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台湾の本屋さんでBLを買って特典をゲットしてきた【台湾取材記その1】

2015/07/11 05:34

2018/03/01 05:34

日本に次ぐBL大国ではどんな作品が人気?

6月某日、台湾の大手出版社「東立出版社」主催によるとあるイベントが、台湾・台北にて開催されました。それは、同社が電子書籍として刊行している台湾初のBL漫画季刊誌『Touch+』のファンミーティング、その名も「腐女子スイーツパーティー」

これは『Touch+』読者である“台灣腐女(男)”たちと、同誌に寄稿する漫画家が集い、共にスイーツを楽しみながら交流ができるという、日本ではなかなか体験できない貴重なイベント。今回、なんとその取材の機会を得た記者は、意気揚々と台湾は台北に飛び立ちました。

イベントの内容は別記事にてじっくりレポートすることにして、今回は一人前夜祭とも言うべき台湾BL本散歩をお届けしたいと思います!

そもそも本屋が多い台北

台湾を知る知人からよく耳にするのは、台湾はBL文化・おたく文化が浸透しているので、街中の本屋はもちろん駅の書店などでもそういった本が手に入る、ということ。
以前旅行で訪れた際には悠々と本屋巡りをする時間が取れなかったため、ようやくその事実を確かめる機会に恵まれたと期待が高まっていました。

以前ちるちるニュース「ヨーロッパBL紀行」にて、はる記者がイタリア・ローマ、スペインの都市部には本屋自体が少ないとレポートしておりとても興味深かったのですが、台北は打って変わって書店で溢れる街です。

台湾国外にも店舗を持つ超大型チェーン「誠品書店」をはじめ、「紀伊國屋書店」「ジュンク堂書店(台湾淳久堂)」といった日本の企業も出店しており、絵本類ならここ、学術書ならここなど、店舗によって強みとなるジャンルが異なるほど“書店文化”が発展しています。その中には、漫画やライトノベルなどを中心に扱う、いわゆるオタク向け専門店も。

日本と同じような店頭配布フェア

イベント前日。台北に到着したこの日は、運よく東立出版社のBLフェア開催期間中でした。
フェア名は「紫色禁祭~幻之・任務」“紫界系列”=ボーイズラブジャンルと定義されている東立出版社の全作品のなかから満299元以上購入するとその場でブックカバーが貰えるという、日本でも今や当たり前のように開催されている店頭配布式のキャンペーンです。
 
貰えるデザインは下記の8種類。うち1種類が台湾のBL小説のものでした。


『龍的飼養準則』(小説:草子信/イラスト:尤石馬)
『言ノ葉ノ花』(小説:砂原糖子/イラスト:三池ろむこ)
『黒×恋』(高城リョウ)
『くちびるに蝶の骨(1)~バタフライ・ルージュ~』(漫画:冬乃郁也/原作:崎谷はるひ)
『テンカウント』(宝井理人) ※2種類
『抱かれたい男1位に脅されています。』(桜日梯子) ※2種類

台湾では、BLコミックスは1冊130~140元(約520~560円)、小説が210元~(約800円~)程度なので、コミックスだけなら3冊ほど、コミックス&小説なら1冊ずつ購入すれば条件を満たすことができる計算です。

フェア特設サイトに掲載されている開催店一覧を見ると、なんと台湾全土で118店舗(ネット店含む)、台北駅近辺だけでも何軒も対象店舗があることが判明。そこで今回は台北駅から徒歩で巡れるお店に足を運んでみることにしました。

町の本屋さんのBL展開は至って普通

まず足を運んだのは、台北駅から5分ほど歩いた場所にある「墊腳石圖書文化廣場(台北重南門市)」。こちらも台湾で見かけることができるチェーン店で、書籍に加え文具や雑貨も豊富に扱っています。重南店では『進撃の巨人』『名探偵コナン』などのアニメグッズも販売されていました♪

コミックスがある2階は少年・少女漫画、最近台湾で大流行のライトノベルがずらり。そのほとんどが日本作品の翻訳本です。そしてBL本のコーナーはというと…ありました! 2階の奥、高さ120cmほどの棚1つ分の展開です。

宝井先生、秀良子先生などの人気作と新刊を中心に、台湾作家による小説も並べられていましたが、全体的に量は多くありません。
残念ながらここにはフェアの告知が無く、目的のカバーが貰えるか不安だったため、ひとまず何も購入せず次の場所へ向かうことに……。

続いて足を向けたのは、この墊腳石書店から目と鼻の先にある「三民書局(重南門市)」。流行の書籍を取り揃えた日常使いにうってつけの便利そうなお店で、台北市内に2軒の実店舗と、BL書籍も大量に扱う規模の大きな通販サイトがあります。

こちらの店舗では、フェアの為のワゴンが設置されていました! 決して大きな展開ではありませんが、告知ポスター掲示とともに、井戸ぎぼう先生『やさしくおしえて』、黒岩チハヤ先生『ましたの腐男子くん』、桜庭ちどり先生『俺様ボイス』『意地悪ボイス』などなど、同店が推す東立出版社作品が平積みされています。

その中から3冊選んでいざレジへ!!
――向かったのですが、なぜかそこで貰えたのは全く異なる漫画のグッズ!

