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【小説】人生が変わる!? 記憶喪失BL特集!!

2018/09/26 14:40

シリアスから甘々まで、記憶喪失といっても幅広い!!

 

はじめて読んだBLが記憶喪失を扱った小説でした……中盤ですら泣き、ラストでぼろっぼろに泣いたあの衝撃を忘れられないまま商業BLを買い漁って、いつのまにか腐女子になっていました。物語で記憶喪失になった登場人物は人生が一変しますが、私は「記憶喪失」BLで人生が変わりました(笑)。

みなさんは「記憶喪失」モノにどのようなイメージをお持ちでしょうか。私の友人にきいてみると「ちょっと苦手……」「テコ入れ感があるときもある」「ストーリーによってはチープになっちゃう」とあまり好んでいる人はいなかったです。寂しい(笑)。
しかしながら、「記憶喪失」という非日常的機会は、愛というものを確かめる至上の機会なのではないかと思っています。だからこそ、記憶喪失を扱うBLはコンスタントに出続けるのではないかと思います。
例え記憶喪失で別人のようになってしまっても失われることのない愛が、そんな愛が見たい!!
ということで今回は「記憶喪失BL」について紹介したいと思います。

 

下僕な彼と俺様な彼!!

彼をさがして』作:風見香帆

 

表紙を見て双子の3P?と思った方!! いえいえ、これはイメージなのです!!
記憶を失う前の下僕のように尽くしてくれる勝倉と記憶を失ってからの傲慢な勝倉を描く表紙です。
勝倉に甘やかされ、ワガママになっていた相馬が戸惑いながら傲慢な勝倉を受け入れていく過程が細やかに描かれています。
記憶を失った勝倉が相馬を無理やり抱くシーンがあるのですが、勝倉はそこで「好きです、いかせてください」と相馬に言わせます。このシーンは勝倉の傲慢さを表すシーンでもあると思いますが、寂しさを表しているのではないかと思います。
いきなり記憶喪失になって、恋人はなぜか男で、その恋人も今の自分ではない自分を求めている。だから無理やりにでも自分のことが好きだと言わせたのではないでしょうか。
また記憶を取り戻した後、女王様から手料理を作るまでに優しくなった相馬に戸惑う勝倉があれこれ思い悩んでいる一方で、記憶を失った時のように自分にも素を見せてほしいと思う相馬のすれ違いにページをめくる手が止まりません!!
 
【あらすじ】……そうだ。幸せだったんだ、俺は。
エリートサラリーマンの勝倉に拝み倒され、恋人となった容姿も性格も地味な相馬。つきあい始めて一年、徹底的に甘やかされた相馬は、我が儘な女王様のようになっていた。そんな中、下僕扱いしていた勝倉が事故に遭い、記憶を失ってしまう。さらに優しくてヘタレだった勝倉は、相馬を見下し、傲慢で性格も最悪な男に豹変していた。だがそれが勝倉の本性だったと知り――!?
 

13分という短すぎる時間…

明日も愛してる』作:安芸まくら

 

小説一冊というともすれば一生すら描けてしまう長さで、たった1日だけを綴る本はとても珍しいのではないかと思います。たった1日と書きましたが、彼らにとって「たった」1日ではないというのを読んで頂ければわかると思います。13分しか記憶が持たない櫂と、櫂とずっと寄り添う津田……13分経つごとに彼らの関係性はまったく違うものになっていきます。それでも櫂の傍にずっといる津田はどのような気持ちなのでしょうか。『明日も愛してる』は櫂視点で描かれるので、津田の心理はあまりよくわかりません。しかし『明日も愛してる』というタイトルの通り、津田は明日も櫂の傍にいるのでしょう。
ラブシーンがとても多い作品なんですが、それも13分で愛を伝えるための手段なのかと思ってしまって、泣けました。
Holly NOVELS(ホリーノベルス)8周年書き下ろし番外編集である『HOLLY MIX』には『明日も愛してる』の番外編(2年後のふたり。津田視点)があるので、こちらもぜひ!!

【あらすじ】朝、櫂は知らない部屋のベッドで目が覚めた。ついさっき、眠りにつくまで櫂は十八歳だった。しかし窓に映る自分の姿は、どう見ても高校生には見えないほどくたびれていた。「現在のおまえの年齢は35歳」…枕元に置かれたファイルにはそう書かれていた。戸惑う櫂の前に現れたのは、ツダと名乗る見知らぬ男だった。男に自分の「ハウスキーパー」だと告げられた櫂は驚くが…。―永遠に繰り返されるせつなく甘い愛の物語。
 

木原音瀬先生のラブコメ!?

