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お前を誰にも渡さない。たとえ俺自身にさえも。
旧い方も良いのですが、
新しい方が
より作品の切なさを表現しているというか……
とにかく胸が痛い。
私は無理やりとか、
愛がない絡みは好きじゃないのですが、
全く愛がないのかと言えばそうではなくて……
なかなか複雑なお話。
でも、やはり強引なシーンが多いので、
読んでいて辛い。(私は!)
途中挫折しそうになるのですが、
物語の先が知りたくて読んでしまいました。
大体前半でネタバレな感じはあるのですが、
どうしてそうなった?!という、
伏線回収が……また切ない……!
2/3くらいは切なくて辛いです。
だって櫂が酷いのだもの……(泣)
評価は萌くらいな感じなのですが、
沙野さんの筆力に
最後までしっかり読まされてしまったので、
「萌×2」で!
新装版を読みました。
こちらにはサンクチュアリ、の副題が付いてますが、聖域…確かにしっくり来ました。
刑事物かと思って読みだしたら二重人格モノでしたが、楽しめました。
過去、隣で仲の良かった攻めと受け。だが突然攻めは引っ越し、再び現れたときには受けをレイプする…
感情の機微を失った受けは刑事になるが、人の死にも心を動かされない。そんな折に連続通り魔事件が起こるが、現場に大人になった攻めの姿を目にする。
ここからは、攻めの心情ともう一つの人格と、そして受けが好きだったはずの人格とのいわば三角関係のような状態から、人格統合へ向かいます。
統合を促した人格とのやり取りや、受けの攻めを想う気持ち。読み応えのあるストーリーでした。
タイトルと表紙の素敵さに惚れて買いました。
なかなかに良かったです。
ただ後半はどうにもサラリと読めてしまい余韻はあまりない状態です。
が、監禁シーンはとてもニヤニヤしました。
足枷はとても良き萌え道具ですな…。
全裸で食卓に座らされるところはなかなかないシチュで一番好きです。
羞恥に震える受けの様は美味でした。
皓とのシーンは気付けば涙ぐんでいました。
落ち着いた紳士のような彼にはとても安心感があって…切ないなー。
攻めと受けの子ども時代からの関係がきちんと描かれていたからこそ大人になってからの二人に対しても自然に追えて良かったです。
ただ思ったよりもクライマックスの感動がなかったんですよね…。
一番衝撃的だったのは受けの名前に何故「雪」とつけられたか母に明かされた時ですよ。
でも受けに無理矢理してしまったことにより壊れていく攻めってとても人間味あって好きでした。
表紙の魅力を裏切らない挿絵のクオリティも半端なくて凄く満足です。
ショタ絵がむちゃくちゃはちゃめちゃ可愛すぎて一番ここにやられた気がします…!
沙野先生×奈良先生という個人的にはめちゃ推したいペアなのですが、今ひとつ攻め受けともシンクロしきれなかったので中立より萌にしました。タイトル、表紙とも最高に好きだろうと思ったのだけどなあ。本編230Pほど+あとがき。2005年作品の改稿版とのことですが、旧版を読んでいないので、差は不明です。
指名手配中の強盗犯を追跡中に、犯人が道路に飛び出して意識不明の重体となろうとも、いたって冷静な雪弥(ゆきや)。11年前のある出来事以降、感情が沸き起こるということが無く、新人刑事らしからぬ冷静沈着な態度だったのですが、連続通り魔事件の現場で野次馬の中に幼馴染を見かけてからは心が軋むような心地。どうにも落ち着かず、昔住んでいた家を訪ねてみると・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
保高(受けの先輩)、皓(こう、攻めの別人格)、攻めの義父ぐらい。空間としても狭く登場人物も少なく、ぎゅぎゅっと煮詰まった感のお話でした。(監禁もあるし)
**駄々をこねたい点(本編未読の方は注意)
お話としては二重人格ものなのですが。
別人格である皓がすっきり消えてしまうんです、俺は消えるわ的発言をなさって。そこがどうにもこうにも寂しい。優しい、ひたすら受けを愛しんでくれる皓が好きだったので余計に寂しい。
主人格の耀(よう)が独占欲強い、寂しがりだからかな。共有しようなんて気配はこれっぽっちもなく。
そこが最も悲しかったです。一つに統合された後に、耀が皓のこと覚えてるわ発言とか、皓のような雰囲気をにおわせてくれるとか、あったらなあ・・・オムライス作れたわ発言だけだとちょっと足りないー。
攻め受けともに大概酷い人生なので、お互いに救いとなっていたというラストにはとっても救われる心地なのですが、主人格の耀が最後の最後まで、いじめっ子を過ぎた超ド級俺様っぽく感じられたので、救われ心地も半減です。「足を開け」なんて言うんだもんなー。いつか凹ましてやりたいこの俺様野郎。受けの「いていいところ」になってやるぐらいじゃ赦してやらん!!と、再度読み返しても何となく攻めに怒ってしまうお話でした。
旧版を読んだ気がするのですが、なにせ10年以上前の出版なので記憶が不確かです。なので、細かな違いはよく解りません。
『新装版』と銘打っているために、私が勝手にそう思っちゃっているからかもしれないのですが、最近の沙野さんが書くお話よりはちょっとばかりウエットで『頭がどんどん冴えていく』と言うよりは『胸が(かなり)痛い』系のお話という感じがしました。
刑事の雪也が主人公なのですけれど、彼、大学の専攻は建築学なんですよ。
その後、警察学校に入って刑事になったという、ちょっと変わった経歴の持ち主。
異様に冷静というか、彼自身も自分の平静さを異常なものとして認識しています。「自分は冷静なのではなく、感じることが出来ないのではないか」と思っているんですね。
その、ある意味モノクロームっぽい彼の感情が、幼馴染みの櫂に再開した途端、一気に瑞々しいものに変化します。この、どんどん感情を取り戻していく描写にとても引き込まれました。
櫂とその家族は、親に疎まれていた雪也にとって、家族の温もりを与えてくれるとても大切なものだったのですが、ある日急に引っ越しをしてしまいます。
その後1度だけ訪ねてきた櫂は雪也を陵辱し、姿を消します。何の理由も告げないままに。
櫂に起きたことの謎、同時に雪也の管轄地域での連続暴行事件の犯人についての謎を中心にお話は進んで行きますが、その真相が解るにつれてどんどんお話は切なさを増していきます。
きっとタグは『エロエロ』って付くんだろうなと思いますが、読み進めれば読み進むほど、雪也と櫂の2人がとてもピュアな子どもに見えてくる。
これがたまらんかった……
『捨てられた子ども』のお話です。
本当なら一番に縋らなければならない親に見捨てられ、生きていくために互いに必死で掴まり合っているのが、たまらなく切なく感じました。
奈良画伯のイラストは相変わらず理解が深くスタイリッシュです。
そして今回は、とてつもなく暖かく感じてしまったのは、ベストマッチの成せる技でしょう。
私「読んだ気がする」けれど「持っていない」んですよね。
見比べてみたいのですけれどねぇ……