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BLにはなぜ健気受けが多いのか?

2019/04/07 11:32

「王道」のワケを徹底分析!健気受けの魅力とは



1991年にBL=ボーイズラブというジャンルが生まれてから早28年。今や一つのジャンル名では括れないほど多様な作品が生まれ、今や市場も凄まじい勢いで成長している一大エンターテイメントとなりました。

そんなBL界ですが、様々な作品が生まれるに連れ「王道」と呼ばれる作風がだんだんと定まってきたのも事実。特に攻めが俺様やスパダリ、受けが健気や平凡…というBLは枚挙にいとまがありません。特に受けは攻めに比べて「クズ」「腹黒」という属性を持っていることが少なく、思わず庇護欲と加虐心が湧き上がる「いい子」であることが多いような…? それは一体なぜなのでしょうか。誠に勝手ながら、筆者の独断でその理由を考察してみました!

圧倒的多数! 健気受けと俺様攻め

 
まず、「健気」「天然」「俺様」「下衆」などの属性を持つキャラクターの数を攻めと受けで比較してみました。
ちるちるの詳細検索を使って調べてみたところ……

「健気」属性→攻め:4827件 受け:18400件
「天然」属性→攻め:1404件 受け:6973件
「平凡・地味」属性→攻め:属性表記なし 受け:219件
「俺様」属性→攻め:12695件 受け:877件
「下衆」属性→攻め:27件 受け:4件
「腹黒」属性→攻め:2406件 受け:属性表記なし

健気受け、俺様攻めが圧倒的多数! このツートップ同士のカップルである俺様×健気も7302件ヒットしました。この組み合わせが王道だというのは間違いなさそうです。
オメガバースでも身体構造的に受けとなることの多いΩが健気であることが多いですが、なぜ健気な受けが好まれるのでしょうか。

攻めに男性性、受けに女性性を求める傾向

 
俺様×健気という、王道少女漫画の系譜を受け継ぐ「異性愛模倣的」とも言えるBLが王道として大多数を占めることは、BL研究の中でもしばしば指摘されています(溝口彰子先生『BL進化論 ―ボーイズラブが社会を動かす―』など)。それにはやはり、BLが少女漫画から発生したジャンルである名残りが伺えます。少し前のBLでは、攻めがさらにお金持ちだったり社会的地位が高かったりと、一般的に「男性的」とされる特徴を有し、受けが美人ながら庶民的な境遇で育っている(社会的に高い地位には属していない)などの「女性的」な特徴を有しているものが多く描かれていました。それには少女漫画の影響、そして社会のジェンダー観も相俟って攻め=男性、受け=女性と考えられる傾向が今なお残っていると言えそうです。
そのため、読者の女性(形式上の同性)にも好かれやすい、健気で腹黒くない「いい子」な受けが好まれやすいのではないでしょうか。

葛藤に胸打たれる! ドラマを生み出す役割

 
前述の通り受け=女性と考えられる傾向にあるBL。そのためか女性読者に近い存在である受け視点で繰り広げられる作品が多数を占めています。受けの心情が詳細に描かれることも多く、思わず感情移入してしまうこともしばしば。受けが健気に思いを募らせているとこちらの胸も締め付けられます。
攻めが健気であるよりも受けが健気である方が切なさをより感じるのは、やはり受けに自分を重ねているからなのでしょうか。受けが葛藤している姿は物語にドラマを生み出します。「この子を幸せにしてあげて!」「この子を存分に愛してあげて!」と攻めに言いたくなってしまうような……。健気受けは、BL最大の魅力とも言える切なさを担う貴重な要素なのかもしれません。

可愛い子をいじめたい! サディスティックな欲望

 
先ほど受け=女性と考えられがちであることを指摘しましたが、いくら「女性的」であろうとも性別は男性。そこがBL最大のポイントとも言えるでしょう。
BLの読者の大半である女性は、基本的に男性を組み敷くことがなかなか難しいのが現実。しかしBLではその願望が存分に叶えられるのです。
可愛い男の子をいっぱい甘やかしたりいじめたりしたい……そんな読者のある種サディスティックな欲望が、受けキャラクターの造形に反映されているのではないでしょうか。読者の庇護欲や加虐心をよりそそられるのは、やはり健気で撫でてあげたくなっちゃうような男の子。そんな子が強引に攻められていると萌えエンジンが加速しますよね……。
BLは、女性という性別では叶えられない欲望を唯一実現してくれるユートピアなのかもしれません。

