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1巻だけではこの作品の醍醐味を味わえないですね。これは是非2巻まで読んで頂きたい。相手に本気で恋していることをお互い自覚しつつも、先の見えない同性愛や噂がすぐ回る田舎での恋愛に少し腰が引けていた章造と、自分が女性でないことに引け目を感じていた七海。そんな2人がこの閉じた場所で、どんな風に自分に恥じない恋人関係を築いていくのか、2巻ではそれが丁寧に描き出されていました。
章造の家に来ていた女性に意地悪をしてしまったと吐露し、それでも真っ直ぐ好意を零す七海は本当に愛おしかったです。ここで、章造の覚悟も決まったようですね。そして、七海の父兄にばれ、堂脇の二の舞じゃないかと警戒される章造。七海が坊主頭にされる、衝撃的な展開も。七海を守りたいがための、愛とも過保護ともとれるなんとも複雑なけじめの付け方です。
でも、章造はいきなり坊主になった七海を見ても大して驚くことなくとても落ち着いていて、家族にバレたことを聞いてもそんなことで七海から身を引いたりはしないし、兄達に真っ向から反抗したりもしないんですよね。章造も七海もただただ相手を信じて、相手の手を離さずに自分に対して正直に居続けた。そんな2人を見て、周囲も徐々に彼らを受け入れ始める。とても理想的な展開で、心が温かくなりました。章造はただ子供として扱われ続けていた七海の人生を変えたんじゃないかな。お互いの弱いところを晒け出している2人は、これからも和気藹々と過ごせるだろうなと思います。
◾︎三田章造(工務店の息子)×牛島七海(電気屋の息子)
7話がとても好きで泣いてしまった。そして最終話でまた泣く。とても大切なものを読んだ気がする。
章造と同い年とは思えない七海の言動も、癇癪も、抱きしめたいほど愛しい。あのハンバーグをめぐる攻防で、"ある家族のバランス"を見せつけてくるのすごいと思う。ここのある種の平和さと、坊主にさせられた七海の差が…しんどい。髪を切るのはな、虐待だと思ってるのよ私は。家族みんなに守られて、一方でその家族に"子どものような七海"は作られたところもあるんだろうなと思う。何が良くて何が悪いとも言えないことがたまらなく切ないのです。この七海の純粋さが光。
で、こういう形での平和な?ショック療法的な?カムアウトで未来への希望も残す終わり方が、依田先生好きだ〜
そう、こういう作品が読みたいんです私は。テンプレ展開の連続て構成された作品が読みたいわけではないんだよ!!!
そして章造も章造で感化されたのかトリップ状態。イヤッホウて笑
章造の辛辣さはもともと大変好きです。そんな彼がこんな仕上がりに。恋は人を狂わせる。
家族経営のお給金てこんな感じのどんぶり加減なんですかね。
おでこにチュウの後から、一気に距離を詰めてくる七海。
初っぱなから、「オヘソ見る?ヘソ毛抜いてもいいよ、しょうちゃんなら。しょうちゃんのヘソも見せて~」と攻めに迫ってます(こんな迫り方、初めて見た…恐るべしアホの子受け)。
だけど田舎ならではの人間関係の狭さ、どこでなにをしていても知り合いに見られてしまうくらい、ご近所さんとは濃密な付き合いがあります。そのことから、しょうちゃんは関係を深めることに躊躇いが。
大学時代の女友達と会わせたりして、七海を牽制しようとしますが、七海はやっぱりしょうちゃんが好き。それならば、としょうちゃんも覚悟を決めます…!
そこからの、すっかり恋愛モードになったしょうちゃんの、肉食具合に驚き! こういう真面目っぽいキャラの、がっついてる姿ってめっちゃドキドキします。七海のほうがむしろ、ちょっと引いちゃってるw
大好きなしょうちゃんとそういう関係になったことは、当然七海は秘密にはできません。兄ちゃんたちにはあっさりバレてしまい激怒されます。なんともハラハラしますが、シリアス展開からのほのぼのハッピーエンドに目頭が熱くなりました。
読んでよかったー、とあったかい気持ちになれる作品で、すごくよかったです。
余談ですが、体を繋げるシーンで、受けが○○、というのは初めて見た…。シリアスな流れだったとは言え、まったく笑ったり萎えない攻めに、とてつもない愛を感じました。
完結巻。
酔った勢いでおでこにチュってした後も逃げの姿勢でいた章造。
対して心がすぐに行動に表れる七海は、お花畑全開で章造との距離を詰めてくる。
そんな時、東京での女友達が章造の部屋に遊びに来てて…
荒れまくる七海。
そして……
章造と七海の「いよいよ」に萌えて萌えてしょーがなかったです。これぞ胸キュン。
ハラを括った章造の『自由だ』がいい。
その後の章造の人の変わったようなデレデレ振り!ガッツキ振り!
でも七海のお兄さんにバレて、ヤバイ展開。
その後七海のしたある事で、お兄さんどころか章造の両親にも近隣の人達にもみーんなに2人の仲が知られてしまうんですね。
で、結果オーライという。
でもここは章造の言う通り。『七海は幸せそうだ ならば良しとする』。
ここからは番外編。
半年後、章造のところに見習い大工が1人入ってくる。
彼は前の職場を訳ありで辞めていて…
七海が懐いてるからいい奴だと信じました、と。そしてそれは間違ってない。
章造と七海はとってもラブラブです。
「あとがき」
章造と七海の動物園デートの話。章造は餌付けが大好きだそうです。
前巻では、ともかく貪られるだけの七海がかわいそうで、章造がどうするのかが楽しみでもあり、怖くもあったまま終わってしまった記憶がありました。
そして、この巻ですが、冒頭からラブラブな二人が登場します。
「七海女の子だったらよかったなあ」という七海の台詞や、「…さっき会ったよ」「また会いたいな」という章造の台詞がいちいちぐさっときました。もし七海が女性だったら、誰からも祝福される、障害のない恋だっただろうに、難しいテーマを描いているのに、二人が抱えている葛藤の断片をさらっと、重くならずに見せてくれたような気がするのです。
最後に、二人で海に行く、愛の逃避行の場面が思わずくすりと笑ってしまうほどおもしろかったです。ずっとお幸せにと思ってしまうCPでした。