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表題作悩ましい彼 美しい彼 3

平良一成,大学生,同棲中のカメラマン助手
清居奏,大学生,平良の恋人で若手俳優

その他の収録作品

  • スターゲイザー
  • きみに捧ぐ
  • あとがき

あらすじ

憧れの演出家・上田の舞台への出演が決まった、新進若手俳優の清居。意気込むけれど、なんと演じることになったのは、清居のイメージからはかけ離れた「売れないお笑い芸人」……!? 役作りに悩んだ清居は、いまや人気カメラマンの助手として将来を嘱望され──ながらも、口下手で自己表現が苦手で、何より自分を崇拝する恋人の平良を観察するけれど……!?

役者としてステップアップするため、清居が決行したのはなんと、××になるコト!?
「美しい彼」シリーズ、待望の新作が登場! !

作品情報

作品名
悩ましい彼 美しい彼 3
著者
凪良ゆう 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
美しい彼
発売日
ISBN
9784199009600
4.8

(453)

(409)

萌々

(26)

(10)

中立

(0)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
30
得点
2179
評価数
453
平均
4.8 / 5
神率
90.3%

レビュー投稿数30

情熱大陸ばりにアツい

1巻から来て、2巻、3巻と繋がるこの一連のストーリーの完成度が凄すぎて。
鬼レベルで至高の作品です。

今巻。清居は舞台、平良は個展に向けての撮影に打ち込む仕事面での描写が際立っていました。どちらともに自分の殻を破る……と言う意味でなかなかに深いストーリーだったと思います。

清居は清居の戦いのフィールドで、平良も平良の戦場で、自分の才能と努力を最大限に引き出し頑張る姿はBL通り越して感動でした。
情熱大陸を二本立てで読んだような気持ちです。

「仕事人」としての2人の姿も素晴らしいけど、やっぱり恋愛している2人が大好きです。
相変わらず平良節は炸裂でナナメ上の思考に驚かされるんですけど、3巻ともなれば毎度お馴染みの感があって、ああ平良だなぁ…って嬉しくなりますね。

清居奏あれと神が言い清居奏が誕生した。
清居奏は夜空に輝く星
金色の川が流れる金色の王国のキング etc…

発言の視点が面白すぎて脱力…
これぞ平良!こうでなくっちゃ。清居信者のお言葉が胸に沁みます(笑)迷言の数々…トイレの日めくり壁掛けにしたいです。


平良と清居の恋愛も仕事も、新たなステージに突入したように感じた3巻。清居を撮りたい、という平良の目標が叶う第一歩が踏み出せましたね。その段階まで、「美しい彼」が続いていくとしたらすごく嬉しいです。

フフッと笑ってしまう漫才のような掛け合いシーンや、情熱的で官能的なシーン…2人の恋愛の側面には色んな表情があって、それに浸るのもこの作品を読む楽しみです。

あとがきにて、野口サイドのお話の構想もあるとのこと……これはめちゃくちゃ読みたい!
この世界をいつまでも楽しんでいけるよう、私も日々頑張っていこうと思います♪( ´▽`)

1

恋愛としてだけでなく、仕事やプライベートで悩んでいる方にも読んでほしい

まさにタイトル通り、平良も清居も悩んでました。
平良は野口の弟子として周囲から期待されるけど、自分がキラキラした場所にいて良いのか悩み、清居は熱望した演出家の舞台に挑戦することになるも、自分とかけ離れた配役に稽古でダメ出しをされて悩んでいました。
ですが平良と清居はただの恋人でなく、お互いを成長させる存在だったのが印象的でした。清居が舞台のために20kg増量を決意し、太っていく自分を平良に見られたくないと別居しましたが、その間もお互いの存在を意識し合い、支え合っていました。平良と清居の愛情を感じました。

単純に、20kg太って、その後痩せられる清居すごいなと思いました。まさに鬼メンタル(私にはできない…)それぐらい清居は舞台に命をかけているのだと思うと、私も清居を見習わなければ…と思いました。私も平良のように清居を崇め奉りますよ。

平良と清居以外に印象的なキャラクターとしては、清居が憧れる演出家の上田ですね。自分の上司だったらめっちゃ怖いです…。清居くん、よく頑張りましたね。上田という天才の期待に応えられなくて、とても苦労する姿が描かれていました。でも清居は自分で上田の期待することを見出して結果を出した。本当にすごいです。

私の話になってしまうのですが、20代も後半に差し掛かり、人生の岐路に立たされているなと感じています。仕事もプライベートも上手くいかなくてとても苦しい状況です。その苦しみをこの作品を読んで和らげることができたし、今後生きていく勇気をもらえた気がしました。凪良先生、素敵な作品を産んでくださりありがとうございます。

小説は読みましたが、まだドラマCDを聴くことができていないので、今度は声優さんの声を通して平良と清居のラブストーリーを味わいたいと思います。

3

一皮剥けた平良

今作も最高に面白かったです。

シュールさもあり、シリアスさもありとても良かったです。
平良はやっぱり今回も気持ち悪いのですが、
そういうところがたまらなく好きだなぁと思いながら読みました。
清居から別居するって言われたときの平良は可哀想だったけど、
その後のハレルヤ!は笑いましたw

平良に太った姿を見せたくないから別居って
清居がすごく可愛いんですよね。
そんな清居の姿を見たい平良と、絶対見られたくない清居。
愛と愛のぶつかり合いって感じですごく良かったです。
清居の平良への愛がたくさん感じられる3巻でした。

二人の関係以外にも、野口さんの平良に対する接し方がすごく好きでした。
野口さんは色々見えててすごいなぁって思いました。

はぁー!今回もすごく素敵なお話だったなぁ(*´ω`*)

0

メルタルすり減る

 自分は旦那に、仕事嫌だと思ったらすぐ辞めてって言ってるし、自分も中学生の頃からそうやって生きてきたから、清居と平良が頑張りすぎてるのを見て鬱病再発しそうになった……。傍観してるだけなのに。
 恋愛面よりも仕事面の話が強いから、普段BL小説読んでて喰らわないはずの角度からメンタル抉られる。
 からの、清居の妹サエが嫌いなブラコン女タイプなので、更にメンタルやられた。
 そして相変わらず葛西先生の絵が美しい。

2

泣ける

美しい彼から憎らしい彼を経て、2人の成長に泣けた巻でした。

まず平良はもちろん吃音もあってあんなに話す人じゃなかったけど、清居に対してちゃんと自分の考えを話せるようになっていて(それが清居に伝わるかどうかは別として)、平良と清居の会話が成立してることに感動しました。

そして清居もまだまだ理解不能な平良の心情を推測しようとしたり、野口さんへの嫉妬を隠さずむき出しにしていて、自分を理性で抑えていたのが自分に正直になって清居変わったな〜と思いました。

そして俳優としての清居、カメラマンとしての平良の壁に立ち向かう姿勢はBL小説と括るのはもったいないくらい、素晴らしいものだなと思いました。うまく言えませんが、逃げたいことが目の前にあったときにどうやってアプローチするのかっていうのが、清居と平良でやっぱり違っていて、それが2人のキャラが際立っていて良かったです。

