• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作すべては彼の手の中に

青木和貴・高校1年生→20代
杉原宰 大学助教授・高校3年生→30代

同時収録作品ホーム・スィート・ホーム その後

祐瑚・理系の大学院生(実の兄・4つ年上)
愁・大学生(実の弟)

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

高校三年の夏に宰が知り合った、悪魔のように魅力的な年下の男―和貴。奔放で強引な和貴と正反対な優等生の宰は、戯れのように誘いをかけてくる和貴に困惑しながら「ひと夏のつき合い」を承諾してしまう。好奇心のまま流され、初めて体験する受け身でのセックスに夢中になってしまう宰。「ひと夏」が終わりにさしかかっても真意を見せない和貴に翻弄され、魅入られたように囚われていく宰だったが…。

作品情報

作品名
すべては彼の手の中に
著者
義月粧子 
イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
ホーム・スウィート・ホーム
発売日
ISBN
9784773003109
3

(10)

(0)

萌々

(4)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
28
評価数
10
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

奔放な攻め×意地っぱりな受け

「ホーム・スウィート・ホーム」のスピンオフ作品。私は前作よりこちらの方が好きです。
番外編は前作の続編ですし、登場人物も時系列もリンクしているので読んでいる方が楽しめます。
特に、和貴(攻)のような魔性の男と付き合える高校生・祐瑚がどんなキャラか知っていると、より宰(受)の焦りが感じられます。

前作は自分勝手な兄×ひたすら健気な弟でしたが、今作の受けは年上だけあって抗います。宰の視点なので、和貴の自分勝手な奔放ぶりが目立ちますが、ラストの和貴の本音(研究の邪魔しない・愛してると言わせたかった)を知って読み返すと、またちょっと印象が変わりました。とはいえ、高校時代の感じでは、宰が素直に反応していたら和貴はあっさり飽きちゃったんでしょうけど。

和貴が前作では受けなのに、今作では攻めというのも私には珍しく、王道パターンに飽きた方にお勧めだと思いました。不幸になる人物が出てこないので読後の悪さはなく読みやすかったです。

1

性格ワル攻

帯『はじめから溺れていた……おまえに。』

「ホーム・スウィート・ホーム」のスピンオフ作品。
前作のキャラが関わってくるので読んでおいた方が色々分かりやすいと思う。
そちらでもなんか嫌なヤツだった和貴ですが、スピンオフで更に嫌なヤツに!
しかも「ホーム~」では受だった彼は今回は攻です。
てっきりバリネコかと思ってたんでちと意外。
宰[受]はテニスの試合で和貴[攻]と関わるのですが、それがまあ運の付きとでもいうんでしょうかそれを切っ掛けに以降も長く関わる事になります。
和貴は美形で傲慢で浮気、二股は当たり前の嫌なヤツなんですが、宰も見かけによらず割としぶといというかやられっぱなしじゃなくて結構やり返したりするのでそこはちょっとすっきり。
でも何だかんだんでずるずるくっついちゃうんで、まあ和貴もそれなりに宰が好きなんだなあって感じ。
おもいっきりラブラブの甘いラブストーリーではないですが長い時間がたっているだけあってこれはこれでありかなと思える2人でした。
他に「ホーム・スウィート・ホーム」の兄弟の短編も収録されてますがまあ相変わらずの兄弟でした。禁忌感の欠片もない~~そこが近親物の萌えツボなのに残念~。

0

こんな攻めに惚れたのは、幸か不幸か?

やっぱ不幸かな?

『ホーム・スウィート・ホーム』のキャラが主人公を引っ掻き回す相手になってましたが。
ちょっとだけリンクした部分があって、イラストにもありました。
桜木やや先生のイラストは今回おとなしめ。
両方のお話とも、ラストのイラストがホンワカさせられました。

受の宰くん、かなーーり攻の和貴に振り回されます。
「悪魔のように美しい」ってすごい表現だよね。
この作者さん、イエモンがお好きなようで。読みながら「追憶のマーメイド」が頭の中でリピートしてましたよ。

つかず離れず長くお付き合いしていたのに、昔の恋人(祐瑚)と再び出会って和貴は宰をないがしろ。
グッド(バッド?)タイミングで海外への教授のお話が。
でも、こんなタイミングってベタにあったりする。
合鍵を返して電話で言い合い…がドキドキでしたね。

