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台湾人漫画家に直撃インタビュー!「BLにハマったのは日本漫画の同人誌」

2015/08/15 10:57

どうしてBL漫画を?萌え属性は?5人の漫画家が答えます!

先月から数回にわたってお届けしてきました台湾関連ニュース


前回の記事では、台湾オリジナルBL電子雑誌『Touch+』に寄稿する漫画家とファンとの交流イベントの模様をお伝えしましたが、今回の内容は、そのイベントにも参加した先生方のインタビュー! 今年4月に配信された、『Touch+ vol.2』の執筆陣の皆さんです♪


左:ベテラン少女漫画家として様々な受賞歴を持つ依歡先生
右:『Touch+』第2号の表紙を手掛けた李崇萍先生


左:昨年初のBLコミックスも発売され注目が集まる比千留先生
右:花信先生は物語担当の姉(右)と作画担当の妹(左)という2人組

台湾でオリジナルBLを描く先生方は、どんな経緯でBLを描き始めたのか、これまでどんな作品に触れてきたのか、そしてどんな男×男に萌えを感じるのか!? などなど、他ではなかなか聞くことのできないお話の数々を伺うことが出来ました!

インタビューの様子、そして気になる各作品の画像とともにお届けしたいと思います♪




作家同士の語らいも和やかなインタビュー風景♪

Q.漫画を描き始めた、または漫画家を目指したきっかけはなんですか?

比千留:漫画、小説を読んでいる時や、テレビを見ている時に、たまに自分の気に入らないシーンが出てきたり、エンディングが好きでないことがあります。そんな時「自分だったらどんな脚本を書くのか」とストーリーを考るようになり、漫画を描き始めました。

依歡:最初は漫画出版社で編集の仕事をしていました。最初はその会社に漫画を投稿をしようとしたのですが、当時の上司に断られてしまいました(笑)。その後、1993年に別の会社が主催する第一回公主漫畫新人獎(プリンセス漫画新人賞)に応募し、入賞してデビューしたんです。

李崇萍:子供の頃から絵を描くのが好きで、友達に薦められて東立出版社に投稿しました。

花信:一生就く仕事を考えた時に、「漫画を描くこと」はやる価値がある仕事だと思ったんです。何故なら自分が描いた作品に対して読者から反応が貰えますし、自分の「信念」を伝えることができる。自分の存在感も感じられます。そうして、ずっと漫画家という道に向かって頑張ってきました。まだ新人なのですが、色々な未知の挑戦があってワクワクしています。

Q.では、BL漫画を描き始めたきっかけを教えて下さい。

比千留:学生時代、クラスの中に少し女っぽい男の子がいて、彼はいじめに遭っていました。けれど私は、彼のセクシュアリティーはどうあれ彼のことが知りたかったし、友達になりたいという気持ちがありました。大学に入ってからはさらに色々な人と触れ合い、同性愛者のことについても勉強できましたし、彼らのことを知れば知るほど好きになっていきました。そこから同性の恋愛にも興味が湧き、漫画で男性同士のラブストーリーを描きたいと思ったんです。







依歡:「色々なジャンルの漫画を描きたい!」ということですかね。デビューしてからもう十何年も経ちましたが、ずっと少女漫画以外のものを描きたいと思っていました。もちろんBL漫画もその中の1つです。

2、3年前、編集部でBL雑誌を出すという話があり、《馥桂吉祥》という少女漫画の番外編として、BL作品《鳶夜艷》のストーリーを考えました。そして今年ようやく電子雑誌『Touch+』が創刊され、世の中に《鳶夜艷》を出すことができたのです。更に連載も決まったので、凄くうれしいですね。(本作は全5話予定。)

李崇萍:男と女の恋を描く漫画でも、男と男の恋を描く漫画でも、全て「愛」が描かれているのではないでしょうか。ずっとそんな風に考えてきたので、私の作は少女漫画にも同性愛者のキャラクターが登場します。なのでBL誌として『Touch+』が創刊した際に、すごくいい機会だと思い描いてみました。

花信:少女漫画月刊誌『星少女』で作品を企画連載をしている際に、担当者に「『Touch+』でBL漫画を描きませんか」と持ちかけられたのです。その時はちょうど時間があり、私自身も反対はなかったので、これは自分を磨く良い機会だと考えてBLの題材を提案してみました。







Q.初めて読んだBL作品はなんですか? また影響を受けたBL作品や作家はいらっしゃいますか?