そして2人の師匠である上田さんと野口さんの対比も良かったです。上田ー清居、野口ー平良の関係性も、どちらもいい師匠に出会ったなというくらい2人に合っていたし、(特に上田さんのは褒められたものではないかもしれないけど)コーチングという意味でも勉強になる部分もあったなぁと思いました。

そして最後に平良がまた大きく変わるんです。今まで清居に振られて終わる前提だった2人の交際を終わらせたくないと、清居に言うんです。もう泣けました。美しい彼のときには想像もできなかった変化です。スゴいな〜、人ってこんなにも変わるんだな〜。そしてこれまでの3巻で2人の成長を身近で見せてもらって本当にありがとうという気持ちです。

4

中毒性を持つ愛

しゅみじゃない と言いながら、三巻目も読んでしまった。

ストーカーに近い執着愛をキモイ奴から長年受け続けていると、きっと中毒して、執着されないと我慢ならなくなる変態受になるのだと思う。
もうこうなると、なくちゃならない「愛い奴め」になっちゃうんでしょう。
末永く幸せになって欲しいと願う、二人の爆笑短編集でした。

凪良先生、観察フェチだから、きっとモデルになった誰かが居るんだと思うのだけど、観察する著者を想像すると笑っちゃう。

0

清居の努力に涙

清居が商業演劇の世界に、新人として放り込まれる。
平良は野口さんに、個展をやらないかと勧められる

お互いへのきもちは常にありながらも、2人が自分の才能や、実力について悩んで葛藤して、が今回のメインだと思っています。
凪良先生はいつもストーリーが本当にしっかりしていて、恋愛じゃないところでも泣きました。

ひらきよ大好きなので、ぜひ、永遠に続いてほしいシリーズです。
清居→平良へのいわゆるクソデカ感情
平良の俺様っぷり(シリーズ読んでる方には誤解なく伝わるはず…!)も勿論健在なので、
2人にはこれからもこの調子でお互い大好きでいて欲しい。笑

きもちわるい攻め最高です。

3

続編が読みたいすぎる

神作品すぎやしませんか…世界観に没入したまま帰ってこられない……。
今回はお互いに師匠ができて、清居が大成長します。いろんな意味で。
徐々にお互いを理解しよう、気持ちを推し量ろうとする描写も出てきたりして萌える。もともと破れ鍋に綴蓋だったけど、その関係性がぐっと持ち上がっています。どんだけ、かっちりハマったら気が済むんですかね…。
すごくイチャイチャラブラブしているわけでもないのに、ワクワクドキドキキュンキュンしてしますこの気持ちはどこから湧かせられているのでしょうか。
ただのBLじゃないことは、1~2巻を呼んだ人にはわかるかと思いますが、人物設定が物語に合致して、読む側の心に食い込んでくる熱量が半端ない。他にこんな作品あるだろうか、いや、ないっ!!!!
凪良先生こそが夜空に輝く星。
クライマックスの平良の行動がほんとに胸に刺さりました。
そして、この行動が胸にささった人は、番外編集「エターナル」を読むべきです。さらに号泣します。
このあと、平良の個展やら、清居の舞台やら、どうなっていくのか楽しみすぎてまだまだ生きなきゃいけない気持ちにさせられました。

1

無様に悩むほどに魅力的に映る

『美しい彼』シリーズ第三弾。
安定のキモウザと悩めるキングカップルですが、本作では様々な点で2人にわずかな進歩がみられました。

清居の役者としての成長、平良のカメラマンとしての一歩、2人の恋人関係の好転…!
ここまで来るのにかなりの紆余曲折があったのですが、遂に本当の意味で恋人同士だ…と思えるような関係にキタという感想を持ちました。

もちろんまだ"夜空に煌めく星"と"道端の石ころ"というポジションは変わってないのですが、それでも平良は清居の気持ちを推しはかるようになってきたし、清居も宇宙人平良を理解できないまでも扱いに慣れてきてます。
清居が「去れ」と言えばすぐさまただの1ファンに戻ることを厭わなかった平良が、最後に発した言葉には涙が出てしまいました。

何とヘンテコで悩ましく美しい2人なんでしょう。
もうこのカップルの虜や…。

息の長いシリーズになるとの事なので期待しています!

1

気持ち悪さが絶妙に絡み合って、素晴らしく最高です

本屋大賞受賞作「流浪の月」でファンになった、凪良ゆうさん。
知らなかったのですが、BL作品作家さんだったと聞いて驚愕。

「流浪の月」も普通じゃないけど優しく噛み合っている登場人物の関係が好きだったので、これはBLも最高に違いない。これは読むしかない。
と思い、シリーズ3作品まとめ買いして読ませていただきました。

控えめに言って最高すぎた。BL小説を初めて買って読んだけど、布教したいために紙の本で買う人の気持ちがわかった。お願い読んで、そしてハマって。
1冊1日ペースで読んでしまって、睡眠時間が足りないが、その価値が十分にある。
一般小説の「流浪の月」も読みやすくてすらすら読んでしまったけれど、文章の雰囲気としては、こちらの方がよりポップでアニメ感というかカジュアル?な気がした。
つまり、テンポがよい&ぐいぐい引き込まれるため、一度読み出したら止まらない。

平良もきもいけど、清居の方も巻数を重ねるごとに「やばいのではw人のこと言えないのではw」と思ってしまう。
黒子の位置で攻めのアカウントだと特定するのはやばい。みっともないところ見られたくないのはわかるけど、イベントでの発言に救われ、舞台きてるのも黙認してるなら、T●itterで追っかけなくても普通に会えよ…!

全く違って噛み合わないように見えて、しれっと絶妙に気持ち悪い通じ方してる2人がたまらない。そんでもって、ツンケンしてたり卑屈になったりしてるようで周りにはバレバレバカップルまたやってんな認定されてるのウケる。
運命ってこういうことかしら…

でも、この小説の素晴らしいところは、その気持ち悪いまでのデレラブっぷりを見守るだけで終わらせないところ。
かたや俳優、かたやカメラマンとして、お互い(なかなか素直に認めないだろうが)支え合い、相手と対等にいられるように行動していくのが健気で本当に相手が好きなんだなあとひしひしと感じるし、成長する過程で悩んで足掻いている描写が生々しく繊細で引き込まれる。
あくまで2人で一つではなく、1人+1人でいようとするのが魅力的。
ズブズブに依存してしまうのではなく、相手のため自分のために自立して立とう、人として仕事人として成長しようとしていくのが読んでいて胸熱で深いな…と思うし、2人の関係性を思う上でもそれが分厚さを持たせている。

後書きで凪良さんが「やっぱり気持ち悪い攻めが好きです。強気で美しい受けも愛してます。」って毎回のように言ってるのも、一般小説からきたBL好き読者的には、「凪良さん…好きです…」ってニマニマしてしまう。

そして、後書き通り、気持ち悪さの描写に遠慮がない。ガチで気持ち悪い。
気持ち悪いけど、けして押し付けとか無理やりとかしない清居ファースト紳士(方向性かっとんだりするけど)で行動派どこまでも一途でぶれない平良。
強気に垣間見える寂しさ危うさ、鬼メンタルでゴリゴリ男前なのに綺麗な自分しか見るなみたいな急に乙女出してくる清居。
大好きです。永遠にバカップルやってろ。

どうか次回作を。楽しみにお待ち申し上げております。

7

2人の成長

3巻にあたる本作、清居のヤキモキ乙女に拍車がかかり終始デュフフ~
夢にガムシャラに努力し、平良を鼓舞する姿はゴリゴリ男らしく、二人それぞれ立ち向かう姿も見所!一皮むけ男度上げる所は胸熱でした!!

