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樋口美沙緒はミステリアスでカタルシス! 『愚か者の最後の恋人』

2010/04/20 00:00

皆様お久しぶりでございます。 
前回からかなり間があいてしまいましたが、今年ブレイクしそうな新人さんを紹介してください、ということですので私も心機一転、新人のつもりで頑張りまーす!初々しさが足りぬのは年のせいなのでご容赦をw

今回は話題の大型新人さんというより、あまり人には知られていないけれどもここで埋もれて欲しくない、今年ブレイク必至というより私的にブレイクしてくれたらいいな!!という作家様をご紹介したいと思います。
そう、いうなれば谷間にひっそりと咲く可憐なスミレのような?(笑)

【あらすじ】
惚れ薬を飲まされ、雇い主で貴族のフレイに恋してしまった使用人のキユナ。
誰にでも愛を囁く節操なしのフレイのことが大嫌いだったはずなのに、面白がって悪戯されてもその手を拒めなくて......。

ちょっとこれあらすじがあんまりアレなんで、以前自ブログに書いた感想から一部転載させてください。

これは貴族社会での家督争いを無くすため、正妻の子以外は『愛の迷い子』と呼ばれ、結婚は同性相手に限定されている国で、迷い子たちが繰り広げる愛の悲喜劇です。
領主の弟で『愛の迷い子』であるフレイに、放蕩をやめて許婚と結婚させるために従者として遣わされたキユナですが、幼い頃から共に育ち、拾われっ子の自分をからかってばかりのフレイが大嫌い。
それでも敬愛する領主ノクシアのために口煩く結婚を奨めますが、男も女もより取り見取りのフレイは聞く耳持ちません。
キユナはどーしてもいうことを聞かないときは一服盛っちゃえ♪とノクシアから秘伝の惚れ薬を預かっていたのですが、見た目がワインそっくりのそれを、そうとは知らないフレイに飲まされてしまいます。
ここで飲まされたのが媚薬だったら張り切ってエロ突入!単なるラブコメなのですが、惚れ薬となるとこれは心の問題ですからね。
しかも盲目的にラブラブ状態ならまだしも、完全に自我は保ったまま、好きな気持ちだけが制御できなくなってしまいます。
幼い頃は兄弟のように育ち、今は従者として側で仕えて、フレイの語る恋がどれほどその場限りの軽く実のない言葉であるか、知り尽くしているのに流されては傷ついてしまう。
優しい言葉も情熱的な囁きさえもひとつも信用していないのに、信じたくなってしまう。
自分の気持ちを利用して弄び、傷付けられるだろうことを予期してフレイの持つ解薬を渡して欲しいと頼むキユナですが、解薬が欲しければある男をおとせ、と命令されます。
結局は自分をまったく信じることなく、頑なな態度を取り続けるキユナへのおしおきのつもりした命令にフレイ自身が嫉妬の炎を燃やす結果になるんですけどねw
身内同然という気安さからの無神経な言動と、長年側にいる相手への慈愛に満ちた行動という相反する態度でキユナを翻弄しまくり、散々泣かせたフレイも実はあれこれヤキモキさせられて最後はひざまづいて愛を乞うメロメロさ!


これこそが切ない恋のカタルシスなんですよ?!!
今まで自分が大切にしてこなかったものに、どれほどの価値があるかをなくしかけて初めて気付く愚かな攻。後悔して、跪いてなりふりかまわず愛しいものを求めてみるがいいよ!!
この本、最初はあらすじ読んでトンチキコメディだと信じて疑わなかったのですが、読み出して衝撃!!
もともと涙もろい私の涙腺を見事に崩壊させてくれましたよ……。
切ない、切なすぎる片想いに加え、登場人物たちの複雑な人間関係やミステリアスな出生の秘密に関するどんでん返しなど、恋愛要素以外でもとても楽しめる1冊でした。


そして作者の樋口さんは商業作品自体はまだ1冊めの新人さんなのですが、実はネットや同人誌の方では人気のある方だったようです。
昨年デビューでもうお一方お気に入りの作家さん、成瀬かのさんもそう。
最近ではネットで活躍されて商業デビューというパターンも多くなって来ましたね。


しかし私もそうですが、やっぱり本は紙媒体で読みたい!!という人もまだまだ多数いらっしゃると思いますし、なにより好きになった作家さんにはどうせなら印税で稼いでいただきたい!!(笑)
今はネットが普及してるから書きたい人が作品を発表する場には困らないと思うのですが、お気に入りの作品は趣味で終わらずたくさんの人の目にふれて欲しいのですよ。
つまりもっとたくさん本をだして欲しいのです!!
とはいえ、どうしても個人のサイトで発表するものと違って制約もあるでしょうし、担当さんや出版者側の意向などもあるでしょうし、ネットで活躍されてる作家さんにとってはいいことばかりでもないのでしょうね…。
それにこの本もそうだし前からたまに言っているけど、どんなに中身が素晴らしくともあらすじで損してる作品て意外に多いような気がします。特に新人さんの判断材料って絵師さんかあらすじくらいで見るしかないでしょう?
レーベルによってもあらすじの分量が違ってきますが、出版サイドもきわどい単語で煽るばかりでなく、読者に読みたい!!と思わせる魅力のあるあらすじを考えて欲しいものです。


そういえば樋口さんに関しては嬉しいニュースがあるようですよ?
チラッとサイトにお邪魔したところ、4月の花丸文庫で新刊の予定がおありだとか。
うわー、なんてタイムリーな!!1年3ヶ月ぶりの2冊目ですよ!!!


私は普段は雑誌もネットもチェックしないめんどくさがりなので、ブレイク作家さんに推してはみたものの、1冊で消えてしまったらどうしよう…といらぬ心配もしていたんですよね…。(す、すみません……!)
そんなわけでVIVA!2冊目!!
これを機にどんどんステキ商業作品も出して、たくさん印税もらってもらえるようにこのコラムで少しでも販促のお手伝いができればと思う次第でございます♪

紹介者プロフィール:ゆちゅらぶ♪
BLと愛娘ゆちゅぴんをこよなく愛する一腐女子。 いろいろとマニアックにハジケ気味の読書感想ブログやってます@「水中雑草園」。 萌えの許容範囲が広いため、割とマイナー本もご紹介してるかと思います。 こっそりと(?)ブロガーのお友達とユニット組んで、伝説のマグロ漁師(70歳)がメインの小説ブログも公開中!なので、よかったら一度のぞいてみてね♪

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