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表題作ロマンス不全の僕たちは

遠藤進太郎,30歳,美容院店長で元同僚
増井昂大,28歳,美容師

その他の収録作品

  • 雪の日の帰り道
  • あとがき

あらすじ

美容師の昂大には秘かに想う相手がいた。モデルにスカウトされるほどかっこよくて、才能があって、だけどどうしようもなく愛想がなくて口の悪い同僚、遠藤進太郎だ。
周囲には明るくムードメーカーと思われている昂大だが、本当は傷つきやすく、臆病な一面を持っていた。
だから、遠藤に告白するつもりはなく、今の同僚の中では一番親しい同期、という立ち位置で満足しているはずだった。
それなのに、遠藤の地元に引っ越して、遠藤の美容院で働くことになってしまい!?
無口無愛想×隠れ繊細のハートフルラブ登場!!

作品情報

作品名
ロマンス不全の僕たちは
著者
月村奎 
イラスト
苑生 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813013242
4.3

(301)

(171)

萌々

(85)

(30)

中立

(6)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
41
得点
1291
評価数
301
平均
4.3 / 5
神率
56.8%

レビュー投稿数41

なに…このふわふわした幸せな気持ちは…

いや〜〜!あまりのドキドキときゅんで心臓が破裂しそうでした〜……

攻めのえんちゃんに対する片想いを、受け視点で堪能できました。
(普段は攻め時点で受けを見るのが好きなんですが、BLってどっちの視点でも楽しめるのが素晴らしいですよね…一粒で二度美味しい・:*+.)

実はえんちゃんも受けを…と分かった時の、えんちゃんからのキスの描写がもう、たまらんでした。「俺が先にするんだよ」、昨日のあんなへなちょこキスはゼロカウントだかんな、だなんて至近距離で見つめられながら言われたら。
。そりゃ受けも真っ赤になっちゃうしかないよね!頬染めちゃうよね!と心の中が大興奮でした。

無愛想不器用攻めが心情を吐露する場面って、破壊力ありますね…

片思いの切なさと、結ばれた後の多幸感。
そのどちらも最大限に味わえる作品だと思います◎

金木犀香る今のこの時期、ぜひおすすめの一作です♪(作中に出てくる攻めの幼馴染のお店の名前が、「金木犀」なんですね☺︎)

1

思っていたより平坦なお話だった

同僚の域を出ないまま片側の傍にいれるだけでいい片思いな空気感で本の半分以上が過ぎてしまい、ラブに発展する気配を感じずの日常風景が続いていたので、この2人はいつ進展するんだ?後半怒涛の勢いで転じるのか?と思いながら読んでいたのですが、蓋を開けてみたらとっくに両思いな2人だったという。笑
先に好きになったのは昂大の方だけど、それに気づいてそう変わらない時期からえんちゃん(遠藤)も昂大が好きだったそうです。
なんじゃそら!!そういうお話だったのか!

途中えんちゃんの幼なじみのすずちゃん(女の子)とえんちゃんでのカップリング匂わせが入るけど、まぁそれがないだろうことはBL読者として容易く推察可能なんですが、そうですか!!好きなのはえんちゃんではなく昂大の方でしたか!!と。
私は昂大の勘違いと同じ考えで、すずちゃんが髪を触らせる(指名する)のが昂大な理由は好きな人(えんちゃん)に触られるのが恥ずかしいすずちゃんの乙女心と推理してたんです。
私も好きな人に触られるのを喜ぶ前に恥ずかしくなるタイプなので分かるーとか思ってしまっていました。
よく考えてみたら、これはすずちゃんが積極的というわけではなく世の女性はどちらかというとそっち側で自分が少数派なのかもしれないなとはっとさせられました。
接点が増える方が嬉しいし、チャンスが増えるのは嬉しいし、触ってもらえると幸せなのかも。
読者の皆さんはどちら側なんだろう???
とはいえすずちゃん、恋人がいると言っている人にアタックするのはやっぱり積極的だし、自分でも言っていたけど悪女の素質はあるのかもしれません。悪女というか...ハンター気質?
そんな所はギャップだったけど、悪い子じゃないので読んでいて嫌な気分になったりしません。
完全に当て馬というか、着火剤ポジションだったので、寧ろGoodjobって感じでした。

こういっちゃなんですが、読み終わってみるとそんな大した話ではないお話なんです。
でも、後半のささいなイチャつきには何回かニヤッとさせられた。
ささいなイチャつきと書いた通り、濡場もあっさりです。
ページ数もかなり短い。
でも、1ページだけですがとあるページの挿絵のちん...の修正が優しくて、おぉ!?ってなりました。

挿絵といえば、なんでここでこの挿絵が入るんだ?って位置に前倒しで挿入されていてタイミングが合わないのが数枚あります。
明らかに本文の展開より早い所で挟まれるのがネタバレで勿体ない。
なぜあんな位置に差し込んだのか疑問...実に惜しい...

評価が高かったので読んでみたのですが、思っていた感じとは違ったお話でした。
私は読み返すことはないと思います。
学生の時に読んだならもうちょっと評価が上がっていたかもしれません。
えんちゃん、大人っぽい見た目ですが中身は大分若くて、昭和の親父(寡黙で男気あってはっきりものを言う)路線かと思えば小中学生男子(表現力が。特にウザイの件はのちにそういう使い方なんだってなります。それが可愛いなと思える人もいるのだろうけど、私は幼く思えてしまった。)が同居している子なんです。
もしかしたら、ある程度年齢高めの人はこの高評価に見合った満足はないかもしれないなと個人的に思います。
その代わり、日常のありふれた風景のような割と平坦に進んでいくお話のよさが分かる方にはとても向いています。
私は元々そういう系統が向かないタイプなので、神評価の方々はそれを楽しめる方々なんだろうなと思いました。
私の中で月村先生は緩急の強いお話ではなく凪のような作品が多い作家さんではあるのですが、こちらはそれがより強かったように思いました。
私は辛口評価だと思いますが、苑生先生ファンなら、すごく素敵なキャラデザの子達だったし先の通り修正も優しいので見てみる価値はあると思います。
携われた作品どれも素敵ですが、こちらの作品のキャラクターたちのルックスは特に魅力的に思いましたし、とても好みでした。

0

ツンデレとは?

ツンデレ、それはツンとデレの間に境界線があって、それがツン側だったりデレ側だったり。
この物語の遠藤はとてつもなくデレのレベルが低いんですよね。だから人様から見てツンでも、遠藤的にはそれはデレであって、さらにはツンなんか無いんじゃ〜ってとこなんでしょう。新手のデレですかね?(笑)

昂大の自分の性癖を隠しながら、思い続ける健気さ。それでも意を決して遠藤の実家へ行き、そして少しでも長く一緒にいたいという必死の思いが切なくて、どうなることがとやきもきしてしまいましたが、、、、
遠藤はちゃんと昂大にデレてたんですよね、ワカランでそりゃ…ですけど。

彼のある意味真っ直ぐな嘘のないところは悪くも良くもあって、そのせいで昂大は振り回されてたんですが、父親にもそのままパートナーであることを伝えていたり、他人の言葉に左右されないので、何かあってもきっと守ってくれるんだろうなと思います。

あの遠藤が、昂大への欲情をずっと我慢してたとかね、ニヤけました。
ドキドキ、ハラハラ、そしてキュンキュンなラブストーリーで私の中のおすすめ作品になりました。

0

しあわせなおはなし

初めての作家様です。
あらすじと絵柄に惹かれて購入しました。

伝えるつもりのない片思いってすごく好きなんです。
伝えるつもりはないのに、どうやったらそれが相手に伝わるんだろう?って
そこにすごく興味があって、付き合うまでの片思いの切なさも好きなんです。

今回、美容師の昂大と遠藤のお話なのですが、
必死に気持ちを隠す昂大に、
サラッとばらしちゃう遠藤がすごく良かったです…!

遠藤の気持ちがなかなか見えにくかったのですが、
最後に遠藤視点のお話があって
可愛くて仕方ない気持ちがわかってニヤニヤしました。
遠藤視点でもう少し読みたかったなぁとは思ったものの
『結婚』というワードを序盤から当たり前のように
遠藤は出してたので好きな気持ちというのは
そういう箇所からも滲み出てます(*´ω`*)

幸せなお話でした。
読めて良かったです(*´ω`*)

0

二人のやり取り楽しすぎ

ああ言えばこう言うな感じの漫才みたいな二人のやり取りが終始楽しい。
ほんと絡みシーンですら終始コミカルとか、どんなよ 笑
ケンカップル好きなので、めちゃツボなカプでした~

から回る昂大かわいい。てゆかなんか愛しい、絶対幸せになってほしい。そう思うのは実は結構悲しい過去を自分なりに一生懸命受け止めて頑張ってきた背景があったからだなと思った。
ツンしかないと思いきや全部デレ(自称)の実は溺愛属性な遠藤のギャップにも萌えたし…正直はじめ甘さゼロのすんごいクールで、どうしたことかと思ってたので、結構まさかでした。そうかデレなのかと知ってからの遠藤のツンツンはもはやかわいくしか見えん。サブキャラたちもいい人たちばっかで、幸せ…。


遠藤の「声出すとこと黙るとこの解釈が不一致すぎる」発言に吹きました。
細かすぎだけどどうしても書きたくて書いちゃいました 笑

3

読みやすい、挿絵が素晴らしい

普段BLはコミックス派で、小説は今作品で初めて読みました。
きっかけは大好きな苑生先生が挿絵を担当されていたから。
そしてその挿絵がなかなか凄いと評判だったのでw

BL小説ってどんな感じなんだろうと思って読み始めましたが、この作品は小説というよりはラノベという感じだったので、普段小説を読まない方にも読みやすいのではないかなと思いました。
そしてただひたすらキュンキュンする!
ツン攻めのえんちゃんがとにかくカッコいいし、受けの昂大は健気でかわいい。
昂大が片思いをこじらせて空回りしているのかと思いきや、実はえんちゃんは昂大の気持ちに気付いていたし、ずっと前から昂大のことが好きだったなんて、悶えるしかないです。
あと苑生先生の絵で二人の映像が脳内再生されるのがたまらないですね。
エロシーンも文章にするとどうなのかな?と気になっていましたが、文章で読むのも悪くないですね。妄想が広がります。そして挿絵が最高でした!