訊いてみるとすぐに調べてくれたものの、これ以外に特典はないよとのこと。フェアの詳細が伝わっていない店員さんもいたのか、彼女は別の東立出版フェアの特典を渡してくれたのでした。

とは言えこれも充分貴重なアイテム……せっかくなので頂戴することに。結果この書店では3冊のBL本と『夏目友人帳』のブックマーカーをゲットすることができました(笑)

 
「妖怪連絡簿」。なんて分かりやすい訳題でしょうか

移転したばかりのアニメイト新店舗

この日最後は、やはりここ「安利美特」。中国語の発音で当て字をした“アニメイト”です。

現在台湾のアニメイトは台北と台中に1店舗ずつ計2店舗展開中。その1つである「アニメイト台北總店」は、今年の5月15日に同じ台北・西門町から移転してリニューアルオープンしたばかりの大変立派な店舗で、店内の規模もずいぶん大きくなったのだそう。

ところで同店のある西門町は、台北駅から地下鉄で1駅、若者の街として栄える日本の渋谷や原宿のような場所で、漫画専門店や萌え系作品の総合センター(!)まで存在します。アニメイト台北總店はそんな西門町駅から徒歩1分、台北駅から歩いても10分弱で着くことができる最高の立地に店を構えているのです。
 

目に慣れた青い看板


複数の幟、立派な門と、外観は日本のアニメイトより派手な印象


台湾でも大人気『うたの☆プリンスさまっ♪』!


『Free!』『月刊少女野崎くん』といった人気アニメ作品の看板でいっぱい!



店内に併設されている「らしんばん」の看板もありました。同店は日本でもアニメグッズ等の中古買取・販売でお馴染みですよね。こちらはおもいきり日本語表記です。

入店した印象は、とにかく明るく綺麗!! ライトノベルもアニメも同人誌も、展開の大きな人気作品はほとんど日本と時差を感じません。店内の作りとしては手前3分の2がアニメグッズや書籍、奥側残りの部分が同人誌コーナーのようです。

入口すぐの場所には新刊コミックスと雑誌を並べた特設コーナーがあり、そのなかには日本のものをそのまま輸入したらしい『MAGAZINE BE×BOY』『CIEL』等も置かれていました。ちなみに売っていたのは最新号ではなく数号古いもので、お値段は日本で買うより100円ほど高値。

BLを購入する台灣腐女たちを観察

BL本は店内右奥にありました。驚いたのはその! 背の高い大きな本棚が3つほど並び4、5メートル近いコーナーになっていました。同じだけ平積み展開もされているため、一体何冊のBL本があるのか、と圧倒されるばかり。

さらにその圧巻のBLコーナーの横には、女性向け同人誌(日本産)の本棚が1つ、つつましく鎮座していました。人気ジャンルはまずなんといっても『進撃の巨人』! そして『黒子のバスケ』、『うたプリ』、『ダイヤのA』……とこちらも日本とほぼ変わらない顔ぶれでした。

商業BLのコーナーは、基本的には全て台湾の出版社ごとに分けて並べられ、新刊のほか、話題の宝井理人先生作品、桜日梯子先生作品は表紙が見えるよう棚に配置されています。

フェアのブックカバーをゲットするが目的の1つだったため、まずは東立出版社の本を物色しつつ、せっかくなので入れ代わり立ち代わりやってくる“台灣腐女”たちがどんな本に興味を持ち、実際にどんな本を買っていくのかこっそり観察してみることに。

記者がいる間にBLコーナーにやってきた腐女子たちは計10名ほどで、平日夕方ということもあり、10代~20代半ばの女性がほとんど。そしてその彼女たちが、購入するしないに拘らずまず手にしたのは、やはり人気の高い宝井作品&桜日作品でした。

宝井先生については、イラストを担当したノベルズも一緒に置かれていたため、そちらを手に取って眺めるファンも多数。一方桜日先生も、『年下彼氏の恋愛管理壁(2)』だけを3冊買っていく人、『抱かれたい男に脅されています。』をまだ読んでいないという友達にその魅力をひたすら語りだす人など、BL愛溢れる腐女子をたくさん見つけることができました♪

そんななか、今回実際の購入者が一番多かったのは、新刊コーナーに目立つよう陳列されていた高城リョウ先生の『黒×恋』
また崎谷はるひ先生の小説を冬乃郁也先生がコミカライズした『くちびるに蝶の骨(1)~バタフライ・ルージュ~』も複数の方がお買い上げ。どちらも先述の東立出版社ブックカバーフェアのデザインに採用されているだけあり、やはり注目度が高いようです!

