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3月は再会の季節です! 再会BL4回分

2015/03/20 15:03

3月は卒業シーズン。卒業という区切りで別々の道を選んだふたりが、偶然再会するシチュエーションもBLでは多々あります。離れていた時間が長くても、過去の関係があるからこそ今がある。切なさと感動の詰まったテーマですよね。今回は、そんな再会BL特集です!

王道の再会BL
何度でもリフレイン
安西リカ / 小椋ムク / Dear+文庫(2015年)

 大手商業施設への新規出店コンペに参加した真下裕通は、そこで、今では大企業の役員として働いている大学時代の同級生で恋人だった高坂佳史と再会した。10年前、家庭の事情もあり大学を中退し、高坂とも別れた真下。再会した高坂は、今でも好きだと告げてきて…。

 大学時代に別れたのは、真下の母が病気で亡くなった事がきっかけで、育った環境や経済的なすれ違いが表面化した事が原因です。その後、大学を中退した真下は精神的に不安定な時期を乗り越え社会人に。大企業の御曹司である高坂は、大学を卒業後海外で経験を積み、今では若いながらも役員として働いている。偶然再会して、過去を話題に出せるくらいには気持ちの整理は出来ているつもりだった。でも、傷ついた過去があっても、10年を経ても、やっぱり好き。その気持ちを、高坂は言葉にしてちゃんと伝えていますが、真下はなかなか受け入れる事が出来ません。10年前の悔恨、以前とは違いすっかり大人の男になっている高坂への戸惑い。好きだからこその不安や葛藤で押し潰されそうになっていく真下と、そんな真下に真っ直ぐ気持ちを伝える高坂、どちらも好感度大です。
 王道でありつつ話の作りが丁寧なので、読んだ後の充実感たっぷり。切なさも詰まっていますが、甘いエピソードとのバランスがとてもよく、萌える再会モノに仕上がっています!


臆病で頑なな心を動かしたのは…
あいのはなし
 凪良ゆう / 小椋ムク / ショコラ文庫(2013年)

 10年前、突然の事故で亡くなってしまった桐島裕也。ずっと裕也に片思いしていた岸本波瑠は、現実を受け入れられないまま裕也の息子・椢と旅に出た。ふたりにとってそれは大切な時間で、椢は波瑠を守ろうと必死だったけれど、誘拐の罪を背負った波瑠は実刑を受けることに。その後伯父夫婦に引き取られ海外で暮らしていた椢は、帰国後も波瑠と会えないまま10年が経っていた。裕也の携帯に届く、宛名もメッセージもないメールがふたりを繋いでいたが…。

 裕也が亡くなった時、裕也31歳、波瑠21歳、椢9歳です。恋愛感情を秘めたまま3人で穏やかな生活を送っていた中での突然の死。子供ながらに椢は波瑠を守らなければと必死で、不安定な精神状態だった波瑠の手を椢が自ら取り旅に出ます。しかし上手くいくはずもなく、ふたりの繋がりは途切れることに。椢が大人になり、名前を偽ってひっそりと生きている波瑠と再会した事で、ふたりの時間が再び動き出します。父親を亡くしながらも波瑠を助けたくて一生懸命な椢と、椢の優しさに助けられながらも裕也の喪失から未だに立ち直れていない波瑠が切ない。
 頑なだった波瑠の心を動かした、椢と裕也の想いは涙無しでは読めません。重い内容がありつつも優しい気持ちになれる素敵な作品です。


若さ故に手放した恋。今なら
 ファントムレター
砂原糖子 / 広乃香子 / ルチル文庫(2012年)

真頼が働くイタリアンレストランの常連である訓は幼なじみ。小学生の頃、鹿児島の田舎に引っ越してきた真頼は、クラスメイトの訓と親しくなった。友人という関係を超えた感情を持つようになっていったふたりは、高校生の頃、恋人同士となる。けれど、田舎の狭い世界の中で、ふたりの関係はつらい結果に。真頼は高校卒業後上京し、その後、大学を卒業した訓も東京の会社に就職した事でふたりは再会した。表向きは友人同士だけれど、ふたりは複雑な想いを抱えていて…。

 好き合っていたけれど、別れるしかなかった高校生の頃のふたり。10年後再会しますが、昔の関係には戻る事は出来ず、「友人」の距離を守り続けている。そんな中、ふたりの関係を揺るがす出来事が起こり、不安定な均衡で成り立っていた日々がついに壊れてしまう。好きだと告げる訓に対して、好きだけど受け入れられない真頼の心を変えることになったのは、訓との日々が書かれた手紙でした。過去と現在を繋ぐその手紙の持ち主は、真頼の遠い親戚である治という小学生の男の子。もうひとりの小学生・双葉と共に真頼と訓を治が訪ねてきた事で、物語は大きく動きます。
 過去の手紙が今の真頼の元に戻ってきた経緯も含め、伏線が繋がっていく過程がとても秀逸。心に響く言葉の数々に、涙必至です。
 

いくつものハードルを乗り越えた先にあるもの
アイズオンリー
一穂ミチ / 小椋ムク / SHYノベルズ(2013年)

 滅多に外出しない仁科縁が会うのは、唯一の理解者である叔父の訓くらい。ある日、訓に連れられ出版社の編集者・岩崎数真と会うことになった縁は、数真が子供の頃交流のあった「かず」だと気付く。でも、当時目の見えなかった「かず」は縁がその時の相手だとは気付かない。何も言わず、数真との関係を続ける縁だったが…。

 数真は子供の頃仲良くしていた「ゆかりちゃん」の顔を知らず、女の子だと思っています。なので、再会しても縁が「ゆかりちゃん」だとは気付きません。一方、最後に会った日の事が苦い思い出となっている縁は、再会しても名乗り出ません。でも、数真からの食事の誘いを戸惑いながらも断る事は出来ず親しくなり、そして数真に誘われるまま身体の関係まで持つように。恋愛感情を持ちださない、セックス込みの友人のような関係は自分の望むものであったけれど、次第に縁は苦しくなってきます。縁が恋愛を拒む背景にあるのは、過去の別れ故の臆病さだけではなく、実はある大きな問題を抱えているから。他人に理解して受け入れてもらう事が難しいことが分かっているけど、でも好きな人の手を自ら離すことも出来ない。そんな縁の不安と葛藤と諦めと希望が入り交じった感情が、とても切ない。
 思いがけない展開に驚きながらも、最後まで読み応えたっぷり。様々なハンデを乗り越えて手を取り合う事が出来たふたりの姿に、励まされる作品です。

記者 にゃんこ

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