平良が個展を決意したシーンは涙しちゃいました。
ネガティブすぎて、前を向けなかった平良が!清居と終わることしか考えてなかった平良が!!清居と続く方法を考えるようなったんですよ…気持ちを推し量る意味が分かってきたなんて!
清居、苦労したね…まだ、するだろうけど!

鬼メンタルと恐れられる清居の平良に対する溺愛っぷりにはニッマニマ。
醜い姿は見せたくないってだけで可愛いのに、ストーカーしたうえに目を瞑らせてキスして逃げるとか!あー可愛いっ!

お話の至るところにユーモア散りばめられてるとこも満足度高し!まだ、続くの嬉しい。二人の成長楽しみです!

2

美しい彼から、1巻から読んでくださいね

美しい彼シリーズの3作品目。
続編が前作を上回る傑作になっていく、そんなシリーズです。失速しないのが本当に凄い。巻を重ねるごとに清居も平良も共に成長し、キャラクターが走り出す。本当にすごい作品だし、すごいキャラクターに出会ってしまった、もうそれしか言えないです。

一番心動かされたのが、終盤の平良が叫ぶシーン。泣きました。自分でもびっくりするくらい泣いてしまいました。
どんな状況に追い込まれも、清居を肯定して認めてくれる平良。あの瞬間、清居には平良が漆黒の闇に浮かぶ唯一の星に見えたと思います。
高校の教室でキングとパシリだったあの二人がここまで成長したこと、その過程を垣間見れたこと本当に幸せです。叶うならこの二人をもっともっと見ていたいです。

4

今後も楽しみ過ぎる

すごく良かった。
3巻だけ未読だったのですが、やっと読めました。

平良のキモさには磨きがかかり、清居の気高さは至高の域に。
キモい平良もキモいながらに、清居に背中を押されて成長していきます。
そして、今回目を見張るべき成長を遂げたのが清居。
本当に男前(特に中身が)!

何人もの「天才」たちが登場する中、自分は凡人である事を認め、それでも振り落とされないように食らい付いていくガッツたるや。
まさか、今になって平良とシンクロするとはね。

おデブになった清居も愛し続ける平良の目には、きっと変わらず輝き続ける清居しか映っていないんだと思う。
愛が深い。情が深い。もう誰にも止められない二人です。

実力派俳優としての一歩を踏み出した清居と、天才フォトグラファーとしての片鱗を見せ始めた平良。
二人の今後の活躍が楽しみです。

そして、個人的に気になるのが平良の師匠・野口。
平良の写真を見て、静かに闘志を燃やしてそう。
凪良先生も野口のお話を書きたいと仰っていたので、楽しみに待ちたいと思います。

5

攻めの心情に共感できる

受けに感情移入しやすい私ですが、珍しく攻めに感情移入してしまいました。
これほど、独特な攻めに出会ったのは初めてです。それでも、読めば読むほどヒラワールドにハマってしまう・・・

このような濃いキャラを創り出せる凪良ゆう先生、流石です。

2

清居の闘いだけど平良の存在感を大きく感じる

萌x2と萌とどっちにするか超迷う〜
前作「憎らしい彼」が出た時も「続編出るのか〜⁈」と驚いたものですが、さらにまた続編。平良の変人ぶりは全く変わらずあのテンションを維持しており、しかも!キング・清居はより平良に傾倒してるという状況。
だから勿論面白いし、これからも長いシリーズになるのなら当然読むけども。

今回は、清居が憧れの演出家・上田の舞台に初出演できる事になった…という設定。
しかし、それは清居のルックスと前作の事件での話題性での起用であり、演技力であるとか「俳優」として期待されてはいない。
当然清居はメラメラと闘争心を燃やす。しかし実力は実際伴わず、切羽詰まった清居が取った行動は…?
…といった展開で、オイオイ清居も十分ブッとんだ思考回路だよ、と。
だけど。
ここまで清居がのめり込んで役作りをする、そこにさ。
「演劇という魔物」の影が感じられないのよ。その demonish が。
上田や周りの実力派俳優、意地悪な評論家、そいつらへの対抗心の方が強いみたいに感じられる。
そこが清居の凡人性を暴露してる。
ただし、この『The Locust』という作品そのものにも傑作感が足りない。上田の demonish も感じない。もっと上田の天上の天才、理解を超える才気を感じたかった。
そして、そこがこの作品の弱い部分なんだと思うの。
一方、平良は元々他者なんて意味はない。それどころか今まで内に内に溜め込んだ天才性を、これから外へ発信していく流れへ。
そして何より平良の師匠・野口はいい。野口には「眼」があり「頭脳」があり「心」もある。
野口に見出され、野口にハッパをかけられ、野口に気付きを得る平良は幸福者。しかも平良の傍らには清居がいる…正に平良最強!
清居も自分の平凡さと平良の天才性に気づいていてるし、これからの2人は不穏だぞ。

3

苦しみながら成長していく二人の物語に萌えと感動

今作も相変わらずの平良節は絶好調で、そんな隠れオレ様に翻弄される清居でした。

まじめに本気で崇め奉る神のごとき清居への賛美とそこから導き出される思考の斜め上な発想に笑い最後はホロリとさせられました。
平良視点でそこにいき着くまでの段階を知っている読者と、結論だけ語られた清居が「なぜそんな言動に」と理解不能となる不条理に可笑しいやら焦ったいやら…

普通の恋人同士のように甘えたり頼られたいと思ってもそう言えないツンな清居がジレジレしながら最後は自分の方から折れたり手を差し出すことに忸怩たる思いにかられていることがよくわかって可愛いかったです。

平良が清居に別居宣告された直後の動揺っぷりがおかしかったです。
天使や悪魔やパトラッシュまでがぐるぐる回って…
神様がミスにいつか気づきこれまでの対価を払う日がくると恐れていたその時が来た!と大慌てで。

清居は平良の思考が辺境惑星の宇宙人並みに理解し得ないと考え、平良は清居が宇宙的スケールで人類の常識で測れないと思っているらしい。結局どちらも人外の未知の生物なのは似た者同士なのでは?と思いました。

流石の葛西さんでも20キロ増量した清居が「美しい彼」にはならないだろうな、と思ったのか後ろ姿のイラストでホッとしました。
清居が美しくない姿を自分の男に見られたくないとか、がっかりした平良が新たなキングを探しにいくのではと妄想して焦る姿に愛を感じました。

産みの苦しみを経てワンランクアップした清居でしたが、平良も悩んで次のステップへと進んでいくようです。
今度は平良の個展かな〜
次はどんな異次元的発想で笑わせてくれるのか楽しみです。
シリーズ5作目がありますように。

3

石ころが明星へ手を伸ばす

数日前に一巻を拝読し、一気に二巻三巻と読みました。
まだ続くみたいで凄く凄く嬉しい!楽しみ!

