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表題作花降るふたり

水上 慧,17歳で小説家デビュー→営業リーマン
加久田慎一郎,リーマン,総務部,水上のファン

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

17歳で彗星のごとく文壇デビューした水上青年は
直後、筆を折る。
秘められた真実──受賞作は盗作だったのだ。
やがて営業マンとなった水上は、同期の地味総務・加久田に 「大ファン」だと告げられる。
何も知らず、無邪気ともいえる 加久田の賛辞。水上は自分の忌まわしい過去を愛する加久田に 何の因果か惹かれてしまい、肉体を要求していくが…。
2人のサラリーマンに降り注ぐ繊細で残酷で美しすぎるラブストーリー。
大幅加筆修正。

作品情報

作品名
花降るふたり
著者
ここのつヒロ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
花音コミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784832290891
4.3

(119)

(68)

萌々

(31)

(17)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
16
得点
517
評価数
119
平均
4.3 / 5
神率
57.1%

レビュー投稿数16

桜の季節が近付いて来たので♪

久々にページをめくってみました。
しっかり大人のBLで浮ついた無駄展開が一切ない大人の『恋』の話。

落ち着いて読む事が出来る上に萌も降り注いで来る、という本当に満足感の高い1冊です。

特に攻め様に萌えポイントが凝縮されていると感じましたので主観に溢れたおススメをさせて下さい(*'ω'*)

(根幹に触れない程度の軽いネタバレはあります↓)

水上さん、営業のエースで同期の加久田くんに想いを秘めております。
秘めてる、と言ってもそこは営業のエース!しっかり攻める所は攻めていく「手練れ感」に萌えます!!

そして彼自身の抱える過去へのわだかまり。
このわだかまりが家族系なのですが、重過ぎすぎずに、でもちゃんと物語には必要な要素となるわだかまり。
このお話しの軸がある事で深みが出ます。
そして水上さんの過去への向き合い方と行く末にきゅんっとグスッと来ちゃうんです!
私、感動は結構するんですけど実際に泣くって事は多くはないのですが、水解けの結末に今回はホロっといかされました…( ;∀;)

もう、私はすっかり水上さんハマり確定!
「出来る男の繊細さ」って見悶えちゃう・・・!!!

更にエロの魅せ方が、、、感涙モノのエロティックさ!
「ベッドの上では…♡感」が駄々モレでメロメロでした♡
単純に私の好みなのですが意外と描写が少ない攻め受けの乳首キスがサラッと描かれていたあのコマを見た時の興奮、、、!たったひとコマの事なのかも知れませんが私にとってはエロスが詰まってる大事な萌ポイント♪
えぇもん見せてもろたやで~(*´з`)

攻めさんへの愛を綴り過ぎましたが、それを包み込む受けのおおらかさと純真さ。
加久田くん、あなたが居てくれたからこそ、水上さんの愛しさが爆発でした!
ありがとう!

先生、素敵な2人に会わせて下さってありがとう‼

落ち着いたトーンで進む大人の『恋』の話。
麗らかな桜の季節にいかがでしょう(*´▽`*)
大事にし続けたい大人の『恋』が詰まった贅沢な1冊
おススメです!

1

桜が醸し出す情緒

美麗な絵に惹かれて読みましたがお話も切なくてとても良かったです。元作家とファンが同僚として出会うお話。
加久田の宝物である水上作の本が実は盗作で…?という引きの第一話。二人の過去や水上の本にまつわるあれこれが語られていくんですが、合い間に挟まれる現在の二人と桜がすごく良い雰囲気でした。桜が醸し出す情緒ってどうしてこんなに心に刺さるんでしょう…。
特に好きなのが、水上が暗い桜吹雪の中一人立ち止まって振り返るシーン。地面に散る花びらや、その後の人物アオリの構図で見るおぼろ月など、何かが起こりそうな期待を高めてくれます。
そして軽薄に見えた水上の涙!加久田のことがそんなに好きになってたなんて!?最終話は水上の表情がどれも素直な感情丸見え状態で、すごく良かったです。
短編でいいので、その後の二人の日常ラブラブも見てみたいなあと思いました。

