余命わずかな山神様×心優しい薬師の、胸を打つ和風ファンタジー!

白狼さまの恋ぐすり

hakurousama no koigusuri

白狼さまの恋ぐすり
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

261

レビュー数
4
得点
34
評価数
10
平均
3.5 / 5
神率
10%
著者
雨月夜道 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784041083376

あらすじ

人も獣も等しく救う“おくすりさま”と慕われる薬師の弥一は、山の利権を狙う人間と山を守りたい山神との諍いに巻き込まれ、怪我を負う。そんな弥一を助けたのが、子供の頃に一度だけ出会った白狼の山神・月白だった。神域の月白の屋敷に連れられた弥一だが、そこで図らずも月白が不治の病に冒されていることを知る。“命に代えてもお前を治したい”――可能性を信じ、献身的に治療にあたる弥一が愛おしくて堪らなくなった月白は「これからは本気で口説く」と弥一に宣言して…。

表題作白狼さまの恋ぐすり

月白、不治の病に冒されている白狼の山神、22
弥一、『おくすりさま』と慕われる薬師、22

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数4

貴方の一言に支えられて

今回は不治の病に蝕まれた白狼の山神と里で唯一の薬師のお話です。

受様が攻様の不治とされた病の治癒法を探し、共白髪の誓いを立てるまで。

受様は15年前に住んでいた家も家族も戦火に焼かれ、野垂れ死にそうなと
ころを領主の次男坊によって拾われ、手厚い看護を受けます。受様は自分に
も薬師みたいな力があれば家族を助けられたのにと涙します。

受様を助けた薬師は腕は良いものの立身出世を望まず、山に籠って薬草取り
や薬草作りに勤しむ奇特な老人でした。領主の次男坊は周囲を説得して受様
を薬師に弟子入りさせ、受様は薬師の後継者として励みます。

老薬師は久住の地は天から遣わされた神狼が山神となって守る地だと言い、
毎日山神の祠を掃除して感謝の祈りを捧げていました。しかし受様は目に
見えないものを信じられず、何より治療した患者が治ると山神様のお陰だ
というのを理不尽だ思っていました。

そんなある日、老薬師が風邪をこじらせて倒れてしまいます。受様が懸命に
薬を煎じて看病しても一向に回復せず、受様は解熱草に一縷の望みを託して
1人で山に入ります。

運よく解熱草は見つけますが、山道で迷ってしまいます。老薬師に恩返しも
出来ないままに妹の様に儚くなったらと思うと誰でもいいから老薬師を助け
てと叫ばずにはいられません。

するとそんな受様の声を聴いたかのように翡翠色の瞳を持つ白狼が現れます。
白狼は死に賭けながらも老薬師を案じる受様を放っておけずに姿を現したの
です。この白狼が後に攻様となります♪

人語を解する白狼は自身の体温で受様を温め、受様の将来人や獣の患者を
助けたいと言う夢を励まし、そうなったら手助けしやるとまで言ってくれま
す。しかし、受様が山神への信仰を改め、1人前の薬師となっても白狼と
受様の再会は叶わないませんでした。

受様は白狼に告げた通りに里の人間ばかりか山の獣もみる「おくすりさま」
として慕われますが、そんな受様を利用としようと名主ばかりか家督を
継いだ前当主の長男の現領主までも迫ってくるのです。

というのも現領主は山神を畜生と罵り、里人が何かと山神の恩恵を口にする
のを苦々しく思っていたのです。受様の毒薬で狼を殺し、山神を討つ事さえ
厭わない領主に受様はかつての自分を見るようでしたが、白狼との邂逅が
領主と自分との決定的な違いとなったことを痛感します。

しかし、受様に袖にされた領主は毒薬を作らせ、山の泉に流すという愚行を
決行、 兄の動向を訝しんだ次男坊は秘かに受様に毒薬を届けて解毒剤を作ら
せます。受様は獣たちを救うべく入山しますが、山神達は人間である受様を
信じず牙を向くのです。

果たして受様に彼らを助ける術は有るのか!?

生まれながらに病を患う白狼と人間の薬師という種族を超えた恋物語を描く
和風ファンタジーです♪

一般的カップリングでは受様の"健気"率が高いかと思いますが、雨月さんは
攻様の"健気"率が高め、その上人外率も高いという、もふもふ好きな私には
たいへん美味しい作家さんです。

本作もあらすじと設定からしてかなりツボなお話だわ♡とワクワクで手にし
読み始めました (^O^)/

受様は毒薬を仕込んだ領主の手下として怒気しか向けられません。そんな
受様を庇う様に毒に侵された狼が現れます。この狼こそ成長した攻様です♪

攻様は受様の解毒剤を飲み下して山神たちにその効果を見せつけ、受様は
山神たちの里での養生を許されますが、山神たちの人間不信は根深く長の
長子である攻様の兄も受け入れてはくれません。