気になった点は、内容的にはラブコメ・ラノベなのに対して、数か所とても文学的な表現というか文言を使われていて、作品の雰囲気と合わなくてすごく違和感を感じました。
他の作品を拝読したことがないのですが、他作品ではもっと固い感じの文章を書く先生なのかな・・・?

BL小説を読む良いきっかけを与えていただいて感謝です。他の小説作品も少しずつ読んでいけたらなと思います。

1

何度読み返しても……

何度読み返しても良い!

高評価なのも納得。
何というか…かゆいとこに手の届く感じって言うんでしょうか。要所要所で萌えポイントを抑えてくれて、スッキリだし満足。

昴大の盛大な勘違い&早とちりが、そりゃあもう切ないし焦ったいんですが、それを吹き飛ばす最高の結末でした。読み終わったあとまた読み返しました。
俺様感満載の遠藤になかなか感情移入できなかったんですが、遠藤の昴大への気持ちを知ったときに遠藤推しに変わりました!めっちゃ好きだったのね。読み返すと遠藤は無口だし何を考えているか分からないけど、昴大への態度はブレてなかった。あれがデレなのか〜?という疑問は湧きますが、遠藤の性格的にはアリです。

遠藤も昴大を好きだったと分かってからの、グイグイ感が本当に良かった。あまりのスピード展開に昴大は状況についていけていないようでしたが(私もです)、遠藤が今まで我慢していたことの爆発だと思えばそりゃそうだよね!と。あれよ、あれよでした。

昴大が、遠藤と結婚するんじゃないかと勘違いしていたすずちゃんは、実は昴大のことが好きだったということでしたが、すずちゃんがとても可愛いらしくて良い子。遠藤のお父さんも良い人で、作品中悪い人が出てこないのも私的に嬉しいポイントでした。

気になっていた遠藤の俺様態度も、恋人期ではとてもいい感じでした!昴大のことが大好きなのがすごく分かりますよ。振り回される昴大が可愛いし面白いです。

イラストもとても私好みで、もう本当にいいところしかなかったです。何度か読み返してますが、その都度ニヤニヤしています。オススメです!

1

やっぱり、俺様ツンデレ攻めって良い…!

ツンデレと言うよりツンツンツンデレって感じの攻めでしたが、ツンツンしつつも受けを大切に思う雰囲気が伝わってきて最高に萌えました…!
スパダリ全盛期の昨今ですが、やはり原点回帰の俺様ツンデレ攻めって良いですよね……!!

昂大君の謙虚ながらも遠藤を一途に思っている心情が痛いほどに伝わってきて、"両思いになんてなれる訳がない、それでも少しでも長く遠藤と一緒に居たい"と、言う健気さが切なくて胸が締め付けられました。

1〜5章辺りまで、ツンツンな遠藤の態度に昂大君が可哀想に感じて辛かったのですが、両思いと分かってからのデレ解放が半端なかったです。それまでのツンツンの反動で最高に萌えました……!!

デレ解放後の遠藤は相変わらずツンツンしつつも、エロ親父のような発言で昂大君にセクハラしたり、突然キスしたり、幼馴染のすずちゃんへ牽制したりと凄く可愛いです♡
"お前は俺のものだろう?"のジャイアニズムが最高!

他の方も仰る通り、ゆるやかな展開ながらもページから溢れる多幸感が心地よくて一気に読めちゃいました!
読みやすい文章でスラスラ入ってくるので、私のような小説ビギナーさんにもお勧めです。

2

これでデレ全開?

私は美容院ではあまり喋りたくないタイプなので店長を指名したいです。
田舎といってもどの程度の田舎なのかわからないけど、田舎でイケメン2人の美容院って田舎のおばさんには敷居が高いわ。でもこんな腐女子を興奮させてくれる美容院には毎日でも通いたいです。

えんちゃんはいつも冷たい感じだけど、昂大に対してはデレ全開らしい。どこが?って私も思ったけど、最後まで読んだら何となく「デレ全開なのかもしれない・・・」と思った。
わかる人にしかわからないデレって、デレと言えるのか(笑)これから恋人として付き合うと、もっとデレがわかりやすくなるかもしれないですね。

昂大の初めての恋人。一生離さない宣言されてるもんね。ずっとずっとお幸せに。

4

美容師同士のお仕事BL!

元々都会の美容院で同僚だった2人が、ひょんなことで田舎の美容院で働くことになり…?
基本は田舎での話でしたが、都会で働いていた頃の回想シーンもあり、
それぞれがどういうスタイルで働いていたのか、どういう人間なのかもしっかりわかります。

昂大(受け)がえんちゃん(攻め)にベタぼれなのが可愛くて可愛くて…笑
そしてえんちゃんがまぁ~~~~クール×俺様って感じで……
読みながら「おい!えんちゃん!」と何度も言ってしまいました笑

さらっと読める作品でした。面白かったです!

2

続きが読みたい!

続きが読みたい!!
近所の人へのカミングアウトとか、
近所の人の理解とか、その後のほのぼのした日常とか。

そして、表紙が好き!
この2人の空気感がいいなぁ。
多分、肌色率多めのエロエロな表紙は合わないだろうなぁ。

1

お互いの(特に攻め)の気持ちを知れてからがすっきり

 詳細で攻めのキャラ属性に俺様ってあるけど、ちょっと違うと思った。
 不器用とか……素直じゃない……って言う方があってる。

 攻めの幼馴染(女)が出てきます。最初はうわーいらねえ……って思ってたんですが、当て馬でもなく悪女でもなく、いい感じの立ち位置でした。後半は私がすずを好きになってた。嫁にきてくれ。
 前半の受けのノリが苦手で読みきれるか不安だったけど、攻めと結ばれてからは、おちゃらけキャラも発揮しきれてなくて可愛かった。
 攻めのお父さんもめっちゃいい人。

 性指向で虐げられたり等の胸糞展開もなく、ほっこりしながら読めました。

「行く、行くから!」
「まだ何もしてないけど?」
「そっちのイくじゃないからっ!」
 のやり取りかわいい……。

3

デレかた知らないツンツン攻め

BL小説を少しずつ読み始めた初心者ですが、色々な作家さんを知りたくてこちらの作品を手にしました。
苑生先生の表紙に惹かれたのも決定要因です。
表紙を開いてすぐのカラー挿絵には目が釘付けでした。美しい…エロい…萌

設定、展開は両片思いの同期美容師という、それほど珍しい感じではなかったんですが、攻めのえんちゃんこと遠藤がツンツン野郎でして、無愛想で口が悪いドSでありながら内心では昴大をめちゃくちゃ大好きくんなんです。
デレかたを知らずにここまできちゃった感じの攻めなので、両思いになったからと言ってデレデレしません。
相変わらずの塩対応。
でも昴大のえんちゃん大好きマジックと、包容力とコミュ力とユーモアと、あとかなりのドM気質とが相まって、ナイスカップルに仕上がった…そんな2人でした。

俺様攻めはあんまり好きな方じゃないんですが、自分では常時デレてるつもりのえんちゃんが非常に可愛く思えてしまいました。
えんちゃんはかなりの美形設定なんですが、こんな性格じゃきっとあんまりモテなかったと思うぞ。

えんちゃんの幼なじみや、父親にも祝福されて、お互い大好きで大切で…多幸感いっぱいの読後感でした。

3

ツンツンツンデレ

ツンデレ攻めが大好物な身としては盛大に萌えさせて頂きました。
ツンデレといってもツン度がかなり高めのツンツンツンデレぐらい。
受けが嫌われてると勘違いするのも無理ないくらいの塩対応。
でも本人はそれでデレてるつもりなのが面白い。笑
「えんちゃん」と呼ばれることにあれだけ抵抗してた理由が分かった時はまさかすぎて笑っちゃいました。
飛躍しすぎてる!笑

受けの昂大視点なので、報われないと悟りつつも恋心を止められず、少しでも長く遠藤の側にいたいという健気な片想いの心情がよく分かって切ないです。
でも昂大の性格が明るくてツッコミ気質なので、暗くなりすぎずにちょうどいい塩梅で読みやすかったです。

二人の関係が丁寧に書かれてるのでくっつくまでのドキドキを存分に楽しめます。
そして遠藤みたいな普段塩対応なツン男が見せる、理性を抑えられず欲情した様が最高に萌えるんです!
昂大の気持ちが固まるまで何年も待ってたとは思えないぐらいのガッツキぶり。
まあそれぐらいがちょうどいいんですけど!!
願わくばもっとじっくりねっとり長めのエロが見たかった!
月村先生にしては長めな方なのか…

ツンな部分が大半を占めていたので遠藤の自称デレな所をもっと見たい!
ということで続編を希望します。

4

デレしかない

ライトもライトなライトノベルという感じでした。漫画を読んでる感覚に近い。これはこれで面白いけど、商業BL小説に自分が望むものとは遠い。もちろん好みの問題です。

えんちゃんこと遠藤が、"BLジャンル好きが考える攻め"を煮詰めてハイどうぞ、という人物でした。俺様系攻め様に今風の気だるさと現実味を足すとこうなる。
もちろん"BLジャンル好き"の1人なのでこのストレートに萌えを体現した攻めと、明るく可愛く天然かと思いきや実は視野の広い受け(受けもまぁまぁ煮詰めてるな)のラブコメは大好きだけれど、なんとなく抗いたくもなる。

萌〜萌2

3

濁りのない綺麗で楽しいお話。でもなんだか物足りない

疲れて帰ってきて、難しく考えずフワフワ幸せな気分になりたい!そんな時にぴったりの、優しくて愛でエッチで可愛い作品だと思います。悪い人や偏見やショックや濁りが無く、会話が笑えて楽しい。くっつく事は分かってても結ばれる最中まで本をめくる指がゾワゾワしました。