今回は主に二人がそれぞれ自分の内面と深く向き合い葛藤する部分が描かれていていますが、一人でいても何かとお互いのことを想ってる描写が入り、ラブラブで嬉しいです。
二人とも周りの人に相手のことが好きって隠さない。どちらの気持ちが強い弱いとか無く、お互いにベタ惚れ(ご馳走さまです!笑)。
でもそれを知ってるのは読者だけ……清居は負けん気から、平良は崇拝から、大事なことを伝え合わない。やきもき。
でも三巻は回りくどくても結構話せてたかな。

二人の関係とか将来へ向けて心情が少しずつ変化する様子が丁寧に描かれています。相手に見合う自分であろうと努力する姿がかっこいい。それをお互いは知らないのだけれど(ちょっとは伝えてみてもいいじゃん。もぅ)。

チャリティイベントのシーンは泣いてしまった。
清居の「ずっと言いたかったこと」も……!ぐさっ
普段は凄くかっこ良くて、平良にもきもうざなくらい愛されてるのに「俺のこと好き?」とか聞いちゃうの可愛い。

そしてラストシーン!
本当に「いまさらかよ」だけど!良かったね!!

二巻三巻と両思いなのは変わらず、でもじわじわ解り合って関係も深まっていると思います。平良に革命が起きないとファン心理?信心?と恋人への愛情の乖離は埋まらない気がするけれど、どうなるのかなー。
一巻のあとがきで、両思いになったカップルのその後を書くのは苦手 のようなことを書かれていたのですが、まだまだ読み続けたいです。

6

予想の斜め上を行っていた

ありきたりな表現ですが驚かされました。BLというより俳優とカメラマンという個性が勝負の世界でそれぞれ戦っている若者2人の青春ストーリーの面が大きい話でした。でもその2人が同棲中のカップルなんだから…BLって素敵だ。

受けの清居が俳優として成長するためにとった捨て身の作戦はBL的に大丈夫なの?って内容のものでした。今回は模索して掴んだ役どころだけど体のためを思えばあんなこと何度もしない方がいい、とオカン目線で心配してしまいました。

攻めの平良の性格は安定のキモさで、清居の行動にはインパクトで負けるとはいえ、かなり思い切った方法で仕事の道を見つけて大きく成長できたようです。まるでお互いに切磋琢磨しながら強くなっていく少年漫画のライバルのような素敵な関係です。カップルだけどな!

私はシリーズでこの3作目が一番好きでした。凪良さん、一般作品でも頑張っていらっしゃるようですが、まだまだ良作のBL小説も書いて頂きたいなと思います。

12

三巻目だからこそ

(凪良先生信者が書いているレビューです)
ものすごく楽しみにしていた3巻。もちろん発売日に本屋に走りました。すぐ読みました。そして即「神」評価。
なぜなら、わたしはこの2人のことを愛していて、どんな話の展開になろうとも絶対に愛したままだからです。多分、2人が別れることになっても「神」を押すと思います…号泣しながら。

で、ですね。しばらく経って今レビューを書いているんですが、脳裏に浮かぶ印象的な場面が2人のイチャラブではなく、やはり青年たちの成長を感じるようなエピソードばかりなんですよね…
これってもしかしたら、BがLするという本筋からは少しズレているのかもしれません。Lはしてるんですが、一巻二巻に比べるとすごく少ない。
普通だったら「ちぇっ」ってなりますよね?だけど、ならない。何故なら、わたしはもう既にこの2人を心底愛していて、2人が自分の殻を破ろうともがく過程を見守ることが出来てとにかく幸せだったから。
これは、三巻目だったからこそ、凪良先生の素晴らしい筆力があったからこその展開だったようにも思います。
本当に良いものを読ませていただきました。
四巻もあるのかなぁ。あってほしいなぁ。


まだ一巻目の「美しい彼」を読んだことがない方。正直めちゃくちゃ羨ましいです。これからあの感動と切なさと衝撃を味わえるんですね…

13

キモさも健在で、やはり面白い!

シリーズ3作目。
お互い認めていないけれど、ラブラブ高校生カップルのような2人。
清居は、憧れの演出家の舞台に立てるようになったが、思うように役になりきれず葛藤。
平良は、個展を出すよう周りから進められるが、自分に自信がなく踏み切れない。
2人とも、相手に追いつこうと必死にもがき、結果成長していく。サラッと書いてみましたが本作中では、このもがく様子が見ていて息苦しくなります。
唯一の支えである同棲も一旦やめて役作りに没頭する清居だが、時折覗く平良のキモいSNSに癒やされていたり、野口に嫉妬したり人間味が出ていて、1作目の清居からの変化を感じました。

前作同様、あの心地よいテンポは変わらず、クスッと笑える場面もセリフもあり、暗くなりがちな内容でも読みやすく、とても面白かったです。
結果まで書かない作品の良さもわかりますが、私は最後までしっかり描いた作品を読むのが好きなので、すっきりする読後感を味わう事ができ、幸せでした。

8

次のステージに進んだ2人

平良は本当ならばスペック高いのにキモさで全部台無しにしてます。
清居の強烈な性格ばかりに目が行きがちですが、清居の役者としての悩みや平良の鈍感さに苦労していて、今作は随分と清居は可愛らしかったと思いました。
平良の事が好きすぎて逆転してません?

平良が個展を開く前で終わったので気になってしょうがありません。全裸で廃墟でのセルフヌードが、どう完成されるのか読んでみたかったです。
次作が本当に楽しみです。

平良の非凡な才能は個展で成功するのか?役者として一皮向けた清居がどう化けるのか楽しみです。

11

文句なしの神です。

シリアスとコミカルが両立してて、最高。
コミカルな部分は、ホント〜に可笑しかった。
電車の中とかで読むのは無理なレベル。

というのも、新たな平良語録が増し増しなんです。
「石ころです」というアカウント名で清居ファンツィッターを始めて「清居の登場時は天照大神クラスなので、眩しくて目を開けていられない」などとツイートしてみたり「清居と1日も長く一緒にいられるように家電のスタンスで頑張る」「清居は俺の生命維持装置」などなど、凪良先生の表現の引き出しの多さと言葉の絶妙なチョイスに何度笑った事か!

特に役作りの為に太ることを決意した清居から別居を申しだされて、白眼を剥く様子が描かれた「スターゲイザー」は平良視点なんで、存分に平良語録が楽しめます。
私は平良語録辞書が欲しいなぁ。
「清居」という項目だけで分厚い一冊になりそうだし、さぞやキモい本になりそう(笑)

もちろんコミカルなだけではありません。
カメラマン志望とイケメン若手俳優という代替えがいくらでもいるような枠にいる彼らが、自分というものを探し「平良一成」「清居奏」という唯一無二の存在になるべく努力し始める姿、特に清居が鼻っ柱を完全にへし折られながらも清く現状を認め、リスクを犯してでも現状から脱却しようとする姿には、思わず私も一ファンとなって心の底から応援しながら読みました。

石にかじりついてでもやってやろう!と役作りに取り組む清居。
その鬼気迫る姿を見て、至高のキングである清居ですら努力してるのに、路傍の石である自分が何もしなかったら終わりだ…と、ついについに己を奮い立たせる平良。
平良も変わろうとします。

そして惚れた男(平良の事ですよ!)の前では格好良くあり続けたいと覚悟を決める清居。
空高く輝き続ける星であるために、己を限界まで追い詰めていく姿は本当に凄かった。
お互いに模索し不安に揺れながらも、やるっきゃない!感に満ちた姿はほんと良かったです。

もちろん仕事面だけではなく、陰と陽という共通項がない二人でありながらガッチリ組み合わり、一連托生のバカップルになっていくところも良かったです。

ほんと、最早ただのバカップル!

