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表題作Lover Santa Claus (下)

市蔵五百利・お人好しそうなリーマン
出羽翼(D)・闇社会を孤独に生きる青年

その他の収録作品

  • 交換しましょう、そうしましょう(描き下ろし)
  • カバー下漫画

あらすじ

五百利と同居を始めた翼は、五百利の優しさによって過酷に生きてきた過去の傷が癒やされていく。
いつしか互いを想うようになった二人は身も心も通じ幸せな時間を過ごすが、ある日突然、五百利が暴漢に襲われ瀕死の重傷を負う。
生涯唯一の愛をも運命によって奪われるのかと絶望する翼の前に、突如「サンタクロース」を名乗る謎の男が現れ、とんでもない人生の選択を翼に突きつけるーー!!
魂を揺るがす衝撃のダークファンタジー、上下巻同時発売!!

作品情報

作品名
Lover Santa Claus (下)
著者
九重シャム 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス・リンクスコレクション
発売日
ISBN
9784344845947
3.1

(43)

(18)

萌々

(2)

(4)

中立

(6)

趣味じゃない

(13)

レビュー数
7
得点
116
評価数
43
平均
3.1 / 5
神率
41.9%

レビュー投稿数7

見えないサンタ

 恐らく100%理解はできていないと思いますが、大筋は掴めただろうという前提でレビューします。苦痛に満ち、大切な人からは忘れられる人生でもいいと、他人を守る選択をした翼。過去にあれだけ酷いことを経験し、穏やかな日々を手に入れられなかったのなら、普通はもう辛いことからは解放されたい、何もかも忘れたいのではないかと思う。

 でも、彼にとっては大切な人を守ることが、自分の安らかな生活よりも幸せに感じられるのかもしれませんね。相手に忘れられても自分は相手を想っていられますから、繋がりが絶たれるわけでもない。束の間の幸福を何度も大事に思い出す彼の人生は、不幸の一言では終わらなくなったのかもしれないと思いました。ただ、サンタというシステム、翼が選ばれたことの理不尽さはすんなり飲み込めるものではありませんでした。

0

あぁぁぁぁ〜〜………‼︎(言葉にならない!)

上下巻読んでからの感想です。

作者買いだったのですが、
ここのレビュー読んでからにするべきでした……orz
完全に私の地雷のメリバでございました……

上巻の後半から、
うわ〜これ、幸せの後のどん底かも……と思いつつ、
下巻を読んだら救いが……無い……orz

九重さんらしいちょっとファンタジー入った設定なんですが、
なんでそんな理不尽なサンタ⁉︎と首を傾げ、
一番辛い展開で、さらに追い討ちをかけるような
幸せなクリスマスプレゼント……

その先に、決定的なハッピーエンドがあれば、
ここまで落ち込むことはなかったのですが、
目の前にご馳走を広げられたまま、
それに手をつけられずにお店は閉店ですと言われたような、
そんな気持ちのよくないエンディングに、
さらに暗い気持ちに……

物語の冒頭があれだったので、
ある程度大雑把に展開は読めていたのですが、
大抵は物語が進んで過去から現在に戻ってから、
さらにもうひと展開あって、
よかったねvに落ち着くのですが、
このお話はよかったねvにたどり着きませんでした……

最後も、五百利さんはこのまま(忘れたままの)翼くんを想いながらも、
祈くんと仲良く過ごしましたと暗示しているようで、
祈くんの立場としても、翼くんの立場としても、
とても切なくて辛いです。

必ず見つける!……と、そこまできっちり描き切って欲しかった‼︎

巻末の書き下ろしも……あのエンドの後では傷に塩で辛い……orz

切ない不幸大好き!
メリバドンと来い!な方にはおすすめしますが、
愛があるなら添い遂げさせてよ〜!
BLはハッピーエンドじゃなきゃ!…という
私のようなラブエンド好きさんには決してお勧めしません!

評価は悩みましたが、
九重さんのぐいぐい読ませてしまう筆力と
五百利さんの笑顔に負けて、
限りなくしゅみじゃないに近い「中立」で。

2

サンタクロースって何?

