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いつも独自の切り口のアンソロジーを送り出してくれるCannaですが、本作は「私は見た」というテーマでBLカップルの外側視点のストーリー達が編まれています。
7作品収録。
以下、収録順にざっと。(作者様敬称略)
「IN FOGGY」束原さき
アレンのウィルに対するグダグダの片想い。でもウィルだって…
知っているのはアレンの「スマホ」だけ。
「ガラス越しのリーチアクション」西本ろう
ギャンブル狂の持田は借りた金が返せない。隣人の奥田に金を借りるがそれもパチンコに消えて。家の前ではヤクザが待っていて思わず逃げるのだが…
これ一瞬分かりづらくて何で急にこうなる?と戸惑うんだけど、ここが「私は見た」というテーマならではの超展開だと腑に落ちる。
「ひと夏のマーレ」ymz
喧嘩別れの若いカップル。まだ何度でもやり直せる、と妻を喪くした壮年は微笑ましく見つめるのみ。
絵柄が可愛らしいから印象もほのぼのと読める。
「鬼の5分間」笑平
さすが笑平先生というかなんというか。異彩放ちまくり。
グロと孤独と差別と。血と暴力と内臓と。まあ一言で言って頭おかしい。多分これは褒め言葉。
「名前のない時間も君も」里つばめ
これは「FILES」の1エピソードですね。
猫エサの事で軽い喧嘩中の菊池と吉野。出がけに急にキスしてくる菊池を突き飛ばす吉野だが本心は…
側で見ていたのは猫ですね。
「隣のおじさんは」かつらぎ
ゆうきくんは知ってる。隣のおじさんは悪の組織のスパイで、決まった日に図書館の決まった本に暗号の手紙を挟んでる。今日こそママに知らせないと!
そこに優しそうなおじさんがやってきて、その手紙はおじさんのなんだ、と言う。
おじさん同士の秘密の恋を知らずのぞいてしまった坊やのお話。
早く大きくなってキミも男の子を好きになりなさいっ
「マジすか影井くん」梅松町江
同期の影井くんはいつも上司の金剛さんにキツく叱られている。が、ある日忘れ物を取りにオフィスに戻ったOLの見た光景は…!
BLあるあるですねぇ…
第三者視点というのは新鮮に読めました。
アンソロだから仕方ないんだけど、やはり全作品かなりページ数が少ないのでちょっと物足りなさがあるかな。
良くも悪くも笑平先生作品のインパクトが断トツ。