両想い、初めての彼氏、初めての愛おしい気持ち。

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表題作ハロー、グリーンデイズ

七星洋司,大学生
御影智,院生

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

植物学専攻の院生・御影は、人見知りで恋に臆病。だけど、強面な後輩・七星の貧乏生活を見かね、ルームシェアを始めることに。見た目と違って優しい彼と過ごす日々を大切に感じはじめた春の日、七星から突然告白される。勇気を出してOKしたものの、お付き合いなんて初めての御影。たくさんの愛情をくれる彼の「恋人」になりたいと奮闘するけれど……。

作品情報

作品名
ハロー、グリーンデイズ
著者
佐久本あゆ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
発売日
ISBN
9784866573373
3.9

(117)

(38)

萌々

(43)

(32)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
14
得点
462
評価数
117
平均
3.9 / 5
神率
32.5%

レビュー投稿数14

温かい気持ちに

人見知りでそもそも人と関わることが苦手な御影。
ゲイだと自覚しているけどからかわれた過去から恋愛にも臆病になっています。
七星にもときめかないようにしているところは可愛くもあり、今までもきっとそうやって自分を抑えたことがあったんだなと思うと少し切なかった。

学会で偶然あった中学の頃の同級生が
「病気みたいなもんだろ」と言ったところ。
反論しなかった御影に拍手を送りたかった!
理解するつもりのない人間に気持ちを伝えても虚しくなるだけだし。
かわりに私が心の中で怒っておきました!笑
その行動をとった御影を支える七星の存在の大きさが窺えるシーンだったなと思いました。

植物に囲まれて生活している様子もほのぼのしていて良かったです。
ほんわかした雰囲気のふたりの恋を見守れてこちらまで温かな気持ちになるようなお話でした。

0

未熟でもいい。ゆっくり育む「思いやり」という名の萌芽。

七星洋司(攻):強面だけど、心優しい大学生。とある出来事をきっかけに、御影を慕っている。
御影智(受):人見知りで、恋に臆病な大学院生。幼い頃から、植物をこよなく愛する。

御影は、中学の卒業式で、同性の同級生に告白しているところを、他の同級生に目撃され、からかわれた経験から、人と付き合うことに臆病になってしまいます。元々、植物が大好きなのもあり、大学院で植物学を学びながら、出来るかぎり、人と関わらない人生を送ってきました。
そんななか、登場したのは、御影がサポートを務めるゼミに加入した大学2年生の七星。190cm近い身長と強面フェイスは、20cm以上低い御影にとって威圧感の塊ですが、見た目とは裏腹に、何かと氣にかけてくれる優しい心の持ち主です。しかし、体格に似合わない質素な食事ぶりや「給料日前で生活がカツカツ」と弱音を吐く七星に、見かねた御影はルームシェアを提案します。人付き合いが苦手な御影には、勇氣のいる決断でしたが、心優しく慕ってくれる七星に、いつしか心地よさを感じるようになります。
そして、半年後。七星から突然告白され、一瞬、返事に戸惑うものの、OKをした御影。人生初のお付き合いが、ここから始まるのです。

御影自身、過去のトラウマとネガティブな性格が相まって、ぐるぐる考え込んでしまうだけでなく、お付き合い自体初めてなので、どうしたらいいかわからず、空回りしてしまいます。そんな御影に、七星はゆっくりと寄り添い、御影のペースに合わせてくれます。決して無理をさせないため、もどかしく感じる御影ですが、それが彼の優しさと理解しているので、ちゃんと応えてあげようと奮闘します。
七星も御影を大事にする背景は、高校時代に経験した挫折にあります。父親の影響で、空手を習っていた七星は、高校でも活躍をするほどの実力を持っていました。しかし、高校2年の終わりの頃、ガラの悪い連中に絡まれ、当時付き合っていた彼女を守ろうと、相手に立ち向かいますが、これが過剰防衛となってしまい、暴力沙汰に。情状酌量はあったものの、2週間の停学、大会の出場辞退、大学の推薦取消の処分。空手を辞めざるを得ないどころか、友人関係は疎遠になり、付き合っていた彼女とは別離。さらには、家族の仲も拗れ、今でも父親には許してもらえないという、どん底に突き落とされてしまいます。大事にしすぎる優しさは「自分は、一歩間違えれば、相手を傷付けてしまう」怖さから来ているものでした。
(あくまで推測ですが、質素な生活をしていたのは、家族からの援助がなく、生活費&学費をバイト代で賄って払うためだったと伺えます)
「高校卒業したら、出来るだけ遠くに行きたい」と考えていた七星は、偶然足を踏み入れた大学のオープンキャンパスで、植物の世話をする御影を見つけます。最初は、素知らぬ感じでしたが、一生懸命植物に話しかける姿を眺めているうちに、感じるものが出てきて、その大学に入るため、受験勉強に励みます。そして、念願だった御影に会うことができたのです。
七星にとって、御影は恋人ですが、新たな道を示してくれた恩人でもあったのです。その経緯を聞いた御影も、嬉しくなって泣きそうになるのが凄くいいんです。ゆっくり育む愛が、ほんと尊い……!

