ふだんは鬼上司と出来る部下。 けれど酒という媚薬が入ると……!?

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表題作神さま、どうかロマンスを

仁科涼介、チームサブリーダーで入社二年目社員
緒方遥、ワイン販売経路開拓のチームリーダー

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

自分にも他人にも厳しく
“鬼の緒方"の異名を取るプランナーの緒方(おがた)は、
同期の代打でワインのプロデュースに携わることになる。

チームには密かに気に入っていた後輩の仁科(にしな)がいた。
酒癖の悪い緒方は人前で酒が飲めない。

勇気を出して仁科を試飲に誘うが、
緒方は酒が入ると開放的になり、
欲望のままに好みの男に甘えるタイプだった。
その間の記憶は一切ない。

一方の仁科は、憧れの上司の壮絶に色っぽい姿に心を奪われ!?

エブリスタBL合戦 ディアプラス文庫《お仕事BL》部門 大賞受賞作!!
両視点で展開する年下攻めリーマン・ラブ☆

作品情報

作品名
神さま、どうかロマンスを
著者
彩東あやね 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403524813
3.5

(76)

(18)

萌々

(29)

(14)

中立

(4)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
8
得点
252
評価数
76
平均
3.5 / 5
神率
23.7%

レビュー投稿数8

こういうお話大好きです♡

ようやくご縁がやってきまして、読むことができました!笑えるのにキュンキュンするお仕事系ラブストーリーで、めちゃくちゃ楽しかったです。通勤中に読むのを中断しました笑

酔うと記憶を飛ばし、普段は微塵も見せない抑圧している本音を関西弁で捲し立て、奇行に突っ走る男・緒方。職場では鬼と呼ばれるほどストイックでクールに仕事をこなす彼が、入社2年目にして有望な新人・仁科の上に立つことに。仁科は緒方が入社当時から目をつけていた憧れの男だったので僥倖ではあったのだけれど、問題はそのプロジェクトがワインのプロデュースだったこと…

酔っ払ってやらかす受けが好きすぎてしょうがないもので、緒方にどハマりして楽しく読みました。それに萌える仕掛けがたくさん仕込まれています。まず、ギャップ。記憶喪失に敬語責め。30代チェリーに包容力満点の年下と不憫めな年上…。三木と緒方の関係性も程よいバランスでした。緒方の一年後輩で、なにかと緒方をイラっとさせる山本への制裁的暴走シーンにもスッキリ笑

距離感の詰め方がトリッキーで秀逸ですよね。仁科がもの凄く好感度高かったです♡その後も猛獣使いの才を駆使して、酔っ払った緒方とラブラブしてて欲しい笑。お互いに好きな気持ちの裏にちゃんと優しさが見える、素敵なカップルで大満足でした!

4

有能なイケメン部下×仕事の鬼な上司の二人だけの世界が最高!

すごくすごく面白かった〜。
仁科の有能でイケメンでいい男っぷりが本当に最高!
仕事の鬼である緒方が酔った姿は、普段とのギャップがすごく良かった!
お酒に酔った緒方がありえない言動となるも、引くどころか、むしろ緒方に惹かれてしまう仁科は、寛大な男と言うか…ちょっと変わり者?と心配してしまったり。