1

感動

営業成績優秀でも驕らず、後輩からも好かれている水上。でも笑顔の裏に諦めの雰囲気を感じてしまいます。
上司からパワハラまがいの扱いを受けていても、これも自分の日常の一部なのだと
加久田の心配する気持ちを突っぱねたり。
パワハラを受け入れているというより、諦めて抗わないその姿が切なかったな…。

加久田を好きになって、彼は過去の自分の小説を好きでいてくれたけど、それは盗作したもので…と、かなり複雑ですが
無理のない展開だったので読みやすく、とても引き込まれました。
兄の作品の中の水上へ宛てた文章はこれまでの蟠りを解かすようなものでめちゃくちゃ感動しました。

水上も加久田も本心を明かすことができて本当に良かった〜!
単なる同期同士の社内恋愛でなく、深いお話で素敵でした。

1

二人の間を舞う桜の花びら

表紙の美しさに惹かれ購入しました。少し前の作品
雰囲気が良いですね。水上と加久田二人のあいだを常に静かに舞っている桜の花びらが素敵です
時代設定が1970年代頃のような気がしました。本の装丁とか飲み会の喧嘩とかあの昭和の雰囲気が漂っていたというか、勝手ながらおもってしまいました❗でも水上がスマホ使ってたから違うのか~

水上は盗作というか、ゴミ箱に捨ててあったお兄さんの原稿を手直しして受賞してるから、元々才能はあったのでは?盗作と言えないまでも兄弟合作でも良いのに、それをお兄さんに許されたことで、すごく罪悪感と劣等感に悩まされてるんですね
真面目というか不器用というか、でもそんなところに好感は持てます
そんなに苦しまなくて良いのに…そんなとき水上の小説の大ファンだと言うと加久田に出会います、加久田に盗作だとばらすわけですが、でもばらすことによって救いになってるような気がしました。
加久田は芯が強いけど純情可憐で可愛かったです
水上は加久田のことだけは、うしないたくなかったんですね加久田の強さと優しさに救われていた
最後のお兄さんの優しさが心に染みます
桜に始まって桜に終わる春にぴったりのそして作画がとても美しい作品でした

4

ん? 歪なのか?病んでるのか?

同期に たった1冊だが辛いときに自分を救ってくれた小説の作家がいた
新卒だけの飲み会から5年 彼との関係は揶揄われるだけの対象に そんな中駆り出された飲み会後…

不思議なの
打算的に見えるその関係に両片想い然り 誰かへの思いが見えてくる

随所に桜の花がちりばめられているのはフランス語での桜の花ことばからなのかな?


良きにせよ悪しきにせよ「わたしを忘れないで」と


桜の花にはいろんな謂れががあるけど…
何だかんだ各々和解できたのなら めでたしめでたしなんだけどね

2

桜が美しい大人の恋物語

スーツ、サラリーマンものは好きですが、最初の水上の「あいつからかってから出掛けるか」から、も〜好き!ってなりました。
メガネ黒髪の真面目ちゃん系にちょっかいを出すエリートイケメン、同期!設定から萌えました…

1冊の小説を巡って体の関係から始まる2人。自己評価が低くて加久田を駆け引きでしか繋ぎ止められないと自暴自棄のようになるけれど、実際は一途で優しい水上。一方の加久田は、大人になっても純粋無垢な心の真っ直ぐさ。
お互いゆっくり感情を打ち明けていくかんじが大人の恋愛という感じで、そこに夜の桜がとても印象的で綺麗でした。

エロの描写は、加久田が本当に可愛いし艶があり良かったです。水上は果てしなくイケメンだし。
とにかく、いちいち加久田にちょっかいを出しに行く水上が可愛くて好きです!