昂大の周りを無理にでも明るくする性格はとても尊敬するし、それ故に自己嫌悪する内面が少し新鮮でした。
正反対の遠藤の無愛想で簡潔なセリフと昂大の応酬が楽しくちょっと勉強になります笑。
遠藤を好きになるエピソードもとても良かった…お互いがどうして好きなのかについて疑問ひとつなく、素敵な人たちです。
最後に出てくる初雪が、この作品の二人がこれから積み重ねる年月にぴったりの表現だと思いました。

良い作品良いタイトルなのですが、読後、この内容でこの題はあまりしっくり来ない感じがしました。
それと、二人の気持ちが通じて恋人になってという、甘いBL小説としての需要には合うのですが、その為に削いだ部分(悪い人や偏見、負の部分、物事の詳細)になのか、物足りなさを感じます。安易に付け加えないところは好感が持ててお話も弛まず良いのですが、メッセージ性はあまり感じられないかな…
何様で悪質な意見だと思いますが、キラキラツルツルした商品に少女漫画の延長線だとしっかり認識させられるようで少し落胆しました。求めるものの違いというだけですが。ご気分を害されたなら、申し訳ありません。もしかしたら「そんなに世の中甘くない」という押し付けが身に染み付いているだけかもしれません。

でも『必要とされる場所ではなく、必要とする場所を選択する』この気持ちと行動はとても大事なものだと思いました。その方が苦しくても自分に素直で後悔なく、変化もある。

遠藤の「ウザい」「似合ってない」言い改める機会が欲しいですね。簡単に変わらないし、あの態度がブレないのも良いのですが、昂大の影響をもっと受けた遠藤が見たい。
というかずっとこの二人のお話の続きを読んでいたいです。

5

文句なしの神評価!

めちゃくちゃ良かった!
ずっと積んでいたのですが、読んでみたら最高に萌えるじゃないですか〜
もっと早く読めば良かったと後悔しました。

受けがね、本当に可愛かった♡
この受け大好き!
温厚で前向き、しかもノリが良くて会話が楽しい。
こういう性格になったのには訳があるのですが、辛い幼少期を感じさせないくらい明るくていい子なんです。
この昂大が片想いしているのが、タレントも顔負けのイケメン美容師・遠藤(遠ちゃん呼びもイイ!)

遠藤は、意地っ張りの照れ屋かな。
昂大とは真逆のタイプです。
寡黙で無愛想だけど、昂大にはメロメロ♡
本人が言葉で上手く伝えられてないけど、溺愛する程愛しちゃってるんですよね。
それが分かるから、めっちゃ萌えた。キュンキュンした!

昂大と遠藤の会話がとても面白いので、最初から最後まで楽しめました。
普通のラブストーリーをここまで飽きさせずに読ませるってすごい!
Hの時まで笑わせてもらいました^^
遠藤のむっつりも良き♡

登場人物たちも皆いい人で、特に遠藤の父にはほっこりさせられました。
あまりにいい人でホロリときちゃったよ。

2

評価に納得!読んで損なし!!

表紙買いしました。

これは余談ですが、従来のbl小説の表紙って、ピンク色でほぼ裸の小柄な美少年とガッチリ体型のイケメンが絡み合ってる...ような感じでしたが最近は本作のように色彩や構図がオシャレでblっぽくない表紙の作品も増えてきました。内容も以前はアラブ・花嫁・社長×庶民が3強のイメージでしたが、最近発売の小説は多様性があり面白いです。とはいえ私も当時は花嫁系タイトルのbl小説を読み漁っていたのですが笑

少々語りすぎてしまいました...話を戻します。

美容師×美容師のお話。受けはお客様の要望に添えるよう会話を楽しみながら施術するタイプの美容師さんで、一方の攻めは腕はピカイチだけれど無愛想で口下手。「その髪型〇〇様には似合わないのでやめたほうがいいですよ」とバッサリ言っちゃう系の美容師さん。そのためか以前働いていた美容院では所属する派閥も違い私生活での関わりはなかった2人。攻めの母親に不幸があり田舎に帰り美容室を経営することになり、受けは攻めについていきます。2人で美容室を営みながら仕事終わりには攻めの幼馴染の親が経営する喫茶店でご飯を食べたりと、攻めに片想いしている受けにとっては幸せな日々が過ぎます。しかしある日攻めの幼馴染に「攻めにも関わりがある大事な話がある」と呼び出された受け。受けは早とちりして攻めが幼馴染と結婚するんだ!と思い勢いで攻めに告白。結局、幼馴染は受けのことが好きだったのですが、攻めと話すことで気持ちが通じ合っていた...実は両想いだったことを知ります。そしてラブラブエッチからの元サヤへというようなお話でした。

クーデレな攻めが、実は受け大好きマンで独立前から受けのことが好きだったのがポイント高かったです。前半は無口で本当にこの2人くっつくの?と思うくらいの攻略しづらそうな攻めだなーという印象でしたが、後半になるにつれて受けのことを本当に尊敬していて大切に思っていることが伝わってきてもうマジで...尊い。

当て馬の幼馴染は女の子ですが、受けに振られても攻めには勝てんわ。あいつ君のことめっちゃ好きやでみたいなテンションでいるようなカラッとした子なので好感持てました。bl当て馬女子の中で一番好きな子かもしれないです。

最後に。尊い2人の日常を丁寧に描いた素晴らしい小説なので読んでない人はぜひ!是非!!読んでください...!!!

3

面白かったです!そして挿絵の修正が・・・!

大好きな月村奎先生の作品で、なぜか買い逃がしていたのですが(そうだ、ペーパー付きがすぐに売り切れてしまって、以来じーっと待っていたのでした)、ようやく入手。
読めてうれしいです。

あらすじは、同じ美容室で働く攻めと受け。
スーパーイケメンですが、常に塩対応のツンツン攻めと明るく、温厚で誰にでも親切で、芯が強く、天使の笑顔の受けがひょんなことで二人きりで働くことになります。

攻めの遠藤が地元に帰りサロンを開くことになり、ずっとひそかに心を寄せていたのにお別れか・・・と酔っ払い涙にくれる受け。
酔った勢いで、「そんなに無愛想だとお客さんこないんだからな!」と絡みまくり。
そうしたら、「なら、おまえが来い、雇ってやってもいい」と攻めがいいました。

もちろん、月村奎作品の受けですから、「夢だな」とか「冗談だな。えんちゃん(攻め)が冗談いうなんて」と、必死に真に受けないようにがんばりますが・・・。
先輩美容師さんに背中を押されたこともあり(受けの恋心はばれてました)、また遠藤に真意を問うと、「今さら来ないは無理。もうアパートも用意してる」と驚異の手回しの良さ。

あとにひけなくなり、遠藤の地元で共に働くことになります。

まあ一緒に働くことになったといっても、いきなりラブがはじまる訳でもなく、それでもなにかと話が出来たりすることに喜ぶ受け。健気です。
さて、そんな遠藤の地元には、遠藤の幼馴染の女子がいました。
これがもう少女まんがか!とつっこみたくなるくらい、華奢で可愛らしい女の子の幼馴染です。受けには攻めと超お似合いに見える。
いつかは・・・と未来を思いながらも、今だけは一緒にいたいと願う受け。
遠藤と幼馴染のすずちゃんが話しているところを見ながら、そう思います。

でも、まだまだ先だったはずの未来が突然、現実味を帯びます。
幼馴染のすずちゃんに「増井くん(受け)と話したいの」と二人で会うことを提案され、遠藤とすずちゃんの結婚、ふたりで店をやるんだ、俺はお払い箱だと呆然とする増井くん。

失意のあまり、またまた遠藤に絡んでしまう増井くん。自分に隠していることあるんだろう、すずちゃんと結婚するんだろうと。ついでに自らの恋心まで暴露。
さらについでに遠藤に口づけ。自爆がすごいですぞ、増井くん。
ザマミロと秘密の解放感と高揚感に満たされますが、長くは続きません。
逃げ帰ったアパートの部屋で、動揺と後悔が襲ってきて、長い片想いの終わりとそれでも遠藤以上に好きになれる人なんていないと涙を流すのでした。
ここ可哀そう。

でもでも、ここから急展開。
おそるおそる、すずちゃんの話を聞くのですが、すずちゃんいわく「増井くんとお店をやりたい」と。すずちゃんはネイリストなのです。
遠藤と店をやりたいの間違いではないか?と訳わかめの増井くん。

そんな増井くんにすずちゃんはズバリ「黒歴史知ってる幼馴染なんてイヤだし、共感力もない遠藤なんてイヤ」とのたまいます。
なんのことはない、すずちゃんの狙いは増井くんだったのでした。
とにかく考えてほしい、返事は後で、とすずちゃんにお願いされ、自分の勘違いと自爆っぷりに頭を抱えながら帰る増井くんの前にあらわれたのは、ジャーン魔王!ではなく、遠藤でした。

お察しと思いますが、こうなったら、大団円です。ハッピーエンドです。
お互いの気持ちを言い合い、キス、そして・・・!
ここから先はノベルスを読んで、月村先生の言葉で読んでほしい。

今回はコメディかというくらい、愉快なシーンがありました。
増井くんは基本、険悪な雰囲気の時はなんとか笑いに持っていこう、雰囲気をやわらげようとしてしまう習性があるのですが、遠藤に迫られた時も必死でいろいろ言ってしまいます。
面白いなあ。

ラブシーンも良かったです。
そして、挿絵が!挿絵にさしかかった時、一度見て、もう一度見てしまいました。
「え、これ、修正忘れてない?いいの?」とびっくり。よーく見るとちっちゃい白ノリの修正はありました。
私は紙書籍で読んでいますが、この作品の他のレビュアーさんが書いていらっしゃったレビューを拝見すると電子書籍では白抜きだったらしいのです。
紙では、がっつり描いてあります。で、白ノリがちょんです。

昨今、BLマンガでも白抜きが多いのに。規制厳しくなってきました。
小説の挿絵とはいえ、こんな甘い素敵な修正はひさしぶりに見ました。

修正の基準ってどうなっているんでしょうね。紙と電子でも違うし、出版社でも違う、電子の各会社でも違う。
この大洋図書のシャイノベルスはすごいです。攻めていると思います。

