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堂々完結! 『憂鬱な朝』10年の軌跡を表紙で振り返る

2018/10/25 18:54

夜明けが近付くような背景に注目! 関係表す美麗表紙にうっとり

 


日高ショーコ先生の大人気コミックス憂鬱な朝が、2008年からの連載を経てついに完結! 10月25日発売の単行本8巻で最終巻を迎えることとなりました。ラストを見届けたいような、もう見れなくなってしまうのが寂しいような複雑な気持ちですね…。

『憂鬱な朝』は明治時代の貴族社会を舞台に、久世家当主の暁人と家令の桂木の恋愛模様を描いた歴史ロマン大作。二人の恋愛模様だけでなく、激動の明治時代を巡る権力争いや家柄の確執など重厚なストーリーが展開されるのが特徴。その危うくも切ない二人の関係と息をつかせぬ歴史ドラマで今なお高い人気を誇っています。

現実世界で実に10年、物語の中でも8年にわたる大恋愛を繰り広げてきた暁人と桂木。長い期間で移り変わっていく二人の関係性の変化が、美麗な表紙にも表現されています。


こうして並べてみると、夜明けを迎えるようにどんどん背景が白んでいくのが分かりますね! 二人が着用している礼服の色味も淡くなってきている気が…。最終8巻ではタイトルの印字もシルバーに! こうして表紙を見ているだけで二人の物語がまざまざと思い起こされます。

そこで今回は『憂鬱な朝』完結に際し、表紙から10年の軌跡を振り返ってみたいと思います!


切ない恋の幕開け… 背中合わせの1巻

 


漆黒の背景に、桂木の指先を握る暁人。桂木は背を向けていて二人の視線が絡むこともない…。一方通行な暁人の想いが表されているような表紙に胸が詰まります。
桂木に認められたいと切望する暁人の好意がただただ切なかった1巻。暁人への苛立ちを隠すことなくぶつける桂木の冷淡な態度に、果たして二人が通じ合う日は来るのか…と思わず不安になってしまいます。
二人を艶やかに彩るのは赤い牡丹でしょうか。「富貴」「風格」などの花言葉を持つ牡丹に囲まれる二人の表情は浮かないもので…。華やかな貴族社会を舞台にしながらも、シビアな人間ドラマが展開される本作の特徴が表紙に描かれているように感じられます。


いびつな関係を続ける二人… 揺らぎだす2巻

 


頑なだった桂木にも少しずつ揺らぎが見え始めた2巻。真っ直ぐに愛の言葉を紡ぎ、徐々に当主としての振る舞いを身につけてゆく暁人に惹かれていく様子がチラ見え。1巻での桂木の冷淡さを知っているからこそ、垣間見える人間らしさがもう…!絆されていく桂木に滾ってしまいます。
表紙の二人もぐっと距離が近付き、暁人が桂木の手の甲にキスをしているという耽美な構図。手の甲へのキスは「敬愛」を意味するらしいですが、それは桂木を幼い頃から尊敬し、指針としてきた暁人の想いそのものではないでしょうか。暁人の切なる感情が表紙から溢れ出ているよう…。

桂木の想いに変化が! 激動の3巻

 

当主として目覚ましい成長を遂げる暁人、ついに暁人への想いを自覚する桂木、そして明かされる桂木の過去と確執…。登場人物の心境も立場も大きく変化する3巻、表紙の二人は抱き合うような構図に! 暁人に対し自らも求めるようになった桂木。表紙でも、今まで一方的に触れられていた暁人の肩を抱き寄せています。
しかしそう上手くはいかないのがこの二人。それぞれの想いが交錯し、絡み合ってはほつれ…。暁人の友人・石崎にも「お前たちは矛盾の塊だな」と言われてしまう始末。家柄、立場などの様々な障壁を前に「側にいたいけれどいれない」というままならない関係性が、憂いを帯びた二人の表情から伝わってきます。

激しい恋に翻弄される… ままならない4巻

 


漆黒だった背景に白が! 初めて桂木が暁人に感情を吐露する4巻ならではの表紙。想いを受け止めるように目を閉じる桂木の表情にも関係の進展ぶりがよく表されています。キスする5秒前のような距離感にドキドキしてしまう…。
少し前まで暁人は桂木に教育され命令される立場でしたが、成長を迎えるにつれ対等の立場で動けるまでに。1巻の二人を思うと、お互いのために知略の全てを尽くすような間柄になるとは全く想像出来ませんでした。特に月日を追うごとに強まっていく桂木の暁人への想いから目が離せません!
尊敬し想い合うがゆえに衝突してしまう…そんな二人がもどかしくも愛おしい! 早く向き合えるようになることをただ願うばかり…。