1

綺麗なお話でした

絵も美しいし、ストーリーも綺麗で、キャラクターも清い漫画でした

攻めが、外ヅラ完璧なのにいろいろ抱えて生きている描写がとても繊細でした
受けが、きっと学生時代はいじめられてたんだろうなと思わせるコマが数個あるだけなのですが真っ直ぐなキャラクターからきっと正義感が強すぎたのではと想像します

そんな2人だからこそ、お互いの関係を深めようとする度に発せられるセリフに核心をつかれ、傷つき合います

それが、とても切なくてけれどなぜか離れられない2人が愛おしくなります

ラストで諦めきれないと腹をくくった攻めはやっぱり男前で、全て聞いても優しさで包み込む受けは愛おしいかったです

攻めのお兄さんが優しいのも、辛かったけどやっぱり最後にお兄ちゃんしてくれてたのに泣かされました

1

攻め視点だとどんな展開でも安心できる

 桜の描写とここのつ先生のタッチも相俟って、終始綺麗な印象の作品でした。単にリーマン同士の恋愛作品かと思っていたので、実は攻めの水上に作家として評価された過去があり、受けの加久田がそのファンだったという展開はなかなか面白かったです。体から始まってしまう関係だけど、行為がどんなに淫らでも、2人の純情さは常に伝わってきて不思議とずっと安心できる濡れ場でした。ただ、互いを好きになった動機が若干薄いというか、あまり描かれていないので感情移入しにくかったのが残念でした。せっかく素敵な題材なので、相手に惚れていくまでをもっと丁寧に辿ってみたかったですね。

2

攻め視点はいいぞ

攻め視点、好きです。

イケメンスーツ、過去にトラウマ、受けがメガネで癒し、受けとやりたくてたまらん、性欲強し…

その上、受けの方もずっと好きで、攻めは嫌われるのではないかとヒヤヒヤしながら脅してエロいことをして悩んでる…ちょっとだけ掛け違えてモダモダしてる両片思い。
性壁のオンパレードでした!!

もちろん、小説やお兄さんというキーワードが作品に深みをもたらしています。
最後はすべてがうまくいき、みんな救済されます。
エロシーンもねっとり。
でも、もっと見たい!開発されてく加久田でもう1話見たいよう!

前作も大好きな作品で、作家買い決定しています。

9

めんどくさい愛おしさ

表紙に惹かれて購入しました。
表紙から感じた耽美的なイメージとは内容は違いましたが、桜が似合うしっとりとした美しい話でした。

ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー

攻めの水上は、人間くさくてめんどくさい。過去をずっとひきずっている人です。
個人的にはこのめんどくささがお気に入りです。少年のころをず~~~っとひきずったままで、それを受けに対してぶつけてしまうところは幼稚さも感じてしまいます。
でも、彼が過去に犯した罪を考えればそんな簡単には切り替わらないかなと納得しています。

受けの加久田は、そんな水上を好きで仕方ない様子が漏れていて可愛らしいです。
どこをそんなに慕うんだろう...と不思議ではあるのですが、水上に流されて流されてな受けかと思いきや、しっかりと自分から彼を跳ね除ける強さも持っていて好感が持てます。

完全に攻めが救済される物語なので、焦点は水上に当たっています。
水上は加久田に出会えてよかったと思いますし、対する加久田も過去を考えると水上に会えてよかったのだと思います。
少しめんどくさい攻めと包むような受け、その対比が愛おしいお話でした。

2

水上の兄の小説がやさしい

紙本
修正…先端のみぼかし?
カバー下…なし
カバー折り返し…コメント
あとがきあり

4

切なさと尊さが溢れてた

過去の受賞作が盗作だという事に苦しんでいる水上が、
その作品に救われた加久田に恋をしてさらに苦しむ・・・・
切なさがたまらなかったです。

自分の隣で真っ直ぐに水上の作品への思いを語る加久田に
盗作だと打ち明ける。
贖罪ではなく、これからもまっすぐ進んでいく加久田は自分の物にならないという思いからいっそ蔑まれた方が自分らしいという思いからで。。。
”盗作について詳しく話す”代わりに体を求める水上が、
少しでも長く加久田との関係を続けるために、
前戯はするが挿入は中々しないのがこれまた切なかったですね。