受けの緒方が関西弁を話すので、読む前は少し心配していたけど、全然アリでした。

サラリーマンやスーツ男子が好きな方、年下攻めが好きな方へぜひオススメしたい作品です。

今後、新しい作品が発売されることを楽しみにしたいです。

5

初めて出会うタイプの受け様でした。

 投稿サイト「エブリスタ」さんでのディアプラス大賞受賞作品とのことで、どんなお話かな、と楽しみにしていましたが、楽しく拝読させてもらいました。


 まず受け様の緒方が想定外で楽しくてかわいかった。
お酒に弱く酒癖が悪いと自覚十分の緒方。
なのに、プランナーとしてワインプロジェクトに携わることになってしまい、どうせなら初めて同じチームとなり、密かにいいな、と思っていた後輩プランナーの仁科に、ワインの試飲に付き合ってもらうことに。
この緒方の酒癖、というのが、素っ裸が絶対、というもので、私の中の受け様としては、え!?なもので。
その上、ぎゅっとして、とか乳首舐めて(お触りは禁止)という、攻め様を煽りまくりの段階をふんでいっていて…。
酔っぱらって、攻め様である仁科に抱っこしてもらってる時に首筋に噛み付いて威嚇してるだけや、とか、いやらしい事をされてる時に首を振ったのはもじもじしてるだけや、といういい訳がね…かわいすぎる。
 これでいて、仕事中は眉間にシワを寄せていて、ピリピリ鬼モードだというから、ギャップ萌えハンパない受け様。
私も仁科と一緒に緒方にノックアウトされちゃいました。

 
 そして攻め様である緒方の後輩プランナーの仁科。
仕事はできるし、イケメンで、年下のスパダリ要素はあるのに、現実にいそうな人間臭さがあって完璧すぎないところが好印象でした。
酔っぱらいの緒方に告白しても一晩たったら忘れられ、素面の緒方は隙がなさ過ぎて距離が縮められず、じれじれして、強引にすすめようとして反省して。
そうか、スパダリ、というより好青年でございました。


 ともかく酔っぱらいの緒方がかわいくてたまりませんでした。
常々蹴り倒したい、と思っていた後輩と飲んだ時は、エロい雰囲気には1ミリにもならず、素っ裸でファイティングポーズで登場とか!!!
ここ、みずかねりょう先生のエロかわいいイラストを見てみたかったわー。
脳内で想像してにまにましましたけど。

 でも、素面の緒方も斜め上の反応がかわいかった。
酔っぱらってた時に仁科にバイブを突っ込まれてた、と聞いて、ショックを受ける方向がそっち!?と想定外の反応で笑うしかなかった。


 仁科にだけは酔ってても素面でも正直でかわいい緒方と、恋人になったからにはプライベートでは緒方のことをでろでろに甘やかしてくれるであろう仁科。
今後のバカップルぶりが妄想できてとても楽しかったです。


 


 
 


 




5

手練れを感じさせる処女作

私、『エブリスタBL合戦』で出版されたお話は随分好き嫌いが分かれるものが多かったんです。
「やっぱり、賞を狙った作品ってインパクトが大きいという所があるからなのかなぁ」と思ったりもしたのですが。
このお話はあまりそういう匂いがしません。
確かに受けさんの『酒乱』はとんでもなくて衝撃的なのですけれども(そして、かなり笑えるのですけれども)お話自体はそれだけで引っ張って行くわけじゃないのですよ。

『お仕事BL』ですが、ジャンルから言ったら『酒乱もの』だと思います。
酔っ払いの可愛らしさがお好きな方、ギャップ萌えの方にお薦めしたいお話。

『読者を楽しませることに慣れている』とでも言ったら良いのでしょうか。
緒方の『通常お仕事モード』のツンと酔っ払った時の滅茶苦茶でありつつも可愛らしいというギャップの描写と、それにどんどん惹かれていく仁科の様子なんか、もう、上手いだけじゃなく手堅い。
「ホントにデビュー作ですか?」と言いたくなりました。

でも、この『手練れ』の感じが、ちょっと「お話の印象を薄くしているかもしれないなぁ」と思うのです。
読んでからレビューを書くまでにタイムラグがあったのですが、どんな話だったのかパッと思い浮かばなかったんです、実は。
だからこそ、続けて何冊か読みたくなる作家さんだと思っています。
「是非、早い段階で次作を書いて頂ければ」と、心待ちにしております。

5

真夜中は別の顔。蠱惑的なその顔に煽られちゃ、翻弄されまくり♡メロメロ♡

酔うと人が変わる人を見たり、記憶を無くす人を見るにつけ、「昼間そんなにも抑圧されているのか⁈」と、驚くことがあります。ちょっと楽しくなったりするのは構わないけども。

