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表題作吐息まで罪の色

結城章博,行方不明の恋人を探している経済ヤクザ
松崎晴海,記憶を無くし花園海として生きる

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

男娼の海は、突然、経済ヤクザの章博の愛人になるよう命じられる。
海が、彼が探し続けている行方不明の恋人・陽海にそっくりなのだという。
「少しずつ、濡らしてあげよう」つらい行為しか知らなかった海に与えられる、甘い愛撫。
一途に恋人を求める章博の熱に揺さぶられながら海は思う、身代わりでもいい、この温もりに包まれるのなら。
いっそ、自分が陽海だったらよかったのに、と…。
すべてを失っても、この想いだけ残ればいい―狂おしいまでに求める、ただひとつの愛。

作品情報

作品名
吐息まで罪の色
著者
柊平ハルモ 
イラスト
笹生コーイチ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829623084
3.5

(14)

(3)

萌々

(5)

(3)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
46
評価数
14
平均
3.5 / 5
神率
21.4%

レビュー投稿数5

一人勝ち

大好きな身代わりネタです。
身内に薦められて読んだ作品で、色々読む前にネタバレされててたため
細かい設定には驚くことはありませんでしたが、ラストで物悲しい心境になりました。
この話は本当にどう触れていったらネタバレにならないのか
試行錯誤しなければならないほど、繊細で表現するのが難しいお話です。
あらすじを書いてしまうと、面白さが半減します。
まるでミステリーものの犯人を明かしてしまう禁忌なようなものを感じます。
そもそも、本の後ろに書かれている公式のあらすじ自体が秀逸すぎて
内容を読まなければ騙されて引っ掛かるところなので、
是非手にとって、ご自分の目で行く先を確かめて欲しいと思います。
こういう考えさせられる話は大好きです!

この話は「海」「陽海」「章博」この三人が主な登場人物です。
それぞれの視点の話があり、個々の考え方が明白に解るのが面白いところでした。
もしかしたら、少しネタバレになってしまうかもしれませんが、
海を軸に置いて読み進めていたので、ラストは切ない思いにさせられました。
身代わりで良いと思うばかりに、陽海の言動や口調を真似ようとするところなど
章博に殺意を覚えてしまったくらいに痛ましかったです。
あまりにも似ているため、重ねて見てしまうのは当然のことですが、
彼は最後まで海自身を見てあげられていたんでしょうか。
海に感情移入して読んでいたので、攻めの一人勝ち展開に空いた口が塞がりませんでした。
もうちょっと攻めに対して愛着が湧ければ、評価も高かったかもしれません。

4

受け継ぐ想い。

う~ん、他の皆さまも言われてますが、私もこれはネタバレしたくないので、核心を避けようとすると何をどう書いていいのかわからないんですよ。

章博(攻)と、彼が探し続ける恋人・陽海(受)、そして陽海に瓜二つの男娼・海。陽海の身代わりであると承知の上で、それでも章博のぬくもりに惹かれ、いっそ自分が陽海だったらと願う海。
とても切なくて、読み応えのあるストーリーでした。

なんというか、全般にかなり重苦しくて粘着質で、ただ陰湿ではないんです。突き詰めれば、2人の純度の高い愛情だけがある感じです。

ただ、確かにハッピーエンドなんですが、海のことを考えると、それもどうなのかなあ。ハッピーエンドでこんなに複雑な気分になるのってあんまりないです(でも、こういった解決方法エンドは、必然的にそうなりますね。ネタそのものは違うんですが、他の作品でも同じように思ったものがあります。ああ、ズバリを避けようとすると、自分でも何書いてんだかわからない)。

すみません、気になった方は読んでください。オススメです。

3

超絶キスシーン!

プラチナ文庫であまり期待ワクテカにはならない上に、タイトルがいかにもな感じで、サクッと読むつもりだった…んですが。
ちっともテキトーに読めないじゃないか!!!!
寝る前に読み始めて、結局、最後までしっかり読んでしまった…。

ネタバレすると面白さが半減するので、あえてネタバレなしです。

え?それじゃワカラナイ?
じゃー、ちょっとだけ。必読シーン。
証券ディーラーと高校生が、映画館で初めてキスをするシーン。

章博と陽海の初めてのキス場面に悶絶いたしました。
別に悲しいわけではないのに、この息苦しさ、切なさは一体なんだろう。
愛おしさ、憧憬、戸惑い、おさまりきらないほどの溢れる想い、すべてがこのシーンに集約されているんじゃないかと思うほど、痛々しい透明感をもって描写されています。
自分的トップ5に入るキスシーン。
キスとは全身全霊でするものだ、とつくづく考えさせられる。

2

二人の世界

章博は大手証券会社に勤める優秀なディーラーで、カフェで知り合った16才の陽海と相思相愛の仲。しかし陽海の親に無理矢理引き離されてしまい、その後陽海は行方不明に。
恋人を探し続ける章博はやがて裏社会に身を置くようになります。
そこへ陽海と瓜二つの少年、海が現れて・・

ミステリー的なワクワクもあって面白かったです。
詳しくレビューを書いてネタバレしてしまうと楽しみ半減かなと思うので感想だけ書くと・・
攻めの執念が印象に残ったなぁ。エロではない正統派の「執着」というか。

ハッピーエンドだけど冷静に考えると決して受けの為になっていない気が?お互いがいればそれでいいという言葉通りのラスト。それはそうだけど、受けの家族は死ぬほど心配していると思うぞ~

あと、海がいい子だったからちょっと複雑って感想持つ方も私を含めて多そう(^^;)


受けが最初売春をしていたという所を除けば、エロは甘めで平和です。

1

吐息まで罪の色

年差の恋人は妙に少しあまあまでほのぼのと
思う人も多少いるではないか!?

この『吐息まで罪の色』は少し切ないお話です。
主人公の男娼の花園海は、同棲している恒一の代わりに
経済ヤクザの章博(あきひろ)の愛人になるよう命じられた。

だが、章博が探し続けている行方不明の
恋人・陽海にそっくりなのだというのだけれど、
一途に恋人を求める章博の熱に揺さぶられながら海は思う、
身代わりでもいい、この温もりに包まれるのなら。
いっそ、自分が陽海だったらよかったのにと......

突然、ある日に「夢から覚めるように」陽海が目覚めた。


3

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