩の向こうで、僕らはそっと手をつなぐ。』(表紙イラストは『500年の営み』などで知られる、あの山中ヒコ先生!)に収録されているのですが、この詩集、かなりオススメです!どれも近代に発表された「匂い」のする美しい作品ばかり。小説とはまた一味違った日本語の美しさにキュンキュンします。


気になる作品は見つかりましたか? まだ同性愛が今よりも一般的だった時代の作品だからこそ、現代とは少し違った恋愛の価値観なども垣間見られて非常に興味深いですよ。新鮮なBLに手を出してみたい方、近代文学に興味のある方はぜひチェックしてみてください!

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コメント2

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森茉莉さん「恋人たちの森」
1961年に発表された小説。
今読んでも面白いです。おすすめ。

高校生のとき、「こころ」を課題図書として読みました。女子校だったので「Kと先生」か「わたしと先生」か、で論争になりましたね。両方とも納得のいく根拠(?)があるのがまた面白いです。
ちなみに私はKと先生派でした笑

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