上巻は謎が多く戸惑いながらも、下巻に期待してましたが、謎が深まるばかり。
サンタクロースって結局何がしたいの?
自分の読解力のなさが残念で、読むほどに理解できなかったのですが、
メリバであることは解る。

悉く不幸に見舞われてきた翼が五百利と同居し幸せを感じる。
心を通わせてお互いが大切な存在になり幸せで満たされる二人が…一気に不幸に襲われる。
五百利が暴漢に襲われ瀕死になり、
翼が存在を消して人に尽くすサンタクロースになれば五百利が助かると。

サンタクロースの看視兼取締係のサブローと遍によって、
不幸総受けのサンタクロースの説明がなされるんですが、内容と条件がひどい。
もちろん翼の選択肢は一つですが、今までとは違う感情です。
ずっと大切な人を守る為の選択肢でしたが、
翼に初めて自分のために笑って生きて欲しいという感情が湧き上がる。
側で笑っている五百利を見ていたい、その想いに涙が…。

なんで翼がサブローにロックオンされたのかが解らない。
私は翼が謎の男から薬を貰って殺したことから、呪いが始まったと思ってましたが、
その前からずっと品定めされてたと…読み落としてるのか?

そして、かなりショックだったのは、
大切な人を守り続けた翼の選択肢が、五百利の大切な人を奪っていたという部分。
五百利に赦される感動シーンに繋げてますが、酷いわ。
ここまでくるとゲーム感覚の設定に感じてしまい、
不幸請負人のサンタクロースを育てる為に、翼が不幸三昧で苦しめられてたのか?

私はこのサンタクロースがどうしてもしっくりこないのです。

五百利が不幸にならないよう陰で助けながら、30年一人苦しい世界で生き続ける。
10年に一度のご褒美がメリバの鍵ですね。
このラストからどうハッピー展開を連想できるか、想像力で補える力が私にあればな…。

ただ、幸せを知った翼と常に癒してくれた五百利に萌えで中立評価。

※シーモア:修正は白抜き、トーン描写です。

5

上巻からの期待を見事に・・・

読んじゃいました。下巻。
上巻ラストで「明るい未来への扉が開かれた」的な展開と勘違いして・・・見事に裏切られました!!
なんというメリバ!!!!

後は明るい未来しかないね!という雰囲気から一気に不穏なフラグ登場。
そこからは怒涛の心バッキバキなぎ倒し。
サンタ登場で過酷な選択突き付けて、終いには鬼のような事実をサラリとぶっこむ。

翼に難の怨みがあるの?可哀想すぎる!とか思ってるとサンタのまた鬼のような「五百利に一人分の隙間を作った」。聞かされた時の翼がもぉ見ていられない程に可哀そう。
サンタに殺意を抱く程に翼が可哀想すぎる展開に心が押しつぶされそうでした。

救済的展開も匂わせも全くなく、無情にもご褒美という名の一瞬のまやかしを与え目覚めたときの絶望を手土産に終了。
ツライ。とにかくツライ。心が持たない。
でも、それでも逃げず約束の30年を耐え続けるであろう翼に涙しか出ませんでした。

2

残酷すぎるサンタクロース物語

九重シャムさんは、その意外とダークな作風まで含めて大好きですし、メリバも個人的には問題なかったりします。
でも今回は、完全にダメだった。
何故、このエンドになったかも、正直理解出来ません。

主人公ですが、生まれてからずっと不幸な青年です。
幼少期は酷い虐待を受け、自分の親を殺して祖母に引き取られる。
しかし優しい祖母はすぐに病気で亡くなり、児童養護施設で仲良くなった友達も病気で亡くなる。
祖母が残してくれたお金も、親類にとられる。

で、そんな彼が出会ったのが、胸のうちに孤独を隠し持つお人好しの男・五百利。
彼の優しさによって、過酷な人生を生きてきた翼は、初めて安らぎや幸せを知る。
それもつかの間、五百利は事件に巻き込まれて重症を負いー。

