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不満だらけの電子書籍 くやしい…!でも…使っちゃう

2015/02/16 00:14

2018/03/01 00:14


「ここをこうして電子書籍」
というフリーアンケートを昨年秋にちるちるで実施しました。有効回答数450人

寄せられた回答の文字数3万字以上。一人平均666字の回答です。すごい文字数です。
しかしその95%不満を語る内容だったのです。
とはいえ関心のないことに一人平均666字の回答をしないでしょう。不満もありながら、それでも電子書籍に期待をしている!という裏返しでもあります。その情熱は購買の情熱とイコールなはずです。
こんな意見がありました。

「部屋が漫画で溢れかえっている身からすると、部屋のものが増えない電子書籍は素晴らしいです。ちょっと気になってた本も気軽に読むことができるのも素敵です。拡大できるのも、紙媒体にはない魅力だと思います」

しかし魅力的なはずの、電子書籍に不満が募るのはなぜなのでしょうか。今回ヘビーユーザーの意見ばかりを集めてみました。



修正の問題
以前のニュースでも取り上げましたが、修正範囲へのこだわりはヘビーユーザーにとって許しがたい!問題です。ライトなユーザーはガマンしても、大人買いのユーザーは許してくれません。

「漫画家さんが産み出した作品は、なるべく発表されたままの状態で見たいのです。ですので、修正は大事な問題です」

「あまりにも過剰な修正は雰囲気が壊れて萎えるので、いっそのことR18に年齢制限して、描写をしっかりめにしてほしいです」

左京亜也先生のクロネコ!!を購入してあまりにひどい修正。ひとつのコマ全体が真っ白修正では漫画としてどうなの?と思います。修正部分がとても多く、大きく、読んでいて煩わしくなり、紙版で買いなおした次第です。余計な出費。
納得できなかったので、ネットで電子版の修正について調べてみたところ、ストアによって違うことを知りました」

■この修正問題への不満はここで紹介された10倍以上ありました。

コミックカバー裏絵 小説イラスト問題
こちらも買ってみないと収録されているかわからないという不満が渦巻いています。小説はコミックに比べ売れ筋ではないでしょうが、ヘビーユーザーをがっかりさせています。BL文化として定着したカバー裏のイラストもコアなユーザーの興味をそいでいるようです。

「小説がイラスト付きと書いてあったので半信半疑で購入してみましたが、イラストはあるものの拡大表示しても小さすぎて(モザイクっぽい)やはりがっかりしました。
他ストアでは普通サイズのイラストだったので、まさかサイトによってあんなに違うとは思いませんでした」

「一番切実に思っていることは、小説の挿絵を電子書籍でも収録してほしいということです。最近はイラスト付きで販売している出版社さんも増えましたが、挿絵作家の名前が表示してあっても実際に購入してみると収録していないことが結構あり、ものすごくがっかりすることがよくあります。イラストがない場合はきちんとその旨を注意書きで表示して欲しいです。先日、イラストなしで販売していた作品がイラスト付きで新たに販売されなおして二重にがっかりしたことも…(買い直せってこと!?)。小説読みの私としては、多少値段は高くなってもイラスト付で読みたいです。イラストがステキだと、新規作家さんの開拓にもつながると思うのですが」

「表紙、表紙裏、カバー裏なども入れてほしい、たまにこちらなどのリビューで「カバー裏のあとがきや4コマが面白かった。表紙裏が表紙と繋がっていて綺麗だった(萌えた)」など書いてあって初めてなにかあったと知り、特に気に入った本の場合、がっくりくる」

■イラスト収録の問題は、修正の不満についで多かったです。
ちるちるユーザーならではの不満といえますが、たくさん買ってくれる大口顧客のこだわりは深いです。


時間差があるならせめて発売予告を
2年前まで紙の発売から3ヶ月経たないと電子化しないという不文律がありました。しかし新書館により2013年『理想の恋人
紙とほぼ同時に発売するという施策が打たれてから、同時発売への抵抗が薄れつつあります。がしかしまだ出版社によって温度差があるのは事実です。

「紙の本と同時発売と告知されるのは除き、アナウンスがないものは、いつ配信されるのか、配信予定すらないのか、が把握出来ないのが不便です。違う電子ストアで先行していて随時他のストアで配信されることもあれば、利用しているところでは全く出ない場合もあります」

「何時頃電子書籍が発売されるか分からないのが困る。電子で出たら買おうと思って待っていても、延々電子化されないものも多い。中途半端に遅れて電子化するなら、何時頃か発表してほしい。本当は、紙面と電子同時発売(若しくは数日遅れ)くらいにしてほしい。電子が出たら速攻買おうと思って待っているのがたくさんある。紙面はもう、床が抜けそうで厳選しないと買えないので・・・」

■その他目立った問題を列挙しています!