受様の解毒薬によって回復した攻様は、受様を甲斐甲斐しく世話をします。
山神の里で暮らす中で受様は白狼である攻様が不治の病を患っている事を知
るのです。受様は薬師として攻様の治療をかってでるのですが、治療を受け
る代わりに受様を口説くことを許せと迫るのです。

現領主が神殺しを仕掛けている事からかなりシリアス路線と思って読んでき
ましたら、山神の里が舞台となってからはコミカル傾向になってきて受様が
薬師の腕を活かしてパパッと治療しちゃうの!? とも思いましたが、雨月さん
のお話がそんなにあっさり着地するわけがありません。

攻様の事情は生まれつきの多病だけではなく、人間の向ける山神信仰もまた
攻様の寿命に深く関わっているのです。そして受様が人間界から消えた事を
山神を滅そうとする現領主が利用する事態になり、受様が攻様と幸せを掴む
までハラハラ&ドキドキでとっても楽しく読めました♪

人間を見護る神と神を敬う人間との関係が物語の根幹となります。

誰かを愛する事、信じる事。己の中にある正義を貫き通す事、心を偽らぬ事。
己の望む応えを得るために一時目をつぶっても、それが己の心を偽る行為な
らやがては心が悲鳴をあげることになるのですよ。

山神の存在を認めない傲慢な領主、山神を信じ兄を支える次男坊、人間達を
嫌う攻様の兄狼、受様に懐く攻様の妹狼、山の獣たちが受様や攻様と対立
し、協力し、傷つけられ、て、関係性を変えていきます。

受様が攻様の手を取れて本当に良かったです。

今回は雨月さんの既刊から『千年恋空―ずっと好きな君へ―』をおススメ。
攻様がすごーく頑張る素敵なお話ですごく泣けます。

1

今回可愛いのは攻め

雨月さんお得意の土地神様とそれに愛される身寄りのない人間のお話です。
ただ「いつもとちょっと違うかな?」と思ったのは、今回のお話の受さんは朴訥と言うか、生真面目な人なんです。幼いころの戦乱で、可愛がっていた妹を助けられなかったことをずっと気に病んでいて、長じて薬師になったという……なので「この受さん、もう、可愛いいじらしくてたまりません!」という『雨月さんのあの感じ』が訪れませんでした。それがちょっと残念。

その分、今回のお話は攻めさんがとても可愛い。
2人は子どもの頃に出会っているのですが、このエピソードでも可愛らしいのは圧倒的に攻めさん。
いや、神様なんですけれども可愛い。
そして病弱。
それなの滅茶苦茶男前でもある。
ちょっと新しいタイプ(ひょっとして『今風?』)の攻めさんだと思いましたです。

お話を引っ張るのはこの2人よりも、里の君主である頼義とその弟の義親。
先代が急死してその後を継いだ頼義は山神を信じず、彼らの聖地を奪うことで自国の勢力拡大を図ろうとしています。それに対して弟の義親は、信仰も領民からの信頼も篤い。
でも義親は兄が変わってくれることを信じて、自分が矢面に立とうとは決してしないんですね。
そのせいで山神一族と里の対立がどんどん先鋭化していって、2人が巻き込まれていくという筋立てになっています。

義親の兄に対する盲愛とでも言うような信頼ぶりが、読んでいる途中で「これ、なんかあるのかな?」と勘ぐってしまうほどで、実はわたくしはこちらの関係にちょっとだけ萌えを感じてしまいました。
いや、私が思っているのとは違ったんですけれども(笑)。
でもかなりざわざわさせていただきました。

モフモフあり、剽軽なバイプレーヤーありで、楽しくさらっと読みました。

1

口説く攻め

雨月先生らしいなあと思う作品でしたが、猛烈にささるものを感じられずさらっと読んでしまったので中立より萌にしました。本編230p弱+あとがき。

久住の山奥の庵で薬を作り、人や獣を診ている弥一(やいち)。幼い頃に山中で山神様に出会ったからか、獣たちと意思疎通ができ、とても良い薬を作ることが出来ます。領主の弟にも目をかけてもらっていたのですが、領主は山神の討伐を考えていて、とうとうある日毒を山の水場にまいたようで・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
領主、領主の弟、蒼夜(攻めの兄、なんともユニークなお方・・・)、朱音(攻めの妹)、獣たち少々かな。舞台が山神様たちの里なので、人間少ないです。

**より内容に触れる感想

雨月先生のキャラって、おっちょこちょいさんとか、早とちりさんとか、元気いっぱいさんとかというイメージですが、今作の攻めさんは空元気さん、受けさんもそんなに落ち着きのあるタイプというようには感じられなくて、そんなに萌を感じなかったです。
このキャラだからこそ、体質?遺伝?に起因する虚弱体質を悲劇的にならずに克服していけるので、重くならずに良いし、メンタル強く保って、受けを口説くということが出来るのだと思うのですが・・