終始、加久田への水上の想いに悶えていましたが、
ラスト3ページに描かれている兄の小説の一文に涙が溢れました。

5

魅力的なキャラと余韻に浸れる心地よさがいい

いや~~~美しい!!!一気にどっぷりと引き込まれてしまいました><
ここのつ先生の既刊2冊と比べると、テーマの違いからか雰囲気が一気に変わってビックリです。
変わらないのは画力の高さと、魅力あるキャラでしょうか…。
今回は純文学を扱っているからか、ゆったりとした詩的な雰囲気に包まれて、なんだか艶っぽい。
攻め受けどちらも魅力的で、大好きなカップルが増えました!


17歳で純文学新人賞を受賞し挫折した水上…
兄の作品を盗作した罪悪感に囚われたまま大人になった、現在は優秀な営業リーマン。
その作品に救われた高校生の加久田は、ずっと水上を賛美し、同期入社で知り合い友人になって5年…。

出会いから惹かれて5年も手を出せないまま、拗らせた過去の罪悪感と加久田への想い…5年って><
オアシスのような存在の加久田に、完全に心を委ねている水上なんですが、
尚更、キレイな過去を通して自分を見る加久田には事実が言えない。

これからも変わらない関係に限界を覚えた水上は、加久田に盗作であることを伝えて、
自分の秘密と交換にカラダを要求する…最後までしたら教えてやると言って、
毎回最後までせずに少しでも関係を続けようとする水上…も~~~拗らせすぎてせつない…。

シリアスな内容だと思うんですが、コミカル要素も多くて、これがけっこう笑えるんです。
内面に闇を抱えた水上ですが、メチャクチャ甘え上手なんですよね~。
キレイな自分でなく、そのままの自分をみて欲しいとグイグイいく…甘え上手な溺愛攻め。

そして何よりも、加久田が最高ですよ!
地味で弱そうにみえるんですが、実はしっかりしている優等生タイプかな。
なにかと水上に振り回されているんですが、その反応がウブでカワイイ>< 
エロいことをされても、水上にはきちんと向き合っていく…ちょろくてウブな愛され受け。

水上と上司の関係について指摘した加久田に対し、調和を気にする水上は立ち入らせないでやり過ごす。
そこから、加久田に初めて距離をにとられショックな水上。
アンバランスなカラダと心の距離に違和感を覚える加久田は、自分には抱えきれない…
盗作の事もお兄さんの事も知らなくていい、友達に戻りたいと、水上にきちんと言葉で伝える…。

ずっと水上に振り回されている加久田ですが、しっかりと軸があるなぁ…と感心しました。
距離感を調節できるスキルって高度ですよね。
それを言葉にできるのも同様で、加久田は振り回されていたんじゃなくて、
水上の甘えを受け止めていたんだなぁと…。

ただ許される…過去をさまよい続ける、出口のない罪悪感で身動きがとれなかった水上は
同じ過ちは繰り返したくないと、自分から加久田に向き合って事実を伝える…。
加久田は過去だけでなく、出会ってからの5年間もきちんと見てたんです。
心を開いて通じ合う二人…何よりも絶望から一気に解放された水上の安堵の表情が良かった!