比千留:私は小学校5年生の時からBLに触れていましたが、その時はまだBLのことを何も知りませんでした。当時『HUNTER×HUNTER』がとても流行っていて、私も一番好きな漫画だったのですが、特にクラピカが大好きで。彼が他の女性キャラクターと恋に落ちたら嫌だけど、男性キャラクターと恋をするのは受け入れられると気付いたんです。それがBLに足を踏み入れたきっかけだと思いますね。

中学校に入ってからは色々な作品のキャラクターをカップリングしたりして、そのうちにオリジナルBL漫画を読み始めました。実を言うと、初めて読んだBL作品はもう忘れてしまったんです。でも一番印象に残っているのは中村春菊先生の『純情ロマンチカ』ですね。

幼い頃のことを振り返ってみると、基本的に何でも読んでいました。BLがまだ未知の世界で、好奇心に溢れていたんだと思います。歳を重ねるに連れ、その時々で異なる作家の影響を受けてきましたし、好きな作家もいつも同じではありません。今一番大好きなのは、まさお三月先生です。

依歡:私は「BL」と特定して漫画を読むのではなくて、BL的なストーリーが入っている少女漫画を読むことが多かったですね。なのでBLといってもBLではないという曖昧な感じがします。

初めて読んだBL作品は、たぶん竹宮恵子先生の『風と木の詩』です。凄く昔の作品でしょう(笑) けれどその当時は漫画への制限が厳しく、主人公が女性に変更させられていましたので、最初読んだ時には少し混乱してしまいました。大人になってから、ようやく物語の本当の意味が分かったんです。
あまりに悲劇的な物語でショッキングだったのでとても印象的でした。主人公・ジルベールのイメージが鮮明に残っていて、私自身の作品にも影響されています。

たとえば、前作《緋色王城》の中で大王と曖昧な関係を持つ主人公・陵鈺は少しジルベールに似ているような気がしますし、今描いているBL作品でも、ジルベールのような、外見が女性っぽく性格が少し暗い美少年を描いています。







李崇萍:初めて読んだBL漫画は尾崎南先生の『絶愛』です。当時凄く流行っていて、友達に薦められて読んでみたのですが、その時はBLや同人誌という存在を全く知らなかったので、こんなストーリーの描き方があるんだととても衝撃を受けましたね。その後はあまりBL漫画を読んでいないので、影響されているBL漫画家はいないと思います。まだまだ色々なことを勉強している最中です!

花信:はじめて見たBL作品はもう忘れてしまいました。でも小さいとき『デスノート』の主人公がとても可愛くて萌えを感じて。そういったことをインターネットで調べていたら「私は腐女子なんだ!」って気が付いたんです(笑)
最近はスポーツ漫画に影響されて、BLパワー全開です!(記者注:ちなみにここで挙がったスポーツ漫画は『黒子のバスケ』だそうです)

Q.ご自身が自覚する自分のBL萌え属性、または好みのシチュエーションはありますか?

比千留:私は少し気が強いキャラクターが好きです。攻め受けや年下年上には関係なく、強気なキャラクターであれば萌えますね。シチュエーションで言うなら、お互いに相手の気持ちを探るシーン。読者としても、漫画家としても一番好きです。

依歡:美少年だったら何でもOKですが(笑)、私の萌え属性は、腹黒い攻めが、受けを押し倒した時、または押し倒された時ですね。どちらかが強いのが好きなんです。もしくは色々な辛いことを経験してからようやく恋人になった瞬間です。あら、なんだか少女漫画のトキメキポイントと同じですね……。

李崇萍:私は「腹黒攻め×ツンデレ受け」という属性に萌えます! こういう設定よく見かけますよね? 最近はあまりBL作品を読んでいないので……。

シチュエーションで言ったら、依歡先生が『Touch+』第2号で描いていた、受けの鳶子がテーブルの下に隠れて、攻めの百里夜のモノを口でしていたのが凄く良かったです!