清居が実は隠れ乙女で、どんだけ平良の事好きなの?とツッコミたくなるような行動をあれこれ見せてくれます。
平良なんてどんな絶世の美女に囲まれようと視界にすら入っちゃないのに、モデル美女とのやり取りをサトウキビ畑の陰から見つめてモヤモヤしてるとか、ただのおバカさん……としか。
20kg太ろうが、平良からすればそれが何か?なのに、見せたくない…とかどんだけ乙女。

それとあくまで名前だけだけど、「愛しのいばら姫」の美山靫彦もゲスト出演してて嬉しかったです。

次回も楽しみだなぁ。
成功へのスタートラインに立ち始めたとはいえ、まだまだ発展途上の彼ら。

これからも長く続いていくことを期待しています。





45

キングもキモうざも前に進む

凪良ゆう先生×葛西リカコ先生という神タッグなのに、吃音というハンディあり&高校舞台ということで長らく手をだしてこなかった当シリーズ。charaさんの色んなフェア等で短編読んで面白くって、これなら読めるかも!と読み始めたら、やっぱり面白かった。皆さんの評価に誤りは無いよな、と改めて皆様に感謝です。そして先生にも感謝しかありません。面白く可愛くきゅうきゅう苦しいお話、深く御礼申し上げたいです。短編だけど全部つながったお話で合計300P超+あとがき。

憧れていた上田の舞台に立てることになった清居。俺の役だと思っていた「高慢」役には別の役者が決まり、清居は「嫉妬」役に。試行錯誤を重ねてみたものの、今一つ掴み切れないまま鬼稽古が始まり、メッタメタに叩かれる日々で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
山形社長、菅マネージャー(清居の事務所関係者)、野口(平良の師匠である売れっ子商業写真家)、上田(圧倒的人気の舞台演出家)、塚原(舞台評論家)、清居の父母妹弟等。桐谷と安奈もちょっと出てきました。

**好きだったところ

清居のあの踏まれても蹴られても殴り飛ばされても負けずに立ち上がる底力に感服。それをコミカルというものでくるんで下さっているので、笑いながら読めるという幸せ。コミカルなので、どんな逆境でも読んでるこちらがずんどこに落ち込まないのです。いつか清居がふっと笑ってくれると思えるので。

平良は最初は変化なし安定のアヒル隊長ぶり。今回は家電やら石ころやらという描写もありましたが、私としては巨大岩石と思います。表面に見えてるのはわずかですが、いったい土中にはどれぐらいの大きさの岩が隠れているのやら!
いよいよ見せ始めた平良の写真の才能。それを見い出し、尻を蹴り飛ばしてくださった野口さんに本当に感謝です。いつか平良の写真を見てみたい・・・葛西先生、想像力maxで何卒!!!

そして最後の「もう手放せない」というセリフには感無量。笑ってきゅうきゅう胸を痛めて、前向きな気持ちになれるとっても素敵な本でした・・まだ続きますよね!楽しみにお待ちしています!

16

彼に相応しくある為に

本シリーズは将来を有望視されるカメラマン(実態はキモウザ大学生)と
本格的な俳優業を目指す若手俳優(鬼メンタル大学生)のお話です。

受様は憧れの演出家の舞台での役つくりに試行錯誤し、攻様は師匠に
課せられた写真展のために四苦八苦する本編と幕間短編、後日談を収録。

受様はモデル出身の若手俳優です。TVを中心に活躍していますが、自他と
もに認める折り紙付きのイケメンですが、実態は鬼メンタルで俺様な男前
です。私生活では高校時代に出会って以来、受様を神聖視する同級生の攻様
とラブラブ同棲中です。

受様は去年、事務所の先輩である女優との熱愛スキャンダル報道から派生し
た拉致監禁事件に巻き込まれ、事務所社長をして俳優生命終了かと言わしめ
たものの、その事件をきっかけに受様の名前は一気に売れる事となります。

受様は海外公演も打つ国内トップクラスの舞台演出家の作品に出たいと思い
続け、以前から何度もチャレンジしては振られ続けていたのですが、今回の
騒動で目がとまり、新作舞台に立つ事となります。

新作舞台は「The Locust」。イナゴの大群に作物を食い尽くされ危機に瀕し
た世界を救う為、突如出現した塔をめざす男女8人の物語です。勇者の使命を
与えられた彼らはキリスト教における7つの大罪をそれぞれ表すイナゴの化身
であり、階を昇る毎毎に1人づつ脱落していく物語なのです。

と台本を受け取った受様は「高慢」が当たり役かと舞台発表の場に望みます
が、与えられた役は「嫉妬」役の売れないコメディアンでした。受様は受様
なりの解釈で舞台稽古に望みますが、台本の読み合わせでベテラン揃いの
役者達との間合いが全く取れません。

勢いで演出家にアドバイスを求めるも、その質問こそが的外れだと一刀両断
にされてしまうのです。初日まで4ケ月もない中、役作りはともかく演技力
向上など一朝一夕では身に着きません。

そこで受様が思いついたのは別人になる事でした。役作りも演技力も未熟で
まわりのお荷物になるなんて受様自身の矜持が許せません。まずは今の自分
のイメージをぶっ壊す事こそが嫉妬役を演じるスタートラインと決意した
受様は帰宅した攻様に別居を宣言するのです。

果たして受様は嫉妬役を掴むことが出来るのか!?