やっと向き合えたお兄さんとの過去…お兄さんの新作が心に刺さります><
ずっと心配してたんですね…ほんと優しい…だからこそあの時も許してくれたんだと解ります。
そして水上も、盗作して本当に後悔していたからこそ、今まで引きずることになったんですよね…。

長い冬を越して、やっと迎えた春…サクラ。
読み返すと、二人に降るサクラが更に意味深いものになりました。

それにしても、加久田の包容力といったら…Hの時はしっかり抱かれていますが、
精神面では加久田が水上を包み込んでいる感じがいいなぁと、ほんと癒されます。
加久田は愛され包容力受けですね。

おまけの、温泉でしっぽり…エロは水上におまかせ…あまあまカップル最高です。

6

読みごたえあり、です。

表紙とタイトルで読んでみたいな、と思っていて、電子版を早速購入しました。電子特典のおまけは映画館のふたり、レンタ特典で、朝のふたり、が1ページずつ。本編がシリアスでおふざけ的なことはなかったのですが、特典はライトな雰囲気で自分はこちらも楽しめました。

さて、本編ですが、ずっと攻めの水上目線です。出来るオトコ、水上ですが内面は抱えているものがあるようで、素直じゃない。受けの加久田くんは文学青年、とても純粋ですが芯のある人。
水上の気持ちを丁寧に辿ってお話が進むせいか、加久田くんともお兄さんとも上手くいくラストはかなりじーんときました。水上の心情が細やかに描かれて、読ませ方が上手なんでしょうね、わたしは水上のことがとても好きになりました。そして、逆に加久田くんサイドのストーリーが読みたくなりました。
しっかりした、重みのある作品で、読んで良かったです。

12

罪の意識で拗らせまくった攻めの救済物語

新刊楽しみに待っていました。
相変わらず絵が美しくて眼福(∩´///`∩)ホゥ~3
表紙の邪魔をしない真っ白でシンプルな帯も素敵です。

本の厚みはそんなにないのですが
体感的にはボリュームがあって読み応えを感じます。

あらすじの「繊細で残酷で美しすぎるラブストーリー」はどうだろう…?
重くシリアスさはあるけれど残酷さはそんなに感じなかったかな。

罪の意識に捕らわれ出口のない渦の中にいる攻めが
受けの存在で、傷口を露わにしながらも前に進むキッカケとなる。
涙するシーンもありとても良かったです…!

個人的萌えポイントを一言で表すなら
ズバリ『拗らせに拗らせまくった攻め』ですヾ(*´∀`*)ノ
回りくどい考え方やモノローグなどが、純文学が好きそうな文系男子っぽくて…
めんどくせぇぇぇ!
でもそこが萌えるぅぅぅ!(∩´///`∩)
拗らせ攻めが好きな方は是非どうぞ…///


さてさて。
あらすじにも書いてあるように、
攻めは過去に華々しく文壇デビューをしています。
けれどそれは盗作であり、攻めにとっては心の奥に隠しておきたい「罪」でした。

受けは高校時代にその本に出会い救われた過去があります。
攻めの「罪」は、受けにとっては「宝物」。

キラキラした顔で作品の素晴らしさを語る受けをみて
攻めは罪悪感に耐えられなくなりーーーと展開します。


受けは清廉潔白な性格というのかな。
悪いことは見ぬ振りが出来ないような真面目な人です。
学生時代にいじめられてた描写がありましたが、
もしかしたら反感を買ってしまったのかもしれません。

その汚れを知らないような真っ直ぐな目が、
攻めにとっては罪をあぶり出されているような感覚で。

私は最初、攻めが肉体関係を取引にしたのは、
受けをただ穢したいドス黒い感情に覆われてるかと思ったけど
蓋を開けてみたら…!(∩´///`∩)

受けのことが好きで、受けの宝物が自分の罪を嫌と言うほど感じさせられて、苦しくて。
罪の意識に耐えられなくなるのと同時に、受けの清らかな目に断罪され嫌われるのが怖くて。

本音は自分の罪もまるごと受けに包んで欲しかったのかな?と思うのですが
なんせ拗らせに拗らせまくってる男なので皮肉な行動しかとれないのですよ(;///;)