強い想いが反発し合う… すれ違い続ける5巻

 

二人の思惑が入り交じり、命運をかけた主導権争いへと発展していく5巻。"相手の幸せのため"にすれ違い、嚙み合うことのない暁人と桂木が真に向き合える日は遠く…。想いを通わせても身体を重ねても、本当の意味で「肩を並べて歩ける」関係にはまだ至っていません。
表紙はそんな二人のすれ違う心情を表すかのように、背中合わせの構図。そして桂木を振り返りも触れもしない暁人…。桂木の支配から逃れ、自らの力で桂木のために動こうとする意志の強さを感じさせます。舞踏会の合間にイチャイチャしながら、騙し合いを続ける二人。桂木の視線もどこか疑わしそう…。

新しい道へと歩み始める暁人 再起の6巻

 

堂々巡りの主導権争いから一転、「新しい久世家」のために動き出した暁人。家や社会、そして桂木と向き合うことを決意し始めます。そんな暁人に対し桂木は恋心に翻弄され、脆い存在だと思い知ることに。身体を預ける暁人を抱き留めている、表紙の桂木の切ない表情から感情が痛いほど伝わってきます。暁人を愛したことで知る孤独の恐怖。自身の弱い部分から目を逸らし続けていた桂木の、どうしようもない恋情と寂しさがない交ぜになったような表情に胸が鷲掴みになれます。
また、背景とともに礼服の色も淡くなってきているのが象徴的。二人の関係も未来に進んでいることが表現されているように思われます。愛し合う二人はしがらみから離れ、共に歩める未来を選択できるのでしょうか?

肩を並べる関係へ 夜明けを迎える7巻

 

7巻にして背景が真っ白に! 礼服もグレーのスーツに白のシャツ、とかなり淡い色彩に変化しています。これまで抱え続けた「家」や立場というしがらみから解き放たれ、今までとは違った関係を築き始めていることが伺えます。しかし、視線は絡み合っていないのが二人らしい。本音を語り合ったとしても、話し合ったとしても二人の立場や思惑が交わることはないのです。再びの衝突を恐れ、完全には向き合えていないのが視線に表れているのではないでしょうか。
しかし、最終巻に向け、閉塞的だった二人の関係が新たなフェーズに進展しているのは事実。それぞれ今まで目を背けていたものと向き合い、肩を並べる関係に近付いていっている様子が何とも微笑ましい…!仲睦まじいHシーンではニヤニヤが止まらず、何度も読み返してしまいました。

8年の大恋愛が迎えた結末は… 純白の8巻

 


1巻表紙と構図はそのままに、椅子から立ち上がった暁人と桂木が懐中時計を握り合っているのが印象的な最終8巻。今までの表紙では見せることのなかった二人の微笑みになんだか涙が…。背景も真っ白で、さらにはタイトルまで銀箔に! 夜明けが訪れたのだと感極まってしまいます。
1巻では画面端にレイアウトされていた牡丹の花が椅子の上に置かれているのも象徴的。身分や立場から解き放たれ、真に対等な関係を築けるようになったということでしょうか。完全に自由にはなれなくても、どうか二人がずっと側にいられる選択を下してほしい…。
暁人の成長、そして桂木の変化…長い月日を経て不器用ながらに築いてきた大恋愛が集約されているようなこの表紙。全て読み終えた後に見ると、胸にじーんと迫るものがあります。


8年の間に激しく揺れ動き続けた二人の関係性が絶妙に表現されている『憂鬱な朝』の表紙。表紙だけで二人の関係性の変化にゆっくりと浸れるのはまさにこの作品の醍醐味ですよね。本棚に8冊並べてずっと見つめていたい…。

また、本作の表紙には必ず牡丹やバラ、ユリなどの花があしらわれているのが特徴的。表紙を彩る役割の他に、二人の関係や本編を象徴しているようにも感じられます。筆者では全ての花を特定出来なかったので、是非ご意見をコメントで寄せていただけると幸いです!