本作は受様視点タイトル作の前半が雑誌掲載、その後編と攻様視点での幕間
的短編と後日談続編を収録しての文庫化です。

受様は皆の頂上を目指し、自身がなりたい姿を体現する為には人知れずでも
努力して成し遂げる人ですが、攻様は無自覚に本質を突き、それを表現でき
る天才肌の人間という見た目と実態が正に正反対な2人のお話なので、前2巻
はワクワクして手に取ってきました。

新作が雑誌掲載と知り、ルンルン購入したら以下続刊(泣)、次号を楽しみに
していたら凪良先生のお名前はなく、後編はいつ出るのかと思っていたら
文庫化されてびっくりしました。

雑誌掲載作が予定より長くなったのか、終わらなかったのか、季刊雑誌なの
でこんな変則的な発行になったのか。続きが読めればどんな形でもよくは
有りますけど、これもまた大人な事情なのでしょうかね。

攻様は吃音という障ガイから周囲と深く交わることなく、独特の思考を持っ
て己の世界を構築していきます。攻様にとって高校で同級となった受様は
神的な至高の存在であり、その独特な執着心で受様を絡め取っていきます。

そしてめでたく恋を実らせ、同棲生活を始めるのですが、受様にとって攻様
は攻様というだけで未知の生命体として君臨していましたが、売れっ子カメ
ラマンにその才能を見出されて弟子となり、将来を有望視されています。

攻様に業界でも有名な賞を獲得させるために師匠は個展開催を攻様に言い渡
しますが、攻様自身が自分の価値を認めないので、ただでさえ無謀かスケ
ジュールなのに準備は進みません。しかし、受様が舞台に望む姿から彼の
恋人として相応しくある為に、自分も最大限の努力をしなくてはと決意し、
個展用の写真を撮り始めます。

そしてそんな攻様にまた受様も刺激されていくという2人の苦悩と切磋琢磨
ぶりがたいへん楽しい素敵な成長ストーリーでした♪

攻様の斜めすぎる受様至高賛美も、受様の捻くれた攻様惚気語りも甲乙つけ
がたいくらい面白かったし、受様にファン活動を禁止されても公開収録に
駆けつけ、舞台の地方公演も網羅する攻様の追っかけを決行する攻様が
すごくツボで萌えました。

私もぜひ「石ころです」な殿下のフォロワーになりたいです♡

受様への愛が溢れすぎてて受様には「キモイ」と言われる所までセットで
多くの方に堪能頂きたいですし、一皮むけた2人が次に目指すステージも
ぜひ読ませて欲しいです (^-^)v

今回はヘタレわんこ×女王様カプで渡海奈穂さん『正しい恋の悩み方』は
いかがでしょうか。こちらも同級生同士の恋物語になります。

8

あの、平良が

あんなに気持ち悪かった平良が、ここまで成長しなんて!
清居の方も、演劇界の巨匠の舞台に出演が決まったはいいけど、稽古では一人だけついて行けず、で、壁をぶち破るために無茶を承知で、、、。
この作品、清居が本当に、強くて、弱くて、かわいくて、
自分の望む、平良の好きな、平良が好きな自分であるために、必要ならば何でも捨てることができる潔さとか、自分の中にある嫉妬心に負けそうになる弱さとか、あれも、これも、みんなかわいい。
ただの気持ち悪いストーカーな攻めと、ただのオレ様王子様な受けのラブコメディじゃなくて、ちゃんと成長していく物語。
この先、平良がどんな風に成長するのか楽しみ。

13

お互いの存在があって、成長していく二人の姿に萌えが滾ります

『美しい彼』の3巻目。

順番としては『美しい彼』→『憎らしい彼 美しい彼 2』の続きになります。シリーズものなので未読だと理解できません。前作未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。

シリーズものは、続きが出るとパワーダウンしていってしまう作品と、続編が出れば出るほど作品に魅力が出るものとに分かれてしまうと思いますが、この作品は文句なく、圧倒的に後者です。

新刊が出るたびに「これ以上萌える作品にはならないだろう」という読者のハードルを楽々超えて、常に萌えがストップ高です。

なぜか。

登場人物たちが、少しずつ成長していっているから。

かな、と思いました。

1作目は高校時代、カースト最下層にいた平良が、「清居」という輝く星を見つけ、そして恋人同士になるまで。
2作目は、さまざまなトラブルに巻き込まれつつもしっかり想いが通じ合うまで。

そして今作品は、二人が、それぞれ自分のテリトリーで、自分の力でもって這い上がっていくお話でした。今いるところで満足しない。常に高みを目指す。

そのために、お互いの存在が、欠かせない―。



人気上昇中の若手俳優として頭角を現し始めた清居くん。そんな彼に、憧れの演出家・上田からオファーが舞い込む。今日も今日とて自信をもって舞台に挑む清居くんだけれど、上田の舞台で彼は自分の演技に迷いが出て―?

というお話。

いつも凪良作品を読むと感じるのですが、この方は言葉のチョイスが絶妙だと思うのです。

端的でありながら、その時の情景をまざまざと読者に魅せつけることができる。

それゆえにくどくどしくないのに、圧倒的な質量を持って読者に迫ってくる気がします。

今作品も「清居くんの葛藤」を軸に、清居くん、そして平良くんの想いが手に取るようにわかる。

清居くんは役者として。
そして平良くんはカメラマンとして。

悩み、もがき、葛藤し、けれどそこから彼らが自身の手でつかみ取ったものとは。

清居くんの事務所の方々に、「割れ鍋に綴じ蓋なカップル」とからかわれるシーンが随所で登場しますが、本当にそうなんですよね。

清居くんは平良くんがいなければ、そして平良くんには清居くんがいなければ、彼らは彼自身として存在しえないのではないか。そんな気がしました。

今作品は「清居くんが俳優としてステップアップできるのか」を軸に展開していますが、それだけじゃないんです。平良くんのカメラマンとしての才能も見え隠れします。

輝かしい才能にあふれていると思っていた清居くんは凡人(でも努力の人)。
平良くんは天才肌。

その本性(といっていいのか)は、実は今までにも描かれていました。その伏線を上手に回収し、こういった展開に持ち込めるとは、凪良さん、恐るべし。

平良くん×清居くんはもちろんですが、個人的に今作品では平良くんの師匠である野口さんにKOされました。

カメラマンとしてずば抜けた感性を持ちながらもおごることなく、けれど仕事には真摯で、でも性格はお茶目。そんな野口さんが平良くんの才能を目の当たりにして言葉を失った。

彼の中でどんな葛藤があったのか。

既婚者ではないようなので、これからいかようにもスピンオフ作れるよね、と思うのですが凪良先生、いかがでしょうか。

平良くんの、どんな姿になろうとも清居くんは絶対的な王であるという傅く姿もよかったですし、「常にきれいな自分を平良に見てほしい」と思う清居くんの恋心もよかったですが、個人的に一番の萌えポイントは平良くんの「石ころです」のツイッター主をすぐに平良くんと見破った清居くんの平良くんへの愛情です。

平良くんの指の小さい黒子に気づくってアンタ…!

と一人悶えてしまいました。

で。

葛西さんの挿絵も素敵でした。

特に表紙!