いっそ侮辱されたいと吐露してるくせに愛されたがってるようにも見えて
めんどくささがなんだか愛おしい(;///;)
罪の意識でグチャグチャになり、受けに縋ってるような切なキュンを感じました。
ううう、これ、めっちゃ萌えた。

で。攻めは面倒くさい男なので、受けは振り回されてる状態なのですね。
攻めの犯した罪に揺れながらも攻めへ想いを寄せてるのに
攻めはかき乱すことばかりしてくるという。。。
どういう形で寄り添うのが一番なのか迷い距離感に戸惑うのがグッときました。

そして盗作された側のお兄ちゃんの想い。
これはボロッと涙がでてアカンかったです(;///;)
家族モノにはめっぽう弱いのでラストは泣きました。

長い長い冬のトンネルを抜けて春の景色が広がるようなお話で良かったです!

16

罪悪感に囚われたままだった男に、舞いおりた救い。

そこそこ生きてきたら、誰もがなんかしら悪いことをしたことがあると思うんです。
周りは気づかなかくても、やってしまったことを自分は知っているから、罪悪感を消すことができない…


一冊まるごと、罪悪感に囚われているリーマンのお話です。

水上は17歳で小説家デビューをしたものの、すぐに筆を折り、現在は成績優秀な営業マン。
その水上の過去を知っているのが同期の加久田。

新入社員だけの飲み会の後、酔いつぶれた加久田を送ると、加久田は水上の小説を「宝物」だと…
それは兄が書き捨てたものを盗作したもの。
兄は許したけれど、許されたからこそ、水上は行き場を無くした罪悪感に囚われたまま。

加久田が小説を好きだと言うのは、水上にとっては消したい過去を突き付けられているようなもの。
それでも水上は加久田に惹かれずにはいられない…


そして水上は、盗作のことを話す代わりに、加久田の体を求める。
水上は、加久田の乳首を吸って噛んで感じさせる…
加久田は恋人はいたことないと思うのですが、仮に恋愛経験があったとしても、男が男に愛撫されて感じるのは衝撃だと思うのです。
水上はその背徳感をどこか楽しんでいるというか、加久田に八つ当たりしているように見えます。
しかも挿入はせず、盗作のことを話さないまま、水上との関係を続ける…


水上はずるい。
加久田の気持ちは手に入らないと決めつけて、まやかしで加久田に触れる。
妬みによるパワハラを加久田が心配しても、正義を押し付けるなと、加久田に向き合おうとしない。
水上は辛いことも罰として甘んじて受けているようにも見えます。
でも、そんな風にシャットアウトされたら加久田だって辛い。

そして加久田から「普通の友達になろう」と言われて…


水上は一途に自分を慕ってくる加久田を利用するひどい男です。
でも、なんであんなことしてしまったんだろうって後悔や、自分の良いところは気づけずに他人の良いところを妬んでしまうこと、負の感情に囚われて自分をコントロールできなくなってしまうこと、水上自身の心の重荷はなんか共感させられてしまうんです。
綺麗ごとだけで生きてこれたわけじゃないから。


逃げていたばかりの水上が、加久田への気持ちだけは手放すことができなくて、加久田に思ったままに気持ちを伝える。
人のかたくなな心を動かすのは、やっぱり心からの言葉。

そして加久田は、自分で感じたことを信じようとする強さがあり、水上はそんな加久田に救われたんだと思います。
加久田が自分の気持ちを話すシーンは感動的です!


盗作されたお兄さんが、疎遠になった弟が季節を感じずに、冬の中にいるままなのを心配しているメッセージにジーンとしました。
水上がずっと心を置いていたのが寒い冬、加久田と一緒に見た桜は寒い季節から踏み出している象徴のように思えました。


描き下ろしはありませんが、連載時より大幅加筆修正をしたようです。
(初典に「大幅加筆」って記載されてるの初めて見ました)
ここのつヒロ先生はコミックスを出す度に画力がアップしているので、繊細な心理描写にどんどん引きこまれていきました。

12

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