BLニュース

キヅナツキ『ギヴン』に萌えたあなたに贈る5作品

今年11月に発売された、キヅナツキ先生のコミックス『ギヴン(1)』。ギターは弾けるが冷めてる高校生・上ノ山立夏が、壊れたギターを抱えた真冬に出会い、押し切られてギターを教え始めるが……というストーリーです。

はじめは嫌々な態度を見せていた立夏は、偶然聞いた真冬の歌声に撃ち抜かれ、冷めかけていたギターへの情熱を思い出します。現時点はまだ恋愛未満のまま物語が進んでいますが、立夏とバンドを組む大学生の秋彦(ドラム)と春樹(ベース)にも微かにラブな雰囲気が……？と、2巻が待ち遠しい展開。

楽器や演奏の細かい描写、バンド内あるあるも盛り込まれ、音楽好きにもオススメの内容となっています。

ところで、ミュージシャンは演奏が気持ちよく決まった瞬間、性的絶頂にも匹敵する快感と興奮を覚えるそうです。同じ夢を追い、同じ時間と快感を、同じ場所で共有し続けるバンドマンたち、萌えるなと言う方が無理な話です。

バンドを題材にしたBLは数多く存在しますが、今回はそのなかでも、バント内恋愛を描いた作品をピックアップ。 プロもアマも大人もみんな、無邪気に青春してます！



“まるでCD”な装丁にも注目
イシノアヤ『union』
高校軽音学部時代結成の仲良しバンド・ケチャッパーズ。トラブルメーカーの若田部(ワカ)を中心に回る彼らのバックステージ＆恋愛模様は…？

新進気鋭の注目バンド・ケチャッパーズのワカ(Gt.)×タニ(Vo.)の公認カップルを中心に、バントを巡る人間模様を描いた作品。恋愛要素は決して濃くないのに、彼らの日常にはしっかりと恋人の空気が漂います。バンドマンの日々をもっと知りたくなる、音楽好きも満足の一作♪

これはいいツンデレ！
のばらあいこ『ネコジタスパイキー』
日和のライブはいつも、脱ぐわ、はしゃぐわ、最後はぐだぐだ。実力派のベース・みーたんの遠慮の無いダメ出しに、ムカつき落ち込むが、気付けば彼のことばかり考えてしまう。そしてユル～いバンド生活はみーたんの引き抜きの話に揺れる！！

ほのぼのからダークまで収録した短編集、うち表題作「ネコジタ SPIKY」がバンド内恋愛もの。また“バンド内”ではありませんが、同時収録のスピンオフ「あの太陽はきみのもの」も、ドラマー・太郎＆中東系のギタリスト・タルハという、バンドマン同士の恋がテーマ。アラビアンハードコアバンド……気になります。



映画を観ているような…
えすとえむ『エイジ・コールド・ブルー』
ニックは、ルームメイトでバンドメンバーのビリーに想いを寄せているが、報われない苛立ちも募り破滅的な生き方をしてしいる。そんなニックに嫌気が差すメンバーと、メジャーデビューを夢見ながらもニックを突き放せないビリー。音楽をとるか？ ニックをとるか？ 決断を迫られ出した答えとは…。

大部分が、同じくえすとえむ先生のコミックス『ショーが跳ねたら逢いましょう』とリンクした作品集です。ミュージシャンとしての敬愛、友情、そして愛情。揺れる心情と2人の距離感に惹き込まれます。「映画を観たような気分になる」という言葉が、いくつものレビューに見受けられました。

離れているから向き合える
松下キック『世界の果てで、待ってる。』
チャート1位常連のロックバンド「レジス」のギタリストである泰我は、ライブ中キスを仕掛けてきた同じバンドのベーシスト・左右に失恋してしまった。バンドを辞めると言い出した泰我は、「頭を冷やせ」と言わんばかりに、見知らぬ田舎町に左遷され…？

仕事、音楽、好きな人…全てから離れた日常の中で「自分」や「恋」を見つめていく主人公。メインカップルがほぼ一緒にいないという斬新な状況下にもかかわらず、確かに育っていく気持ちが伝わって見ているこちらもくすぐったい気分。彼らの間だけで成立する会話はとてもリアリティに溢れています。



音楽漫画としても傑作！
加藤冬紀『THE神田兄弟』／『ブレスト ブラザーズ』(THE神田兄弟完結編)
他人の目をきにせずイチャつきまくる、ヒロ＆拓の神田兄弟。ライブハウスで大人気のバンド、THE神田クラックスを率いて、貧乏だけれどハッピーに、目指せメジャー＆世界進出（！？）＜続編『ブレスト ブラザーズ』より＞

兄弟2人同じバンド、メジャーデビューを目指し安アパートで同居生活を送る毎日。あくまで「兄弟愛」＝ニアBLのはずなのに、恋人同士にしか見えないほどベタベタ甘々なヒロと拓！ 突き抜けすぎた愛情に、萌えと妄想が止まらない作品です。

ただしシリーズ2冊とも、とくに完結編『ブレスト ブラザーズ』に至っては現在定価で購入するのはほぼ不可能という状況。もしも見つけた方は迷わず入手することをオススメします…！

いかがでしたか？ 全て網羅したあかつきには、普段テレビやライブ会場で見かけるあのバンドやこのバンドにも……素敵な妄想が止まらなくなるかも知れませんよ！

記者：神谷浩未