1巻から順に追って見ていくと、清居くんの愛情のベクトルが手に取るようにわかる。1巻ではそっぽ向いてた清居くんが、今作品では平良くんに乗っかってる。しかもこの清居くんの表情が、

俺の男だぞ。見てんじゃねえよ。

みたいな独占欲丸出しのお顔に見えるのは私だけでしょうか。

おデブちゃんになってしまった清居くんも、ワンコのような平良くんも、そして美しすぎる濡れ場のシーンも、どれももれなく素敵でした。

読後、萌えが上がり切って下がってきません。
「お互いの存在」という、最高で、最強の恋人を手に入れた彼らに、心からのエールを送りたいです。

まだまだ彼らのお話を読みたい。ずっと続いていってほしい、そんな神作品でした。

15

「愛情・努力・勝利」

個人的に「人生を変えてしまうかもしれないBL」と位置付けているシリーズ。
「面白い」とか「キャラが良い」以前に、「このBLが好きだ!このBLと出会えた人生が幸せだ!」という感性にガンガン響いてくる作品なんです。
相性もありますから、こういう作品との出会いは本当に貴重で、続編が読めると知った時にはどれだけ狂喜乱舞したことか…。
そして今回も期待以上のものすごいクオリティでした…。

やはり凪良先生の筆力がね…素晴らしいんですよ。
読まなくて良い文字が一文字もありません。驚異的です。
文字一つ一つが清居や平良の細胞となって、呼吸をし、血液を流し、潜在意識も顕在意識もひっくるめた彼らの世界となって実現しています…いや冗談じゃなく。かといって小難しい表現は無く、とても読みやすい文章なんです。読まされている、説明されているという押しつけがましさも全く無く、ごく自然に込められた一字一文の情報量とパワーに圧倒されるばかり。その文字を必死に追いながら、美しく悩める彼らの人生を堪能させて頂きました。シンプルなのに鋭い質量感のある言葉がたくさん出てきて、「はっ!そうだよな…」と何度も立ち止まっては考えさせられるんです。だからこんなに面白いのにページが進まない進まない笑。でもこんな風にBL作品が自分の思考を引っ張ってくれることがとっても幸せな瞬間なんです。読み終えるのにかかった時間は普段の3倍以上、感動は100倍以上でした。

過去シリーズよりも強く感じたのは「愛情・努力・勝利」のテーマ性。某少年誌のように夢と未来への情熱と迫力を持ちながらも、やはりここはBLの本領発揮とばかりに愛を何度も確かめ合う姿がもうたまりませんでした。面白くならないわけがない。この愛があるからお互いがお互いを高め合っていける、お互いがお互いの光になれるというラスト…まさに理想形の具現化でした。特にエッチシーンはこれまで読んできたBL作品ひっくるめても最高と言わざるを得ない。特別なことはしていませんが、唯々ゆだね合って、許し合って、開き合って、心の底から愛し合うという姿…心の底の底からこの作品に出会えて、しかもネイティブ言語で読めて良かったと胸がいっぱいになりました。

もちろんエッチだけじゃないです。清居くんの鬼メンタル・不屈の闘志・自己分析能力には頭が上がりません。「無様は嫌だ」みたいな普通の人間が普通に感じる気持ちをありありと表出しながらも次の瞬間にはそれを乗り越えていく。追体験することでロールモデルのように読者に気づきを与え成長させてくれる、相当パワーを持ったキャラクターにシリーズを通して進化していました。ちょっと前まで普通の綺麗な高校生だったのに…。正直本当に20㎏太るとは思ってなかった…。何か月も同棲解消して彼氏と会わないなんて思わなかった…。常識破りのスケールです。しかし「着る服決めてたのに」とか勢いで「もう会わない」と拗ねるなどというけしからんギャップも顕在…萌え死ぬ。

一方の平良は「10㎏<砂1粒分」と主張する違う意味で常識を覆す相変わらずの宇宙人ですが、清居への(ファンとしての分も含めて)愛の揺るがなさは世界に誇っていいレベルですね。寄り添って同じ方向を見て包み合うことだけが愛じゃないこと、見るものも見え方も違っていいこと、でもお互いが必要でその距離感じゃないと生まれない美しさがあることを教えてもらいました。「カデン」だろうが「DEBU」だろうが二人が幸せならオッケー!
努力と才能と幸運のベストカップルだと思います。いや本当読めてよかった。生きててよかった。

27

「役者・清居奏」の成長物語

※神評価ですが良い事だけ書いてるわけではありませんので自衛お願いします!

待望の美しい彼シリーズの続編。
悩ましい彼は「俳優・清居奏」の成長物語でした。

2で血と涙でグチャグチャの顔を救急隊員さんや事務所の方に見られて
「あの姿を人に見られたんだからあれ以上恥ずかしい事なんてない」と言っていた清居。
あの出来事が清居が掴めなかった「リミッターを外す感覚」を掴むきっかけになりました。
だったら、体重が増加していく姿も平良に見てもらってそこで感じた気持ちさえも
役者として自分の糧にしていく…というのを粗筋から想像していたんですね。
グチャグチャの醜い顔と太っていく醜い姿は同じ醜いでも清居の中では違うもので
好きな人に太っていく姿を見られたくないという気持ちは分かります。
でも、ここで離れる選択をしちゃうんだ…。
この二人の選択を残念だなって思ってしまった自分がいました。

ここで「乙女な清居可愛いな!!もう♡」ってなれなかったことが
初読では「悩ましい彼」の世界に入り込めなかった、
のめり込めなかった一番の要因だった気がします。
(二回目からは清居にどっぷりのめり込んでいますが)
だからと言って美しい彼シリーズへの愛は変わらないし清居と平良の事は大好きです。
あとがきで先生も仰っていましたが長いシリーズになって欲しいと思っています。
これから20代30代40代と年齢を重ねる二人を見て行きたいです。
ただその中で、あの時の清居を、執念で食べ物を口に入れ続けた清居を、
平良には傍で見ていて欲しかったのです。

だってあの平良ですよ!?
あれだけ気持ち悪くて重い愛を注ぎ続けている平良ですよ!?
もちろん清居自身も「平良が自分の外見だけを愛しているわけじゃない」というのは
分かっていると思うのですが、
自分の外見が変わったことがきっかけで平良から別れを告げられる妄想をしているので
「んんん??ちょっと清居??」って思っちゃうんですよ!!

あと平良!!!
あなたって人は…やっぱり清居に言われたら離れちゃうのね…。
グラム単位で太っていく清居の全てを自分の網膜に焼き付けなくていいのか!?
その全てをカメラに収めなくていいのか!?平良よ!!!!!
どんなに清居が嫌だと泣き喚いても、
別居を拒んだ平良が家に入れないように清居が鍵を付け替えたとしても、
(※そんな事はしてません。未読の方に誤解を与えないよう念のため)
その鍵を壊してでも清居のそばにいるくらいの平良であって欲しかった。

ごめんね平良。勝手な読者で。
平良も本当はそばにいたかったんだよね…。
言いつけ破ってファン活動はしてたけどね…。

1と2のように何度も何度も数えきれないくらい読み返せば、
この時離れる決断をした二人の事も受け入れられるようになるのかな。
100%は無理でも少しだけでも理解できるようになるのかな…。
今はそうなればいいなって思います。
現に初読では涙は出なかったのですが二回目で泣きました。
1と2は強烈なインパクトのある作品でしたが
悩ましい彼はじわじわと心に染みてくる作品なんだと思います。

話の展開については一旦置いておくとして。
清居奏の成長物語としては大満足です。最高です。
泣きました。感動しました。心が震えて痛いくらいでした。
清居が望役を掴んで自分のものにするまでは演出家の上田を何度か見えないマシンガンで撃ち殺しましたけど。
ここは完全に平良の気持ちです。
途中、孤立無援な清居の姿が辛すぎて凪良作品で初めて挫折しそうになりましたから。

清居奏という人間は、ほんとうに恰好いい。
生き方が、強さが、どんなに打ちのめされて惨めな思いをしても這い上がる舞台への情熱。
自分が安奈さんや平良の様な天才ではない事を受け入れたうえで
「天才ではないけどすごい凡人になってやる」という一言に撃ち抜かれました。