今作ですが、ダークファンタジーとなってるんですよね。
下巻で伏線や謎の部分が回収されますが、これがもう、あまりに残酷な内容で個人的には全然受け付けなかった。

五百利が生死の境をさまよう中、翼のもとに謎の男二人が現れるんですね。
彼等は翼がサンタクロースに就任するなら、五百利の命を助けると約束する。
で、ここからがダーク。
実はサンタクロースと言うのは、人間達の幸福の為に、不幸と苦しみを一身に引き受けて、精神的にズタズタになる存在なんですね。
また、存在自体が誰にも知られず、1年毎、クリスマスのたびに別人に生まれ変わる。

で、翼はサンタクロースになる事を引き受け、翼の存在自体を忘れてしまった五百利を守り続ける。
日に三度与えられる激痛や不幸に耐え続けながらー。
おしまい。

これ、ラストが理解出来ないんですよ。
えっ? 結局二人は結ばれないまま?
翼はサンタとして、人間の為に苦しみ続けるまま?

ラストにですね、十年間サンタを頑張ったご褒美として、翼はつかの間の幸せを貰えます。
そこで、二人で過ごした優しい過去に戻り、五百利と抱き合って愛を語る翼。
涙が止まらなかったですよ。

私はメリバでも全然アリなタイプなのです。
二人が幸せなら、それで良い。
でも、今作ですが、二人とも幸せじゃないよね?
離ればなれで、一人は過酷な運命に耐え続け、もう一人は心に空虚な思いを抱えたまま生きてゆく。
それでも、心から愛する人に出会えた事が幸せって持ってきたかったんだと思うけど、全然幸せじゃないよ!
二人で寄り添いあえる、幸せなラストにして欲しかったよ。
このラストは無い!
このラストは無いよ!!

高評価も多いですし、この作品から深い愛を感じ取れる方も多いのでしょう。
でも私には、作者さんの自己満足にしか思えなかった。
これほど主人公を過酷な目にあわせるなら、最後に救いが欲しかった。
五百利を襲って瀕死の重症を負わせたのが、気が狂った別のサンタだと言うのも、あまりに皮肉で悲しすぎるよ・・・。

読後感ですが、胸がつぶれそうです。
主役二人の愛が成就して、幸せになるのが見たい方は、読んじゃいけないと思う。

9

読み手を選びそうな作品ではありますが

『Lover Sunta Claus』の上巻と同時発売された下巻。

このタイトルから、最後は甘々で、優しい結末が待っている…、のだと思って手に取りました。
が、最後の最後まで、救いはありません。

バッドエンド?
それともメリバ?
ここで終わり?

という、読後、ほのぼのするストーリーではありません。
ハピエンでない作品は好きじゃない、という腐姐さまには回れ右をお勧めします。完全に読み手を選ぶ作品です。

が、壮絶な愛のストーリーです。純愛と言っていいストーリーです。

九重作品は容赦ないダークさが描かれていたり、あるいは人外といったファンタジー要素を多く含む作品が多いイメージですが、今作品もそのイメージを損なうことの無い作品です。





過酷な環境で、自分一人の力で生き抜いてきた翼。
裏社会で、犯罪を犯すことも厭わなかった彼が出会った、五百利という男性。
翼のすべてを受け入れてくれる五百利に愛され、翼がやっと幸せを手に入れる―。

と思ったのもつかの間、五百利が事件に巻き込まれ…。

死の淵をさまよう五百利を救う方法が一つだけあった。
それは…?

という展開。

翼は五百利を救うために、その条件を一も二もなくのみ込む。
その条件を受け入れたら最後、翼は五百利と幸せにはなれないのに。
ずっと苦痛を味わっていかなければならないのに。

翼という青年は、「人のために」自分の人生を費やしてきたと言っても良いでしょう。
愛する人を守るために。
その人のためだけに。

そんな翼の一途な想いと深い愛情に、萌えが滾って仕方なかった。

五百利を守るために、自分を犠牲にした翼が、どこまでも追い詰められるシーンに胸が痛くなります。

最後、ご都合主義的な展開になって二人が幸せになるものだと思って読み続けました。
が、最後の最後まで五百利と翼が結ばれることはありません。

でも。

翼にとって、五百利が幸せである、というその事実そのものが、彼の幸せなのでしょう。
タイトルの「Lover Sunta Claus」。
五百利のことだけを想い、彼の幸せだけを願った翼の姿、のことなのかな。

翼をサンタクロースにした遍とサブロー。
彼らの存在も実に不可思議なもので、これ、続編とか、スピンオフとか、たくさん作れるんじゃないかな、と思うのです。

いつか、ずっと先で良い。
いつも自分を犠牲にして、愛する人の幸せだけを願ってきた翼という青年が、五百利と幸せになってくれたなら。

そんな願望を捨てきれずに読破しました。
ここで終わるからこそ、余韻のある、味のある作品になっているのだということは理解していますが、九重先生、彼らが二人寄り添うシーンが読める作品を、心よりお待ちしています。

五百利が翼に向けた愛情は紛れもなく本物で、それによって翼は救われた。

いわゆるBL的なハピエンではありませんが、二人の相手を想う深い愛情に、最後まで涙が止まりませんでした。

文句なく、神評価です。

7

〝恋人はサンタクロース〟の意味

理不尽過ぎて辛い……
読後の胸の重苦しさったらない。
メリバ?バッドエンド?人によって捉え方が違うと思いますが、
決してハッピーエンドではないです。

上巻ではピンとこなかったけど、
下巻に入ってからガッツリファンタジーでした。

ーーネタバレ注意です!

五百利と幸せな時を過ごす翼。
とても温かくて優しくて、ずっと続いてほしいと思う時間です。

大事な人をもつのはこれで最後にしたいーー
どうかもう奪わないでほしいーー

翼のささやかな希望は無残にも打ち砕かれます。
五百利が暴漢に襲われ、意識不明の重体になってしまうのです。

もうね、本当に辛すぎますよ……
ショックで涙も出ないですよ……

そして、さらに追い討ちをかける展開ーー

翼の前に現れた不思議な二人・遍とサブロー
サブローは翼に、五百利の命を助ける代わりに〝サンタクロース〟になれというのです⁉︎

この二人の登場シーンがコミカルで、
作品全体の雰囲気を考えるとミスマッチでシュールでした。
私はすでに心折れていたので、
このコミカルは受け入れられませんでした。


サンタは、精神がズタボロになるまで苦しめられ、
毎年25日24時区切りで別人として生きていくこと……
しかも五百利から翼の記憶は消え、日に三度苦痛を伴う。
そして、存在を知られないように苦痛だけを友に30年間サンタとして生きていくーー

これだけでも十分理不尽なのに、
今までの辛い人生も翼のことを観察するためのものだったという事実!
他人のために生きてきた翼に与えられたご褒美が五百利であり、
そのご褒美をもらうために五百利の弟の死がありました……


もうね、辛すぎて私は立ち直れないよ。
世の中は理不尽だっていいたいの?
それでもラストに希望を持って読み進めました……

10年後、翼に与えられたプレゼントは短いけど幸福な夢。
五百利と過ごす幸せな時間……

逆にとても残酷だと思いました。


恋人も作らず暮らす五百利も、
心のどこかで翼を待ってるのだと思います。
30年経ったら二人は出会えるのでしょうか?
それを切に望みます!

遍とサブローの存在もハッキリしなかったし、
描き下ろしやカバー下の幸せな二人を見るのも、
もはや辛かったです。

私の中で、この作品を理解するのにはまだ時間がかかりそうです。
九重シャム先生の作品は好きで大概読んでいますが、
こんな読後感に陥ったのは初めてでした……

Hはそこそこありますが、すでに躾けられた翼の身体を思うと辛い。
だけど五百利のセックスはとても優しく、
愛に溢れていました。

どうしよー、思い返すとそれも辛くなっちゃう(´;Д;`)

Renta!修正は白抜きです。

16

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