作者は、お酒が飲めないタチだと言うので、丸っと想像で書いたらしい。作者曰く、緒方の酔い方は「楽しいお酒」なんだそうだが、私にはそうは思えない。それほどまでに抑圧されているのかと、ハラハラさせられっぱなしで、仁科が「他の人と飲みに行ったりしないで下さい。」と、懇願するのもやむを得ない。これまで、沢山の酒の上での失敗を繰り返して来たという緒方の、仁科への想い。
酒に酔うと『素直になってみたい』という感情に突き動かされるのか、まるで誘っているかの様に乱れてしまう。普段、仕事の鬼と化して、厳しく隙のない緒方の、実は繊細で綺麗な面差しと、あざと可愛い関西弁。「乳首を舐めて欲しい。」などと懇願するさま。(しかし乳首は触ってはいけない‼︎)そもそも心惹かれていた仁科が落ちないわけがない。なんだ⁈ この可愛い生きものは⁈
そして翌朝。すぅっと酔いが醒めるのと同時に、何も覚えていないという緒方にガッカリする仁科。
酔った緒方とは恋人同士の様にイチャつけるのに、素面の緒方は遠い。

そもそも告白もしていないのに、酔った緒方が欲望に忠実なのを利用してアレコレ致してしまったことを虚しくも感じて。反省もしていて。まるでしっぽを丸めた様に逡巡する仁科。
背の高い、後輩ながらスペック高のイケメン仁科に、何となく『ぎゅっとされたい。』などと想いを募らせて、その事に後ろめたく思う緒方。多分きっと。緒方が後ろめたく思えば思うほど、酔った時の乱れ方、誘い方、欲望に素直に欲しがるさま、が極端に現れちゃうんだろうなぁ。
…なので、後半、いけ好かない同僚の山本と酒を飲んでいる⁈ と、慌てて仁科は駆けつけるけれども。
山本には殴る蹴るといった「暴力」でしか、それは発露しない。脱いじゃうけども‼︎
あんなに蠱惑的にそそるのは、仁科の前でだけ‼︎ なのだ。甘あま〜♡
緒方が酔った様子、その色っぽいさまが丁寧に綴られていて、とってもエッチです。
欲望を程よく抑えつつ、その虜になって行く仁科。
尻たぶ(尻たぶってなんだ⁈)を優しく分け入って、とか。最奥に誘うとか。
蕩ける水音だとか。笑ってしまう、官能定型文がここぞとばかりに羅列されています。ププッ。

緒方が抑圧された様に見えるその理由も、ありきたりな家庭環境だとかチラリと出てきますが、見事に回収するつもりが無かったのなら、それは蛇足だったかも。

想い繋がってから二人が体を繋げるにあたり、酔った時の記憶が全く無い緒方は、恥ずかしいやら、覚えていないことが悔しいやらで、酔った自分に嫉妬する始末。可愛い。可愛すぎてたまらん♡ と、抑えられなくなる仁科。そりゃ大好きな仁科とアレコレした事を忘れちゃうなんて、勿体ない‼︎って気持ちの方が大きくて。これから二人は何度も両想いエッチをするんだろうけど、酔った緒方バージョンも捨てがたいだろーなぁー。なーんてね。けど、抑圧から解き放たれたのなら、もう、大丈夫な気もするんだな♡