その後、御影がたしかな成長を見せますが、それは、読んでからのお楽しみです。描き下ろしを含めて、心にジーンと来ますから。所々にある植物の知識を含めて癒されますし、何より二人の思いやりが深いので、BL初心者さんにもオススメの一冊です!

1

癒される〜

植物のヒーリング効果が、ここにまで届くような爽やかな作品でした。
pixivで1話だけ読んで、気になっていて、やっと購入しましたよ。
可愛い。ひたすら可愛い。

院生の御影は、中学の卒業式で同級生男子に告白したところを見られて、揶揄われてからというもの、あまりひとと接しないように生きてきた。
植物学を専攻する彼にとって、植物は心を許せる話し相手だったが…。

学部2年で、ゼミに入ってきた七星と知り合って変わります。
2人のサイズの違いがすごい。
189cmで空手をずっとやってきた大柄の七星と、163cmで細っこい御影は、ふつうに並んでいるだけでも相当な大きさの違いがありますが、ベランダで御影が植物と話しているときに、後ろからぬっと七星が顔を出したときの顔の大きさが!
大人と子供ですよ。

最初はコワモテ大柄な七星に、肉食獣の前に飛び出してしまった小動物のように怯えていた御影だけど、行き倒れている七星を心配して一緒に暮らしているうちにときめきモーメントがわんさかと。
同居、良いであります。
生活を共にする+インテリアが癒し=最高。

御影目線で、わりと自虐多めのコミカル。
だけど御影が「一人で生きていく!」と決めるきっかけになった人物との再会があったり、世間が自分のような人間をどう見ているかという問題にも直面するけれど、七星に対して消極的になったり、変に拗らせた考え方にならずに、真っ直ぐに向き合うから、読んでいて気持ち良いんです。

七星の方も良いんですよー。
順風満帆だった七星が、初めての失敗で何もかも失ったとき、言葉も交わしていない御影の姿に救いを見出したというエピソード、ときめきが止まりません。
さらによく「男だから多少乱暴に扱っても平気」というノリがBLでは結構ある中、七星は…、読んで!良いから!ときめくから!

一人で生きていくと決めて、恋愛も、ましてや恋人もいた経験のなかった御影が、少しずつ、誰かと一緒にいることの心地良さ、自分が好意を向けていた相手に好意を返してもらえる喜び、その人のために前へ踏み出そうとする気持ちを覚えていく。
この、少しずつ恋をしていく様子が可愛くて、可愛くて。

癒されます。
ぜひ。

2

初心者にお勧め

大学生の後輩×大学院生の先輩、そして題名にあるように植物が沢山出てくる青々としたお話です
性描写も本編最後と描き下ろしにちらっとある程度のあっさりさで、恋仲になるまでと仲を深めてゆく心の寄り添いが丁寧に和やかに描かれています

攻の七星くんは大きくて強面だけど礼儀正しくて落ち着きのある素直な子です
植物好きの受である御影くんの植物知識にも耳を傾け、ルームシェアの際には植物のお世話も覚え、付き合ってからも強引な仕草がなく、御影くんを大切にしている想いがひしひしと伝わってきます
御影くんは大切にされていると感じる度に頬を赤らめ、撫でられるだけで身体を跳ねさせ、キスをすれば力が抜けてしまう初心さがとても可愛らしいです
この御影くんの反応だけ聞くともどかしすぎるのでは? とも思いかねないのですが、言うところは真っ直ぐ言葉にして伝えているので大人しい印象は強いのにおずおずした態度に苛立つことはありませんでした

終始ほのぼのとした展開ですれ違い的な部分といえば次へ進みたいけれど空回ってしまうことと、七星くんと御影くんそれぞれの過去の話くらい
それもきちんと昇華して慕い合う場面まで繋げてくれるので最終的な心情は穏やかになります

ゆっくりゆっくり進んでいきますがもどかしさは全く感じず、ひたすら応援したくなるばかりです
すっきりしたコマ割りで読みやすく柔らかな清涼感を感じました
緑が豊富な部屋の場面も多いのに背景の抜きが大変お上手で、植物の圧が登場人物に勝ってしまうこともありません

初めて買う方は勿論、和やかな雰囲気を味わいたいならお勧めです

0

緑あふれる優しい作品

最後まで優しい作品でした。
ストーリーはまぁまぁ見る一本道なれど、植物小ネタが登場人物と作品の個性になっていて面白いですし、小ネタ自体も楽しめます。同居展開も、いかにも無茶な流れではなくて、すっと話に入っていきやすい。大学内の描写がもっとあって、かつ研究内容にリアリティがあったりすると更に嬉しいかった。

御影が中学の同級生からかけられた言葉への対応が印象的です。真っ向勝負せず、かといってため込みもせず、受け流すのもまた強さですね。七星が御影を変えてくれたんだな。

先生の「フレンドライン」が何故だかさっぱりハマらず不安でしたが、絵もストーリーもグッと好きになってました。嬉しい発見。この作品もまだまだ膨らますことができそうで、大きくすれ違ったりする2人も見てみたいな〜と。皆さんのレビュー拝見するに続きが読みたい方も多そうですが、いかがでしょう。

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