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BL規制の現場に潜入!腐女子が青少年健全育成審議会の傍聴に行ってみた

2018/02/18 14:31

「BL許せない、店頭に置かないで」発言削除の経緯も 不健全図書指定の実態は!?



午後15時過ぎ。新宿駅を出て、地下道をひたすら西に歩くと、オフィス街にそびえるツインタワーが見えてきます。そう、筆者の目的地は東京都庁です。

BLサイトの記者に似つかわしい場所ではありません。一体なぜこんなとこにやってきたのか?

その理由は、この中で行われているある会議の模様を探るためです。

その会議というのも、不健全図書の指定を行う、東京都青少年健全育成審議会

 

BL規制の最前線・青少年健全育成審議会とは?

 



不健全図書といえば、東京都の青少年健全育成条例に従って18歳未満に販売してはいけないと指定される図書のこと。

 

「内容が著しく性的感情を刺激し、甚だしく残虐性を助長し、又は著しく自殺もしくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められるもの」(東京都の同条例)


近年、この不健全図書にBLが指定されることが非常に多く、話題になっています。

以前こちらの記事で規制の仕組みや近年指定されたBL作品、そして会議の議事録をまとめていますが、文字の議事録だけでは実際の会議の模様を知るにも限界があるというもの。

さらに、昨年9月に「BLは本当に許せない、店頭に置かないでほしい」という発言が議事録から削除されたという疑惑も持ち上がっていました。

実際、青少年健全育成審議会とはどんなところなのか…?
そこでは一体どんなことが話し合われているのか…?

それを探るためには、実際にその現場に行くことが重要です。

調べてみたところ、審議会は一部一般に公開されていて、誰でも傍聴できるようになっているとのこと。
一介の腐女子には激しく緊張するミッションではありますが、それならば行ってやろうじゃありませんか!


BL作家のりーるー先生がTwitterにアップされている青少年健全育成審議会傍聴のレポマンガを読み、さらに「エンターテイメント表現の自由の会」(AFEE)の傍聴レポートを読み、準備は万端です!

というわけで、今回は青少年健全育成審議会に実際に傍聴に行ってみた様子をレポートしようと思います!

 

審議会に潜入!初めての傍聴は意外にも…


審議会が行われるのは第一庁舎の34階にある、青少年・治安対策本部内。
第二月曜日の夕方に行われることが多いそうです。

内心ドキドキしながらまずは第一庁舎のエントランスに足を踏み入れます。ここはまだ一般の来庁者がたくさんいるので、浮くことはありません。


来庁者書類に記入して、案内センター横の受付に提出すると、一時入庁証がもらえます。それをかざしてゲートイン!

行き先によってエレベーターの色が違うので、オレンジ色のエレベーターで34階に向かいます。

青少年・治安対策本部に到着すると、案内の方がいらっしゃるので傍聴に来た旨を伝えると、待機場所まで案内してくれます。

さらにここで傍聴のための書類に氏名・住所・年齢・連絡先を記入、身分証明書を提示し、オフィスの中のブースで待機します。
記入する書類が多いのは、さすがお役所といったところでしょうか……。

初めての場合、案内の方がここで傍聴の際の注意事項を説明してくれます。
また、壁にも注意事項が貼ってあるので読んでおきましょう。

特に気をつけることとしては、録音・撮影ができないこと、傍聴人の発言はできないことくらいでしょうか。
メモをとることは大丈夫です。

今回は、筆者のほかに2名の傍聴の方がいらっしゃいました。
ブースで待機していると、案内の方が呼びに来てくれます。
いよいよ会議室に入ります!

会議室の中はロの字型に机といすが並べられ、そこに委員の方々がズラリと並んで座っています
なかなか緊張した空気です……。


その後ろの壁際に丸椅子が10個並べられているので、傍聴人はそこに着席します。
椅子の上には今回の資料が置いてあり、持ち帰ることができます

資料の内容は今回の委員の名簿と、次第と先月の条例の実施状況を表したデータでした。

傍聴人が着席すると、すぐに議長が開会を宣言し、次第に沿って会議が進行していきます。

まず最初に事務の方から、先月の条例の実施状況について報告があります。

先月1月は立入調査の結果、不健全図書を不適切に販売している書店が9店舗あったとのこと。

報告の後の質疑応答時間では、議長がこの件に関して、

「不適切な店舗が9店舗というのは多いのではないか、偶然ですか」と質問。

事務からは「今月だけでは、おそらく偶然でしょう」という回答がありました。

ここで、不健全図書の審議に移ります。この部分の審議は非公開となっているため、傍聴人は全員退室します。


この時点で、「あ、あれ? これしか聞けないの!?」と肩透かしを食らった感覚になりました。不健全図書の審議自体が聞けないのはあらかじめわかっていましたが、思った以上に短いというのが正直な感想です。

腑に落ちないものを感じながら、待機ブースでおよそ30分の間待機。今回は若干短かった模様です。

審議が終わるとまた入室します。ここで呼ばれたときにブース内にいないと入室できないので注意です!