みずかねりょう先生の美しい表紙には毎度惚れ惚れ♡ 端正なスーツ姿の二人の並びを見るだけで、もぅ‼︎ ウットリです♡

0

いい意味で期待を裏切る展開です

今回は
サブリーダーで入社二年目のプランナーと
同僚のチームを引継ぐチーフプランナーのお話です。

お互いに憎からず思っていた2人が
誤解とすれ違いを乗り超えて結ばれるまで。

受様は
セールスプロモーションを手掛ける会社の
敏腕プランナーです。

受様のモットーは
仕事にはストイックに取り込む事で
仕事の鬼として恐れられています。

受様は手掛けていたプロジェクトが終了し
休暇を取得した初日に骨折入院する羽目になった
同僚に自分のプロジェクトチームを
引継いで欲しいと言われてしまいます。

同期がリーダーとして進めるプロジェクトは
ワインの販売経路の開拓で
なかなかやりがいは有りそうですが
受様にとってアルコール関係は鬼門でした。

受様は酒癖がすこぶる悪かったのです♪

受様は泥酔すると真っ裸になって
記憶すら飛んで醜態を晒すというモノで
会社の飲み会でもポーズで
口にするだけにとどめていたのです。

そんなろくに飲めないプランナーが
ワイン関係のプロジェクトに途中から参加し
かつ統括リーダーになるというのは
受様の中ではありえない選択です。

受様はサブをリーダーにするのが筋だと
突っぱねるのですが同期のチームのサブは
優秀ではあるものの入社2年目と若すぎて
リーダーには時期尚早だと言うのです。

結局、受様は翌日から腹をくくって
プロジェクトに挑むことになります。

鬱々としていた受様ですが
なんとチームの若手サブリーダーは
受様が入社時から気になっていた
若手社員だったのです。

そして彼こそが今回の攻様になります♪

攻様は見目良い美丈夫な上に
気遣いもできる男で受様がかねてから
チームメンバーとして関わってみたい
と思っていた相手だったでした。

攻様がサブと知った受様は
モチベーションが上がりますが
プロジェクトの成功には
ワインを飲まないわけにはいきません。

そこで飲んだ受様が
もし暴れたとしても止められて
醜態を晒したりしても言いふらしたり
しないだろう人物を思いめぐらし
受様に白羽の矢を立てるのです。

片や受様に試飲に誘われた攻様は
前から受様の仕事ぶりを尊敬していて
受様のリーダー就任を喜んでいたのです。

しかも受様本人もきれいな人だなと
興味津々だったのですよ(笑)

そんなこんなで受様の誘いは
攻様にとっても願ったりでしたが

受様の申告以上にはっちゃけたられた上に
翌日の受様は酔っぱらった時の言動を
全く覚えていなかったのです!!

甘えた関西弁でいろいろねだられて
いろいろやってしまった攻様は
すっかり恋人気分だったのに
素面の受様は鬼の上司でしかありません。

酔った受様の変貌に
心臓を撃ち抜かれた攻様の恋の行方とは!?

本作は小説投稿サイトエブリスタ掲載作であり
BL小説新人賞『天下分け目のBL合戦・夏の陣』の
ディアプラス文庫賞の大賞受賞作であり
文庫デビュー作である本作は
両片思いの社内恋愛ラブコメディになります♪

3月に発刊された小説誌
「小説Dear+ 2019ハル号」に
試し読みと作者インタビューがあり、

"お仕事描写と恋愛模様を上手に絡め
胸キュンかつオリジナリティに溢れたお話"
とかなりMYツボな設定&編集部コメントで

発売をとっても楽しみにしていましたが
期待以上に面白いお話でした (^O^)/

酔っぱらうと人格が変わるとか
酔った夜の記憶が飛んでしまう設定は
コメディ系のお話ではわりとよくあります。

人格が変わる方は本人無自覚が多くて
一騒動な展開はオーソドックスでも

記憶のほうは全く無くなるって事はなくて
直後は曖昧でもフラッシュバックしたり
なにかのきっかけで思い出したり

酔った相手に迫られちゃうお相手は
据え膳だったり、勢いだったりで
そのまま美味しく頂いてしまう展開が
鉄板だと思うのですが

本作では
受様は潔いほど泥酔中の記憶を留めておらず
攻様は受様をいいように全身舐めまわしたり
バイブを使って悶えさせたりするのですが
最後の一線は越えないのですよ(笑)