月村先生の作品はあまりエロを極めているという訳でなく、切ない、健気、ほのぼの作品と思いますが・・・。
他のシャイノベルスはどうなのでしょう。気になります。

衝撃のあまり、修正の話を長々としてしまいましたが、総括すると、面白くておすすめ、買うなら紙が良いかも、でした。
先生ありがとうございました。あとイラストの苑生先生、ファンになりました。素敵な絵でした。

9

二人の同期の美容師の片思いの末のハッピーエンド

昴大は愛のない家庭で育ったことで争いごとを嫌う
人の顔色を読み諍いを収めたり場の空気を和ませるムードメーカー
美容師としては顧客の話を聞き最大限希望を叶えるお話し上手

遠藤は両親ともに人当たり良く優しい家庭に育つが無骨で無口な無愛想
美容師としてはぶっきらぼうな対応ながら顧客の魅力を引き出す

昴大は片思いしている遠藤が親のサロンを継ぐため店を辞め帰郷するときどさくさに紛れて雇われることになりともに遠藤の郷里に赴くことになります。

無愛想な遠藤に唯一の気心の知れた幼馴染の女の子がいます。
家族ぐるみで結ばれることを応援されてることを知ったとき恋の結末を思い知るのです。

いよいよ幼馴染と結婚してしまうのかと思ったとき弾みで告白しキスを奪い逃走!
自分の部屋まで帰って「ザマーミロ」と大笑いしながら涙を流す様子がすごく切なかったです。

誤解と知った後、遠藤に迫られた昴大は、「好みの缶コーヒーが売り切れで飲んでしまったまむしドリンクの成分にやられて血迷ったか」との妄想に笑されました。

焦る昴大の逃げ口上「ずっと片思いの世界で生きてきて一生そこの住人だと思ってたから、俺を好きな世界観に慣れるのに10年くらいかかる」とか「体を見られるなら1ヶ月前からボディラインを整えたい」というあたりの漫才のようなやりとりが面白かったです。

笑わされて泣かされて最後は幸せな気分にさせてくれる作品です。

遠藤の殺し文句「お前が思っているよりずっとお前を必要としている」にはヤラレタっと思いました。

3

傍目にはツンしかない


悪態しかたたかないような攻めに好意を寄せ続ける受け

同僚の遠藤(攻め)に長年片想いしている美容師の昂大(受け)。
遠藤が実家の美容院を継ぐというので、口実をつけてついていって一年。
毒舌の遠藤にコミュ力の高い昂大と美容院の経営はうまくいっていますが、昂大の方の恋の進展はまったくなし。
昂大も全く期待しておらず、良い感じの幼馴染のすずと早く結婚してとどめを刺してくれないかななんてドМなことを考えている今日この頃です。

この作者様の包容力のある攻めの話ばかりを読んでいたせいで、ちょっと意外でした。
多少欠点があるのもそれはそれで魅力ではあるのですが、遠藤はちょっと毒舌すぎな感じがしました。
そして昂大はそうなった背景もわかるとはいえ、ちょっとへらへらしすぎな感じがして、攻め受け両方ともあまり共感できませんでした。

両想いになってからは今まで聞いたことのない本音を話すようになったとはいえ、毒舌は相変わらずで、これが遠藤の愛だとはいえもうちょっと何とかならないものか。
遠藤が好きすぎてへらへらポジティブに返す昂大だから何とかなっているので、昂大がちょっとでもネガティブになったら成り立たない関係なんじゃないかと危惧します。(自分がネガティブ思考なもので)
遠藤のいうデレとはそういうことかと納得してにやにやしている昂大ってすごい。


最後の遠藤視点の短編で遠藤が本当に昂大が好きでたまらなくて、そのそわそわ感をちゃんと表現できないせいで毒舌になっているのがわかるのですが、私なら耐えられないなーと思ってしまいました。
完全な好みの問題かもしれませんが、やはり私は甘さがほとんどない攻めはちょっと...。

わかりにくい愛が好きな方には面白い話だと思いますが、わかりやすく甘やかしてくれる攻めが好きな私にはちょっと合いませんでした。

それでも、長い両片想いが実って、遠藤の父親にも認められて良かったと思いました。遠藤には昂大以上の相手はいないと思うので大事にしてほしいと思います。

8

受けくんドMですか

あらすじから切ない片想いを想像してたんだけど、ちょっと思ってたのと違ってた…。
受けが攻めを好きになった経緯はちゃんと説明されていて納得がいくが、あまりにも攻めが「うぜえ」連呼するのでなんだか萎えてしまい、よく好きな人にこんなこと言われて受けはめげないなあ、と…。

受けが早とちりから暴走してキスしてしまったところから、急速に物語が動くんだけど、実は攻めも…というには、読者側にそれまで攻めからの好意が見えてなくて、いきなりくっついたように感じられてしまうのがちょっと残念だったかな。

受けが彼女いる風を装ってた時に、攻めがどんな反応をしてたとか、受けが女の子に告白されたときにもっと嫉妬してくれるとか、攻めからの矢印をもっと見たかった。受けが断れない性格で、あのまま付き合う羽目になってたら、攻めはちゃんと自分から告白してたのかな?と、そこも少し物足りなく思ってしまいました。

両想いが判明したあとの受けくんの反応とか、初エッチのわちゃわちゃした感じは可愛かったし、読んでて楽しかったです。

6

作品としては普通

月村先生の作品は作家買いだけれど、
この作品はかなり自分の中では評価が低い。
「しゅみじゃない」になりそうだけど、それはファンとして出来ず、
でも「中立」でもないので、結局「萌」評価にしたという感じ。

話がとても普通であって、萌えも満足度も不十分。

ちるちるでずっと1位なのでちょっとビックリ。

展開が普通すぎるのと、攻めがイマイチ魅力的に思えない。
何故だろうか。
あまりにも不愛想すぎて、本当に受けを好きなのか?ということで、
感情が萎えてしまった。

サクサク軽く読めたが、消化不良。

7

私も付き合うなら昴大の方がいいわー。

 とても読みやすいラブコメストーリー。
お話の半分くらいでくっついて、その後はいちゃいちゃしてました。

 受け様である美容師の昴大は、同じ美容室で働く同期のイケメン美容師の遠藤に密かに片思い中。
遠藤が、亡くなった母親がやっていた美容室を継ぐために実家へ帰るというので、お酒の勢いで自分を売り込んで昴大も遠藤の元へと行くことに。
 昴大はムードーメーカーで、いっつも笑顔ないい人だわー。
んで、あんなに愛想のない遠藤と付き合っていけるんだから、芯は強くて一途だよなー。

 遠藤はものすっっごく不器用でわかりにくい攻め様。
え?あれでデレだと自分でおっしゃるの?たいがいにしとけ、と言いたい。
遠藤視点の話を読んだら、「うざい」って言っちゃう遠藤の気持ちは分かったし、昴大を求める愛情も感じまくりだけど、再読してもやっぱり、もっと他に言い様があるだろー、と脱力ですよ。
 しかも、告白は昴大から言わせてるし、「俺のもの」とは言ってるけど、はっきり「好き」だとは告げてないしさー。
わりと最初から好きだったと言うのなら、昴大が遠藤の理容室へ行くって言わなかったらどうするつもりだったんだ、と憤慨しちゃいました。

 好みの問題で、私はもっとわかりやすく溺愛アピールしてくれる攻め様の方が好きだなぁ、と思ったのでした。

 それでも、この2人のテンポのいい会話の流れはとても楽しかったです。
それで、遠藤のわかりにくい愛を見たり感じたりする度、昴大よかったねってうふふってきゅんとしてました。
 また、遠藤のお父さんがとっても優しくていいお父さん。
昴大を「息子を好きでいてくれる人」と自然に受け入れてくれて、よかったねぇ、でした。


 そして、苑生先生のイラストがとっても美しいです。
フェラしてる昴大のシーンがいいんですか!?!?ものです。
昴大の表情がまじでエロい。
背後を気にしつつガン見ですわ。

6

いつもとひと味違う攻め様。

なんだこのツンデレ攻めは!!
ツンデレって言っても「べ、べつにお前のことなんか好きじゃないんだからなっ///」
なーんて可愛いやつじゃなくて、ほぼツンドラ。
無愛想、寡黙、口悪い。
なのに「俺は常にデレっぱなしだ」だと...?

おいこらどの口が言ってんだもっと受けに優しくしろと、ヤキモキしながら読んでいましたが、その分
「百年に一度のデレ期」(by晃大) の破壊力が凄まじかった。。。

先生お得意の "包容力のあるわかりやすい溺愛攻" もたまらんですが、こんな攻め様もキュンとする。
いやもうギュンギュンする。

全体を通して、片思いだけど切なさはほどほどで、ラブコメという印象。
「眠り王子にキスを」みたいに泣ける場面は無し。
キュンキュンするけど、心に響くものがないというかなんというか。
これといった捻りもないし、内容がちょっと薄いのかな。

うーん、評価に迷います。
内容の面白さを考えると萌くらいが妥当かなと思いつつ...
とにかく文章が読みやすくて。
台詞じゃなくて文章そのものがやわらかくて、優しい感じがするところも好き。
何故かは分からないけど、他の人気作家さまと比べても個人的には断トツで読みやすいので、この評価で。

5

コドモは足りなくて雄弁

「女子か」て何度も攻の遠藤くんが言うんですけども…
君は君でコドモか!て何度も思いました。
言葉の足らなさ下手さ、感情の持て余し方。
人としてオトナではなく、評価わかれるとこかもとも思うのですが、
でもだけどめぢゃめぢゃイイ…!!!!

「常にデレてる」発言のあたりでは既に、これアカンめっちゃ昴大のこと好きやろ君、て、脳内のオッさんが遠藤にビシビシ突っ込んでいて、字面通りに読めなくて困りました。
そして畳み掛ける言葉足らずの破壊力!!!
結婚の誤解以降の怒涛の遠藤語録は、どれがトドメて言えないほど凄かった…!
最低限過ぎて誤解しか生まないのに、好きしかなく。言葉より事態が飲み込めなくなるほど幸せが詰まっていて。幸せ自体を疑う昴大くんの回路が、めっっっちゃくちゃワカル!!!