花信:「年下のワンコ攻め×年上の男前女王受け」です。私は「攻めを守れるくらい強い受け」というのが好きなので、受けが男っぽくないとだめなんです。好きなシチュエーションは、受けが攻めを助けようと、全てを顧みずに暴れたときです!


萌えを語る時は笑顔も一際輝きます!

Q.作品を描く際の必須アイテムはありますか?


花信:一番は、誰にも邪魔されない静かな環境ですね。そうじゃないとアイデアが浮かばないので……。

比千留:私は、コマ割りをする時は、集中するために人の声が入っていないインストゥルメンタルの音楽を聴きます。そして描き終わったときに、思い切り好きな音楽を聴きます。少しうるさくてもいいくらい。なので、必須アイテムは音楽ということですね。好きな音楽はたくさんありますが、日本のONE OK ROCKというバンドはよく聴きますね。

李崇萍:実は私も、ストーリーを考えるときはクラシックなど人の声が入っていない音楽を聴いて、終わるとロックミュージックなどを思い切り聴くんです。時には静かじゃないと集中できない時もあるので、気分によりますが……。

依歡:私も音楽ですね。パソコンからでる音が大きくて集中できないことがあるので、それがまぎれるならどんなものでもOKです。

Q.「今後こんなBLが描いてみたい!」という展望がありましたらお聞かせください!

比千留:これは秘密です!すみません、まだ考案中なので言えないです。でも非現実的な要素があって、同性愛者の結婚、子供に関することも描きたいというのは決まっています。現実と非現実を結ぶストーリーです。

李崇萍:機会があれば(『Touch+ vol.2』に掲載された)『危險香氣』の続きを描きたいです。短編ではやはり表現できることに限界があるので、もっと描いてストーリーを完成させたいです!







依歡:今までは少女漫画ばかり描いてきましたが、今回の経験から色々な勉強ができましたし、これからもBLを描きたいです。

《鳶夜艷》は《馥桂吉祥》の番外篇という形で進めているので、絵の構成やキャラクターのデザインが、やはり自分が慣れている少女漫画風になってしまいます。も し機会があれば、描き方からキャラクターから、全部本格的なBL漫画のように描いてみたいです。テーマは、自分の得意分野である「時代物」のストーリーが いいですね。

花信
:私もできれば(『Touch+ vol.2』に掲載された)『戀愛千層蛋糕』の続きを描きたいです。主人公・張伯納と王士奇の掛け合いを描くのが一番面白いので! 攻めと受けが互いに愛し合って、互いのことを理解して、愛を深めていくのが最高です。なのでたぶん、そんな話になっていくと思います(笑)


――ありがとうございました!

作品を語る時は真剣に、萌えを語る時はこちらまで笑顔になってしまうほど声を弾ませてお話を聞かせてくださった先生方。出版社としてはもちろん、執筆陣にとっても、電子雑誌『Touch+』が大きな挑戦の場であったことが伝わってきましたね。

またBLに触れるようになったきっかけ、好きな属性などについては記者自身も大変共感できる部分が多く、BLファンは国を超えた共通点があるのだと強い実感をもって知ることができました。

さて、次回はインタビュー第2弾として、なんと雑誌『Touch+』創刊に深く携わった、東立出版社編集部の方のお話をお届けします! 台湾初の電子BL雑誌が完成した経緯、台湾のBL事情など貴重なお話のオンパレードです。ぜひお見逃しなく!

記者:神谷浩未

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コメント4

投稿順 | 最新順

匿名4番さん(1/1)

わーーーめっちゃ読んでみたい……

匿名3番さん(1/1)

台湾の先生方は顔出し平気なんですねー。
日本ではあり得ない光景にちょっとびっくり。

匿名2番さん(1/1)

同人事情も気になる。プロ,アマ関係なく紹介してもらいたいです。台湾の勢いが凄い!
日本BLリスペクト歓迎だけど、無断転載やパクり問題が深刻ですよねー。
台湾BL特典が豪華で羨ましいです。日本は配布店舗数だけ多いけど特典内容がいまいち。

匿名1番さん(1/1)


花信さんの絵柄がすごく好み!
中国BLの記事のときもそう思ったけど、とりあえず有名人気作品だけでもいいから日本でも翻訳して出版して欲しいです。

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