そこで得た情報を元に、記者も両作を含む、当日人気だった作品や気になったものを購入。計5冊入手し無事にフェアのブックカバーもゲットできたのでした。

造り良し、デザイン性良しの特典ブックカバー

さて、台湾で配布されている特典とは、一体どんなものなのでしょうか。

まず外観はというと、特製の封筒に密封されており中身は開けるまで分からない仕組み。今回入手した物は表が『テンカウント』の黒瀬くん、裏は『黒×恋』の黒世×青のデザインとなっていて、この袋だけでもコレクションしたいほど。


表と裏はこんな感じです

何が入っているのか期待大! 開封すると……『テンカウント』の城谷さんでした!!




たまたまか必然か……袋と中身がペアになりました

ブックカバーが貰えると聞いて、勝手に掛け替えカバーのような紙製のものを想像していた記者は、まずビニール製ということにびっくり。造りもしっかり、BLコミックスにぴったりのサイズで、使ってよし眺めてよしと大満足のアイテムでした。
これはコンプリートしたくなるファンが続出したことでしょう……。

台湾原産の漫画が少ない理由?

ところで、こうして台湾の書店を歩いていて思ったことは、やはり台湾人作家によるコミックスが圧倒的に少ないということでした。

BLに限らず、台湾には台湾作家によるオリジナル漫画、オリジナル漫画雑誌がもちろん存在します。しかし日本から輸入した作品と並べてしまうと、その数は比べものにならないほどの差があるのが現実なのです。

後日出版社の方に伺うと、一つには「売るのが難しい」という最もシンプルで困難な理由があると教えてくれました。わざわざ台湾で作らなくても、面白い作品が日本から次々とやってくるからです。

そのため漫画家の給料はプロであっても決して高くなく、台湾では彼らがアシスタントを雇うことはほとんどないのだそう。「○○先生のアシスタントをした」という経歴が強みとなることも珍しくない日本との決定的な違いに、改めて衝撃を受けました。

そんな厳しい状況のなかでも、大手出版社である東立出版社がオリジナルBL雑誌をやろう! と動き出したり、主要レーベルが次々日本のBLを扱い始めたりと、発展目覚ましい台湾のBLコミック界。そんな現状も鑑みて、今ある台湾BLコミックスが日本語で読める日はそう遠くないと感じています。

さらに台湾では昨今、大規模な同人誌即売会が定期的に行われ、そこに参加する描き手はプロ顔負けの技術を持っています。濃厚な絡みシーンだってお手のものです。

近い将来、彼らがこぞってデビューする日が来れば、オリジナル漫画は劇的に増えることでしょう。「漫画家」という職業自体の水準も底上げされ、描き手の環境はどんどん変化していくはず。

そうなれば、台湾から日本へ向けた翻訳出版の道もよりよいものへ整えざるを得なくなり、私たちは台湾BL漫画という新たな萌えに、いつでも出会えるようになるというわけです!

その頃、日本では一体どんな作品が生まれているのでしょうか。BLの未来に想いを馳せながら、記者はアニメイトを後にしました。

台湾のBLを購入したい時は…

ご存知の方も多いかもしれませんが、台湾で販売されている翻訳BLは18禁指定がほとんど。エロありの作品は、その度合いにかかわらずほぼ18禁と考えていいでしょう。

年齢制限のある商品を購入する際には、多くの場合レジにてパスポート(身分証)の提示を求められますので、今後現地でBL本を買いたい!という皆さんはお気を付けくださいね♪

ちなみに、記者が台北で購入した作品の詳細については、取材記第2弾にて仔細にお伝えしたいと思います! 日本のコミックスと違う箇所、同じ箇所を比較してレポートしますのでお楽しみに♪

記者:神谷浩未

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コメント2

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大変細かくレポートして頂いて読みごたえがありました!
台湾でもBLイベントが盛り上がっているのはこちらのニュースでも何度か報じられていますけど、
通常の本屋さんなどの話題はなかなか無いのでありがたいですね~。
特典などは台湾のほうが力が入ってて羨ましい限りです…
第二弾も楽しみにしています!

台湾にも日本と同じようにアニメイトなどがあるのには驚きました。あとBLコミックとか日本より安めでいいなぁ。

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