はあ…浮力を持った脳が戻ってきません。

同じ空間にいられるだけでいいととにかく想いを秘めようとする昴大くんの八方美人癖は哀しくて胸が痛かったけれど、遠藤の言葉の真意を混ぜ返せなくて素直になってく様子もうれしい切なさでズキズキします。

月村先生の、受さんを崩していく攻様、て根本がとても好きです。

オマケの遠藤視点のお話も、やっぱりオコサマか!て思うところは多々ありますが甘さの追い討ちでした。降参です。
苑生先生のイラストも遠藤の空気にとてもはまっていて素敵でした。電子の白発光体の修正に慣れてしまった目には、いいの!?てギョッとするほどそのまんまなイラストも入っていて大変ありがとうございますでした。

ですが一つ!どうしても残念だったのは。紙書籍の新書、展開上すごくすごく大事な場面の挿絵の位置が本文より2ページくらい早すぎて、先に展開を知りながら読まないといけない箇所があるところー!アアーそんなことしちゃうのかーってわかりながら読む悲しさ!!
電子もあの位置なんでしょうか…あれは良くないと思います…。発売を楽しみにしてすぐ紙で買っただけに残念でした。

しかしそんなことも吹っ飛ばすほど遠藤の言葉選びの下手さと強さにどっぷり浸かっています。ひと月経って今頃レビューで、
ボンヤリ浸り続けてる頭にも浮かぶベスト of 遠藤語録は
「失っとけ」
です。

12

こじらせてるなぁ

とても可愛らしいお話でした(o^^o)
俺は常にデレっぱなしだって序盤思えばどの口がって感じだけれど
最終的にはお互いのこと大好きすぎるだろー!っていう結論に。
塩かけるとより甘味増す的な?
破れ鍋に綴じ蓋な2人のバランス。
そして蓋を開ければ些細なやり取りに多幸感が......❤︎
何より苑生さんの挿絵がまた素晴らしくて、
相乗効果で登場人物をより魅力的にみせてくれてます(〃ω〃)
ペーパーのSSもたまらん!!!

3

なんだかんだ可愛い二人

攻めの「不器用」なんて単語じゃ片付かないレベルの会話の下手さにずっと笑いながら読んでいた気がします。
月村先生の話はそんなにたくさん読んだことがあるわけじゃないのですが、個人的には「秋霖高校第二寮」の2人みたいな、特に攻めは波多野のことをめちゃくちゃ思い出しました。

割と序盤から、この無愛想な攻めもめちゃくちゃ受けのこと好きなやつだわと思いながら読んでましたが、案の定、定番のカンチガイからのどうしてそうなるのか分からない告白、見事お付き合いまで進んですごく楽しかったです。
受けからの好意に気付いていて自分も好きだなと思っていて、受けの覚悟が決まるまで自分からは告白しないと考えていたあたりはまあ分かるけど、その間にも「将来的に受けは俺と結婚して名字を共にすることになる」と考えてるの普通にめちゃくちゃ怖いし、すごいなお前……と思ってしまうんですが、まあそこが攻めの可愛いところかなとも思うので……。
冗談みたいに引き抜きの話したと思ったら数日後には受けが住むアパート仮契約してたくらいだしね。

受けが「結構俺のこと好き?」って聞く度に、「当たり前のことをなに言ってんだ」って返すのが、そういうとこだよな、と悔しさを覚えながらも敗北を認めざるを得ない部分です。
顔よし、仕事の才能あり、行動力あり、なんだかんだで優しい上に、聞けば好意を否定しないどころか臆面もなく答えてくれるなら、そりゃ顔も赤くなる。

ただ、何度考えても、受けが可愛いことを言う→可愛い、なんか心がむずむずする→それがどうにも鬱陶しい→実際声に出して「うぜえ」と言う→受けの発言に対して「うぜえ」と言ってるように見える、というチャートはおかしいので、一度考え直して欲しい。
受けの優しさに甘えるな。

6

キャラクターに好感を持てるかどうか

によって評価の分かれる作品かなと思いました。
良い意味で月村作品であまり見られない新鮮なキャラクター達でしたね。
あらすじに関しては、他レビュアー様が詳しく書かれていらっしゃるので割愛し、ひとまず読後の感想を。

全編明るく楽しいラブコメディで、2人の漫才のようなコミカルなやり取りは小気味が良いです。
月村先生の作品の中ではかなりポップな印象です。
お話も面白くて、すらすらといつの間にか読み終えてしまっているほど読みやすいのですが…
ですが、どうしてもキャラクター達についていけず…
ちゃんと作中で説明があったのにも関わらず、攻めの遠藤がどこでどう昂大を好きになったのかがちょっと私には分からなかったなあ。
実は両片思いでした!え?!どこで?!みたいな…
ツンデレというかツンツンに近いので、寡黙でズバッと思った事を率直に言う、やや毒舌に近いタイプの辛党美形がお好きな方には堪らない攻めだと思います。
ものすっっごく分かり辛い愛情表現がさり気なくあったりもするので、全く萌えないかと言われるとそうでもなくて…うーん、不思議なキャラクターでした。
遠藤視点の番外編を読むと、不器用で可愛いやつなのかもしれないな…なんて思ったり。

受けの昂大も、遠藤への一途な想いを応援してあげたくなるような良い子なのですが、幼い頃の家庭環境が影響しているとはいえ、ひたすら道化に徹する姿がちょっと読んでいて辛かったです。
(感じ方の問題で、決して暗いお話ではないですよ)
恋人同士となった遠藤と居ても明るく振る舞う道化癖が抜けていないように見えてしまって、基本対応が塩か毒舌という遠藤との漫才コンビのようで楽しくはあるんですけど、ラブなのかと言われると…うーん…
BLというよりも、表現が適切かは分からないのですが、遠藤のキャラクターも相まって、Sっ気のある俺様系の男の子が出て来る少女漫画を読んでいるような感覚に近かったかもしれません。
皆さん高評価ばかりの中、少し下げてしまってごめんなさい。
2人のお仕事描写や、昂大が遠藤の仕事での技術や努力に対してリスペクトの気持ちが強かったのは素敵でした。
遠藤への想いが強過ぎるあまりに、健気さが色々と空回りしてしまっている姿やなんかは可愛いですし、ベッドシーンでも漫才のようなやりとりが続きますが、いざ始まった後の無意識の煽りや声のギャップも良かったです。
お互いにとって夢のような展開で、なんだかんだで相性の良いカップルな気がします。

作中ではあまり何を考えているのかが見えて来なかった、攻め視点でのお話をもっと読んでみたいなと思いました。
番外編を読む限り、不器用で天邪鬼で、感情覚えたてのような姿がなんだか可愛いので、彼の「ムズムズ」が止まらない続編があったらいいな。


そして、苑生先生の挿絵がとっても良かったです!
作中の「イケメン」という設定に対して物凄く説得力のある美しさでした。
とある1枚は紙版ですと修正がほぼ無修正に近いセクシーさなので、興味のある方はぜひ紙版で…!

色々と書いてしまいましたが、大きな事件は起こらず、周りの人達も良い人達ばかりの楽しいラブコメです。
割れ鍋綴じ蓋、ツンツン不器用攻め、明るく健気な受け、ポップで可愛らしいお話がお好きな方におすすめしたい作品です。

9

攻め……

攻めがどこまでも塩対応だし、1mmも恋愛感情が伝わってこないので、これどーやってくっつけるのかな?と読んでたもんだから、あれにはええええっ!?と驚きました。

「俺は常にデレっぱなしだ」
え?どこが?
わかりづらっ!!!
思わず笑ってしまいました。

そういう意外性みたいな面白さはあったんだけど、私はあんまこういう攻め好きじゃないなぁ……と思っちゃった。
「うざい」を常套句にしちゃってるような人、やだなぁって。
SSで攻めの裏事情もわかったし、いろんな意味が込められてるのもわかった。
でもだからって免罪符にはならなかったんですね、私には。
そう考えると、めげずに軽快にボケ返す受けって相当メンタル強いというか、破れ鍋綴じ蓋カプだと思います。
受けが超幸せそうだからいいんだけど……

……などと思いながら、もう一度読み返すと「おまえは俺の店で一生はたらくんだから」とか「えんちゃん」呼びを禁じる理由とかは萌える!
萌えるんだけど、残念ながらやっぱりあんま好きじゃないなぁ…っていう結論にいたりました。
言葉って大事と思ってしまうのと、もっとわかりやすいのが好き……。
(私の好きな攻めは、ご主人様まっしぐらのアホワンコなもんで)

電子の挿絵は真っ白白抜きだったけど、紙は無修正に近かったの??


12

フランク

こんばんは!
無修正に近いんじゃなくて、無修正なんですねっ!
修正忘れ?
(思わず前のめり気味です。)

はぁ。。。。
そりゃ電子じゃ真っ白けっけになるはずだわ……。

「二重の見本のような輪郭に囲まれた大きな瞳、完璧に整った眉〜」という描写を体現していただいた苑生先生の挿絵に感服してただけに、苑生先生の無修正のアレも見たかったなー……。

えすむら

こんにちはー。紙は無修正でしたよ♪なかなかの破壊力でした。

間違いなく幸せな気分になります

読んだ後に、幸せな余韻がつづきます。ずっと読んでいたい…。

人当りのよさと物腰の柔らかさで誰からも好かれる昴大と、美形で腕はいいけど無愛想な遠藤(えんちゃん)は同じヘアサロンで働く美容師で同期、そして昴大は長い間えんちゃんに片思いをしている…。設定だけでも”きゅん”なのですが、読みながら何度も”きゅん”死しかけました。月村先生、凄まじい”萌え”をありがとうございます。

えんちゃんを追いかけて(彼の美容室を手伝うために)、縁もゆかりもない土地で生活(と仕事)をはじめるという大胆な行動ができる昴大なのに、恋愛に関しては、あと一歩、踏み込めないもどかしさがたまりませんでした。昴大の気持ちを知って背中を押す先輩・美容師(八代さん)の「必要とされる場所じゃなくて、自分が必要と思う場所を選択できるのは若者の特権」という言葉が印象的です。とにかく、メインの二人のキャラクター設定が神!なのですが、周囲の人々もとても魅力的なのです。(えんちゃんのお父さんが可愛いです。)

最終的に、どこから両想いになってたんだろう?!と、再度読み返すと、昴大のネガティブ妄想劇場が可笑しかったりします(完全なる自己完結型)。
臆病すぎて、考えすぎて、実は始まっていた恋に気づけずオロオロしてる昴大、おそらく感情表現が苦手なだけの照れ屋で、”うぜぇ(=照れるからヤメロ)”が常套句のえんちゃん、まさにロマンス”不全”の二人の不器用な恋は応援せずにはいられませんでした。

これはこれで完璧にまとまってるんですが、続編希望です!!