特典の問題
「BL書籍に関して言うと、電子書籍に付いている特典SSやペーパーは、BL専門店などで付く特典ものと一緒なのか否か、特典内容を明確にして欲しい」

腐女子ならではのプライバシー問題
「特にスマホに入れたアプリはログイン過程がなく、起動するとすぐにイラストが出るので困ります」

「特にBLはエロ重視作品もたくさんあるので、紙版だと手元におけない場合もあり、電子版ならばロックをかけられますのでとても便利だと思いました」

容量問題
「書籍保存をSDカード対応は必須にして欲しい。すごい容量を食います。その為に端末保存消しました」

小説は縦読み
「小説の場合は横書きではなく紙媒体と同じく縦読みにして欲しいです」

整理がしずらい
「シリーズものの場合、発売順や、カップリング順等々にソートできる機能があると嬉しいなと思いました。
例えば、桜賀めい先生の『ワルイコトしたい』『素直じゃないけど』等々、カップリングごとに読み返したくなる際、探すのが面倒」

「ストアによって品ぞろえが違い、欲しい作者さんの作品をそのサイトで統一できない時が辛い。サイトを併用すると、段々どのサイトでどの作品を購入したかわからなくなるので、自分で表計算ソフト等を使って整理しなきゃダメだなと思っています」

割高感
「電子書籍で買うと紙媒体で買うより何故か損した気分になる。電子書籍用にもっと購買意欲を掻き立てる特典が欲しい。"
セール時ではないと、まだ紙の本と全く同等の価格を出して買うのは抵抗があります」

古本で買うなら作家にお金が落ちる方で買いたいのに!
「古い作品は作家さんにお金が落ちないのを気にしながらも古本を買うことが多かったのですが(そりゃ目の前に1/5の値段のものがあればそっちを選ぶのが人情かと…)、電子なら、48時間コースなどで安い金額でも、「作家さんや出版社にお金が落ちてる、業界に貢献できてる」感があって買う方も嬉しいので期待したいです…!」

ストリーミングは必須
「一部ストアはアプリにDLしなくても読める機能があって便利ですが(自身のインターネットの環境のせいか)、次のページがなかなか開かない。具体的なサイトの名前を出しましたが、電子書籍のヘビーユーザーとしては、自分のデバイスの容量を常にチェックしているので、DLしなくてもネットからもっとスムーズに読むことができるようになると嬉しいです」

話数販売、コマ見せは必要か?
「コミックでコマ見せ(?)のタイプ、一話一話分割の販売のものは一括購入、ページ見せタイプにもできるといいのになと思います。シリーズ物の全部が同じショップで揃わないと、こっちはページ見せ、こっちはコマ見せ、一話分割とややこしいので」

突然閉鎖の恐怖
昨年7月「ヤマダ電機」が運営するブックストアが突然閉店宣言し、購入データが閲覧不可になるという発表がありました。あまりの反発の強さにサービスは継続しましたが、電子サービスの危うさをアナウンスする結果になりました。


「ここ一年くらいで自分の電子書籍購入率はずいぶんと跳ね上がりましたが、それでも好きな作家さんの本はきちんと紙書籍で購入します。それはやっぱり、電子書籍は「ある日突然、読めなくなる日がくるのでは」という不安感がぬぐえないからです。せっかくお金をかけて電子書籍棚を充実させても、配信している会社の都合ですべて消えてしまうのではという恐れはどこかにあるので、購入者側のそういった不安を払拭するような仕組みができたら良いと思います」

「データが使い回されないようにするためにガードを掛けているところも有り、もちろん理由は解るが、そういう書店はデータが壊れたり書店が無くなった際の救済措置を初めから明確にしてもらえれば良いのにと不安に思うことがある」


■以上、要望の強い意見をまとめてみました!なかには、
「ディアプラスは一ヶ月遅れだけど電子配信してくれるので、それまで全然読まなかったのに読むようになりました」
という意見もありましたよ!