「私」「俺」「アンタ」がごちゃごちゃで、使い回しがちょっと首をかしげました。

でもラスト、結局宰を追っかけて来ちゃう和貴。なんだかんだで宰がココロん中にいないとダメなんじゃんって、ため息。
思いっきり甘甘な展開に、再びため息。

んで、「こんな攻めに惚れられたのは幸か不幸か?」に変わります。

どうにもこのお話も評判よろしく無いですが…(ここ以外でもⅡ)
面白かったですよ、と思います。何回も繰り返して読んでるもん。

『ホーム・スウィート・ホームその後』はしょーもない激甘でした。
弟くん、意外とズバッと言います。
お兄ちゃん、我がまま勝手がどんどんヒドくなってますね。
やっぱワレナベにトジブタだ。

でも、この二人はこうでなくてはいけない気がします。
お兄ちゃんはとんでもなく独占欲が強いんだけど愛情もとおても強い。
弟くんはどこまでも健気ですべてはお兄ちゃんの為。

ある意味、うらやましいっすよ。

1

不快な話だけど面白かったです

『ホーム・スウィート・ホーム』のスピンオフ作品です。
読んでなくても大丈夫です。

『すべては彼の手の中に』
表題作。
不快な話ですな…w
でもとても面白かったです。
これを愛のカタチと言ってしまいたくはないけど、文化人類学という学問を物語の背景にしてるので、読みようによっては非常に深い話になるなと思いました。ちょっとかじったことがある程度なのですが、文化人類学は面白いです。
攻めはどうしようもないね。
けどまあ、こういうタイプって現実にいるし、実際魅力的だったりもするからタチが悪い。
こういう男はメタボってハゲて不細工になってしまえばいいと思いますw
でも攻めは攻めなりにこの受けを愛している。唯一無二ではないというだけで、「特別」だというのは真実なのだろう。
囚われてしまった受けが悪いのだ。バカなのだ。
この作品は、受けが「男」であることが生きてる気がしました。
もしこの受けが女だったら、どこかで切り替えたり諦めたりできた気がする。そういう能力は、たぶん女のほうが高いと思うから。

『ホーム・スウィート・ホーム その後』
近親相姦なお話の続編です。
前作でも思ったのですが、禁忌感のない兄弟愛にはやっぱり萎えます。
最低な攻めだしさ。
義月粧子さんの書く攻めは大抵最低なんだけど、個人的には魅力を感じるんだよね。悪魔ゆえの魅力みたいなものを。
けど、このお話の攻めからは、そういう悪魔な魅力も感じないっていうのも残念ポイントでした。

1

普通に居るよね、こーいうー男。

攻・青木和貴
受・杉原宰

出会った時点では、和貴は高1、宰は高3。
2歳差です。

美術部の優等生でメガネのインテリで整った顔つきの宰は、校内球技大会のテニスで和貴のチームと対戦し勝利する。
以来、和貴は宰に付きまとうように。
和貴は奔放で傲慢で、宰が今まで接したことのないタイプの人間でした。
付きまとわれている間に身体の関係になり、溺れてゆきます。
大学受験にも集中できなくなったというのに、ある時から和貴は宰を無視するように。
何故かと問い詰める宰に和貴は
「もう飽きた。思ったより簡単で、つまらなかった」
と冷酷に言います。

ここで2人は一旦別れますが、大学院に進学した頃、バイト先の塾で再会。
和貴は高校生の恋人を迎えに来ていました。
宰はかかわる気は無かったのですが、和貴の方から近づいてきます。

結局2人の関係が再び始まるのですが…和貴の本命は宰じゃないんですよ。
宰は高校生のときからずっと和貴に心を捉えられたままだというのに。

宰に出来るのは、和貴よりも優先するものを作ることでした。
本気で追いかけても和貴は自分のものにならない。むしろ以前のように傷つくことは目に見えている。
自分が一番になれないなら、すっぱりと切り捨ててしまえばいいのですが、それが出来ないのだから傷つかない距離をとって付き合うしかないですよね。

30歳を過ぎた頃、和貴が過去に付き合っていた高校生(当時)に再会。
彼に本気になってもいいか?と宰に確認するあたり…性悪です。

それがきっかけで、宰は海外の大学の客員教授の話を受けることに。
事前に和貴には話してあったのに、恋人に夢中で話を聞いていなかったんですよ。
海外渡航期間が5年と知って腹を立てる和貴ですが…。


遊び人で身勝手な攻は数あれど、現在進行形で複数の恋人が居て、しかも受が本命ではないという攻…。
こんなのに本気で惚れてしまったら不幸ですよ~。

和貴に期待しないし、何も望まなくなってしまった宰がかわいそうです。
健気だよなぁ。


好き嫌いの分かれるに違いない作品でした。
私は…好きとは言いがたいのですが、何故か数回読み返しています。
何故なんだ…。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP