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愛と加虐の狭間で苦しむ似非S×ドMの歪な恋を考察してみた!

2020/04/19 13:00

意味深タイトルをすぱっとずばっと解き明かし!



皆さんはBL本のタイトルの意味を考えたことはありますか?

BL本を買う際、タイトルを読むと「あ、これオメガバースだな」とか「スパダリ攻めだな」「闇の腐女子向けだな」など自身のBL経験値と照らし合わせ色々と考えると思います。
しかし、その本を読み終わった後にはタイトルに再び注目することは少ないのではないしょう?

しかしBL本のタイトルも作者が考え抜いてつけたものであり、読み終わった後に見返すことでより気づくこともあるかもしません……!?

というわけで今回はちるちるのBLソムリエが選んだ本のタイトルを内容とリンクさせて萌えながらじっくりねっとりと考察してみます。既読の方はぜひ手元に置きながら読み進めてみてくださいね!

※ネタバレを含みますのでご注意ください。
※あくまで筆者個人の考察・見解です。 

異色のSM、好奇心から始まる地獄の恋

夜はともだち』作:井戸ぎほう

 

あらすじ
ノーマル似非S×真性ドM「SとM」役以上の繋がりを求めてはいけない――? 顔は可愛いのに無口で無表情でミステリアスな飛田(とびた)くん。実は飛田くんがゲイでドMだと知った真澄(ますみ)は、好奇心からサド役を演じることに。
『飛田くんが真澄の名前を呼んだらプレイ終了』という唯一の約束。それは2人のつながりの終わりも意味していたのだが、真澄はプレイメイトという限定された関係以上を期待するようになり――。

2014年のSMの傑作と言ったらこの作品ではないのでしょうか!

ドMで常にサドスティックなプレイを求める受けと普通の関係を求めるノーマル性癖の攻め?という新感覚SMですが、表紙やタイトルからして意味深すぎますよね!? 思わず手にとった方も多いかと思います。
プレイメイトというあまりにも歪で繊細な二人の関係の行く末は、砂糖より甘くてコーヒーより苦い。

そんな本作のタイトルは『夜はともだち』、これはどういった意味が隠されているのでしょうか……?

ソムリエ本気の考察タイム

「ともだち」=プレイメイト説?



まずシンプルに考えられるのは「夜はともだち」は夜だけの友達ということです。

つまり、「夜だけのプレイメイトである2人」のことを表している可能性が高いのではないでしょうか? ここでの「夜」は時間帯のことで「ともだち」は2人の関係性のことと考えると、確かに同じ大学にいながら2人が会うのは夜だけなのでしっくりときます。

しかし、話の途中からは昼間の大学で2人が歩いていたり、水族館でデートをしたりしているシーンも目立ってきています。そうすると簡単に「夜限定のプレイメイト」を表しているとタイトルを解釈するのは違うような気もしてきませんか?

「真澄の目は金星みたいだ」



そこで新たに注目したいのは中盤に出てくるあるシーンです。夜中のベランダで飛田君が真澄に「真澄の目はキラキラしていて綺麗だね、金星みたいだ」と話します。

金星は太陽と月の次にもっとも明るい天体であり、飛田くんによってそんな星に例えられた真澄は「飛田くんの目も宇宙みたいでかっこいいよ」と答えます。
この真澄の言葉はその場限りの言葉ではなく、実はその前のページでも「飛田くんの目は宇宙の人みたいな、暗くて冷たい醒めた心底全部に飽きたみたいな目」と例えているのです。ここから真澄にとっての飛田くんという存在への気持ちが徐々にわかっていきます。

真澄は飛田くんのことを好ましく思っていながらも「怖い存在」だと思っているのです。理解ができない、だから怖いのです。そして自分自身を傷つけるかもしれない存在、それが真澄にとっての飛田くんでした。

実際に物語の終盤の真澄は「飛田くんに触れるのが怖い」という恐れを抱いているシーンがあります。そう、ノーマルの真澄にとっては被虐されることで興奮するドMの飛田くんとの関係は「好きな人に暴力をふるっている」という嫌悪を呼び起こすものなのです。

好きになればなるほど、真澄は飛田くんの異常性に傷ついていき……しかし(似非)Sでなければ飛田くんの傍にはいられないのです。

飛田くんへの恐れと愛



そしてここから言えることは、タイトルの「夜」は飛田くんのことを表しているのかもしれない……ということです。そう考えると金星の真澄と夜の飛田くん、二人の関係性にもぴったりとハマるのではないでしょうか?

上の発言の宇宙を夜と結び付けるのは少し難しいかもしれませんが、真澄にとって飛田くんはただ謎めいている人なのではなく真っ暗闇の夜のような理解ができない恐怖の対象でもあるのかもしれません。

宇宙への未知数の恐怖の様に、夜も人間にとっては「なんだかよくわからない」恐怖を抱かせます。そしてそれは真澄にとっての飛田くんなのです。だからこそ飛田君は宇宙であり夜とも解釈することができます光り輝く金星である真澄を夜の飛田くんはその底知れぬ闇で覆ってしまうのでした。

そして「ともだち」の部分は序盤の考察で書いた通りにプレイメイトという関係を表している部分もありますが、もっと深読みすると「夜はともだち(でなければならない)」という真澄の飛田君への思いが込められているように感じます。理解できない飛田くんへ踏み込んでいけば傷ついて後悔する羽目になると真澄は無意識に気づいているのです。

そう考えると似非S×真性Mという2人の決定的にズレた関係性を描いた物語とタイトルがリンクしていき……。

つまり、この『夜はともだち』の意味は真澄から見た飛田くんへの愛ゆえに傷つくことへの恐れが混じったタイトルだと考察できるのではないでしょうか!?
 

最後に


BL本のタイトルの意味を考察していくと、様々な視点からユニークな可能性がたくさん出てきますよね!
しかし、それはあくまで誰かの「萌え」の一つにしかすぎません。皆様の心の中に一つ一つ萌えがあるように、BL本のタイトルの意味も萌えの数だけ無限通りに解釈できます!

ぜひこの機会にお手持ちのBL本のタイトルを考察してみてくださいね。

ばいそん
最近は王様受けとかモブレにハマり気味。バッドエンドから甘々までなんでも楽しめる雑食の腐女子。モブレモノに出てくるモブおじさんには昔からただならぬこだわりがある。

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