まとめ
ガラケーコミック全盛時代、「日本では電子書籍が普及していない!」という論説がさかんに繰り返されていました。しかし間違いなく日本は電子書籍大国で、電子ストアにとってエロコンテンツはすごく美味しかったはずです。

そして今も日本が電子書籍大国だったという再評価はいまだありませんし、ひきつづきBLはエロコンテンツとして電子書籍にカウントされない現実がここにあります。

現在、電子書籍をもっともヘビーに活用しているのは間違いなく腐女子であると思います。
ところが一番活用しているにもかかわらず、一部のストア以外からはあまり重要視されていないのです。

上に書かれているような内容は、自社でデータ制作をしないストアにとって自らの力で改善することは難しいことも多く、現場だけの力では限界があります。そのようなわけで手っ取り早い値引きに走り、先の見えない消耗戦を繰り広げている印象です。

腐女子は値引きは確かに重視しますが、優先順位は必ずしも高くありません。定期的なセールが連続的にあるとわかれば買い控えもするでしょうし、結局普段は品揃え、使いやすいストアで購入するということになります。

また電子ストアの概念は、コンテンツの利用権を販売することであって、コンテンツそのものを販売するというものでありません。ユーザーからすると違和感のある商習慣であるし、またそのような概念でストアが運営されていることを知っている方も少ないでしょう。

突然の閉店宣言をされることへの恐怖は、ヘビーユーザーであるほど強いはずです。
つい最近までガラケーコミックは退会すると、その時点でコンテンツが見れなくなるのが普通でした。電子しか買わないライトユーザー層しかいないので、電子コンテンツはそういうものだといえば諦めたのかもしれません。しかし最近は紙から電子へ移行したユーザーが多くなっています。そうしたユーザーは、紙基準でストアの対応を考えているはずです。電子ストアでは、かつて当然の慣習だったものが現在の利用層には通用しなくなってきたということです。

BLはヘビーユーザーになってくれる可能性のどのジャンルよりも高いありがたい人たちです。こんなところを改善するともっと売上も上がるのではないでしょうか。

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コメント14

投稿順 | 最新順

匿名11番さん(1/1)

最近は紙媒体と同時発売の電子書籍作品も増えてきましたが。
多くの電子書籍作品が紙媒体と同じ速さで読める時代が来たら、紙と電子、どっちが売れるようになるんだろう。

私は男性向けのアダルト漫画も普通に読みますけど、
人妻ものには全く興味がないものでw
あの巨乳の奥さんの広告は本当に目障りです!
てか今月初めて電子書籍でBL漫画を購入したんですど、
20ページぐらいしかないのに300円は高くね!?(怒

匿名10番さん(1/1)

確かにディアプラスは漫画は月刊雑誌も配信してくれているけれど、なんで小説ディアプラスは配信してくれないの(^_^;)
今の所5冊くらい。
小説でこんなに配信していないレーベルはここだけだと思う。人気なのに。

匿名9番さん(1/1)

電子書籍をもっともヘビーに活用しているのは間違いなく腐女子である>これまさにその通りだと思う。
BLがジャンルとして確立したのが大体15~20年前ですよね?
腐女子が増えてBL本もたくさん出るようになったのって10年前くらいからじゃないかな?
今、ちょうどその頃BLにハマった多くの10代~20代が結婚して、家族の手前BLから離れてる時期なんです。(もちろんみんながみんなそうではないでしょうけど)
自分がまさにそれで、電子書籍のお陰でBL復活出来ました。
電子書籍なかったら多分一生BLに戻ってこれなかったと思います。
既婚女性が家に置きづらい本ってことで、これからもBLの電子書籍の需要はどのジャンルよりあると思います。
電子書籍会社がその需要と発展性を汲み取ってるのなら、この記事にある不満解消に力入れてほしいです、切実に。

匿名8番さん(1/1)

匿名7番さんに激しく同意。
子どもと一緒にPC使ってる時にあのアダルト広告を見つけたときの怒りったらないですよ。
前からちるちるさんでも「巨乳奥さんの広告何とかして!」という意見があります。
どうにもならないものなのでしょうか。
電子書籍を利用しない私にとっては全くもって無意味なバナーでしかなく、腹立たしく思っています。

匿名7番さん(1/1)

たとえ便利でも、アダルトWeb広告をあちこちに撒き散らしている
「電子貸本RENTA」「まんが王国」「ebookjapan」「Book Live!」などは
絶対に使わない+広告もクリックしないようにしています。

アダルト広告のおかげで利益が出て良いサービスが続いているという意見もあるのでしょうが
未成年者や、そういうものを見たくない人にまで
強制的に過激な性表現・性暴力表現のある広告を見せるようなサービスは
やはり運営に問題があると思うからです。

さらに言えば、そういった「アダルト広告頼みの(アダルト広告がないとやっていけない)」電子書籍は
先があまり長くないのでは印象があります。
今はアダルト広告の収入でウハウハと稼いでいるかもしれませんが、
過激なアダルト広告はすでに問題視されていますから、遠からず規制されていく流れになるでしょう。
閉鎖してサービスが停止されては購入した電子書籍は読めなくなります。
アダルト広告頼みの電子書籍サイトを利用するのはリスクがとても大きいです。

