BLニュース

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

【in中国】規制だらけの中国BL小説界隈、書いてはいけない題材をお晒し

2020/08/02 18:00

増える描写の制限…それでも腐女子は「命は自ら出口をみつける」と信じている


 
これまでも「in中国」シリーズとして中国のBL小説事情をたくさん記事にしてきましたが、今回は何度も言及している「題材の制限」についてお伝えしたいと思います。
 
中国では、政府が大っぴらに明文化することはなくとも、各小説サイトや出版社が政令を忖度し、自ら作者へ規制をかけることが多々あります。
 
2020年1月には、BL小説レビュー投稿で有名なインフルエンサーがWeiboに「晋江文学城」(中国で一番代表的な女性向けネット小説サイト)が行ってきた題材制限について投稿し、改めて中国の腐女子界隈を騒がせました。
 

 

BLに限らず、ネットにおける小説題材への取り締まり

 

中国では、2002年から「ネット小説」(ネットで連載・発表する創作、日本では「オンライン小説」と呼ばれることが多い)の性的な描写に目がつけられており、同年、「インターネットにおける出版管理暫定規定」が発表されました。「わいせつや賭博、暴力、犯罪を助長するものを含む内容」という書籍出版社に該当していた管理規定を初めてネット小説にも該当させたのです。

 

そして、2004年には、「扫黄打非」チーム(わいせつ物を一掃し、非法出版物を打撃するチーム)が「わいせつサイト取り締まり行動」を発足。「起点中文网」(日本では「小説家になろう」に該当するサイト)などの大型ネット小説サイトが自粛し、大量な作品が削除またはミュートされました。

 

2007年と2009年に、それぞれ「ネットわいせつ小説の重点取締に関する緊急のお知らせ(关于严厉查处网络淫秽色情小说的紧急通知)」と「インターネットにおける下品な作品を一掃する行動(整治互联网低俗之风专项行动)」が発足され、関連サイトの該当小説を重点的に監視し、4,000を超えるネット小説サイトの中、20ほどのサイトが閉鎖されました。

 

続いて2014年には、「扫黄打非・クリーンなネット環境2014」により規模の大きいネット小説サイトがいくつか閉鎖されました。さらに、「晋江文学城」の作家が初めてわいせつ物頒布罪で起訴、懲役3年の判決が言い渡されました。

サイト上でのBLのジャンル名は「耽美」から「純愛」に変わり、BL描写への取り締まりも一段と厳しいものに。ネットでは「首以下の描写禁止」「セックスするときは消灯」と揶揄されるほど、性的な描写が厳しく禁止されることになりました。(【in中国】中国BLをネット小説からみる、黎明期から今までの略史)

 

2018年には、以前記事にしたこちらの出来事もありました。→中国の女性BL作家が懲役10年半、その本当のわけは?

 

2019年に、「クリーンなネット環境2019」によりネット小説サイトへの監視がさらに強化され、編集者や作家への管理も加わり、Wechatの公式アカウント、Weibo、バイドゥ贴吧(コミュニティサイト)、フォーラムなどでの交流や情報の流布を取り締まるようになりました。

 

日本ではエンタメとして18歳以上の大人をターゲットした官能小説などでも、中国ではコンテンツにおけるレイティングシステムが定められていないため、一概に「わいせつ物」として取り扱われています。



ケモノも誘拐も、書いてはいけない題材

 

・NTR、浮気描写

セックス描写にかかわらず、1人以上の相手との恋愛関係を持ってはいけない。

 

・近親相姦、義理の家族(血縁関係を持たない家族)

血縁関係にかかわらず、義理の家族でも道徳的な問題が絡むため、恋愛関係を持ってはいけない(義理関係が解かれたらこの限りではない)。

 

・SM、監禁、脅迫

セックス描写にかかわらず、関連する題材が含まれてはいけない。監禁要素はサスペンスや推理などのジャンルであれば含むことは可能だが、メインテーマにしてはいけない。

 

・民族、宗教

民族や宗教関連の内容をテーマにしてはいけない。

 