プロジェクトの進展でも
受様が飲酒をしない事に絡んで
農園主を怒らせたりもしますが
攻様の絶妙なフォローで事なきを得たり

攻めの姿勢の受様の提案で
新しい商品の開発をしたりと

お仕事場面もしっかり絡ませて進むので
ワクワク&ドキドキが止まりません。

鉄板展開を期待しつつ頁を捲っていったのに
完全に予想外な展開でとても楽しかったです♪

受様が攻様や同期が思うほどには
繊細じゃなくてかなりな男前だったのも
私的にはけっこうツボでした (^m^)

今回はかなり昔のお話ですが本作と似たパターンで
火崎勇さん『それからの物語』はいかがでしょうか。
こちらは記憶を失くすのは攻様になります。

5

酔っ払いは大変♡

ある一定のシチュになると、受けが関西弁で喋りまくるので、笑いを堪えきれないお話でした。家で読んで良かった。関西弁で笑う自信のある方は、是非心置きなく笑える環境でお読みください。前半はぶっとび笑い話、後半はややせつなさ混じりの二人のお話、本編250Pほど+あとがき。神には到達しないけど、めっっっちゃ面白かったので萌2にしました。

同僚が怪我したため、急遽プロジェクトを引き継いだ受けさん。別名「鬼の緒方」と呼ばれる厳しーい仕事人間ですが、引き継いだプロジェクトはワインのセールスプロモーションで、どうにもこうにもマズイ。というのも、受けさんはお酒を飲むと記憶を無くしてしまう事があるのです。このままではヤバイと思い、イケメン2年生の仁科に事情を話して酒を飲むトレーニングをしようとするのですが・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
怪我した同僚(受けの同期、小、中学校が同じ)、プロジェクトの関係者複数(1名女子が絡んできます)ぐらいかな。
みずかね先生の挿絵話を一つだけ。真ん中あたりに、ちょっとぶすくれた表情の受けさん挿絵があるんです!みずかね先生では割合珍しい表情ではないかと思います、めっちゃ可愛いーーーーー♡

**以下、最後に殺し文句どうしても書きたくて書いたので注意

飲むと酔う→暑いといって脱ぐ(全部)→仁科の事が気になってるからか絡む というくだりが受けさんの関西弁で展開されるのですが、そこがめっちゃ面白い。
あとで明かされる「ある事情」により、受けさんはめちゃ頑張り屋さんで仕事の鬼と化しているのですが、内面は淋しんぼ、可愛がってほしい、ギュウしてほしいと思っている人なんでしょうね。攻めさんに絡む言葉、展開が面白いー酔っ払い最高ー大爆笑。酔っ払いのお話、小説で読むのは珍しいかな。面白かったです。

きったないおっさんがこんな酔っ払いになったって、「へっ、その辺で転がっとけ」と思うだけですが、この受けさんは、くそ可愛い(少々言葉が悪いのも愛嬌)。口が少々悪いのと、エロ可愛いのと、欲望に素直でその上、上げ膳据え膳状態(すっぽんぽん)なんですもん。モテ傾向あると思われる攻めさん、ありがたーくある程度まで(ちゃんと抑える)なさいます。その後も酔っぱらう度にあれやこれや開発を・・ということで色っぽさは割合あるお話だと感じました。受けのしゃべりが関西弁なので、どっぷりエロエロというよりコミカルさが感じられて、私は嬉しかったです。

途中から攻めさんが切なくなってしまわれて色々あるのですが、最後は大変良い感じで終わっていました。背負われて幸せそうな受けさん、良かったなあ。酔っ払い話、読んでみてください~攻めさんの超殺し文句「抱きますよ、今夜は」もお待ちしてます!

