BL情報サイト ちるちる

BLニュース

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

出演条件は、俺と同居すること!壊れた天才俳優×売れない3流俳優 の危うい関係を描く、剛しいらの佳作BL 『顔のない男』

2008/06/17 00:00

新人俳優の音彦に、大手映画会社から出演依頼が舞い込んだ。相手役は天才俳優と名高い飛滝。けれど、出演条件は飛滝と同居すること!?映画の設定通り、兄弟として暮らし始めたとたん、“兄”として必要以上に甘やかし、触れてくる飛滝。毎夜“弟”を抱きしめて眠る飛滝に、音彦は不安を募らせる。そしてついに、兄弟の一線を越える夜が訪れて!?バックステージ・セクシャルLOVE

剛しいらさんは本当にたくさんの著作をお持ちです。BLはもちろん、ライトノベルズも書いていらっしゃいます。
作品にはあらゆるタイプのストーリー・・・コメディ、甘々、シリアス、人外、等々が揃っていますし、BL初心者さんでも達人さんでも楽しめる作家さんではないでしょうか。
たくさんの作品の中からオススメを一作品選び出すのは難しいのですが、今回は「顔のない男」を選んでみました。
カップルは役者同士。 デビューして三年目の鳴かず飛ばずの俳優・音彦(受)は、ある日天才俳優と呼ばれる飛滝惣三郎(攻)の弟役に抜擢される。
しかしその出演条件に、飛滝との同居、それも役になりきった“兄弟”としての生活をクランクインまで続けることを言い渡されます。
そして音彦が待つマンションに、飛滝は、“兄”の顔をして現れ、日常に“兄弟”を演じる奇妙な同居生活が始まります。
それが二人の出会いです。
飛滝がとても特異なキャラで、そして惹き付けられる人物です。
どんな役でもなりきってしまう「天才俳優」として有名なのですが、1度役を引き受けるとその演技はカメラの前だけでなく、私生活においてもその『役』になりきってしまいます。
映画でストーカーを演じた際は、日常でも相手役の女性を付け回し、本気で相手を殺しかけてしまったこともあります。
それほどに役にのめり込む飛滝と“兄弟”を演じることになった受の音彦は、飛滝の演技と本気の境界がわからず戸惑うことになります。
それは読む側も同じで、飛滝の素顔はなかなか見て取ることができません。
まるで「壊れてしまった人」を見るような、怖ささえ感じます。
けれど、お話が進むにつれ、音彦の存在によって少しずつ飛滝の本当の顔が見えてきます。
「顔のない男」と言うタイトルは秀逸で、どんな役にもなりきれる素晴らしい役者としての意味合いもですが、飛滝自身の深層にある空洞を連想させます。 完璧な俳優である飛滝のアンバランスさ危うさが少しずつ露になると、「顔のない=素顔のない」飛滝の欠けてしまった心が見えてきます。
殺人犯の役をやれば“殺人犯”に、過去の時代の人間を演じれば過去の人物そのままになってしまう飛滝。本人も音彦も、役への異常なのめり込み方に不安に襲われます。しかしこの音彦がごく普通の感覚を持ち、前向きで意外に冷静で飛滝の内面をよく理解していて、彼を現実に繋ぎとめる縁となっています。それが読者にも安心感を与えていると思いますね。
人としてはかなり危ういタイプの攻だと思いますが、音彦の常識的で暖かい視点のおかげで飛滝が癒されていくのがわかり、決して特異な恋愛ものにはなっていないのですね。
むしろ飛滝は可愛らしい、守ってあげたくなるようなタイプの男に見えてきますよ。
「顔のない男」の他に、「見知らぬ男」「時のない男」と三冊出ています。
北畠あけ乃さんのイラストも大変素敵なので、未読でしたら是非読んでみてください。

紹介者プロフィール:汐
本代を捻出するため(もちろんBL)、日々いかに節約するかで頭がいっぱいの主婦。砂原糖子の商業誌作品はコンプリート。小川いら、たけうちりうと、も即買い。BL以外では、椹野道流「鬼籍通覧シリーズ」に勝手に腐の香りを嗅ぎ取り萌え狂っているらしい。しかし好きな本ほど絶版になるというジンクスが……。

関連作家・声優

アクセスランキング

最新BLニュース

オススメニュース

最新のコメント

PAGE TOP