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表題作兄ちゃんの話

なな(七緒),中二〜成人するまで,嵩大の恋人
嵩大,中二〜成人するまで,家族のために頑張る兄

同時収録作品親友の話

なな,社会人
嵩大,社会人

あらすじ

史嵩にとって、5歳年上でなんでもできる嵩大は自慢の兄だ。
仕事で忙しい母に代わって家事をこなし、
家族の面倒を見ながらも成績優秀で女子にモテる──
そんな兄が、中学に上がり親友のなな君を家に連れてくるようになった。
優しいなな君とすぐ友達になった史嵩だけど、
ある日、兄となな君がこっそりキスをしているのを見てしまい!?

兄の親友×兄の恋を弟の視点から見つめた、
池玲文が描く切なくも温かなラブストーリー!

作品情報

作品名
兄ちゃんの話
著者
池玲文 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
電子発売日
4.6

(80)

(58)

萌々

(17)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
12
得点
368
評価数
80
平均
4.6 / 5
神率
72.5%

レビュー投稿数12

これを名作と言わずしてなんと言おうか

誤解されぬよう、これいわゆる「兄弟ものBL」じゃなくて、平眞ミツナガさんの「兄貴が恋を拾ってきました」(←ちなみにこれも超オススメ) みたいな「兄CPを見守る弟目線」です。

他のレビュワーさんも詳しく書いてくださってますが(しかも田亀源五郎さんの名作「弟の夫」にも言及してくださるなんて・・・!ありがとうございます!)、本作は2014年発表作なんですが、まだLGBTという用語も一般的に定着してなかった頃で、パートナーシップ制度(注1)もありませんでしたし、今でもその制度がない地域では養子縁組でしか法的に一緒になれません。
その時代にこんな作品を生み出すなんて、池センセすごいな?!

神作じゃった・・・めちゃくちゃえがったです。
泣いた。名作じゃ・・・。
(感動すると地元方言が出るタイプの腐女子)

このページ数でキュンもヒューマンドラマもえろも全部ある。
絵も全ページ美しい。
お値段も妥当。77ページ、330円。
ぜひぜひお読みください。

もっと他の著作も読もうと思います。

(注1):
パートナーシップ制度は現在なんと、255の自治体で導入されてるようです。(2023年1月1日時点)
人口カバー率はなんと65.2%、つまり望めば半分以上の日本国民が制度を利用できると・・・。
交付された累計カップル組数は4186組だそうです。
(破局したCP含む)(全てwiki調べ)

2

家族愛

電子版。
家族愛がテーマのいい話。お手頃な価格だし、是非読んでもらいたいです。

母は看護師、夜勤がある。
両親が離婚した後、弟の面倒、寝たきりの祖母の介護、家事一切を兄が担当。

父親代わりでもある弟の目から見た兄は、ヒーロー。
兄が大好きな弟が、兄を偶像化して見ていた幼い頃を経て、
兄を一人の人として生き方を受け入れていく物語。弟は凄く包容力がある。

最初のハードルは、兄の恋人が同性だと知った時。
葛藤を経て、兄の考え方、生き方を理解しようと考える弟。
弟は、大好きな兄の笑顔をもっと見たい。

二番目のハードルは、祖母の死。
実は、兄は介護から解放されて嬉し泣き。その後、兄はそんな自分に嫌悪感を抱く。
恋人とも疎遠になり、その危機を回避したのは、弟。

三番目のハードルは、母へのカミングアウト。
弟が兄を涙の援護・・この場面はとても感動した。

四番目は、弟の恋人ヘ兄を紹介する場面。
弟の恋人も、兄たちを理解して抵抗が無い。

円満な家族を築けたのは、兄が大好きな弟が「鎹」になったから。

池先生が、こんなハートフルな作品をGeofront以外にも描いていたなんて、驚いた。
短編だけどよくまとまっていて、ぐっと涙が溢れる素敵なストーリーに仕上がってました。
良かったよー。

