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表題作うつむく視線

大手家具メーカー勤務のちに美術大学助教授 新屋馨(34歳)
中学美術教師・白椿 美雪(29歳)

その他の収録作品

  • ささいな後日談
  • 馨先生と美雪くん。(描き下ろし)

あらすじ

愛情に対して臆病だった、中学校の美術教師・美雪を変えたのは、家具デザイナーの馨だった。けれど、心と身体を触れ合わせ、互いにとってなくてはならない存在になるほど、何故か不安が募っていき…!? 恋する切なさ、温かさをぎゅっと詰め込んだ、センチメンタル・ラブ。

作品情報

作品名
うつむく視線
著者
高久尚子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
コアマガジン
レーベル
drapコミックス
シリーズ
フロムイエスタデイ
発売日
ISBN
9784877349059
3.5

(22)

(2)

萌々

(8)

(12)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
78
評価数
22
平均
3.5 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数9

馨への想いを徐々に募らせていく美雪の表情に見入る

 萌2に近い萌評価です。ストーリーとしては波乱は少なく、終始穏やかだったように思います。といっても、馨も美雪も身近な人の死を経験するところから物語が始まるので、どことなく寂しい雰囲気が漂っているのだけど。美雪が控えめな性格なこともあって、軟派な人物のように描かれる馨に対しても真正面から突っかかるようなこともなく、少々時間をかけて2人のペースで距離感を縮めていき、恋愛における価値観をすり合わせていくような展開でした。濡れ場もほどほどに甘くていやらしく、さすが高久先生ですね。いつもストーリーとエロのバランスがちょうど良い。疲れた時にオススメできる作品です。

0

僕の気持ちは…ちゃんと伝わっているかい?大人の優しい恋の話。

今日、9月2日、高久尚子先生のお誕生日なのですね。おめでとうございます。
先生の作品の中でも、うら寂しい物語のひとつです。精神的負債を抱えた大人がいじらしくも、臆病な気持ちを少しずつ開いて、相手を受け入れていく物語。高久尚子先生の作品は、ハッピーでエロエロだったり、恋に一生懸命だったり、楽しいものも沢山あって、そのいずれも大好きですが、時々、本作品のようなトーンのものがあって。先生の綺麗な絵と相まって、憂いを帯びた青年たちが泣きたくなるほどキレイで。たまらない気持ちになります。
きっと手練れで、恋(のようなもの)を沢山重ねて来た馨と。人付き合いが苦手で、全身で拒絶をしていた美雪。美雪を怖がらせない様に、大事に大事に愛そうとしていく馨。
物語は美雪が、学生の流一に尋ねられ、想い出を語る形で綴られていく。現在の二人は落ち着いた関係の恋人同士だが。そもそもの馴れ初めは美雪が母を見舞った病院でだった…。美雪はその3年間を振り返る。
お互いが、美雪の、馨の世界を変えてくれた人。
どうしたら君を幸せに出来るのか?を真剣に考えるという気持ち。
言葉なんかでは足りないと想うほどの気持ち。
「この人となら、上を向いて共に歩いて行ける。」
「素敵なものは、見上げたところにあるよ。」
心にじわじわと広がっていく、温かな優しい科白がそこここに散りばめられていて、ひとつひとつが大切な宝物のようです。

全体にせつなシリアスなトーンですが、「ささいな後日談」として、「幸せ過ぎて怖いくらい…。」という、ホッとするような描き下ろし付きです♡

0

名も心も美しい受け、白椿美雪。

すでに同居して1年の恋人同士の馴れ初めから現在までを回想する、という形式の物語です。
物静かな中学教師の美雪は、病院でナンパされ馨と出会ったという。
3年前の美雪は、笑顔もなく警戒心むき出しで、近付いてくる馨を全身で拒否してるような感じだった。
でも一度寝た後はそこまで深く考えていなかったはずの馨の方が本気になりそうな自分に戸惑うけれど、今までの頑なさから一転、縋るように求めてくる美雪に本当の愛を感じて美雪を幸せにしたいと思うようになる。
美雪は恋愛や人の心に疎くて、純情で真っ直ぐな人間だったんですね。後半は一緒にいられる、というだけで涙を流すような甘々な恋人に変身する美雪。
私的には、「寝た」という事実だけであの頑なな態度が貴方無しでは…みたいに180度変わるのが急に思えて、確かに大人の切ないラブだとは思うけれど、そんなもんですか?と思ってしまったのも事実。でもプロポーズはとっても良かったです。ここは感動。

描き下ろしの「馨先生と美雪くん。」ではいきなりHの先生x生徒プレイで唐突感。エロ補給?
結局切ないのか天然なのかわかんなくなっちゃいました。

0

「フロムイエスタデイ」のスピンオフ作品

全4話の長編、コラボ的な後日談、ベッドでのプレイを描いたショートが収録されています。

「フロムイエスタデイ」のスピンオフ作品ですが、未読でも大丈夫だと思いますが、可能なら2冊続けて読まれた方が良い気がします。
とはいえ、前作の蓮水×流一はショート連作ですしコミカルテイストが強いので、そちらの印象で読むと予想を外されてしまうかもしれません。でも良い方にですよ!発売年が5年後なので当然の話なのでしょうが、こちらの方が現在の高久先生の絵に近くて馴染みがある感じです。

大手家具メーカー勤務×中学校美術教師という二人の恋愛です。
とはいえ、前半はあまり職業がどうということはなく(私が仕事モノ大好きなので…)、「入院患者の家族」同士という関係で、病院での場面が多かったです。

1話は二人の出会い。馨の祖母が亡くなります。
2話は進展(初エッチ!)。美雪の母が亡くなります。
3話は馨の戸惑いと覚悟。
4話は美雪の嫉妬。そして結婚というハッピーエンドです!

二人ともいわゆる年相応でしっとりと落ち着いていますし、身内が亡くなるという展開もあり、じんわりととした甘さのある作品でした。辛いときの笑顔、支えてくれる存在という素敵な話でした。

バカップルだと思ったのに…という流一のセリフは面白かったのですが、どの辺りでそう思ったのかが気になるところでした。

スーツ×スーツの社会人カップルがお好きな方にお勧めだと思います。

1

大人の恋

「フロムイエスタデイ」のスピンオフ
蓮見さんと流一くんも登場します。

主人公の年齢が馨さん34歳と美雪くん29歳という大人のストーリー。

馨さんとの出会いを流一くんに話すところから始まります。

初めて出会ったのは病院。
馨さんはおばあちゃんの、美雪くんはお母さんのお見舞いに来ているときです。
なかなか心開けない美雪くんでしたが、馨さんのロマンチックな詩人のようなセリフに反発しながらも、いつのまにか惹かれていきます。

生きているといろいろなことがあり、辛く悲しいことも忘れてしまいたいことも
目をそらさずに、前に歩いて行かなければならない。
そんなときに、支えてくれる誰かがいたら・・・て思うのは誰でも同じ。
自分の気持ちも相手の気持ちも大切だけど、時にはぶつかりあって
泣いたり笑ったり、励ましたりしながら生きていく。
そんなことを考えてしまうお話でした。

大人で落ち着いていて、優しい馨さんが意外にエロおやじっぱいと
感じてしまったのは私だけでしょうか・・・
番外編、「馨先生と美雪くん」イイわぁ~
馨さんの「観念しなさい」は萌えます。
やっぱりエロおやじ?(笑)

0

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