攻め受けとも今一つピンとこない中、面白かったのが攻めの兄の蒼夜。妹溺愛、直球一本勝負!という感じの方で、最初やな奴か?と思ったら中盤以降、とても可愛い人になりました。

受けさんも雨月先生の既刊がお好きな方でしたら安心してお読みいただけると思います。
個人的には、攻め受けとも元気良いタイプである場合は、思いっきり笑わせていただくパターンの方が嬉しいのかもしれないと気づいた一冊でした。

2

予想外に甘くて優しい作品でした

雨月先生と言うと、時々びっくりするほど痛い方向にシフトする上に、設定自体も「余命わずかな山神様」。
「これは切ないぞ」と覚悟を決めて読み始めましたが、これが意外や意外、優しくてあたたかいお話でした。
多少切なくはあるものの、それより甘さが勝ってる!!
いや、攻めがこれでもかと分かりやすい溺愛系だからですかね?
ラストの、「これから」を語れるようになった二人には、ジーンと胸が熱くなりました。
50年後も、二人はこうして笑ってるんだろうなぁ。

内容ですが、幼い頃に救ってくれた山神様・月白×「おくすりさま」と慕われる薬師・弥一による、切なくて優しい和風ファンタジーです。

山で一人暮らし、人も動物も等しく救う薬師の弥一。
彼の住む久住の地は、長年山神との約定を守り、信仰する事で人々はつつがなく暮らしてきたんですね。
しかし、山神との約定を覆し、領地の拡大を狙う領主により、禁域に毒が流される事態に。
毒により苦しんでいる動物達を救おうとする弥一ですが、人間に敵意を抱く神狼達に誤解され、怪我を負ってしまいます。
そんな弥一を庇い、助けてくれたのが白狼の月白。
実は幼い頃にも、山で迷った弥一の命を救ってくれた月白ですが、白狼だけがかかる不治の病に冒されていて・・・と言うものです。

まずこちら、設定がかなり複雑に作り込まれてます。
山を山神から取り戻し、人間の利益の為に使わんとする領主。
「山神」として長年この地を守ってきた神狼達。
そして、そんな両者の対立ー。

で、そんな中、人も動物も等しく救い「おくすりさま」と慕われる主人公。
彼が両者の対立に巻き込まれる形で怪我を負い、月白の館に匿われるまでが序盤でしょうか。

ここから、何故かどんどん身体が弱り、20歳程度で死んでしまう白狼だけの運命を知る弥一。
薬師として、そんな彼を救いたいと原因究明を始めて・・・と言う流れです。

と、こちら、設定だけ見ると、結構切ないんですよね。
実際、ちょっと切ない部分もあるんですよね。
が、全体的な印象としては甘さが勝るといいましょうか。

こう月白がですね、かなりの溺愛攻めなんですよね。
白狼である彼は幼い頃から身体が弱く、死ぬ運命にある自分と、なにもかも呪っていた。
それが幼い頃の、自分より人の事を思う弥一と出会い、彼から必要だと言って貰えた事で救われた。
また、その後は弥一の信仰心により、白狼でありながら20歳を越えても生き延びられた。
もう、彼にとって弥一が、生きる意味であり希望であり、そして全てなんですよね。
また、彼はすごく愛情表現がストレートなんですよ。
あちこちデートに誘い、何かと「可愛い」だの「大好き」だの口説きまくる。

弥一は、どちらかと言うと、生真面目で凛々しい青年なんですよ。
そんな彼が月白に全力でオトしに掛かられ、ドギマギと振り回されてるのも、また楽しいなあ!と。

と、そんな中、月白が倒れ、とある法則性に気付いた事から病の原因に思い至る弥一。
それを究明するため、ある賭けに出るんですね。
しかし、月白はどんどん衰弱して行くー。
更に、人間との対立が深まり、彼らの「信仰心」が薄れた事から、神狼達に不調が起こり・・・と続きます。

こちらですね、設定が詰め込まれ過ぎてて、若干慌ただしくも感じるんですよね。
個人的にはもう少し要素を減らして、その分、二人のキモとなる誤解部分とか、月白の命を懸けた行動部分とかを掘り下げて欲しかった。

ただ、ハラハラドキドキととても面白いのも確かですし、落とし所もすごく素敵なのです。
いや、すでに月白の身体はボロボロでして、何年持つか的に不安で仕方ないんですよね。
それが、とってもあたたかくて幸せなラスト。
受けの白髪で、こんなに嬉しい気持ちになるなんて!みたいな。

と、ちょっぴり残念な部分はありつつも、とても優しくてあたたかい素敵な作品でした。

6

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