攻め受け双方に感情移入? 捻じれた読者の欲望

 
「健気受けが何故多いのか」を分析しているうち、BLには受けと攻め双方に感情移入できるような不思議な魅力が備わっていることが明らかになってきました。葛藤している受けを見て切ない気持ちになったり、攻めに恋焦がれたり、そんな受けを攻めと一緒に可愛がったり……。攻めへの恋慕と受けへの寵愛という、二重の欲望が反映されているのがBLの複雑なところ。そんな欲張りな感情を両方満たしてくれる唯一無二のジャンルだからこそ、ここまで大きなエンターテイメントに成長したのかもしれません。

あくまで我流で分析してしまいましたが、王道なBLが好きな方、健気受けが好きな方は是非どういったところを魅力だと感じているのかご意見を聞かせて頂けると幸いです! 筆者は逆王道が好きなので、さらに捻じれた欲望を持っているのかも……(笑)。

BL作品も読者の好みも非常に多様化してきている今日、一括りに分析することは難しいですが、少女漫画をはじめとする他の恋愛物語やメディア表象、そして現代社会におけるジェンダー観が読者の欲望、ひいてはBLの作風に多大な影響を及ぼしているのは確かなのではないでしょうか。いまだ世間から隠されがちな漫画ジャンルですが、社会と深い繋がりがあるのではないかと筆者は考えています。自身の好きな属性とその理由を考えてみると、BLがまた違ったものに見えるかもしれませんね。


担当BLソムリエ:塩田大福
ハッピーエンド至上主義な超光の腐女子。三度の飯より同棲モノが大好き。最近おじさん受けに目覚め始める。

コメント9

投稿順|最新順

健気受け、大好き。

また出たよ
他sage↓してBLage↑
呆れる

私はTLも読みますが、BLとほぼ似た傾向です。
俺様攻×健気受とかワンコ攻×ツンデレ受とか似たような話はTLにもあります。
恋愛ものの王道は大多数の読者が女性である以上、だいたい似てくるんだと思います。
ただやっぱりBLのほうがストーリーが面白い作品が多いです。
BLはTLよりもキャラが立っている(変人キャラが多い)、ストーリーがハッピーエンドばかりではないからだと思いますね。

嫌いアピールをわざわざHN使ってまでしなくていいよ。

健気受けも俺様攻めも苦手なので、ほぼ読んだ事ありません。
自分の中ではワンコ攻め×ツンデレ受けが王道だと思います。
私も現実逃避のためにBL読んでるから、重い話は避けてます。

健気受け で調べてみたら、受けが攻めのこと一途に好きなら全部健気受けって分類されてる気がする。
イエスノーシリーズの無印の受けに健気受けって付いてたけど、このキャラで攻めだったら俺様攻めになると思う。
女役(=受け)は相手をいかに思ってるかor片想いで「健気」に該当して、男役(=攻め)は女役から見て女役をどう扱ってるかで「健気」と「俺様」に分かれると思う。受けはどんな性格でも一途に想ってたら「健気受け」だけど、攻めは一途に片想いしてても強引・自分勝手だったら「俺様攻め」、下手で尽くしてくれるのが「健気攻め」になるし。
だから「健気受け」が断トツ多いってより分類が雑なんだと思う。

俺様攻め多いですよね
私も攻めは王子様系、美人系、わんこ系が一番萌えます

自分の場合、王道や健気受けが大好き!というよりは、腹黒、下衆系が無理なので、それを回避すると王道ハッピーエンドものになる感じです
BLには癒しを求めてるので、後味のよくないお話はあまり読みたくないかな、勿論作者さんにもよりますが

健気受け好きだけど不幸なシチュエーションでいじめるのは萌えるんだけど攻めがサドなのは苦手で攻めにはいつでも優しい王子様みたいなひとであってほしい。DV男みたいな攻めはほんと無理…。あとセックス下手そうな攻めも無理…(笑)。シチュエーションで受けをいじめるのは好きなんだけどね〜

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