こどもの瞳』作:木原音瀬

 

木原音瀬先生の記憶喪失BLといえば『COLD SLEEP』シリーズが有名かと思いますが、こちらも記憶喪失を扱っているBLなんです。実は記憶喪失×ガチ兄弟という重めの設定なんですが、ラブコメっぽいんです。木原先生でラブコメ!?と思われた方、ぜひ読んでみてください。が!! ラブコメっぽいとはいっても木原先生節はこの『こどもの瞳』にも顕在です!! 体は大人で、頭脳は子どもの仁に好き好き言われて、ほだされていた岬ですが、兄の記憶が戻ると全然性格も違うので自分が好きだったのは「子ども」だった仁で、記憶を取り戻した仁もそのことを理解しています。そこからどうやっていくのか、というところもこの作品のミソなのではないかと思います。好きだけでは片づけられない大人同士の禁忌の恋ですからね。
また、文庫版『こどもの瞳』には、「こどもの瞳2」として岬の子どもで、小学生の城太郎と小学校教師の堂本の恋が描かれています。こちらは仁と岬の「こどもの瞳」と対比になっているようにも思います。小学生を本気で好きになってしまった堂本がどうするのかをぜひ本でご確認ください。綺麗に完結していますが、堂本先生や城太郎のこれからがとても気になります。

【あらすじ】小学生の子供とふたりでつつましく暮らしていた柏原岬が、数年ぶりに再会した兄・仁は事故で記憶を失い6歳の子供にかえってしまっていた。
超エリートで冷たかった兄とのギャップに戸惑いながらも、素直で優しい子供の仁を受け入れ始める岬。
しかし仁は、無邪気に岬を好きだと慕ってきて…。
 

サスペンスと耽美と純愛…

シナプスの柩』作:華藤えれな

 
 
幸せになってほしいのに苦しんでいる姿を見るのも好きだ……「可愛い」という言葉はかつて「可哀想、気の毒だ」という意味だったというのは、「可哀想」と「可愛い」に共通する部分があるという人間の感情なのかもしれません。ほんっとに!! 受けの水斗が、可哀想で可愛いすぎる!!ところがこの作品の見どころのひとつではないかと思います。
自殺をはかった水斗は記憶を失って幼児返りしてしまうんですが、美人な容姿とは想像もできない無邪気さと幼さのギャップに「これが萌か……」と心を撃ち抜かれます。記憶喪失になる前は氷のように冷たいといった感じの水斗なので、攻めの樋口が振り回されるのも納得の可愛さ(+無自覚な色香)です!!
ストーリーはまるでサスペンスのようで、痛くて切なく、読んでいるこちらが悶々としてしまう場面もあります。水斗が可哀想で可哀想で……
しかしそんな無慈悲ともいえるようなストーリー展開の中で、水斗が記憶喪失になって(この事実自体は過酷ですが)、樋口と水斗が心を通わせていく……痛すぎる苦境のなかにある仮初とはいえ幸せな瞬間、それがあることによって物語はさらに深みを増していくのです。
苦しみと痛み、失ったものはもう取り戻せないけれど――最後に希望があることを願う――この作品はそんな作品なのではないかと思います。
甘さだけでなく、痛苦を乗り越えた先にある恋愛がお好きの方におすすめです。
 
【あらすじ】両親を亡くし、大学三回生の時に天涯孤独となった桐島水斗は、日本心臓外科界の権威である長山の援助を受けて医師となった。だが、援助の代償に長山の下で働くことと躰を求め続けられていた。長山から逃れたいとの思いが募る日々の中、NYから敏腕外科医の樋口が赴任してくる。彼の天才的な医療技術に心酔した水斗は、技術を教えてもらうことになり、いつしか樋口に惹かれていくが―。
 

記憶喪失なのに甘々♥

君恋ファンタスティック』作:間之あまの


 
記憶喪失といえば、辛い、悲しいイメージですがそこは間之あまのさん!! 甘いんです!! いつもがショートケーキだとしたら今回はかぼちゃケーキって感じでしょうか(←例えが下手ですみません汗)。攻めの遼成の包容力に受けの景だけでなく、読者までうっとりしてしまいそうです。記憶喪失になっても元々持つ人たらし気質はなくならないものなんですね。遼成は人を自分のペースに持っていくのがとても上手なので、ある意味では自覚のない腹黒とも言えそうです。
受けの景は潔癖気味なんですが、遼成と生活を送ることで徐々に慣れていき、触れられることを受け入れていきます。遼成の努力の甲斐ともいえる一方、景の遼成さんへの深い愛が感じられます。
記憶喪失と甘々は一見、相容れないようですが間之先生の甘ポジ(甘々+ポジティブ)パワーでぴったり合わさっています。
記憶喪失モノは読んでみたいけれど、シリアスは苦手という方にオススメです。
 
【あらすじ】想い人の景をかばって階段から落ち、記憶をなくしたカメラマンの遼成。同居することになった二人は、更に惹かれあっていくが!?

いかがでしたか。記憶喪失は現実ではそうそう起こらないと思います。だからこそ物語の中の「記憶喪失」という設定は読む人の心を惹き付けるのではないでしょうか。
「記憶」という人間の性格や考え方を形成し、そして思い出として人とのつながりそのものともいっても過言ではないものが失われたなかで、もう「別人」ともいえるそのひとをどう愛するのか、どういう風に関係性を築いていくのか。忘れられてしまった者の悲しみ、忘れてしまった者の喪失。「記憶喪失」という題材には愛とは何か、ということを深く考えさせられます。

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