二人にもう会えないのは寂しいですが、紆余曲折を繰り返してきた二人の未来を見届けられた素晴らしい最終巻でした。是非暁人と桂木が出した「二人の幸せ」に行き着く決断を見届けてから、表紙をたっぷり堪能してみてください!

 

担当BLソムリエ:塩田大福
ハッピーエンド至上主義な超光の腐女子。三度の飯より同棲モノが大好き。最近おじさん受けに目覚め始める。

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コメント24

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匿名14番さんも似たようなもんだよ。
アンチコメントくらいで作品が楽しめなくなったとか、無いわ。むしろアンチが付くほど有名な作品になったってこと!

>匿名9番さん
あなたのおかげで作品を楽しめなくなりました。
以後、このような記事とかけ離れた内容のコメントは控えてください。

何の種類なのか探してみよう、挑戦してみようと頑張ったけど、果てた。
ホントにたくさんあり過ぎて分からない。でもバラであることは間違いないと思う。

バラはものすごく種類ありますから…
ルビーフラワーとかこんな感じじゃないですかね(詳しくはないです)

うーん…私には薔薇にしか見えないが…。

5巻はバラなんでしょうか? 葉っぱの数や茎の位置とかちょっと違和感があります。
ま、美しければいいか……

改めて見ると一巻…暗っ!だんだん夜が明けていくように明るくなり最終巻ではまるで結婚式みたいな二人。感無量です。花はバラ、菊、百合しかわかりませんでした。ごめんなさい!

素敵な記事をありがとうございました。
単行本の表紙も勿論美麗で惚れ惚れするのですが、同じくらいCDのジャケットも素敵です。
CDが発売された時には是非同じように記事を書いてほしいです。

お花もいいけど、6巻と7巻の見えていない二人の片腕がどうなっているのか妄想しています。

7巻のお花はサルスベリ百日紅だと思います。うちの庭に生えていますが、今年のような猛暑でもとてもきれいな花を咲かせてました。花ことばは『雄弁』『愛嬌』『不用意』そして『あなたを信じる』『潔白』だそうです。なんだか意味ありげですね。

4巻で脱落しました。どう決着がついたんでしょう。
完結したなら読もうかな、でもまた最初から読むの面倒だな。

花の名前はあまり詳しくないんですが、6巻はヤマユリでどうでしょー。
花言葉が沢山あって「荘厳、威厳、純潔、飾らぬ美、飾らない愛、人生の楽しみ、高貴な品性」
飾らない愛とか高貴な品性などが、作品と合うと思いました。

7巻の白い花は 利休梅 でしょうか?
花言葉は「控えめな美しさ」「気品」

表紙もしっかりバッチリとストーリーが込められてて本当に素晴らしい作品!

花言葉は気にしてなかったです!
そうやって見るとまた表紙の素敵さが倍増しますね

金儲けのために強引にストーリーを引き伸ばされただけの漫画。
こういった漫画・作者は支持しません。

素晴らしい記事をありがとうございます
2巻は菊、5巻はバラでしょうか?

なるほど! 山茶花はこの10月からの花ですし、いいですね。そして、花言葉の一つに「困難に打ち克つ」ともありました。「敬愛」とも。この最終巻にしっくり来ますね。

皆様の考察が素晴らしい。私も混ぜて下さい。えー…私も椿に似ているなと思ったのですが、椿は花ごとボトっと落ちるんですよね。だから椿ではないと思います。もしかしたら山茶花ではないでしょうか。

本当ですね、私も椿だと思います。葉が丸くて、艶もありそう。

一巻は牡丹だと思いますが、同じ赤い花ですが最終刊は椿ではないでしょうか?
葉が違いますよね。

黒から白なんて、言われてみるまで分からなかった…ホントだ、グラデーションが素晴らしすぎる。

ああ、こんな美しい表紙を本棚に並べて鑑賞出来たらなぁ…
押入れの奥やスマホの中に閉じ込められている現実が悲しい。

素敵な記事ですね!

三巻はハナミズキだと思います。
花言葉は「永続性」「返礼」「私の想いを受けてください」だそうです。

四巻は八重の立葵(タチアオイ)だと思います。
花言葉は「大望」「野心」「豊かな実り」「気高く威厳に満ちた美」だそうです。


どれも皆美しー!
日高ショーコ先生のイラスト集ってないんですかね?
あったらいつまでも飽かずに眺めていられそう。

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