30年後までは無理でも、せめて20年は購入した電子書籍を読みたいなら
やはり大手電子書籍サイトを利用するのが一番安心かつ安全でしょう。

匿名6番さん(1/1)

電子書籍って漫画だと枠からはみ出した台詞が見えづらかったりするので作家さんも配慮してほしいです。拡大してもボヤけてしまうんで。
古本で買うなら作家さんにお金が落ちる方で買いたいのに!という意見感動しました。でもRentaさんの3チケ48時間って時間が短い気がするので1日100円の72時間にしてほしい…って中途半端ですかね。

匿名5番さん(1/1)

ガラケー時代には会員登録不要で、購入履歴等の見れるマイページもあって購入後1年間は再DLできるサイトを使ってました。
大分長く愛用していたんですが、iPhoneへの機種変更で無いとデータを引き継げない上に、
スマホ版では有料会員登録している間しか読めないと聞いて、機種変更を機にそのサイトは使うのを止めてしまいました…

でも今まで買った分はガラケーが壊れるまでは読めるし!と思っていたら
契約を解除したガラケーって通信以外にもカメラとかアプリとかも使えなくなってしまうのですね。
購入した電子書籍のファイルもコンテンツキーも生きているのにブックリーダーが起動できなくなってしまい
結局読めなくなってしまって、ダブルでショックでした。

今度は失敗しないとこを~って思いながらどこを使おうか迷ってます。

匿名4番さん(1/1)

横書きってどこだろ……?
皆さまがあげてるRentaとかは、「縦書きに切り替える」って設定で変更すればどの書籍も縦書きになるし。。
大抵のところは縦横選べると思うんだけど。

ガラケー時代(5年くらい前?)から電子書籍にお世話になってる身としては、かなーり改善されてきているので今後もゆっくり見守っていこうと思ってます。ガラケー時代は今以上に理不尽でしたから^^;
今後は挿絵と値段の問題が解決すればいいなぁ。

>ピピンさま

すべてが横書きではないですよ。
わたしが購入したことのある物で紙媒体でも発行されている物では、横書きはなかったです。
ただ、Rentaなどは横なのかもしれません。試し読みがそうなっているので。
取り扱いサイトによって違うのかも…
ちなみにわたしはスマホ版でKindleやkoboが中心ですが縦でした。
パソコン版がどうなっているかは不明です。

挿絵も入っているものも普通にあります。
お友達情報ですと、後ろにイラストがまとめて入っていたものもあるようですよ。
ただ、商品説明書きがない作品ですとイラスト有無が賭けになっちゃいますよね。
電子は割引がない時は紙と値段が変わりませんし(ここがすごく謎)、イラストも込みの値段のはずですからおかしな話ですよね。
あと、やはり新刊はよほどの物かレーベル自体がweb掲載に力を入れていないとたいてい同時発売なしなので、わたしはここがけっこうネックです。

う~ん…。
本棚が限界を迎えてきたので、「電子書籍に移行しようかな」と思っていました。
この記事を読むと、考えちゃいますね。参考になりました。
特に小説が、挿絵なし、横書きになるというのが、痛いです。

匿名3番さん(1/1)

言ってること、すごくわかります!
電子の方が荷物にならないし、しかも好きなタイミング、連携するデバイスで読めるというのがいいところ。
それに伴う、発売のタイミングや読めなくなったらというのは毎度の悩みですね。
出す側に温度差はあるかもですが、ユーザーの読みたいっていう思いが変わらないことは理解してもらいたいなぁ。

匿名2番さん(1/1)

えっ!?
電子書籍って閉店すると読めなくなるのですか?
ダウンロードして保存しとくものだと思ってました。
それまで支払ったお金が多少なりとも返金されるわけでもないんですよね。
そのリスクを考えると、余計に手が出せないし
値引き販売してても、高く思えてきました。

ほとんどに挿絵がないのにもビックリです。

匿名1番さん(1/1)

昨今BLとカテゴライズされるコミック、また小説の数は大変多く、それらを網羅する腐女子・腐男子ユーザーが電子書籍において大変重要であることは想像には難くありません。
しかし電子書籍にこのような問題点があることは知りませんでした…。

電子ではほとんど作品を見ない自分ですが、この記事にはなるほどという点がとても多かったです。
もし打開策が打ち出されたら、記事にあるようにBLの電子書籍化は爆発的に広がりを見せるのでしょうか。

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