ここで、審議にかけられた2誌が審議の結果不健全図書として指定されたことが報告されました。
プレス発表は2月15日(木)で、それまでは一切タイトルは発表してはいけない決まりになっています。

そして議長が閉会を宣言し、審議会は終了しました。

お疲れさまでした!

傍聴人が語る「BL許せない」発言と規制の現在

 
さて、今回は同じく傍聴に参加していたなんじょうさん(@nnanjoh)迷さん(@teritamayo)にお話を聞くことができました。


なんじょうさんは、2016年秋に審議会の傍聴ができるようになってから、毎回傍聴に参加しているとのこと。

「それまでも条例上傍聴は可能でしたが、いつ審議をやっているかが告知されず、結果的に傍聴できなかったんです」

ある時期になんじょうさんしか傍聴人がいない時期があり、そのことを知った迷さんは参加しようと思ったといいます。


傍聴の時間は冒頭が10~15分程度、終わりが5分程度です。かなり短いと感じますが、「毎回このくらいの時間」だそう。

さらに、先ほど言ったように1時間から1時間半の間審議は非公開で、議事録が公開されるのは2~3か月後になります。

しかし、この状況ですら、傍聴したいという要望を出して可能になったことなのです。

BLの指定がとても多いという問題について話を聞くと、迷さんは「出版社が18禁レーベルを作り、作者を守るべき」と語ってくれました。

現状、全年齢向けに出版されているBL作品の中には明らかに規制基準に引っかかってしまうものも多い中、このままではずっと指定を受け続けてしまうことは否めないでしょう。
しかしながら、いったん指定されてしまうと、18禁の販路がほとんどないBLでは「読みたい大人」も買えないという事態に。本が売れないのでは、性表現自体が衰退していくことになりかねません。

以前の記事でも書いたように、出版社があらかじめ18禁指定で売れる、読みたい大人が買える、安全で安心な18禁の販路の開拓が期待されています。

また、なんじょうさんによると、現在指定されているタイトルのうち、半数以上が女性向け(BL、TL、レディコミを合わせたもの)だといいます。

今回の審議会のメンバーは男性が14人(委員11人+事務3人)に対し、女性が4人で全体の約2割。

この女性の少なさも、もしかしたら関係しているのかもしれません。


さらに、「BLは本当に許せない」という発言が議事録から削除されたという疑惑についてもお話を聞けました。

実は、なんじょうさんがこの発言の現場に居合わせた傍聴人の方だったのです。

昨年2017年7月の審議会、退任する委員の挨拶の中でこの発言が飛び出しました。

『BLは本当に許せない、店頭に置くのもやめてほしい』




しかし、9月に公開された議事録ではこの発言が削除されてしまいました。

議事録の記述は以下の通り。

一方で、この月の傍聴人はなんじょうさんたった一人。同時に聞いていた人がいなかったため、裏を取るのが難しい状況になってしまいました。

その後、この状況を知った迷さんをはじめ多くの方々が傍聴に参加し、一時は抽選になるほどに。
しかしまた、現在は傍聴の人数が減ってしまっています。

「BLは本当に許せない、店頭に置くのもやめてほしい」発言の意図を青少年・治安対策本部に質問したところ、本来の意図は「BL自体がダメなのではなく、その本の内容が許せなかった」という説明をされたといいます。

「リアルタイムで聞いていれば発言のニュアンスが分かりますが、文字に起こすとニュアンスや文脈がわかりにくくなることも」
審議を公開し、傍聴を受け入れたほうがお互いにとって誤解がなくなるのでは、という側面もあるとお二人は語ります。


「不健全図書の審議は非公開、議事録では発言者の名前も伏せられる。まさに密室という感じがしますね」と語る迷さん。

審議を公開してほしいと何度も訴えてきましたが、プライバシーの保護などを理由に、その要望はかなえられていません。

しかしながら、1人も傍聴人がいなくなってしまっては、誰も見ていないという安心感から、さらに規制がエスカレートしていくこともあるでしょう。

傍聴に行くことで、不健全図書に対する関心の高さをアピールし、容易には規制できない空気を作っていくことが大事だと痛感しました。

今回実際に傍聴に行ってみて感じたことは、あまり審議を聞けなかったということ以上に、意外と簡単に傍聴ができる! ということでした。

傍聴というと敷居の高さを感じてしまいますが、カジュアルな格好でも大丈夫ですし、用意するものも身分証明書くらいで、特別な準備はいりません。

平日の夕方ということでなかなか時間を合わせるのは難しいかもしれませんが、少しでも関心のある方はぜひ気軽に行ってみてはいかがでしょうか?