自分が極限まで追い込まれた状態になって
世界から人を消した平良の気持ちを、
世界から自分を切り離した平良の気持ちを理解した清居。
「一生理解できない。でも好きだからどうしようもない」と諦めの境地にいた清居が
一番深い所で平良と繋がった瞬間は訳が分からないほどの感動が襲ってきて
ますます清居奏と言う人間が大好きになりました。
平良に置いていかれたくないと必死になる姿に平良への愛の深さを感じました。

だから平良。
次は平良の番だよね。


清居が「平良の隣を歩くのに相応しい清居奏でありたい」と
地べたを這い蹲ってもがいたんだから。

平良に求められている事は「自分と世界を隔てる膜を消さないまま我を出す」こと。
初めての個展がどう評価されるか、今は誰にもわかりません。
今回清居が壁を破って光を見出すまでの過程を読者が苦しくなるくらい丁寧に描いたのですから
平良の個展までの道のりがメインになる「美しい彼4」でも
読者が苦しくて目を逸らしたくなるくらい平良の全てを余すことなく見せて欲しいと思います。

互いに無いものを持っているだけではなく、
互いの孤独や苦しみも理解し共有した二人は「完全無欠」な恋人同士ですね。
二人の未来がとても楽しみです。
そして心の中に嵐が吹き荒れている野口さんのお話も楽しみです。
過去の恋愛も気になりますし、いっそスピンオフで1冊読みたいです!

悩ましい彼は二人の成長に重点が置かれた作品だったので
前作に比べて甘いシーンやコミカルなシーンは控えめに感じますが
平良の清居への崇拝はとどまる事を知らずますますキモウザに磨きがかかって良いです!
20ページ目の丸々1ページを使って持論を展開する様は圧巻です…!
キモい!ウザイ!!でも好き!!
殿下。私も『石ころです』のフォロワーになりたいです♡

15

アヒル隊長もパワーアップ

好きです、好きです、不思議なバカップルのシリーズ!!!
”神”未満の理由としては、もう少し糖分欲しかったかな、、というところです。
清居が憧れていた演出家の舞台に出演するという展開から、役作りや舞台製作の裏側という描写の臨場感が面白かったです。なので、ちょっと二人の物理的な距離があくのです。そのことが、むしろお互いを冷静に知るきっかけになり、未知との遭遇みたいな相互理解が初めて見られたりします…。いつのまにか、カメラマンとしての才能を開花させようとしている平良、実力派の俳優に脱皮しようとしている清居が、相手によりふさわしい自分であろうと試行錯誤する様子が丁寧に描かれています(個人的には清居目線のほうがわかりやすくて好き…。)超思考と試練を経て、よりラブラブになっている、というか恋愛関係としてステージをワンランクあげた二人なのでした。

同棲解消してラブラブ少ないんでは?と不安に思う方もいるかもしれませんが、平良の行動にヤキモキする清居のかわいらしさに悶えること請け合いなので安心してください。見たことないくらい可愛らしいキングに出会えます。超絶”乙女”なのです。なにがなんでも平良の至高のキングであろうとするところが、もはや平良の世界に捉えられているという、”美しい彼”のときと比べてどっぷり溺れている清居がたまらないです。150%自分の下僕であるはずの男に無駄に嫉妬したり、束縛したりする清居は理想の受です。特に沖縄で平良をストーキングするところは萌えました。(大好きすぎだろーー)そんな清居が3㎏痩せる、再会えっち、二人だけじゃなく、私もかなり待ちわびていたので、ありがとうしかありません!!

今回で絆を深めた二人が、もっとイチャイチャするところが読みたいので、ぜひぜひ長くシリーズ化してほしい作品です。あと、平良の味噌汁が大好きな野口さんにも幸せになってほしいんですよね。

9

悩める彼等

続編が発売されると聞き楽しみにしていました。
購入後にじっくりと読もうと思っていたはずが、気がつけばあっという間に読んでしまっていました…もっと読んでいたかった…。
文句なしの神評価です…!!

お話は清居視点・平良視点・清居視点・平良視点と交互に進みます。
若手イケメン俳優として売れ始めた清居に、かねてから憧れの存在であった演出家が手掛ける舞台への出演オファーが!
しかし、嬉しさと熱意はあるものの、普段の自分とかけ離れたキャラクターの役作りに難航し、試行錯誤を繰り返すもなかなか上手くいきません。
顔だけの俳優・客寄せ等とも言われ、自分の美しいと評されている容姿が邪魔だと感じた清居は「皆が抱く美しい清居奏のイメージをぶっ壊してやる!まずはそこがスタートラインだ!」と、役作りの為に+20Kg増量する事、そして舞台が終了し減量するまで平良と別居する事を決意します。
別居したい理由が「恋人に太って醜くなった自分を見られて嫌われたくないから」というのが本当に…かわいすぎます……平良はむしろ見たいと思うよ清居…
突然の別居を告げられた平良はというと、同棲解消と誤解し意気消沈するものの、そうではないと理解した途端、太った清居・清居が太っていく過程も目に焼き付けたいと切望します(笑)
(この辺りのやり取りがすごく平良…笑)
やがて2人は別居をし、清居は舞台・平良は写真界の権威のある賞を目指し個展を開く為に切磋琢磨していき…というお話です。

今作もすごく面白かったです!
タイトルの通り、平良と清居どちらも悩ましい彼なんですよね。
清居は役者として、平良は自分について。
両視点で綴られる物語を交互に読む事で、2人の成長や葛藤する姿がより深く理解出来ます。
清居は平良に、平良は清居に。
お互いに影響を受けて殻を破る姿が印象的でした。
はじめは別居…?!と思ったのですが、お互いを理解したり成長する上で必要な別居だったのかもしれません。
凪良先生の書かれるお話は、緩急の付け方や人の心の葛藤の描き方がとても丁寧でお上手だと思うんです。
不思議な事に、読み手側にグサッと刺さるような、思わずハッとするような発言が多いのはメイン2人よりも周りを固める登場人物達な気がします。
コミカルな部分はコミカルに、読ませる部分はしっかりと読ませる描き方が大好きです。
清居視点での、惑星ヒラ〜の辺りの表現が面白過ぎました(笑)
清居が出演する舞台のあらすじや設定も凄く魅力的で観劇したくなりました!
稽古中のピリピリとした描写も素晴らしかったです。観てみたい…!
そして今作もところどころで清居が本当に可愛すぎるので、前作で悶えた方々はぜひ読んで下さい…どんどん乙女に…可愛いです……
今回一時別居をしている2人ですが、もちろんラブな部分もありますよ!

清居視点は心の内の可愛さが大爆発し、平良視点は相変わらず少々ネガテイブではあるものの、これまでの2作よりも心の成長が見られましたし、今作でまた人間としても恋人同士としても一回り成長した2人の今後をずっと見守っていきたくなりました。
あとがきで凪良さんも仰っていますが、長く続くシリーズになれば良いな…と切望しております!
今回要所要所で大活躍した野口さんのスピンオフも読んでみたいなと思いました…!

29

この作品が収納されている本棚

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