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異論は認めません!? 私のイチオシはこれ!14

2010/05/19 00:00

新刊の中から、話題になっている作品、私のオススメ作品などをピックアップして紹介します。視点は少々(いや相当?)偏っていることもありますので、ご注意くださいませ?。
今回は2010年4月の新刊から1冊と、同じテーマの既刊本を選んでみました。

■ストーカーはじめました/バーバラ片桐/桜城やや/リンクスロマンス
精悍な顔立ちに加え、野球部で活躍していたために高校時代もてていた上江田。
でもラブレターにしてはいきすぎた内容の手紙が毎日のように届くようになり、困った上江田は精神医学の本を読んでいたクラスメイト・佐倉に相談した。
しかし、一緒に犯人を捜していたハズが、そのストーカーは佐倉だった事が判明。
怒った上江田は、佐倉に無理矢理性的な行為を強いてしまった。
それ以来言葉を交わすこともなく離れたふたりだったが、5年後、刑事とストーキングを専門にしている犯罪心理学者として再会する。
捜査協力に乗り気でない佐倉に「担当してくれたら願いを叶えてやる」と提案し、再び佐倉と関わろうとする上江田だが…。

元ストーカーとその被害者との再会話。
好きになった相手に度を超した執着をしてしまったり、酷い扱いをされる事に興奮を覚えてしまう性癖を自覚している佐倉は、海外に渡って犯罪心理学を専攻し、そんな自分を律しようと努力しています。
一方の上江田は、過去の自分の行為が原因で恋愛関係が上手く築けずにいて、佐倉と再会したことで何か変えられるのではないかと模索中。
過去に囚われているふたりがどう変わって行くか、そこが読み所ですね。
上江田は被害者であるとは言え佐倉に酷い行為をしていますが、まだ高校生で自分の感情を持て余していて、佐倉に対する気持ちを自覚できてない為に、それが攻撃に転じてしまっています。
かわいさ余って憎さ百倍。
しかも自覚なしですが、上江田には元々ドSな部分が眠っていたのですよ。
なので、高校時代の出来事はお互いの性格と幼さが招いた結果で、どちらにも原因があるんだろうなぁと思います。
少し特殊な設定でありつつも、ふたりの性格や感情の変化が分かりやすくポイントを押さえて書かれているので、すんなり話が入ってきました。
佐倉の抑えきれない執着心に対する罪悪感はもちろん、ストーキングされた側の上江田が抱えている複雑な心境に触れられているので、それぞれの行動の裏にある心理がちゃんと伝わってくる。
佐倉の可愛い暴走に上江田がどう対応し、佐倉に対する感情がどう変化していくのか、そこがとても面白かったです。

内容が内容なので当然シリアスな部分もあるのですが、佐倉の行動がコミカルに書かれていてテンポもよいので、作品全体の印象としてはコメディです。
佐倉が健気だけどちょっとおバカさんで、ストーカーなのに可愛く仕上がっているのがすごい!!
可愛さの秘訣は…ドMな所かな(笑)
最初のお願いが足舐めなんて、それマニアックですからー!
言葉責めされて興奮していたり、佐倉はかなりの変態ドM。
でもそれに乗っかっている上江田も相当ドS!
加熱していく2人の様子がとても萌えました♪

ということで、バーバラ先生の新刊はストーカーBL!
事件の内容が上手く話に絡んでいたし、コミカルな展開の中にもふたりの真面目な心理が垣間見えていて、全体のまとまりがよかったなぁと思います。
ワクワクいっぱい!萌えもいっぱい!

--
ストーカーがBLに出てくるのは珍しいですね。
次に紹介する凪良先生の作品も同じようにストーカーを題材にしていますが、バーバラ先生の作品とは雰囲気がガラッと違います。
この2作を読めば、ストーカーの気持ちが少し理解できる…かも?
しかし、バーバラ先生の作品中でも触れられていますが、過度の執着が否定的に「ストーキング」と捉えられるか、好意的に「求愛」と捉えられるか、それは相手の気持ち次第。
一方的な執着は迷惑でしかなく、結局はお互いの理解があってこそのハッピーエンドなのは言うまでもありません!

■恋愛犯 -LOVE HOLIC-/凪良ゆう/サクラサクヤ/花丸文庫BLACK(2008年)
大好きな勢田春人とバイオリンがあれば、他にはなにもいらない。
そんな想いが暴走し、高校時代ストーカー行為を行ってしまった日永望。
日永は自分の行動で勢田に迷惑をかけたことを悔い、勢田と離れた土地で暮らしていたが、4年後突然勢田が訪ねてきて…。

クラスメイトの勢田を些細な切っ掛けで好きになるのですが、交流しようとするわけではなく、日永は一方的に見ているだけ。
それが行きすぎて所謂「ストーカー」行為をしてしまいますが、本人はただ好きだから見ているという認識しかない。
しかしこの行為が問題となって、家族に絶縁され、勢田とも離ればなれになってしまった日永。
これ以上大好きな勢田に迷惑をかけないよう、自分を抑えるために離れた街で暮らしていた日永の元に、ある日何故か突然勢田がやってくる。
でも理由を聞く前に、事故で勢田が記憶を失ってしまった。
自分の正体を隠して勢田と一緒に暮らし始めた日永は、自分を抑えようと頑張ります。
でも、そう簡単に悪い癖は治りません。
信頼関係を築き始めていたのに、結局暴走してしまい、拒絶されてしまう。
でも、そこから勢田との関係を立て直そうと日永なりに必死に考え、行動した結果、ふたりの関係が次第に変化していきます。
説明が長くなってしまいましたが、この話は恋愛を通して日永が成長する話です。
それまで人と関わろうとせず、勢田への想いも一方的だった日永。
それが、勢田と共に過ごし、実際にコミュニケーションを取ることで変化していく。
相手の心が欲しいと思うなら、当然相手を理解し、自分も理解されるよう努力が必要ですよね。
それは別に恋愛に限った事ではないのですが、当たり前のようで、意外と忘れがちなことなのではないかなと思います。
日永のように極端な例はそうそうないですけど(笑)

何はともあれ、勢田がいい子で、日永の想いを受けとめてくれてホッとしました。
日永はヘタしたら本当に犯罪者になっていますよ…。
その勢田ですが、明るい性格の裏にある影に惹きつけられてしまいました。
日永のキャラが濃いので影が薄くなりそうなところですが、キャラ作りが上手く、勢田もしっかり存在感があってよかったです。

全編通して攻視点。
まさかこんな変人でストーカー体質の攻の気持ちが理解できるなんて、思いも寄りませんでした。
ストーカーという特殊な題材をベースに、コミュニケーションの大切さを改めて考えさせられる1冊でした。

紹介者プロフィール:にゃんこ
長い冬眠期間を経て数年前に復活。内容はもちろん大切。でも萌えるHも大好物! 心躍る萌えを求め、腐海を彷徨う流浪の腐女子。 小説&コミックスを中心に、BLCD、BLゲームなども含めた感想をブログで書いていますので、そちらもよろしくお願いします! http://macnyanko.blog22.fc2.com/

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