10

スパダリ度不要。砂糖より塩みを生かした辛党向けBL。

何でもかんでも、甘けりゃ良いってモンじゃない。
食と同じく、BLにだって好みや気分に合わせた甘さ、しょっぱさ、苦さがあるんです。

しかし数々の甘党作品の名著者:月村奎先生の新作が、結構な辛口仕立てだったので驚きです。
(塩辛いだけで、つらくはないです。)

攻のえんちゃんが、1冊まるごと塩対応!
もちろん悪意や嫌悪、無関心からくるものではありません。
純粋にコミュニケーションのデフォルトが塩対応。
よく言えば寡黙、悪く言えば無愛想。
ちょっと高圧的でトゲのある、飾り気のない言葉の数々。
アウトラインぎりぎり、ぶっきらぼうすぎるコミュニケーションが最初から最後まで続きます。

砂糖ゼロ!
月村先生お得意の甘々王子様な攻めはいません。

だけど、きちんと面白い。
心地よい文章、リアリティのあるキャラとセリフは月村先生の良さそのまま。
「うぜえ」とすぐ言っちゃうような、下手すると読み手を不快にさせかねない攻は、月村マジックで憎めない仕様に。
辛口なのにするするっと読みやすい。

しかもですね、砂糖ゼロなのにちゃんとラブっぽい甘みもあるんです。
えんちゃんの場合、砂糖の甘みじゃなくて、お塩の甘みですね。
塩辛さの中にふわっと、鼻をかすめるほのかな甘み。
もう、すっごいわかりにくいのですが、不器用攻様なりの本気の愛情が読み取れたとき、くすぐったいようなちょっと特別な高揚感を味わえます。
これが甘いだけBLでは味わえない、辛党BLの醍醐味です。

表現力も人間力も足りてない、欠点だらけな攻様だけど、
それはそれで100点満点甘々王子様にはない魅力があるんですよ。
糖度やスパダリ度が低くても、タイトル通りどこかロマンス不全だったとしても、イケメン2人の恋愛は十分に面白くなるんです。

ちなみに受視点で進むのでわかりにくいのですが、受の昂大は実は高スペック男子ではなかろうか。
ムードメーカーとしての会話や動作の瞬発力、健気さ、一途さ、謙虚さ、攻のわかりにくい愛情表現も全部嬉しい!!って喜べる素直さなどなど、ある意味天使かな??それで童貞処女だと??
しかしちょっと複雑な生い立ちもあり、自分でその魅力に気づいていないところもまた応援したくなるタイプです。

苑生先生の挿絵も相当セクシーで…なんかもうアングル!最高!アングル!という感じで一見の価値ありです。
後半を開くときは公共の場は避けた方がよろしいかと。

甘党さんにはちょっと糖度少なめ、スーパー両片想いストーリーとして、
辛党さんには攻様の不器用塩対応を楽しめる逸品として是非おすすめ致します。

7

多幸感ハンパない!

月村先生の新刊。超絶萌えました!ヤバイ!
間違いない。この本を読めば心が10代の頃に戻れる!(鏡は見ないでおきました)
気軽にすらすら読めるのに、萌はたーっぷり詰まっているという、幸せな一冊♡

美容師の昂大は同じ美容師の遠藤に長いこと片想いをしている。
都内の人気美容院から亡くなった遠藤の母が営んでいた地方都市の小さな美容院に移り、一年。
長い長い片想いが動き出す——。

本当にキャラがよかった!
長身超絶イケメンだけど無口無愛想な攻めと、周りの空気を明るく優しくするような受け。
遠藤は無口でたまに発する言葉は結構辛辣。
でも昂大はそんな言葉をうまくかわし、場の空気を和らげます。
2人のやりとりに「えんちゃん(遠藤)マジ冷たい!」「昂大ハートつえーっ」などと一人でニマニマほっこり。
でも遠藤があまりに無愛想で冷たい感じだから、これどうやってくっつくんだろ?と思っていたら…。

諦めと別離の決意と、ある意味ヤケクソで昂大が遠藤にしてしまったキスが、2人の仲を劇的に変えていきます!

もう、中盤あたりからのこのくだりがヤバすぎた。
こんなん悶えるわ!
後半は甘いしエロいしで、多幸感ハンパなかったです。

『雪の日の帰り道』は遠藤視点から。
つい辛辣なことばかり言ってしまう遠藤の本当の気持ちや、遠藤から見た昂大の姿に、これまた萌えた。
素直に「かわいい」って言ってあげればいいのに〜言えないんだろうな〜(笑)

苑生先生によるエロい一枚には、思わず目が釘付けになってしまいました。
外で読むのは“大変危険”な素晴らしいカットでした。
ありがとうございます♡

17

月村作品で初のキャラ萌え、しちゃいました。

神評価と、絶対に続編出して欲しい!っていう想いだけ書いておきたくて。。
こんなに大好きな月村作品に出会えて嬉し過ぎました!
内容や感想は皆様がおっしゃる通りで本当に素晴らしいです!
続編では是非とも、二人のラブラブいちゃいちゃ、そして、ツン(デレ?)×Mっ気まぐわい対決を見たい!!しかも、えんちゃんサイドで!!(切実に!!)

どうかどうかどーうーかー!月村先生がこの大好きな二人&えんちゃんのお父さん♡をシリーズ化して下さいますように!!!!!!

9

見えない"デレ"はデレなのか!?


今回はモデル並みの美形で腕もいいのに口が悪い美容師と
人当たりが良くムードメーカーな美容師のお話です。

受様視点で2人の出会いから恋を実らせるまでと
攻様視点でまとまってからの後日談を収録。

受様の両親は受様が子供の頃からひどく不仲でした。受様は家の空気を
和らげるべく、面白おかしいことを言って1人でボケたり、突っ込んだり
する道化師を演じ続けますが、受様が中学性の時に両親は離婚、家を出た
母は新たな家庭をもち、受様は父と2人の生活の淋しさを誤魔化すように、
ますます陽気に道化続けます。

やがて受様は自分が女の子よりも男の友人に惹かれている自分に気づき、
ます。友人に揶揄われてもムキに否定せず、何を言われても当たり柔らか
く笑いにして返す事を自衛手段するようになります。

そんなふうにして成長した受様が、性格が真逆の攻様に出会うのは美容
の専門学校を卒業して就職した都内のサロンでした。攻様は大学中退で
専門学校に入り直した為に同期で入店しましたが、年は2つ上です。

モデルにも誘われるほどの美貌の攻様は愛想が一切なく、先輩相手でも
納得のいかない事には従わないために反感も買いますが、受様は同期の
よしみで互いの髪でカットやカラーの試作をしあっていたので、攻様が
誰よりも努力家だという事を知っていました。

受様は上手くいかないとつい泣き言や言い訳を口にしましたが、攻様は
常に寡黙でひたむきに努力を重ねる男だったのです。しかも人とつるむ
のも嫌いな攻様は、仕事後の自主練は一緒にしてもプライベートでの付
き合いは一切なかったのです。

そんな攻様に対して受様の気持ちが激変したは父の死で仕事を休まざる
を得なくなった時、攻様が受様の予約客の対応を一手に引き受けてくれ
たと知った事でした。中堅スタイリストとなっていた受様には指名客も
多く、どうしても日時変更のきかない顧客も多かったのです。

自分の客には要望でもダメ出しする攻様が、極力希望に沿うように応じ
ていたそうで教えてくれた先輩も、やれば出来るのかとびっくりしたと
言います。休息時に礼を言うと「同期だから」と押し付けられたと不機
嫌そうに言われましたが、意に染まない事は引き受けない攻様への感謝
の気持ちは薄れることなく、攻様への恋心を自覚するのです。

恋心を自覚しても攻様との関係が変わる事はありませんでしたが、6年
目のある日、珍しく2日続けて休みを取った攻様は出勤した翌日の勤務を
終えると店長に来月末での退職を告げました。

地元で美容室をしていた攻様の母が亡くなり、実家を継ぐために地元に
戻ると言うのです。受様は自分が父を亡くした時の事を思い出し、涙が
こみ上げてきて攻様に縋りつきたい衝動にかられますが、道化役の自分
似は似合いません。

攻様の最終出勤日、閉店後の送別会でも攻様は主役なのに仏頂面です。
酔っぱらった受様は攻様の空気の読めなさ具合に難癖をつけ始め、毒舌
不愛想な攻様を天使の笑顔でフォローして、経営積極の全てを手助けし
てくれる有能な熟練スタッフを雇えと迫ります(笑)

「そんな都合の良い人材はいない」攻様が言えば、受様はいつものノリ
で自分を指さして「ここにいる」とアピールしたら、攻様は「そこまで
言うなら雇ってやるからその手腕を見せてよ」と言い返すのです。

攻様の言葉はその場のノリかと思う受様でしたが、翌日出勤したサロン
では受様の恋心に気付いていた先輩から、必要とされる場所ではなく
自分が必要だと思う場所を選べるのは若者の特権だとアドバイスを受け、
攻様の元に押し掛ける決意をします。

果たして受様の恋は実るのか!?