・ケモノ

セックス描写にかかわらず、獣人などと恋愛関係を持ってはいけない(特に人類の思想を持たない獣)。その他ジャンルでは獣人をポジティブに描写してはいけない。

 

・誘拐

描写はOKだが、ポジティブに描いてはいけない。関連する内容は社会にとってポジティブな意味を持っている必要があり、違法・犯罪行為は必ず法律によって裁かれなければいけない。

 

・ダークメルヘン

セックス描写にかかわらず、ダーク、暴力、残酷なメルヘンを題材にしてはいけない。

 

・軍人、政府要人

BLや百合においては特に、軍人と政府要人のキャラ設定をしてはいけない。特権を持ったり、自ら武装したり、非法な武器を販売したりなどの内容は一切禁止。犯罪者や悪者を擁護するような描写もNGで、軍人や警察、政府機関の公務員を侮辱してはいけない。


・未成年、教師生徒

未成年のキャラクターと恋愛関係やカラダの関係をもってはいけない。脇キャラの場合は詳しい描写をしてはいけない。言及する場合は批判的な立場で描かなければならない。

 

・近代歴史

共産党およびそのリーダーや革命家を抹殺、誹謗、批判してはいけない。歴史を改ざんしてはいけない。

 

・違法職業

違法職業に従事するキャラは主要人物として出してはいけない。

 

ここまで読んでいただくと、上記に該当する作品が頭の中にたくさん浮かんでくるのではないでしょうか。

 「絶対的な正しさ」などないはずなのに、人間の矛盾や非力な現実を描くBLは、中国の規制によって「非法」のラベルが貼られてしまいます。

 

 

規制される題材の小説は人の目につかないところで発表

 

では規制の題材に触れた小説はどこで公開されているのでしょうか? 一番よくみるのは、該当する章を別のサイトで発表する方法です。


例えば英語圏のAO3(ファンフィクションを特化した非営利小説投稿サイト)、Weiboで逆さまの画像で投稿(マシンの画像監視システムから逃れる)、QQグループ(LINEグループのようなプライベートチャットグループ)、完全招待会員制のフォーラムなどのプラットフォームが挙げられます。

 

***

 

「上に政策あれば下に対策あり」これは中国でよくある現象です。

 

けれど、創作をすることも、創作物を楽しむことも人の文化であり、そう簡単にはなくなりません。腐女子の間でよく言うのは、「命は自ら出口を見つける」、または「神扉閉じ給う時、窓開け給う」 という言葉。現地の腐女子たちも規制に対してあの手この手で知恵を絞っています。

 

BLには様々な題材と表現があるからこそ、読者は救われ、考えさせられ、前を向いていくことができる…筆者はそう思います。

 

記者:首長鹿

コメント6

投稿順|最新順

匿名5番さん(1/1)

BLだけじゃなく、文芸の規制は多いです。テレビドラマだと、地上波に出せるものはだんだん少なくなり、小説の出版は難しくなり、ゲームも規制された。
日本の人に羨ましい

著者は記事とは何の関係もない他の事件のために投獄されました。 私は中国人です。機械翻訳

匿名4番さん(1/1)

20年前中国至少还有盗版日本的BL小说漫画,现在不止BL,有关同性爱的书籍能不出版,市场上都看不见了。
以前至少还有东宫西宫,蓝宇这样的影视作品,现在中国所谓的BL电视剧或者动画都是暧昧系,或是改编成兄弟情,不是真的BL。

匿名3番さん(1/1)

ファンタジーと現実を分けられない、生き辛い国ですね…………それでも諦めずに創作をする作家さんは凄い。ここまで規制されたら読むことすら諦めてしまいそう。

匿名2番さん(1/1)

規制多いですね、
兄弟物好きなのですが・・・アウトですね。

匿名1番さん(1/1)

この規制に引っかかっていない作品ってなんだろう。私が読んでいる作品ほぼアウトなんだけど、、
日本に生まれてよかった、、、

PAGE TOP