10

こう来るとは!Σ( ̄□ ̄)

「エブリスタBL合戦」ディアプラス文庫賞大賞受賞作です。

で、こちら、さすがディアプラスさんだけあり、王道の萌えを詰め込んだとても読みやすくて完成度の高い作品だと思います。

えーと、両視点の強みが遺憾無く発揮されていて、とにかく笑えるし萌えるんですよ。
また、完全に笑いやエロ展開を狙ってると思っていた、主人公の突飛な言動ー。
これが、「こう来たか~」と唸らせてくれる、練られたオチなんですよ。
ニヤニヤと読んでただけに、不意打ちも同然でドキッとさせられるんですよ。
なかなかこうは、持ってこれないと思うんですけど。

内容ですが、デキた部下・仁科×厳しくも優秀な上司・緒方による、お仕事BLで両片思いものです。

「鬼の緒方」の異名を持つ優秀なプランナーの緒方。
同期の代打でワインのプロデュースに携わる事になりますが、チームには密かに気に入っている後輩・仁科が居て、嬉しく思うんですね。
しかし、実は緒方は酒癖が極端に悪く、仕事でありながら商品の試飲が出来ずに困る羽目に。
酔うと記憶を完全に無くして暴れてしまう(らしい)自分のフォローを頼むため、仁科に試飲を付き合って貰えるように頼みますが・・・。
と言うものです。

こちらですね、しつこいですが、両視点が面白いんですよ。
実は仁科は仁科で、入社した時からきれいな人だと緒方に憧れを抱いていたー。
で、ドギマギしながら迎えた、緒方と二人だけの試飲の日。
何故か酔った緒方は自分で服を脱いで素っ裸になった上、「一度でいいから誰かにぎゅううってされてみたかってん」と甘えて来てーと言った所でしょうか。

そう、今作の見所ですが、酒が入った緒方の(色っぽい系への)豹変ぶり。
そして、そんな緒方に翻弄されまくるデキた部下・仁科の懊悩だと思うんですよね。

あのですね、酒が入った緒方ですが、普段の鬼上司から一転、超甘えたで可愛いんですよ。
何かと裸になりたがり、服を着せようとする仁科から無邪気に逃げ回る。
そして、「ぎゅううってして欲しい」と仁科を誘うようなセリフの数々。
また、酔った時だけ方言が出るのが可愛いんだなぁ。

で、据え膳状態の緒方に辛抱ならず、手を出してしまう仁科ー。

これ、面白いのが、緒方に酔った時の記憶が全く無い所なんですね。
緒方と濃密な一夜(本番未遂です)を過ごし、すっかり恋人気分の仁科ー。
しかし、目を覚ました緒方は何も覚えておらず、いつもの鬼上司で・・・みたいな。
いや、仁科かわいそう。
愕然としてる仁科、マジでかわいそう、と。

この後、自分以外とは絶対お酒を飲まないように緒方に言い聞かせ、二人で飲む度に身体に触れてしまう仁科。
そんなある日、酔った緒方の突飛な言動の裏に隠れた、切ない真実を知ってしまい・・・と続きます。

これまでひたすらニヤニヤと読んできただけに、ここで分かる真実には心が痛みます。
また、酔った緒方の言動を自分に都合良く解釈し、記憶が無いのを良い事に手を出してきた緒方。
彼が自己嫌悪に陥り、落ち込む姿にも切なくなってしまう。
いや、あの状況じゃ、男なら手を出しちゃうって!!(TдT)

緒方の酒癖、完全にネタだと思ってたのに、こう来るとはなぁ・・・。

あとですね、このスレ違い時に見せてくれる、緒方の言動がとても男前な上に可愛いものでした。
彼は繊細かと思いきや、意外と図太いよなぁと。
これぞ、年上受けのいい所ですよと。

と、新人さんとは思えないほど安定感があり、しっかり読ませてくれる素敵な作品でした。
笑えて可愛くてキュンキュンなんですけど、それだけでは終わらない所が魅力的。
文章もとても読みやすいですし、構成もしっかりしているので、その点でもストレスを感じずに済むと思います。

20

この作品が収納されている本棚

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