自分を偽ず他人に迎合しない攻様と空気を和らげるためなら道化にも
なる受様という正反対な性格の2人の恋物語になります♪

受様は子供の頃の家庭環境の影響で、周りの空気を読み、自分がお道化
る事で軋轢を排除するような気配り上手な青年です。同じサロンに同期
として入った攻様が唯我独尊な姿勢を貫いても、真面目な努力家として
頑張る姿を見、受様の忌引き中には顧客に寄り添う受様のスタイルを
踏襲してくれる見え難い優しさに触れた事で思いが膨らんでいきます。

そして攻様が実家に帰る道を選んだ時に、仕事でしか繋がりの無い攻様と
の関係を断ち切れりたくなくて、押しかけスタッフとして攻様の美容院に
転職するのです。

でも攻様の地元には攻様の幼馴染のネイリストがいて、見るからにお似合
いの2人を見る事になり、叶わない恋を諦めるために、自分も架空の彼女
を作たり、2人を応援しようとしたりと、気持ちを隠して健気にふるまう
受様にウルウルさせられました (>_<)

でもそんな受様が惚れた攻様なのですから、本当はすごくいい男なのです。
ぶっきら棒で言葉がストレート過ぎるがために、反感を買ったりしており
ますが、攻様の言葉には裏表がないのです。

そして徐々にツンツンにしか見えない攻様の言動の奥底にある受様への思
いが見えてくると、本人曰くのデレの真意が見えてきたら、もう萌える!!
萌える!! 萌えまくりです♡

受様の勘違いというか空回りと、攻様の想像の上を行きすぎる言葉選びが
2人の恋路を遠回りさせていた事は確実ですが、どうとらえるかは人それ
ぞれ、実ってみるとどっちもどっちというか、割れ鍋に綴じ蓋な2人の恋を
たいへん楽しく読ませて頂きました (^O^)/

個人的に片視点で相手の言動にオロオロ、グルグルする展開が好きなので
すが、攻様パートの短編がある事で、攻様の思考がよりよくわかります。
攻様がデレ成分100%でできている事が判って面白みが増しましです。

今のままでも受様には十分幸せなのかとは思いますが、攻様にはもう少し
わかりやすいデレを見せてあげて欲しいな♡

8

片想いの世界の住人歴8年が急変するとこ!

面白かった!一気読みです。
月村先生の作品の中でもこちらは楽しくスラスラ読める方ではないでしょうか。
主人公が辛い育ちや境遇でもなく、虐げられてなく、片想い相手にわりとポンポン言えて。

たくさんレビューがあるので感想を。

わりと早めにくっついてびっくりしました。
えんちゃんの俺はいつもデレだってのも確かにそうかも。
神様目線で読んでましたがやはり昴大寄りに気持ちが傾いてたのでまさかの展開に驚きました。

昴大が片想いの世界の住民で、たとええんちゃんにお嫁さんや彼女ができても、今より落ち着いてそばにいられるってところが突き抜けてて、好感が持てました。
告白する気も全く無くてそばにいられたらいい、その為にも気持ちをバレないようにエア遠距離彼女を設定してせっせと東京に戻ったり、かかって来た電話を彼女設定にしたり。
片想い辛い悲しい苦しい切ないじゃなくて、明るくて読んでいるこちらも幸せでした。

しかも!えんちゃんがまさか昴大のことを最初から好きで、昴大の気持ちも知ってて、エア彼女の嘘も見抜いてて、時期を待ってたなんて!
俺のものとか、一生店で一緒に働くとか、お前も遠藤になるとか!そこまで考えてたの!

初エッチも昴大の恥じらいや戸惑いとえんちゃんのがっつきがとっても良かったです。二人のやりとりも笑えました。

大晦日の家族団らんも。もう昴大は嫁じゃん!

短編ではえんちゃん視点で。
昴大には手の届かない存在だと思ってたえんちゃんですが、逆にえんちゃんにとっては皆を魅了するうちの自分は一人にすぎないとか。
自分にないものを全て持ってる昴大に惹かれないわけないくらいの。
言葉ではすぐウザイとか言っちゃうけど昴大が可愛くてムラムラしちゃうえんちゃんなんですね。

レビューは読まずに本を読んでみるのでこんなに明るく楽しく片想いが実は両思いで突然実るとは思いませんでした。でもそこも良かった!
仕事が休みで一人の時間を確保できる今日まで取っておいて良かった。

11

読んでてニヤつく自分がキモかった

文句なく神評価でした。

読んでてニヤニヤが止まらなかったです。
序盤は遠藤のツンぶりに昂大の切ない片想いが長いのだろうと思ってたんです。

でも遠藤とハンバーガー食べた過去話とか、送別会辺りから「もしかして」ってワクワクしながら読みました。

本人曰くずっとデレてたらしいですが、分かりにくいです。でも不器用なイケメンが「うざい」って言いながらデレてる姿は物凄く萌えました。

昂大の視点で遠藤が物凄くイケメン表現されているので、胸筋と腹筋も含めて読んでて想像力を掻き立てられてしょうがなかったです。

遠藤はもともとゲイでは無かったようですが、ぶっきら棒なのに昂大に対する独占欲の言葉とか、一生一緒だとか、同じ名字になるから名字で呼ぶなとか、結婚とか言っているのが凄く破壊力があってキュンキュンしました。


8

月村マジック

先生買い。月村先生作品、全部「神」になっちゃうので萌2にしました。途中、「おお!月村マジック!」と思わず吠えたお話「本編200Pほど+攻め視点の10P+後日談」です。現代日本の関東近郊にある美容院舞台のお話で、「ああ、くそっまどろっこしい!でも可愛い!」といったタイプ(要は月村先生通常運転)のお話がお好きな方に超絶おススメです。

想いを寄せている遠藤が、実家の美容室を継ぐために地元に帰ったのを追いかけ?押しかけ?雇われ美容師さんをしている昴大(こうだい)。柔らかい物腰、丁寧な接客をするので年配のお客様に人気です。超言葉少なく、たまに言葉にしたと思っても毒舌な遠藤ですが、真逆な性格の昴大の良いところを認めてくれるような発言をしたり、父を亡くして忌引きをした際に丁寧にフォローしてくれたことから、昴大の中でじわじわ気持ちが大きくなって・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
すず(♀、攻めの幼馴染)+すずの両親、東京での美容院同僚たち(八代さん=お母さん、ええ人や・・)、攻めのお父さん(やっぱりええ人)ぐらい?前半の八代さんがもんのすごく好き。超ナイス。

++月村マジックと思ったところ

昴大は、空気読んで気配りして、場を和やかに盛り上げるスキルたっぷり、職場に是非一人欲しいタイプの方。ややもすればチャラ男に見えかねないと思うこの方が、静かに心の中で毒舌マン同僚を思い続けるなんて・・・ああああセツナイ雰囲気満点じゃんかよーーーーーーーー
超せつなかった眠り王子の再来かあ??

と思って胸がきゅうきゅう痛かったんです。

それが、まあ540度回転するんです。そこがマジックのように思えました。まんまと先生の書きっぷりにハメられた!!と少々口惜しい心地までします。こんなすぱーんと騙されたの、私だけなのかしら。私がおバカちゃん・・・?

まあいいや、後半はひたすら漫才コンビの掛け合いに爆笑、頼むから挿れてる時まで掛け合いするの止めて、でした。ああ面白かった。3回は読み直しましたよ、幸せふくふく感じたかったので。

最後に挿絵について。苑生先生、初めて挿絵を拝見したのですが、「え、一本消し線お描きになるのを忘れてませんか・・?」と思うぐらい、すっごい!と思ったモノが後半にありました。
セーターで顔拭かれたりして、ほんわり可愛い挿絵じゃん・・・とうっとりしていたら、どどん★と来たので、めちゃビビった次第です(笑)車内読みなどはご注意くださいませ。

12

ほっこり、ほのぼの、優しい読後感に包まれます

作家買い。

月村さんて包容力のある攻め×薄幸受けを描かれる作家さまのイメージが強いですが、今作品はそのイメージを大きく覆すCPでした。ツンデレならぬ、ツンツンツン攻め(デレなし)×健気で一途な受けくん。

が、めっちゃ良かった…!

作品の評価を大きく左右するキャラ設定ですが、今作品は完全にキャラ勝ち。主要キャラが素敵すぎて悶え捲ってしまう、そんな作品でした。

主人公は美容師の昂大。
子どものころから不仲な両親のもとで育った彼は、両親を仲良くさせたくて道化を演じる子。場の空気を穏やかにさせることが得意で、周囲に常に気を配る男の子です。

そんな彼が片想いをしているのが、同じ美容師仲間の遠藤(あだ名はえんちゃん)。

イケメンで、美容師としても有能なえんちゃんはとにかく寡黙。
そして、思ったことはお客さんであっても遠慮なく言ってしまう。だから先輩美容師に嫌われてもいる。

が、地道な努力を怠らないえんちゃん。そんな彼に昂大は秘めた恋をしている。

ある日、えんちゃんが地元に帰ることになった。彼の亡き母の残した美容院を継ぐために。
えんちゃんと離ればなれになりたくないと願う昂大だが、とあることをきっかけにえんちゃんの地元に行き、一緒に働けることになり―?

読んでいるうちに、この二人が片両想いだというのは透けて見えてきます。
でも、ジレジレと物語は進んでいく。なかなかくっつかないのです。

が、この少しずつ進む彼らの恋心が可愛いというか、切ないというか。

月村作品ならでは、と言っていいでしょう。
ゲイである葛藤を抱える受けさんの健気な恋心がきちんと描かれていて、そこにがっつり萌えるのですが、今作品のキモは、ツンツン攻めの、えんちゃん。

彼がめっちゃ良い。
毒舌だし、結構きついこともポンポンと言い放ってしまう。
言い放ってしまう、そんな彼の心の奥底に見え隠れする昂大への深い愛情が、なんともじんわりと読者の心を温かくしていきます。

主要CPのこの二人の可愛さはもちろんなのですが、この作品をより一層ほのぼのなものにしているのが魅力あるサブキャラたち。

えんちゃんの幼馴染でネイリストのすず。
えんちゃんのお父さん。

彼らの存在もまた、すごく温かくって癒されます。

個人的にはえんちゃんのお父さんのスピンオフが読んでみたいなあ。
素敵なイケオジの恋のお話。
めっちゃ萌えると思うのです。

本編は昂大視点で描かれていますが、終盤にえんちゃん視点の「雪の日の帰り道」が収録されています。

ツンツンツン、に見えた彼のデレが、めっちゃ良いのですよ、皆さま。

月村作品ならではの切なさ、は、ややなりを潜めていますが、それをはるかに上回る温かい読後感に気持ちがほっこりします。

そして特筆すべきは苑生さんの描かれた表紙。
美しすぎる…!