2

すごいぞ 池玲文

4人家族 父はいない
自分を育てたのは看護師の母でも 寝たきりの祖母でもない兄だった

タイトル通り 弟目線で進むお話
正直なところ子どもが出てくるお話が苦手です
寂しそうにしてたり 泣いてたりすると感情全部もってかれちゃうので

でもこれ ちがったわ


中学生になった兄がつれてきた友人になつくのを兄が嫌がる理由を知り 戸惑いながらも大好きな兄を理解していく

池さんの作品に出てくる受けって どこか幼い?と言うか おぼこい? 純粋? 健気?な感じなんだけど これは兄を思う弟がとにかく兄大好きで 健気っぽい雰囲気ではあるんだけど むちゃくちゃ芯が強い

しかも いつもならこの辺でギャグやらトンチキシーン突っ込んでくるよね?って所にもおふざけがなくて 中学・高校・社会人 と成長する兄を通し 母子家庭の大変さ 介護の辛さ 兄と兄の恋人の想い 兄と兄の恋人を守りたい弟の思い 受け入れられない母親と 受け入れてくれた婚約者 をいたって真面目に読まされる 


もうなんならBLすっ飛ばして家族愛の話でいいくらい
最後の最後にちょろっとエロはあるけど どエロい訳でも 喘ぎ声もない 日常の営み的なさらっとしたもの

あ〜【媚の……】シリーズの次にすきだわ
短いながらも すごく優しくて穏やかで 池さんの作品とは思えないくらい 真剣に読んじゃった ←通常はギャグマンガの体で読んでます すみません

欲を言えば 大人になってからの兄と兄の恋人と弟の絡みをもう少し見たかったな.....



普段使いの【池玲文】さんが苦手な方がいたなら 尚更読んでいただきたいな って思っちゃう作品ではあるんだけど そこをゴリ押ししちゃうのが1番の欲深になっちゃうからしないよーーーーーーだw

3

池先生の隠れた名作

池先生といえば安心感のあるデッサン力と巧みなストーリーが濃い世界にマッチしているという印象でした。もちろんこの作品も美しい作画と秀逸なストーリーは変わりませんが、介護というテーマを盛り込んだせいか普段の作品よりもより身近に感じました。
皆さんが仰るように涙が自然とこぼれる作品です。
BL作品というよりも家族愛が全面に出ている印象ですので、優しい気持ちになりたい時に読んで欲しいです。

5

もっとたくさんの人に読んでほしい作品

短さの割に内容も構成もセリフも非常に整って、胸に迫る作品です。
何度でも読み返したくなる。

出てくる人皆がいいひとで。
BLはファンタジー風味の現実味のないいい人ではなく、現実にありそうと思わせる描写はさすがです。
主人公の弟も、兄ちゃんも、彼氏も、彼女も、お祖母ちゃんも。

そして彼の母も、おそらくああ言ったのは母子家庭のコンプレックスの裏返しではないかなと思います。
夫と離婚して自分が稼ぐしかない状況で、親の介護も次男の世話も家事全般を中学生にさせるのは、親として心苦しくないはずがありません。
自分が片親で色々至らず、いろんなものを我慢させて負担をかけたせいで、
どこか歪ませてしまったのではないかと、自分を責める言葉があの形ででてしまったように思います。
(ゲイは歪みではありませんが、普通と違うことに負担が大きいことは事実です)
特に描写はありませんが、冷静になって非常に後悔したんじゃないかな。
あの兄弟を育てたお母さんですし。
弟くんだって言わなかっただけで葛藤はありましたしね。

介護についてもリアルだなぁと。
主担当者の気持ちをよく表している。
まずはほっとして、ほっとした自分に絶望して、悲しいのに嫌悪で悲しめなくて。

なんだか視点が年寄りのそれですが。。
センシティブなお話なので、読み手の年代や時期で感想が変わりそう。

6年前にこんなお話を描かれたこともびっくりです。
ほかにも規制強化への抗議作品(と言っていいのか)を描かれたり、広いアンテナとそれをアウトプットできる力を持つ池さんを尊敬します。

池さんのシュールおもしろ作品も大好きですが、
こんな真摯な作品ももっとひろまってほしい。
そして真摯なのにBLとしても非常に楽しめます。

4

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