記者:みかん



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コメント17

投稿順|最新順

昨今のエロ特化の流れは規制やむなしのものが多いので仕方ないかもしれません
ただ一部の発言を切り取って大事にするのはいかがなものでしょうか
印象操作や無駄な反発煽りは逆の反感を買うこともありそうです

なるほど、と興味深く読ませてもらいました。
私は腐女子ですので偏った意見しかだせそうにないので賛成、反対には言及しません(できない)が、匿名14番さんのおっしゃるとおりBLは大人向けと全年齢向けが混在しているイメージですね。18歳になってはじめて18禁同人誌を読んだ時に「このくらいの性表現なら商業BLで見たことあるな」と思ったのを思い出しました。

18禁レーベルは個人的に賛成!
こんなに大人向けが混じったジャンルはほかにないよね
BLとエロを切り離してほしい読者って少数派?

2児の母ですが、BL規制に関しては賛成も反対もありません。
子どもたちがサブカルから偏った知識や影響を受ける危険性を心配するという観点であれば、日本の性教育を根本から変えてほしいですね。
性に関することを、大人が子どもに伝えることがそもそもタブーという文化の日本では、義務教育段階での性教育の内容が不十分になりがち。そうなると子どもたちの教科書は漫画やらネットやらにならざるを得ないでしょうから。そして実際問題、そういう類いのものはいくら規制しても結局ザルですしね。

あ、すみません、話が逸れました。
アラサーママのつぶやきでした(笑)

>>匿名11番
オッサンどーした(^_^;)?
来るサイト間違えてないか(^_^;)?

リアルの男の裸なんぞ見たがる人はどこか歪んでる。
美人女性の裸を見たがるのは健全だよ。

自分らの趣味だけで批判しないで欲しい。
そんなに規制規制と声高に言うなら男女も全く同じ条件で同じレベルの規制を受けて当然だよな?えぇ?

匿名5番さんは、惨事少子化さんじゃないかな?
BL好きなのにホモフォビアというのも生き辛いだろうね。

「同性愛者という生き方を選択する」ことは、不健全なのかな?
BLを読んで、自分のセクシュアリティに気づく人はいるかもしれないけど。セクシュアリティの問題は生まれつきらしい。
「たまたま愛した人が男性だっただけ」は、BLに大変よくあるパターンのファンタジーだと思う。
自分のセクシュアリティに正直に生きることは、健全なこと、という認識の世の中であって欲しい。

出版社が大々的に18禁レーベルとして出してくれればと思う。
BLが目の敵にされてるのは悲しい。

ある程度の規制は必要と思うけど、ここまで目の敵にされると
BL好きとしては悔しいやら悲しいやら…。
記事にあるように18禁レーベルが作られるのが一番良いのかな。

しかし、BLを目にするとゲイになるとも思えないんだけど。
息子を持つ世の親たちは心配になったりするのだろうか?

BLは楽しいです。
しかし、健全な青少年がゲイに転じる可能性のある危険書物なら焚書されて当然だと思います。
腐女子たちの楽しみのために、健全でノーマル青少年を巻き込むような事があってはならない。

本当ですね。文面を良く読めば分かることでした。
著名な方々(BLに造詣のある)が審議する側に何人かいるというなら百歩譲って受け入れる気分にもなるかもしれませんが、もう指定ありきの会議としか思えませんね。何で一般人に決められなきゃならんのか。

とても興味深い記事でした。会議を傍聴できるなんて初めて知りました〜

匿名二番さん、
市議会議員は公人ですけど、委員の方々はあくまで一般人なので、プライバシーの権利やら何やらで、それは難しいと思います。

ケーブルTVで市の定例議会を放送しているみたいに、審議会の様子も可視化して欲しい。

都の情報公開条例に基づいて審議会の録音データを公開請求するのもありかと思われます。行政の内部情報として部分公開にされる可能性もありますが、退任の挨拶部分のみであれば内部情報とは言えませんし。

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