この表紙、そしてタイトルから、切なさが全面に押し出された作品かと思って手に取りましたが、いい意味で裏切られました。

めっちゃ良かった。
文句なく、神評価です。

17

『多幸感』の一語に尽きる

昨日の夕方に購入し、深夜寄りの時間に仕事がらみの飲み会から帰って来て「ちょっとだけ」と読み始めたらさあ大変!最後まで読んじゃったよ。(なので今はとても眠いです)

このお話は『ハラハラさせる』とか『切なくて気になる』とか、そういう『続きが気になって仕方がない』というタイプのものではありません。だって主人公の2人の恋が成就するのはお話の6割程度の処なんですもの。
「んじゃ、なんで?なんで止まらないの?」と言えば、多幸感です。
このお話、多幸感に溢れている。
お話が醸し出すフワフワした幸せ感から抜けたくなくて、それに浸っていたくて、途中で本を閉じられなかったんですよねぇ。
幸せな気分になりたいと切望する姐さま方は今すぐ読んだ方が良いよ!

月村さん作品なので、切なさ要素はあちらこちらに散りばめられています。
表題作は昂大視点。
美容師の昂大は同期の遠藤に恋をしています。実らせることは不可能と頭から諦めている恋ですが。
この昂大くん、子どもの頃から両親が不仲だったため、その間を取り持つために『家庭の道化師』を務めて来たんですよ。面白い事を言って2人を笑わせるとか、ふんわりした雰囲気を保って家庭がギスギスしないようにするとか。その努力にも関わらず2人は離婚し、お母さんは出て行っててしまうのですけれども。その後自分がゲイであることに気づき、フェミニンな雰囲気を友人から『そっちの人?』とからかわれても、今まで培った『おちゃらけ』スキルで煙に巻いて来ました。そして今は、お客様とのコミュニケーションが大変上手な美容師さんになっている、という訳です。
お話ではさらっと書かれていますが、考えてみると割と悲惨なんです。でも『可哀そう感』は少ないの。

方や遠藤。スカウトが店に来るほどの美丈夫で美容師としてのセンスが申し分ない。おまけに努力家で技術を磨くことにも熱心。だけど、全く愛想ってものを持たない人なんです。あまりものを喋らず、人に意見を言う時も配慮をしない。つまりお客さんにも「その髪型は似合わない」とズバッと言っちゃうし、先輩のことも遠慮なく批判する。

だから昂大くんも最初から遠藤に好感を抱いていたわけではないのです。
でも、とても気になる存在だったんですね。自分が言いづらいことをズバッと言ってくれたりするので。
決定的だったのは、昂大くんをよく見てくれていたことでしょう。彼が単なる『おべんちゃらを振りまく太鼓持ち』ではなく、職場の雰囲気をよくするために行動していることを遠藤は良く解っていたんです。

遠藤の母が亡くなってしまい、その美容院を継ぐため彼は実家に帰ることになります。
送別会の酔った勢いで、押しかけ的に昂大くんもそれについて行くことになり、2人は遠藤の故郷で一緒に働くことになります。そこにいるのは遠藤と幼馴染のネイリスト。お似合いの2人が「くっつくんだろうな」と昂大くんは思っていて、切なくもあり、片一方では遠藤への想いを隠し続けることが必要なくなるので「いっそ早くくっつけ」と思ったりと、千々に乱れる恋心。

ここまでもコミカルに進んできましたが、ここから先がもう、幸せ感のオンパレードですよ。
超メガトン級の多幸感ですよ。
『多幸感』という言葉が本編にも登場する位、多幸感にあふれているんですよ。

同時収録、遠藤視点の『雪の日の帰り道』も良かった。
お腹いっぱいの後に出てきた『大好きなスイーツ』とでも言ったら良いのか。
ほんと、読後は幸せまみれになりました。
幸せを求めるみなさま、ご一読を強くお勧めします。

20

甘くて切なくて可愛くてと、心を撃ち抜かれっぱなしだよ!!

ずっと想い続けるだけだった長い恋が実るまでを、時に切なく、時にほろ苦く、優しくしっとり綴った作品になります。

えーと、今回、攻め受け共に、月村先生では珍しいタイプじゃないかと思うんですけど。
人懐こくて明るいけど実は繊細な受けに、無口で無愛想な攻め。
あれ? こうやって書くと、受けはそうでも無い気がしてきた。

一応誉めてるんですけど、いつものごとく地味で、これと言って特に何も起こらない話なんですよね。
でも、とにかく、丁寧に綴られる主人公の恋心だったり、二人の絶妙な距離感と言うのに萌えるのです。
えーと、ぶっきらぼうな攻めが分かりにくい優しさを見せ、明るいけど臆病受けが、そばで笑顔を見せ続ける的な。
もう、甘くて切なくて可愛くてと、心を撃ち抜かれっぱなしなんだけど!
ついでに、幼馴染み(女子)といい、攻めの父親といい、嫌なヤツも一人も出てこなくてと、とてもあたたかいお話でもあって。
こう、痛さもゼロ。
読後感も最高に幸せ。
いや、最初こそ攻めのオラオラっぷりにびっくりしちゃったけど、後々意外と可愛いヤツだと分かってくるしね。

まぁそんなワケで、王道の片思いにキュンキュンしたい姐さんに、全力でオススメしたいです。
とりあえず、私は萌え転がりました。


ザックリした内容です。
地方都市の閑静な住宅街にある美容院で、美容師をする昴大。
美容院の店長で元同僚でもある遠藤に、長い片思いをしているんですね。
そばに居られるだけで幸せで、決して想いを成就させたいとは思わずと、自分の気持ちをひた隠しにして。
そんな中、遠藤と幼馴染みのすずが結婚する事に気付いた昴大は、ショックからヤケクソでキスしてしまいー・・・と言うものです。

まずこちら、昴大ですが、明るく人懐こいムードメーカー。
ただし、実はとても臆病で繊細だったりします。
両親が不仲だと言う幼少期の家庭環境により、道化役を演じ続けた結果、現在の彼が出来上がったんですね。
こう、何を言われても笑いにして返す事で、自分を守ってる感じでしょうか。

対して、攻めとなる遠藤ですが、こちらは無口で無愛想。
えーと、月村先生と言うと包容力のある溺愛攻めがお約束ですが、今回は全然タイプが違うんですよね。
仕事が終われば「すず(幼馴染み)の所でメシ食って帰る」。
そこで昴大が「じゃあ俺も」と言えば、「図々しい」みたいな。
で、昴大に軽口を叩かれる度に「うざい」みたいな。

いや、何だろう・・・。
やりとりだけ見ると、まさにオラオラ系。
実は最初、「げえっ」ってなったんですよね。
それが読み進めるうちに、無愛想で言葉がキツイだけで、実はとても優しいし誠実なんだと分かってくる。
えーと、おためごかしとか一切せずにストレートに言ってしまう為、煙たがられるみたいな。

と、こんな二人で、甘酸っぱく切なく、時にほろ苦く、しっとり読ませる恋模様。
二人の出会いから、都内の人気店で同僚として過ごした時間。
そして、母親が亡くなった事で実家の美容院を継いだ遠藤に、勢いでついて行く事になった昴大の、幸せな一年間。

二人の絶妙な距離や関係性だったり、昴大の恋心だったりが、繊細に丁寧に語れます。

いやこれ、昴大がですね、とにかく可愛いしいじらしいんですよ。
そばで見ていられるだけでいいと、気持ちをひた隠しにする。
で、好きだとバレないように、(わざとらしく)彼女が居るふりとかしちゃって。
いや、やってる事があさってと言うか、ちょい空回りしてるんですよね。
一生懸命滑車を回す、ハムスターを連想させると言うか。
でも、そんなワタワタしてる様が、可愛くてキュンキュンさせられてしまう。

何だろう・・・。
こう、臆病なのも勿論あるけど、男だと言う点で、自身が絶対に恋愛対象にはならないと思ってるんですよね。
この部分の切なさと言うのがしっかり書かれてるんですけど、傷ついても平気なふりを懸命にしてるのに、グッときちゃうと言うか。

あと、こんな感じでくっつくまではちょっぴり切なかったりするんですけど、結ばれた後は激甘。
そもそも、こんな感じの主人公なので、盛大な勘違いをやらかして突っ走っちゃうんですよね。
で、誤解が解けて想いが通じあうー。
これが、うっとりさせてくれて・・・では無く、爆笑!
の後の、激萌え!
いやもう、告白シーンでこんなに笑っちゃう事ある?
てか、えんちゃん(遠藤)、分かりにくすぎー!
デレが、もう凶悪だよ!!

いやね、最後に遠藤視点のSSがあるんですけど、「うざい」にそんな意味が!?と、びっくりしちゃうんですよ。
ついでに、めちゃくちゃ昴大の事が好きじゃんかよ!と、ニヤニヤしちゃうんですよ。
こういうSS、もう大好きーーー!!

う~ん・・・。
この二人、本当に正反対なんですよね。
相手の気持ちを優先して、常に明るく気遣いし続ける昴大。
人との軋轢も何のその、ストレートに自分を主張する遠藤。
互いが互いの、そんな部分に惹かれあったんだろうなぁと。

ところで、イラストが苑生さんになりますが、めちゃくちゃ美しくてうっとりしました。
そして、修正が甘い!
今回、エロがわりとしっかり書かれてるんですけど、エッチシーンの挿し絵に「おおっ!?」となりましたよ。
キスシーンも美しすぎて、ため息ものですよ。

と、とにかく「片思い」を真っ正面から丁寧に綴った作品。
最高でした。

25

この作品が収納されている本棚

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